健さんの
プラモコラム

その319
 HGUC クシャトリヤの巻

 HGUC 1/144
 NZ−666 クシャトリヤ
 「機動戦士ガンダムUC」に登場
2009年10月発売 税別初出価格4500円



 ガンダムUCのMSが、ようやくHGUCに加わりましたね。これまでMGではユニコーンシナンジュが発売されましたが、UCは「ユニコーン」と同時に「ユニバーサルセンチュリー」(宇宙世紀)の略でもあり、HGUCとして発売される事は、単にこのスケールで発売されるという以上におめでたい事なのであります。これで公式年表に加わったと思って良いのかな?(それとも元から公式?)

 このクシャトリヤに続いて、関連MSが続々とキット化される予定の様で、アニメが見られる頃には、それなりの数のMSが手元に揃っているかも知れませんね。小説の完結からアニメ化までの間もプラモが話題を提供し続け、興味を持続させてくれる点は、00のインターバル期間に似ているかも。また、早めにキット展開がスタートすれば、アニメ完結までにより多くのキット化が実現するでしょうから、なかなか良いスケジュールじゃないですかね。では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は、本体・頭蓋・トサカを縦に重ねる構成。側頭部の張り出しは別パーツ化してあります。トサカは中空成形で、頭蓋の上に突き出た芯に被せる事で、後部の形状や厚みを再現しています。

 モノアイは、ドーナツ状のモノアイシールドを仕込んであり、左右に可動。頭部下面が空洞になっていて、下に突き出たツマミで操作します。その時は一旦頭を外す必要が有りますが、トサカに負担をかけない様に、首の軸は若干ユルめに調整しておくと良いかも知れません。



 ボディは、中央ブロックの左右に脇ブロックを貼り付けた、3ユニット構成のフレーム。その上にハッチや前後分割のウエスト、肩のリング、動力パイプ等を組み付けていきます。最後に胸板と背中でハサミ込むので、脇ユニットの接合部が、腕やバインダーの荷重に負ける事は有りません。



 造形的には、曲面にもうちょっと変化が有っても良かったのでは?と思ったんですが、これは連載当初から見慣れたデザイン画と比べた感想だった様です。山形の印象が有った2枚のコクピットカバーは、アニメ設定ではタマゴ形に近くなり、胸のメガ粒子砲につながる盛り上がりの造形も、アニメ設定では整ったカーブに整理されています。肩基部も、デザイン画ではゲルググの様に角ばって見えるんですが、アニメではクインマンサの様なリング状とされている様ですね。手元の資料では、ちょっと確認しづらいんですけど。



 ウエストは、デザイン的には胸から独立していますが、キットでは胸のフレームに外装を被せただけとしてあります。上半身の荷重を考えると、ウエストを独立させたりボール可動を仕込む事は不安定の原因になりますからね。腰との境い目で左右回転する、単純な軸可動とした判断は正しいと思います。

 は、前後分割の腰骨でサイドスカート用のポリキャップをハサミ込んでおき、それをさらに左右貼り合わせのフンドシでハサミ込み。最後に前後からフンドシ外装を被せてあるので、接合部が荷重で外れる事は有りません。



 フンドシ前部のスラスターは、下の2基を一体で成形。パーツも減りますし、2つの位置関係も決まりやすくて良いんじゃないでしょうか。上のスラスターは、クチバシ状のセンターアーマに向かって噴射してる感じに見えるので、もう少し下に向けた配置の方が良かったかも知れません。動力パイプは左右から取り付け。接続口の所でいきなり曲げず、少し直線部分を確保してから曲げる方が、配管部品らしくて良かったかも知れません。

 フロントスカートは、左右独立してボール可動。ポリキャップは無く、フンドシ横の穴に直接差し込んであります。スラスターは、フチと一体成形で裏面からセットし、色分けを再現してあります。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 サイドスカートは、ポリキャップ接続による二軸可動。裏面には単純ながら補強の様なモールドを追加・・・ではなく、コレは本物の補強ですね。改めて見ると、確かにすごいボリュームです。リアスカートは、2枚重ねで裏面を再現。可動は無く、フンドシ後部に固定してあります。



 です。股関節の球体は、ABSを組み合せた軸可動式。最近良く見られる半球の貼り合わせではなく、前後からハサミ込んで閉じ込めたタイプとなっています。根元はフンドシ側からも半球が張り出していて、ダブルボールジョイントの様に見える造形となっています。



 モモは、ヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。ヒザは、ポリキャップを閉じ込めた二重関節となっています。簡単ながら上面にダクトにも見えるディテールが入っていて、ヒザを大きく曲げた時に露出します。

 スネは、左右貼り合わせのフレームパーツに、周囲から動力パイプや外装パーツを貼り付けていく構成。荷重を考えて足首は二重関節にせず、ボール軸までをスネフレームに含めてあります。



肩のバインダーは取り外してあります。

 スネ後部は、可動式のスラスターユニットになっています。上端をポリキャップで接続し、ユニットが丸ごと可動。フィンは別パーツ化してあり、裏面から取り付けます。ヒザの後ろは単独パーツ化され、スネフレーム後部に貼り付け。スラスターユニットの可動部を隠しています。



 ヒザアーマーは正面から成形、別パーツ化してある黒い部分を重ねます。キックする場合のバンパーになる所なので、おそらく実機ではスネフレームに直結してあるんでしょうけど、キットでは左右からフクラハギでハサミ込んで固定してあります。スネ正面アーマーは裏面からハメ込んであり、可動式。ヒザにはスラスターでも仕込んであるのかも知れませんね。



 スネ外装は、フレームを左右から囲ってあります。この時、ヒザ関節もハサミ込み。フクラハギのスラスターは後方からハメ込みます。内側がフクラハギ本体パーツの一部として成形されているので、塗り分けも簡単です。

 足首は、ベースになる足裏パーツにポリキャップをセットして、クツ・カカト・クルブシを被せていく構成。キットでは固定式となっていますが、カカトは動きそうにも見えますね。最後に斜め前から被せる緑のパーツは、サザビーのデザインを取り込んであるのかも知れません。組んでる時はサンダルのヒモみたいにも見えました。



 です。肩関節は、前に引き出せるスイング式。胸脇フレームに上から差し込んであり、バインダーの荷重を意識した構造と思われます。関節パーツは上に折れ曲がる様な形で、上面にスライド金型を使って開孔、そのままバインダー基部となっています。

 肩ブロックは、肩関節を前後からハサミ込んであり、前後面を色分けしてあります。腕を横に大きく上げられる様に軸位置を高めに配置してあるので、肩が脱臼した様な不自然な動きになりますが、これもバインダーの荷重対策を優先した結果。ガンコレのクインマンサでは胸と腕を直結して、その上に肩ブロックを被せていますが、今回それと同じ構造にしてしまうと荷重に負けてポーズが取れなくなるでしょうから。



 そんな中でも、肩関節パーツはギリギリまで外側に膨らませ、腕を上げた時、脇の下にスキマが出来ない様に配慮してあります。肩ブロック前後をつなぐ内部の補強パーツとの干渉を避けつつ、少しでもポーズを自然に見せようと頑張ってる部分で好感が持てますね。それだけに、肩ブロックの外観が、やや単調に感じられるのが惜しい所です。



 上腕は、肩ブロックとヒジをつなぐ芯パーツを左右からハサミ込み。肩ブロックとの間で、ヒネリ可動が可能です。ヒジは二重関節。上腕側・前腕側とも、ABSの関節パーツをハサミ込む構成となっています。

 前腕は、芯パーツを前後から外装でハサミ込み。2本一体の動力パイプを取り付け、3分割の袖で囲んでおいて、最後に甲アーマーを取り付けて完成です。動力パイプは、外装表面に貼り付ける構成ながら、ちゃんと中に繋がっている様に見える、自然なカーブが良い感じ。ヒジ内側の外装は、設定では膨らんだデザインに見えますが、キットではフチ取りの様な表現で、力強さが無くイマイチな印象。袖の装飾はシールが付属しますが、モールドでも再現されているので、塗装で色分けする事も可能です。



 手首は、左右ともリアルな固定式ゲンコツが付属。指の内側には余肉を付けて、ビームサーベルがガタつき無く握れる様に工夫してあります。

 バインダーは、表裏2パーツの貼り合わせ。接続部分にはポリキャップを仕込んでありますが、ハネ上げる可動をアームに任せて、ヒネリのみの一軸可動となっています。MS1体分のボリュームが有るので、荷重を考えれば妥当ですね。表面のメガ粒子砲は2パーツ構成。裏面のバーニアはボール可動式となっています。



 サブアームは、バインダー先端から展開。普段は裏面に折り畳まれています。C字ヒンジの連続でヒネリ可動が無いため、可動箇所が多い割に動きは単調かも。もっとも、外れにくい・ダレにくい事を考えれば、これ以上の動きはバインダー自体を動かして対応するのが正解なのでしょうね。(実機ではそうは思いませんけどね。サブアームのためにバインダーを動かせば、その都度AMBACが働いてしまいます。)



 サブアーム先端のクローは、レールで伸縮する引き出し式。外装と動力パイプの間がレールになっています。ビームサーベルも内蔵されているという事なので、ピンバイスで穴を開けて、他キットのビーム刃を取り付けられる様にしても面白いかも知れません。クローにハメ込む透明なジョイントパーツを付属させて、そこにビーム刃を差し込むなんていう再現方法でも良かったかも。



 肩とバインダーをつなぐ可動アームは、全てABSパーツの組み合わせ。ヒンジのキツさに頼らず、外装同士が噛み合う、関節パーツがぶつかるといった方法で、一定以上下に曲がらない対策が取ってあり、ヘタる心配が有りません。もっとも、ヒンジのキツさだけでも相当な保持力が有りますが。先端部の関節だけはユルユルで、スライド式のストッパーで関節位置をロックする方式。つまり固定できる位置が決められています。ロック出来る位置が分かる様に印がモールドされているんですが、このモールドとか、スライドストッパーのツマミは、もうちょっとメカっぽい形にしてあっても良かったかも。



 武装です。ファンネルはワンパーツ成形で、合計24基が付属。片面にスリットを入れ、バインダー裏の突起にハメ込んで固定します。これだけ大きいのなら、数個分だけでも、スリットを塞ぐパーツが付属してても良かったかも。先端のビーム砲口は開孔してあります。また、砲身の内側はスリット内部から穴を開けてあり、出来るだけ空洞にする事でヒケによる変形を防いでいる様です。射出シーンを再現したい時には、この穴またはスリットを利用すると良いかも。サイズはMGキュベレイのファンネルよりも大きく、機体全高が小型化されながらもクインマンサのスペックを維持しているという解説にも納得です。



バインダーの代わりに、ビットMSとして1/100ガンダムを装備してみました。(ガンダムの種類によってはピンの差し込みが浅くなる物もあり、抜けると転倒破損する恐れがあるので、絶対に真似しないで下さい。)

 ビームサーベルは、クリアーグリーンのビーム刃が付属します。説明書にある劇中シーン(プロモーション映像?)では2本のビームの色が異なり、片方がピンクになっていて面白いですね。他キットから拝借して再現してみるのも良いでしょう。手首に収納された状態でビームガンとしても使えるそうですが、キットでは収納は再現されていません。



 組立時間は2時間10分でした。クインマンサのデザインを基本としながらも、バインダーを4枚にする事でキュベレイのイメージも同時に持たせ、ノイエジールの様なサブアームも装備、ついでにバインダーの広げ方によってはラフレシアにも似て見えますね。あまりのボリュームに圧倒されますが、トサカを含まない全高を測ると、スケールは正確な様です。ゲーマルクドーベンウルフと同等のサイズという事で、過去のサイコミュ搭載MSのサイズに合わせて決められたんじゃないでしょうか。



HGUCザク(左)、HGUCギラドーガ(右)との比較。

 展示スペースの参考までにMGキュベレイと比べてみると、MGキュベレイが幅30センチ。このクシャトリヤは、アームの角度にも拠りますが、バインダーをハネ上げると40センチ程度となります。幅というより、直径が40センチと思った方が良いでしょう。フンドシ下のフタパーツを外し、ジョイントパーツをセットすれば別売のアクションベースにも対応しますが、ジョイントは支柱先端ではなく、支柱の角度調節部分を取っ払ってセット。つまり展示角度は支柱の根元だけで調節する仕様です。重量級キットならではといった感じですね。


 おまけ




 先日からセブンイレブンで行われているガンダム関連のフェアでは、限定アイテムの一つとしてガンプラも発売されてますね。セブンイレブンカラーのHGガンダムVer.G30thを買ってみたので、紹介したいと思います。基本的には先に発売されたVer.G30thの色替え。通常版を扱っている店舗もあるので、家族・友人に買ってきてもらおうという人は、コレジャナイガンダムにならないよう注意が必要です(笑)。



 ボディカラーは、セブンイレブンのマークに使われている色に合わせて、胸の青を緑に変更。赤と黄も、色味の異なる物が使われています。また、新規の要素として、マーキングシールが新たに付属。セブンイレブンのマークに目が行きがちですが、各部に追加されたラインに、リアルタイプやMSVに熱くなった直撃世代のハートを刺激されたりしたりして。ちなみに値段は税別で100円アップしてますから、シール以外のオマケも有って良かったかな?簡単なペーパークラフトの同スケール・セブンイレブンとか。



 武装は、ビームライフル、ビームサーベル(2本+使用状態の物1本)、シールド、ハイパーバズーカ、ガンダムハンマーと、通常版と同等の物が付属します。ところでこの人、いったい誰と戦ってるんでしょうね。やはりライバルのコンビニと?個人的には、ガンダム対マクロスとか言いながら、某コンビニ限定メサイアと協力して新たな敵と戦う展開を希望(笑)。コンビニを舞台にドラマを妄想するのも良いですね。「店舗を任されたからには貴様は名ば店長なのだ!この店を守る義務がある!」(そのネタやめなさいって!)



 初めて見た時には、初代ガンダムがフェイズシフトした様で不思議な感じがしましたが、こんな形で色んな企業をイメージしたガンダムを想像してみるのも楽しいですね。過去には「誰々専用ガンダム」とか「ネオ○○国のガンダム」みたいな楽しみ方もされてきた訳ですし。どうですJRさん、これを機会に踏切戦士シャダーンを公式化してみるとか・・・。

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 2009.11.14 健 竹史

  

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