健さんの その253 HG ガンダムナドレの巻 (HG 1/144 ガンダムナドレ/ 後半パワーアップというのは良く聞きますが、後半パワーダウンというのは珍しいパターンじゃないでしょうか。トランザムの能力が加わっているとは言え、他のガンダムを圧倒するトライアルシステムを封じられ(おかげでサーシェスが大暴れ)、ヴァーチェの増加装甲も使えず、軽装で最終決戦に臨むナドレ。でもドラマ的には、そっちの方が燃えました。自分をさらけ出したティエリアを象徴するかの様で。さてキットは、1/100発売時には未登場だった、ナドレ専用武装を加えての発売であります。では、さっそく本題に参りましょう。
頭部は、左右分割のヘルメットに、マスクと合成ゴム製の髪の毛(ケーブル)をハサミ込む構成。後ろ髪はワンパーツ成形、頬の横から出ている髪は、内側からマスクで押さえ込んであります。マスクは、目とアゴを別パーツ化。目の周囲が赤くないので白で成形し、アゴの色分けはシールで対応しています。側頭部のレンズにはクリアーパーツを使用、今回も各部レンズの下に貼り込むシールが用意されています。後頭部のグレーのパーツはコの字形をしていて、ヘルメットを左右から押さえる配置となっています。 首はABSパーツで、前後に可動。上に大きく引き出せるんですが、髪の干渉を軽減する、あるいは髪を振り乱して大胆なポーズを付ける狙いがあるのだろうと思います。オススメは、首を引き出してうつむくポーズですね。後ろ髪がハネ上がって躍動感が出ます。説明書のポーズ集ではゴム素材の柔らかさを利用して、髪を腕やGNドライブに引っ掛け、より大きく動きを付けています。参考にされると良いですよ。
ボディです。(本当は)ヘルメット下から出ている髪は、ボディ上面にハサミ込んであります。胸両脇のユニットは前方向への引き出しに特化。引き出した時に見えるジョイントは、メカっぽく見える様に処理してあります。胸部ダクトは色分けされていますが、パーツが小さく持ちにくいので、紛失しない様に注意しましょう。内箱の上などで作業をすれば、落とした時に安心です。 胸のレンズにはクリアーパーツを使用。GNバズーカとの接続に必要なコクピットハッチの開閉は無く、今回は固定式となっています。ウエストは胸と同色のため、胸と一体成形。腰との接続部は360度回転でき、引き出せば前後スイングも可能です。背中のGNドライブは、下に垂れた部分の裏側を肉抜きする事で、ワンパーツ成形してあります。 腰は、ABSのフンドシフレームに股関節軸を組み付け、前後から外装パーツでハサミ込む構成。股関節軸は左右の脚を一直線につなぐタイプで、中心がボール接続になっていてスイングします。スカートが無いため、他のガンダム以上に脚が広範囲に可動。丸見えになる股関節軸には細かなモールドを入れてメカっぽく処理してあります。 脚です。モモは左右貼り合せ。前面ケーブルの端に合わせて分割ラインを通してあります。ヒザは、スライド金型を使って関節パーツを箱状にワンパーツ成形。上側はモモにハサミ込んで可動、下側はスネの丸モールドにハサミ込んで固定します。スネにはフレームを内蔵、丸モールド部分でも曲がる構造はエクシアと同じですね。外装は左右とヒザアーマーの3分割です。 ヒザアーマーはサーベルラックになっているという設定で、HGヴァーチェでも収納ギミックが再現されていましたが、今回は省略。ヒザの裏面や上面は、スネフレームパーツで完全にフタをされています。今回はヴァーチェよりもはるかに大胆なポーズが取れるため、サーベルがグラついたり外れたりする不安要素を排除した方が良いという判断なのでしょう。上面にはサーベルの取り出し穴らしい表現が施されています。 足首関節は、上側がポリキャップによる前後スイング、下側がボールジョイントになっています。足首カバー等の干渉物が全くないため、とても広範囲に可動。特に左右の接地性の良さは抜群です。 足首は、ポリキャップをハサミ込んでの上下貼り合せ。前半はクツ底の部分で分割、カカトは下側のパーツと一体成形され、接着ラインが見えるのは土踏まず付近だけとなっています。
肩アーマーは、肩ブロックを前後からハサミ込み。分割ラインは上面ディテールに沿わせてあり、目立たなくなっています。肩ブロックとの取付軸は、HGヴァーチェと不揃いになっています。ヴァーチェとナドレをニコイチして、アーマーの着脱を再現しようと思っている人もおられると思いますが、こういう所の規格が統一してあれば、「部分的には差し替えでもいいや」という人に親切だと思うんですが。
腕です。肩関節軸は上側にスイング可能。胸両脇ユニットを前にスイングしていれば、さらに大きく上げる事が出来ます。上腕は筒状にワンパーツ成形。ヒジ関節パーツは2パーツ貼り合せ。ケーブルはプラ製で、ヒジ関節に貼り付けてあります。色分けされている上、上端の接続部分も自然な形に仕上がっていて、HGヴァーチェの時よりも完成度が高くなっています。
前腕は、ヒジ関節をハサミ込んでの左右貼り合せ。手首関節周辺はエクシアよりも細いため、ポリキャップもABS軸受も使わず、前腕パーツのクボミに直接手首の軸をハメ込む構成になっています。ハードポイントの端に合わせて分割するため若干のディテール追加が有り。ヒジ横のレンズにはクリアーパーツを使用しています。 手首は、左右の穴開きゲンコツと、左の平手が付属します。トライアルシステムという、丸腰で敵を圧倒する見せ場が有るんですから、両手とも平手が有ると嬉しかったですね。 武装です。GNビームライフルは、2パーツ貼り合せの本体にフォアグリップを取り付ける構成。センサー面の色分けはシールで対応しています。分割ラインはセンサーのフチを通して有りますが、金型の分割ラインがド真ん中を通っていますから、塗装する人は事前にペーパーがけをしてやりましょう。センサーが出っ張っているデザインなので、たぶん避けられなかったのだろうと思います。 GNビームライフルにはビーム刃が付属し、サーベルの様に使う事も可能です。ハメ込み部分は銃口を上下からハサミ込むため細い二股になっています。うっかり折り曲げない様、慎重に着脱しましょう。 GNシールドは表裏2パーツの貼り合せ。裏面パーツはABS製で、腕へのアダプターはポリキャップを使わずに接続しています。そのため裏面の取り付け穴付近がスリムで、ポリキャップを使ったキットよりカッコイイ印象に思えます。表面下側は赤の指定なんですが、ここの色分けはシールで再現。パーツ分割で色分けしてあれば嬉しかったんですが、軽量化を考えれば好都合かも?ともかく、髪以外に赤いパーツが無いことに驚きました。 GNビームサーベルは、HGヴァーチェと同等の物が2本付属。クリアーのビーム刃も付属します。ちなみに、ライフルのビーム刃が含まれるSB−10ランナーは、サーベルのビーム刃SB−9の延長として成形されています。ナドレ用ランナーとして設計されたため、ナドレとヴァーチェにしか付属させない流れになったのかな?なんて思ったりしました。 この他、HGヴァーチェに付属するGNキャノンを持たせる事が出来ます。腕のコネクターを使っていない所を見ると、普段からある程度エネルギーをチャージしてあるんでしょうか?
飾り台は付属しませんが、フンドシ下のフタパーツを取り外せば、別売りのアクションベースに対応します。スカートが無いのでフタを取り外しやすくて助かりますが、そのぶんフタを紛失すると大変目立ちます。失くさない様に注意しましょう。 組立時間は約1時間でした。スリムなデザインで、立体化した時に良く動くダブルオーシリーズの中でも、特に良く動いてくれるキットです。髪の毛を使って動きを演出するのも思ったより楽しく、効果的でした。ポーズをつけるのが楽しいという人には特にオススメですね。股関節軸が自由可動するだけでなく、腰骨が1/100よりも急角度にしてある等、可動のための工夫も見られます。プロポーション的にもモモの長さ、スネ後部のライン、ヒジ横の張り出し等、人体の美しさをより意識したらしい細かな改善が有り、眺めても楽しめるキットだと思いますよ。 部分塗装で製作してみました。 おまけ |