健さんの
プラモコラム


その229
 HG ガンダムデュナメスの巻

(HG 1/144 ガンダムデュナメス/
 GN−002 ガンダムデュナメス/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場)



 淡々と作戦をこなすイメージが強いガンダムマイスター達の中で(最近そうでもなくなってきたかな?)、戦闘中もハロを同行させて喋ってるロックオンは貴重ですよね。ひとり言でも通信でもない「会話」が入ると、戦闘シーンも俄然面白くなります。レイズナーではパートナーが機体の中にプログラムとして組み込まれて姿が見えず、FSSのファティマは二人乗りの印象。マスコットロボを乗せるというのはその中間かな?適度に機械的で、適度に人間味があって、良い感じの演出ですね。では、デュナメスのキットに目を通していきましょう。



 頭部は、顔とアンテナを左右分割のヘルメットでハサミ込む構成。側頭部のカバーは別パーツのため、目とアゴの赤いパーツだけヘルメットにハサミ込んでおけば、マスクは正面から後ハメ可能です。頭頂部カバーも別パーツ化されていて、接着ラインは後頭部だけ真ん中を通っています。

 アンテナは、精密射撃用カメラと一体成形。軸可動で下がってツインアイ(目)を隠し、同時にチョンマゲの奥のカメラが下がって正面を向きます。カメラは最初から半分見えてるんですけど、こういったモードチェンジは面白いですね。ギミックは単純で動く部分は僅かでも、シチュエーションの表現として優れていると思います。ツインアイは接近戦には適していても、精密射撃には不均一な屈折の起こらない丸レンズのカメラが適していると前々から思ってました。説得力のある設定だと思います。



 ボディは前後分割で、胸両脇のユニットを組んでおいてからハサミ込みます。例によって胸両脇にはスイング機構が仕込んでありますが、今回はポリキャップによる軸可動で、背中側が割れる感じで前方向にだけ引き出せる様になっています。他のガンダムと同じ機構のハズが、機体ごとに適したギミックを組み込み、適した可動にアレンジしてありますね。



 は、太陽炉のクリアーパーツコクピットハッチを取り付け、胸中央と腹中央のアーマーを被せます。背中のコブはボディと一体成形で、背面装甲パーツの真ん中から突き出る様な構成。ウエストは、若干の前後スイングと、360度の回転が可能です。

 です。フロントスカートは左右一体で可動、切り離せばボールジョイントで独立可動させる事も出来ます。いつの間にかミサイルが仕込んである事になってて驚きましたが、HGのキットをよく見ると、FGには無かったヒンジのモールドが、さりげなく追加されてますね。設定を小出しにしているのか、途中で追加された設定を設計に反映したのか、興味がある所です。



 腰後部にリアスカートは無く、代わりに推進ユニットが装備されています。フンドシの後部が張り出していて、そこにボールジョイントで接続してあり、少し引き出すと可動範囲が拡大しますよ。ユニットは左右分割式で、スラスター(?)はハサミ込んであります。このユニットを外して、足を4本にしたら面白いんじゃないかな?と思ったんですが、ボールジョイントの直径は股関節と一致してませんでした。FGとも一致せず。非常に残念です。(手軽に造出来るでしょうけどね。)

 ところで、推進ユニットが背中ではなく腰に付いているというのは、射撃精度を高めるためなんでしょうか?サーベルでの斬り合いでも同じ事ですが、バックパックが背中に付いているMSが、狙いを定める度、斬りかかる度に上半身を振り回し、バックパックの向きが変わったら、ジグザグ飛行してしまう気もしますね。ターンエーの様に下半身が推進力を担当するというのは、攻撃精度が高くなる良い設計ではないかと思ったりします。



 です。モモはヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合せ。フクラハギ横に丸モールドが無いので分かりにくいですが、ヒザ下側にはエクシアと同じ大きなドラムが仕込んであり、ここでも回転する二重関節になっています。

 スネは、足首後部アーマーと一体の左右分割。ヒザアーマーは別パーツ化されていて、前から取り付けます。正面からの成形のため、緑とグレーの色分け部分はスジ彫りではなく、段差で表現されています。HGではグレー部分が凸。FGは横からの成形で、グレー部分が凹となっています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 足首前部アーマーは可動式。スネを組む時にハサミ込んでやります。

 足首は、クツに足の甲を埋め込む感じで縦に重ねた構成。クツのツマ先とカカトは、足裏でつながったワンパーツ成形です。クルブシの辺りのメカ部分は、設定では一段引っ込んでいる様に見えますが、キットでは逆に一段出っ張っています。これはポリキャップを仕込む都合で、幅が必要だったためのアレンジの様です。



 肩アーマーは前後分割。上面には前後に可動するジョイントパーツが有り、シールドやライフルをマウント出来る様になっています。スライド金型を使ったABS製で、普段はロックされていますが、横に一段引き出せば前後に旋回します。

 ジョイントパーツ前後のスリットは設定では1箇所ですが、キットではシールド用・ライフル用の2箇所となっています。それぞれ、より自然な位置にマウントするためでしょうが、厚肉になるのを避ける意味も有るのかな?理由はともかく、元デザイン以上の拡張性を持ってるいると言えるかも知れませんね。



 です。肩関節軸は、胸脇ユニットのスイングとは別に上方向にスイング。射撃ポーズの緊張感が高まりますし、上空を狙うボーズや、地面に伏せての射撃ポーズで有効なスイングでもあります。上腕はデザイン上では継ぎ目は有りませんが、ヒジ関節の上でヒネリ可動。筒状にワンパーツ成形されたヒジ関節パーツに合成ゴムのケーブルを取り付け、上腕パーツを被せてから、前後分割の肩ブロックでハサミ込みます。デザインはキュリオスと似ていますが、構成を変えたのは肩アーマー内部が丸見えのデザインだからでしょうか。



 前腕は、ヒジ関節をハサミ込んでの左右貼り合せ。手首に角度が付いたデザインですが、ライフルを両手持ちさせるには角度が付いてない方が自由度が高くて都合が良いケースが多いもの。キットでは手首がボール可動するのとは別に、関節基部がスイング出来る様になっています。ヒジ横の丸モールドにはクリアーパーツを使用。ケーブルは前腕を組み立てた後で差し込む事も可能です。



 手首は、左右の穴開きゲンコツと、左の平手が付属します。ライフルを構える時は、ゲンコツでフォアグリップを握っても、下から平手を添えても良い様です。

 武装です。GNスナイパーライフルは、フォアグリップが折り畳み可能。本体はスコープも含めて左右分割ですか、分割ラインはセンサー部のフチを通してあります。砲口は別パーツ化。バイポッド(ニ脚)は、畳んだ状態と展開した状態を差し替えで再現。なぜか展開した状態の物は白で成形してあります。後部には腕のハードポイントに噛み合う位置に突起が設けてあります。ハメ込む指示は有りませんしキツくも無いんですが、ここからエネルギーを供給してるという設定なんでしょうね。



 手に持たせるだけでなく、未使用状態も再現可能。この場合はフォアフリップを折り畳み、肩ジョイントのスリットにマウントしてやります。このままフルシールドで前面を覆う事も可能です。

 GNビームサーベルは、腰部推進ユニットの横に、半分埋まる様に装備しています。実機ではエクシアの様に、取り出し時にヒンジで起き上がるんでしょうか?ビーム刃は付属していませんが、HGヴァーチェに付属の物を流用する事が出来ます。



 GNシールドは、肩のジョイントに装着して使用。ジョイントが前後に旋回して向きを変えられる他、ヒンジ部分でも可動します。軽装時にはジョイントの横にヒンジのピンで取り付けますが、横にGNフルシールドを装備する時には、ヒンジパーツを90度回転し、ジョイント前後のスリットに上から差し込みます。



ちょっと分かりにくいですが、右肩に1枚、左肩に3枚のシールドを取り付けてみました。キット2体分を使えば、もっと色々な組み合わせを楽しめそうですね。

 GNフルシールドも、同じく肩のジョイントに装着して使用。こちらの取付方法はピンのみとなっています。構造は3枚のプレートヒンジで連結された単純な物ですが、一部だけを開いて射撃ポーズを取れる様、配置や分割は良く考えられていますね。軽装時のデザインだけ見た時は、「胸のネクタイと股間の蝶ネクタイは何なんだろう?」と思ったものですが、前面を覆った時に、フルシールドの形とピッタリ噛み合う様になっていたんですね。しかも閉じた状態で乗降も可能なデザインになっています。



HGヴァーチェのビーム刃を流用可能。このキットにはビーム刃は含まれていません。

 GNビームピストルは、残念ながら今回は付属せず・・・いや、バンダイの工場を出る時に、投げ捨てて来たんでしょう(笑)。

 飾り台は付属しませんが、フンドシ下のフタパーツを外せば、別売のアクションベースが利用可能です。HGエクシア同様、ツメを引っ掛けて外しやすいフタパーツとなっています。



FGデュナメス(右)との比較。HGの方が前腕やスネ下端がスリムに造形されています。以前はポリキャップの制約からHGの方が太くなるケースが有りましたが、ABS関節の導入やポリキャップの廃止でスリムな造形も可能になってきた様です。FGの方がクツ幅が広くなっていますが、これは制約ではなく、造形の違いによるものの様です。

 組立時間は1時間10分でした。ヴァーチェの様な大火力のガンダムは過去の作品にも登場しましたが、射撃精度を売り物にしたガンダムは珍しいんじゃないでしょうか。ジムスナイパーウイングゼロウイングゼロカスタム等の活躍で、ようやく精密射撃に特化したMSが主役級として登場する様になって来たのかな?などと思うのでありました。



 漠然とポーズを取らせるのではなく、攻撃、防御といったシチュエーションを表現しやすい装備を持ったMSのため、遊び甲斐のあるキットになっていると思いますよ。


 おまけ


 FGガンダムデュナメスを、併せて紹介しておきましょう。頭部は顔をはさんで左右貼り合せ。アンテナの下には、精密射撃用カメラをモールドで表現してあります。アンテナで隠れる上に、ハメ込み穴と分割ラインでほとんど分からなくなっていますが、こんな細かい所まで再現し、シールも用意してあるとは、侮れませんね。



 ボディは前後分割。フロントスカートも一体成形されていますが、前だけにスカートが付いたデザインは珍しいため、頭を前後逆に取付け、しばらく気付きませんでした(笑)。エリのアンテナは別パーツ化。胸両脇のユニットは前後可動しますが、胸本体の噛み合わせは、エクシアやキュリオスと異なり上側に設けられています。



 腰は、推進ユニットを上・下・内部メカの3分割で再現。左右一体成形で無可動となっていますが、こういうメカっぽい所を省略してないのは嬉しいですね。側面にはビームサーベルも一体成形で再現してあります。

 脚は、モモ・スネとも左右分割で、ヒザには後ハメ可能なポリキャップを仕込んであります。ポリキャップ自体はFGシリーズ共通ですが、キュリオスとは付き方が上下逆になっています。モモ側とスネ側、どちらに可動軸を配置した方が外観を損ねないか、機体ごとに検討して使い方を変えてある様ですね。足首アーマーは前後ともスネと一体成形のため無可動となっています。



 足首はワンパーツ成形。クルブシ付近を一段引っ込め、HGよりも設定に近い面構成になっています。ポリパーツが変わればスペースの制約も変わってくるという一例ですね。

 肩アーマーは前後貼り合せ式で、上面のジョイントも一体成形。前後のスリットは1箇所で、HGよりも設定に忠実です。上腕は、ヒジがケーブルと一体成形で。内側は塗り分けしづらいかも。前腕と手首は一体成形で、左側の手首は手の甲が前を向いています。これはライフルを両手持ちさせるためですが、ビームピストルが付属していたら、最近流行の横向きに構えさせる事が出来て、面白かったかも知れませんね。普段は招きネコみたいでカワイイです。喜んでいいのか分かりませんが。



 武装です。GNスナイパーライフルは左右貼り合せの構成で、フォアグリップの折り畳みを差し替えで再現しています。使用状態では、フォアグリップに若干角度が付く様になっていて、可動しない手首でも両手で構えやすくなっています。バイポッドは畳んだ状態で固定。銃身との間が余剰部分でつながっているのは、低年齢ユーザーを意識した破損防止でしょう。サイズはHGの物と同等。前から差し込む方式で肩にマウントする事も可能です。



 GNシールドは、左肩の1枚のみ付属。可動しない代わりにヒンジ部分にスキが有りません。厚みはHGよりも厚く、モールドもクッキリしているので、HGよりもこちらの方が好きという人も少なくないかも知れません。組立時間は20分でした。

2007.12.15 健 竹史


  

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