健さんの
プラモコラム

その96
1/100ブリッツガンダムの巻

( 1/100 ブリッツガンダム/ バンダイ/
GAT−X207 ブリッツガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 ついに!初期5体のガンダムが勢揃いしました。番組終了後になってしまいましたが、揃った事を、素直に喜びたいですね。番組が終わったら新製品の開発が終わってしまうのは、人気が下がるからというよりも、「次の番組の商品を開発しなくてはいけないから」という都合が大きいんでしょうね。人気が高かったSEEDの後に、すぐ次のガンダム作品が控えていなかったのはラッキーだったかも。新作アニメの展開は、散発的な方がユーザーには有り難いと言えるかも。SEED関連キットが全部発売されるまで、がんばってくれよ〜「鋼の錬金術師」!(好きなんですよ、アレ。)では、キットを見ていきましょう。



 頭部です。HGと比べると、アンテナの位置が、より設定に近くなりました。頭頂部カメラよりもアンテナが後ろに位置するのが正しい様ですが、HGではアンテナパーツの強度の問題も有ったんでしょうね。アンテナ裏には、大きな肉抜きが有るので、塞いでやりたい所です。頭頂部カメラの内側は、赤く色分け済み。アゴのシャープさも強調されました。目はクリアパーツではなく、周囲ごと赤パーツで再現。他のガンダムよりも奥目なので、色分けしても効果的でないという判断でしょうか?

 は、ボディと一体成形で、後ろ側は肉抜きされています。目立ちにくい部分ですが、気になる人はエポパテで埋めておくと良いでしょう。

 ボディです。肩の前後可動ギミックは今回も無し。両手持ちの武器は装備してませんが、ポーズの幅が広がるので、出来れば採用して欲しかったですね。胸中央の赤い部分(センサー?)は別パーツで、表からハメ込みます。裏側(黒のボディパーツ)は空洞になっているので分解しやすく、「また今度塗装する派」には親切な構成です。肩上(背中のスラスターにつながる部分)は、HGでは胸側と一体でしたが、今回は背中側と一体。金型パーティングラインの都合は一長一短ありますが、胸板上面の赤パーツを抜けにくくするのに役立っている様です。

 ウエストは左右分割の構成で、下側は空洞になっています。中のポリキャップが可動するので、ちょっと接続部を引き出してやれば前後スイングが可能です。HGUCガンダムの構造に似ていますが、あっちは(ラストシューティングを意識した)左右スイングでしたね。今回の可動は、ブリッツに適したスイング方向だと思います。ウエストの分割も、可動に合わせて決められたんでしょうけど、側面に分割ラインが出ないというメリットも有りますね。ウエスト内部には、引き出した時のスキマを隠すパーツが仕込んであります。



 は、前面のスラスター(?)を別パーツ化して、色分けを再現。内側には、HGには無かったディテールも追加されています。フロントスカート等にはセンサー風のディテールが追加されていますし、1/100ストライクとのデザイン面の統一感は、今回もちゃんと守られていますね。

 は、横から見た時に、モモとスネのスキマが広すぎる気がしますね。他の1/100モデルと比べても広い感じですが、可動のためのクリアランスとしても、ここまでのスキマは不要です。あまり気にならない部分とは思いますけど。スネの色分けは、赤や紫も設定通りに配色され、HGよりも格段にカラフルになりました。特に紫は、HGではグレーで代用されてましたからね。

 足首は、HGアストレイの様に、クツの中から関節を引き出す事が可能です。軸位置がツマ先に近い事もあって、MGグフにも似た印象ですね。(今月は足首の強化月間なのであります。)ただ、このギミックの影響なのか、土踏まずの無い足裏に、デザインがアレンジされています。兄弟機であるストライク等との共通性は高くなってますが、設定通りのブリッツも欲しかったですね。(MGに期待?)ただ、単純にツマ先が可動していたHGよりも、踏み込んだポーズでの足首カバーの開きが小さくて済み、より自然な印象になる点には注目したいですね。



1/100(上)とHG(下)の比較。右足首アーマーの開き具合と、ボディカラーの違いに注目!

 クルブシは、土踏まずが無くなった事で大きな影響を受けた部分です。HGでは、クルブシのスラスターは土踏まず(足首メカ部)横に固定されていましたが、今回はスネの下にぶら下がっている構成。開脚時には、足首側面に押されて移動する仕組みです。もしMGが出るなら、足首関節はビス止めのABSパーツでスリム化して、引出しギミックは残し、クルブシへの影響を最小限にしては?と思います。それで少しの可動で済む様になれば、MGダブルゼータのスネサイドアーマーの様に、グレーのフレームごと可動させるのもアリかなー?と思うんですけど、どうでしょう?

 足首は前後・左右・ヒネリとも良く動くんですが、股関節が左右にあまり開きません。でもパッケージの写真では、脚を左右に大きく踏ん張って、グレイプニールの発射ポーズがカッコ良く決まっているんですよね。どうやら股関節を引出し気味にすると、脚を大きく開ける様です。説明書には載っていませんが、もし狙って設計しているのなら、説明が欲しい部分ですね。パッケージの写真も、「脚を前後に開いて足首をネジり、強引に開脚してる様に見せてるのかな?」と、しばらく思い込んでましたからね。

グレイプニール発射ポーズ。股関節を引き出す(モモを外側にズラす感じで)と、ここまで開脚が可能です。

 ところで引出しをアテにした軸位置設計のためなのか、気のせいなのか分かりませんが、股の間が広く感じました。だいぶ目が慣れて、気にならなくなってきましたけど、足を揃えると、O脚の様な印象です。Gガン立ち(忍者だから、ボルフォッグ立ち?)が、あまりサマにならなくて、ちょっぴり残念。・・・まぁ、劇中にそんなシーンは有りませんけどね。

ちなみに、股関節を引き出さなければ、ここまでの開脚が限界です。

 肩アーマーは、HGよりもエッジがシャープになり、グレーの部分が色分けされました。これがフレームだとすると、内側もグレーに塗ってやっても良いかも知れませんね。このグレー部分、HGでは先細りになった肩アーマーの表面ディテールに過ぎないような外観で、下から見ると前後のフレームがハの字になっていたんですが、今回は平行に配置されました。レールの様なフレームに、肩アーマーをスライドさせてハメ合わせてあるのかな?なんて、想像をかき立ててくれますね。

 です。上腕はおなじみの筒構造。前腕は、前後分割の構成になりました。HGは左右分割のためにディテールが犠牲になっていましたが、今回は前腕内部に、ポリキャップ用の軸受けパーツを別に仕込む事で、ディテールを損ねない方向からの分割を可能にしてあるんですね。ところで左腕にだけ丸モールドが入っているのは、グレイプニールのワイヤー巻き取り機構なんでしょうか?

 手首は、武器持ち用の右手と、左の平手が付属します。平手はイージスガンダムの物に似ていますが、わずかに違いが有りますね。グレイプニール発射ポーズ用に、ちょっと親指に力を込めてみました、とか?欲を言えば、ランサーダートを持った手が欲しかったんですけどね。

 バックパックは、各スラスター間のスキマが強調され、HGの時よりも、個別のユニットの様な印象が際立った感じがします。中央のスラスターと、それを囲うフレームの間にもスキマが設けられ、可動しそうに見えますし。両肩から伸びるスラスターカバーは、肩アーマー同様、HGよりも尖った形状になっています。

 武装です。右腕の攻盾システム「トリケロス」は、赤い部分が色分けされ、より劇中の印象に近づきました。表面の四角い部分は、HGでは凹みでしたが、今回は凸。どうやら凸の方が正しいようです。強引に「ここはバッテリーカートリッジで、HGはカートリッジを外してあるんだ」などとも考えてみたんですが、カートリッジらしき物は、ビームライフル後部に付いていますね。それを保護するために、カートリッジ横だけ表面装甲が厚くしてあるのかな?

 ビームライフルは、スコープに加え、銃口も色分けされました。HGよりもディテールが丁寧に彫刻され、実感が高まったように思います。ライフルとシールドの境い目を意識したパーツ分割になり、スコープがライフルの中心線上に位置するなど、ずいぶん良くなっています。スケールが上がった分、シールドが厚くなって、裏は肉抜きされてしまいましたけど。

 ビームサーベルは、クリアーのビーム刃が付属します。サーベルだけの、毎度おなじみのランナーを採用しても良かったと思うんですが、1本余るのを避けるためなのか、多色成形ランナーの中に、1本だけ配置してあります。ランサーダートは、3本とも着脱が可能。固定用の突起が付いているのが気になるという人もおられるでしょうが、シールドにセットした時に、位置がキレイに決まります。手に持たせるには、ちょっと細く、安定して握らせるのは難しいみたいです。

グレイプニール用の飾り台。ブリッツの肩の高さに合わせてあるので、かなり大きな物になっています。グレイプニール下の安定翼(?)の幅にハサミ込む様に取り付けるので、ガタつきは有りません。こんな飾り台が、ソードストライクにも欲しかったですね。

 ピアサーロック「グレイプニール」は、ツメの開閉が可能になりました。バーニアは開き気味に配置され、HGよりも、それらしくなった気がします。どちらも間違いではなく、実機では可動式なんでしょうけどね。発射状態で飾れる様に、グレイプニール用の飾り台が付属します。ワイヤーはリード線で再現してあり、装備用のピンと差し替えて使います。ワイヤーの色は黄色が正しい様で、キットにも黄色いリード線が付属します。

 オマケに、ニコル君のフィギュアが付属します。クルーゼ隊最年少という事で、他のキャラよりも若干身長は低く、体格はずいぶん細身に造形されています。

ニコル君(写真右)と、イージス付属のアスラン(写真左)の比較。足の太さ、肩幅など、かなり細身に作られています。

 組立時間は、1時間35分でした。尖るべき所が、しっかり尖って、なかなかカッコ良いブリッツに仕上がってると思います。紫が増えた分、色分けも充実しましたが、HGでは紺だった本体色が黒に変更され、いっそう印象が違って見えますね。あと、ミラージュコロイドをイメージしたクリアーキットを発売しても良いかなー?なんて思うんですが(って言うか出して欲しいんですケド)アンダーゲートでは有りませんでした。残念!



おまけ

 ちょっと遅くなってしまいましたが、1/144フリーダム発売時のキャンペーンで貰えた(いや、購入できた)、スペシャルキット3点を紹介しておきましょう。



 値段的には一番オトクだった、ランチャーストライクガンダム。どのキットも切手400円分で購入出来ましたが、こいつだけ通常キットは500円。多色成形モデルという事で、パーツの重なりを視覚的に楽しめます。その57「ストライクガンダムの巻」で紹介した、斜めに開けられたシールド取り付け穴も、実際に見て確認出来ます。アンテナは黄色と言うより、黄緑色っぽいですね。



 続いてはイージスガンダム。とにかくキレイな赤です。通常版のキットは単色成形で、その辺を物足りないと考える方もおられるでしょうが、今回は一色である事がプラスの効果を挙げてる感じです。なんだか、ガラス細工の様な美しさが有ります。MGガンダムやMGザクには「クリスタルバージョン」という特製キットが有りましたが、この様な単色クリアーモデルにこそ、クリスタルの名がふさわしい様な・・・。



 最後はモビルジン・テスト機カラー。TMレボリューションの西川君がカラープロデュースしたという事で、単なる色変えのハズが、キャンペーンの目玉ともいうべきキットとなっています。プラモとしてだけでなく、アニメとしてもSEEDは恵まれていたなぁ〜。と、コイツを見てると、そう思えますね。このキット自体は記念にパチ組み(あるいは作らずに保存)しておいて、HGジンをオレンジに塗装してみるのが吉、ですかね。

2003.12.24 健 竹史

1/144 ブリッツガンダム
HG ブリッツガンダム
1/100 ブリッツガンダム
MIA ブリッツガンダム
ADVANCED MIA ブリッツガンダム


白鳥由里 ニコル
C・W・ニコルの「人生は犬で決まる」 小学館文庫

機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK1
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK2
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK3
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK4
シンフォニーSEED 交響組曲 機動戦士ガンダムSEED

機動戦士ガンダムSEED COMPLETE BEST

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