健さんの
プラモコラム

その93
HGレイダーガンダムの巻

( 1/144 HG レイダーガンダム/ バンダイ/
GAT−X370 レイダーガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 に続いて、レイダーディンギャプランが同時発売!空物特集、ついでに変形特集といった感じですね。夏には水中MS特集が有りましたから、これは近いうちに・・・来ますよ。地中MS特集が!アッグ地中用グーンのファンは、期待してもいいかもー。(そうかなぁ?)では、レイダーガンダムを見ていきましょう。



 頭部は、チョンマゲ(頭頂部カメラカバー)の塗装への配慮からか、額とチョンマゲを一体パーツとしてあります。カメラは奥まった位置にありますが、塗装した後でカバーを被せれば良いので、塗り分けの手間が軽減されます。マスク部分の100ミリエネルギー砲「ツォーン」の周りのスジ彫りは、ちょっと目立ち過ぎるかも知れません。500円レイダーでは、スジ彫りが省略されてます。スケール的にはスッキリしてて良いかも。周りがゴチャゴチャしてない方が、ツォーンもクッキリ目立つと思いますし。

 ボディです。首パーツ(ポリキャップ)が後ろに大きく倒れるので、MA形態の時にも前を向ける・・・と思ったんですが、バックパックが密着しているので、あまり大きくは動いてくれません。背中と翼の間にクローが収まってる事を考えても、バックパックは、もっと背中から離した方が合理的だったかも。ギミック好きの上級者は、改造してみても良いでしょう。実機では、エリの内側ごとボディに埋没する様な変形です。1/100が出るなら、再現してもらえると嬉しいですね。

 胸のダクトは左右一体で、ボディ内側からの取付け。エリ、ハッチ、ヨダレカケは、表からの取付けという構成です。・・・今回は口が開いたデザインなので、本当にヨダレが出そうな感じもしますが(笑)。そう言えば、ジオングもヨダレカケ付きのデザインでしたね。

 です。フロントスカートは、例によって左右一体で可動式。サイドスカートは展開してクローになります。フンドシ正面には、破砕球「ミョルニル」取付け穴が有りますが、肝心のMA形態で塞がれてしまう事を考えると、バーニアを兼ねてはいないのかなー?説明書の塗装見本では黒ですが、設定ではスカートのバーニアと同じく、内側を赤く塗るのが正しい様です。見本では、塗装がハゲるのを恐れたのかも。こんな部分は、赤で成形して有ると、ハゲた時にも目立たないかも知れませんね。



 股関節は可動範囲が狭く、あまり大きな開脚が出来ません。サイドアーマーとの兼ね合いもあるので、幅に制約が有る中での設計だったかも知れませんが、ハンマーを振り回してる元気な奴なので、少しでも大胆なポーズを付けてやりたい所です。モモの内側上部を、ポリキャップの表面スレスレの所まで削ってやれば、かなり開脚出来るようになりますよ。

 は、ヒザ関節を前後分割してあります。関節メカ部が、そのままヒザアーマーを兼ねているデザインなので、正面にラインを通さないよう、気を使ってあるんですね。変形時は、もっと逆ヒザ曲がって、しっかりスネが移動できれば良かったかも。ヒザ下を、もうちょっと切り欠いてあれば可能だったと思うんですけどね。設定よりもスネは長め(劇中に近いプロポーション)なので、切り欠き過ぎには見えないと思いますけど。

 足首は、足首アーマーの無いデザインですが、ポリキャップが見えない様に処理してあります。二重関節にはなっていませんが、ツマ先が閉じるギミックが有って、ここで若干左右にヒネる事が出来ます。ツマ先を閉じ気味にしてからヒネると、より大きくヒネる事が出来るので、空中でのシーンを表現する時なんかにヒネってやると、躍動感が増すかも。

 肩アーマーは、肩ブロックをサンドする形で、前後貼り合せの構成。MA形態では、肩ブロックの軸で回転して、腕カバーになる部分ですね。フック部には穴が開いていて、防盾砲をマウント出来るんですが、ポリキャップは左肩にのみ使われています。右肩は、裏面のABS製メカパーツ(スラスター?)に穴を開けて、ポリキャップの代わりにしてるんですね。だから右肩にも防盾砲はマウント可能ですが・・・簡単に言えば「ポリキャップN」の数が足りなかった訳です、ハイ。

 は、肩ブロックの上面に大きな穴が開いているので、腕が横方向に良く上がり・・・じゃなかった、MA時の機関砲の、取付け穴ですねコレは(笑)。さすがにコレは、着脱式での再現となりました。上腕は毎度の筒構造。前腕にはフックが有り、ここはMS状態での、防盾砲マウント部となっています。肩アーマー同様に、ポリキャップを使ってあるのは右腕だけ。左腕にも穴は有るので防盾砲のマウントは可能ですが、つまり「ポリキャップN」が足りなかった訳で。

 手首は、左右ともスタンダードな穴開きゲンコツが付属します。

 バックパックは、ウイングの展開が可能。後方に折り畳む事も出来ます。ウイング基部のヒンジは、なんと左右一体のパーツで、バックパック左側から差し込むという大胆な構成。ウイング取付け後は抜けなくなるんですけどね。ウイングは、途中で割れる様に展開して、面積が広がります。継ぎ目には、厚みに隠れていたパーツが露出して、前側は直線を、後ろはジグザグのラインをキレイに構成する変形が面白いですね。展開部は二重関節で、一つは軸可動で、もう一方はレールで可動します。

 余談ですけど、このバックパック、ジャスティスのリフターみたいに別行動出来たら面白かったかも。なんだかステルス機みたいだし。戦闘中に分離するとMS本体の推力が不足するかも知れませんが、偵察に使うとかね。(推力の問題は、ジャスティスも平気で飛んでましたっけ。脚にもスラスター有るし。)

 武装です。破砕球「ミョルニル」は、ワイヤー部分をリード線で再現。リード線は取り外し可能で、ハンマーとグリップを直結する事も出来ます。最初に設定を見た時には「奇想天外兵器」だと思ったモンですが、ワイヤーが巻き取り式だったり、本体に固定可能だったりと、兵器としての使いやすさはファースト当時よりも良く考えてあると言えそうですね。2分割でキレイに再現出来るスパイクの配置なんかも、キット化の都合を最初から意識してる様な。



 2連装52ミリ超高初速防盾砲は、先端を別パーツ化して砲口をクッキリ再現。上面のマガジン側面は、ディテール再現の都合とハメ込み板を兼ねた分割で、パテ埋めが必要となっています。・・・え?マガジンで敵の弾を防ぐのでありますか?!マガジン1つ1つに耐ビームコーティングするのも大変なので、あれはマガジンカバーではないか?と思う事にします。予備も持ってないみたいだし、出撃前にマガジンを閉じこめ、弾が切れたら帰るのです。

 この防盾砲は、手で持つ事も、腕にマウントする事も出来る様になっています。グリップを倒せばピンが出てきて、前腕や腕カバー(肩アーマー)への取付けには、このピンを使います。でも可動式のピンは、押し込む時に動きやすく、じれったいですね。腕内部のポリキャップも動きやすいので、なおさら苦戦します。普段とは逆ですが、ポリキャップを使っていない左腕の方が、マウントしやすい気がします。

 着脱は面倒臭いし、いっそキットを6個買って、両肩、両腕、両手に持たせてやろうかとか、ヤケクソでそんな事も考えてみたりして。いや、ヘビーアームズみたいで結構イイかも。もうオルガ兄貴にも威張らせませんゾ。

 MA形態への変形です。首を後ろに倒し、肩アーマーで腕を覆い、ウイングを展開、脚を折り曲げ、ツマ先を閉じて、サイドスカートのクローを展開、両肩に76ミリ機関砲M2M3のパーツを取り付けて出来上がり。防盾砲は左腕カバーに、ミョルニルは腹部にマウントします。



 カラミティを乗せると、さすがに小さく感じますが、これはカラミティが重武装で、ボリュームが有るためなのかも。試しに細身なジャスティスを乗せると、余裕で飛べそうですよ。それから立てヒザよりも、直立させた方が安定が良い様です。四角い腕が、丁度良い足場になってくれますよ。



 機首部分は開閉可能で、中には80ミリ機関砲M417が再現されています。砲身は上下に可動します。肩の機関砲は76ミリで、こっちは80ミリ。口径を揃えておけば補給も楽だろうに・・・なんて、ミョーな所が気になったりします。

 クローABS製で、各部が可動。上にMSを乗せて立てるほどの保持力が有ります。変形は全て関節可動を利用しており、無駄が有りませんね。サイズも大きく、MSのボディを縦に(肩と股間で)つかんで捕獲出来るほど。MS形態でも隠し腕として使えるのでは?なんて、想像をかきたててくれます。クロー中央の短射程プラズマ砲「アフラマズダ」は、別パーツでないため砲口に分割ラインが通ってしまっていますが、MSをつかんで遊ぶ部分である事を考えると、外れやすい別パーツにしなかったのは正解だと思います。



 残念なのは、サイドスカートが若干ハの字に開いているため、MA形態の鳥脚が、内股気味になってしまう事ですね。またサイドスカートに干渉して、腕が平行にならないために、肩の機関砲も内向きになってしまいます。MG化される事が有るなら、サイドスカート自体が腕と干渉しない位置にスライドする解釈を盛り込んでも良いかも知れません。



 ところがバンダイさんは流石でして、完成見本の写真には写っていない、細工がしてあるんですね。見本は設定を尊重して撮影してあるんでしょうけど、機関砲の取付け部には有りがちな底(フチ)が無く、丸ピンで受ける構造にしてあります。そのため、機関砲パーツはピンを軸にして左右に振る事が出来ます。腕が傾いていても、機関砲だけ正面に向けられるので、不自然な感じは薄れます。腕カバーの速射砲は、差し込みを浅くしておいて、正面に向けると良いですよ。

腕は平行になっていないのに、肩の機関砲が平行になっているのが、分かるでしょうか?1つ上の写真も参照して下さい。

 組立時間は1時間25分でした。ボクは、もっと地味な機体の様な印象を持っていたんですが、実際に手に取ってみるとギミックも多く、武器も多彩で、かなり印象が変わりました。変形もウイングガンダムに似てますが、脚が意外に長く、面白いシルエットになりますし、立たせているだけでも本体位置が高いので、飾り台が無くても飛んでいる様な印象を与えます。イジってて楽しいキットだと思いますよ。


おまけ

 例によって、500円レイダーも軽く紹介しておきましょう。マスク部は前述の通り、ツォーン周辺にスジ彫りを入れず、スッキリした印象。省略ではなく、形状の折れ線という解釈なんでしょうね。耳の辺りの彫刻もゴツめになっている等、HGとの違いを楽しめそうな頭部です。ボディはエリ、ダクト、ハッチを色分け。フンドシの穴にはミョルニルを装備出来ない(付属しないので当然)ので、フロントスカートのスラスターと共通の外観になっています。ミョルニルは、ぜひ付属させて欲しかったですね。欲しかったというワガママで言ってるのではなく、グリップと一体なら2パーツで再現出来た、まさにコレクションシリーズ向けの装備だと思うからです。



 クローはワンパーツで無可動。裏面が肉抜きだらけですが、背中を鑑賞する時は左右を入れ替えれば、肉抜きが見えなくなります(笑)。2連装52ミリ超高初速防盾砲はワンパーツ成形。グリップは無いので、腕に装備させて使います。スコープが小さく、裏には肉抜きも有りますが、サイズはHGと共通の様です。

 ウイングはワンパーツで、展開は不可能。代りに付け根で角度が変えられる、可変翼になっています。後ろに畳む事も出来ますが、可動のためにウイング基部の下半分が切り欠かれ、バックパックにも出っ張りが付いてしまっています。外観重視といきたい所ですが、ウイングが固定では、干渉して肩の可動も困難になるので、仕方のない所でしょうね。



 面白いのは、ですね。ボールジョイントのため、後ろに反らす事が出来ます。レイダーは特に肩アーマーが長いので、反らすと特に印象が凛々しくなります。それから、ワンパーツの肩アーマーを、腕の上から被せる構造のために、肩アーマー位置が高い「怒り肩」になっています。それだけでもHGよりカッコイイんですが、これ、肩の機関砲を差替え無しで再現する、ヒントにならないでしょうか?肩アーマーが高めなら、機関砲は、最初から突き出ていて構わないんじゃないでしょうか。肩上面を切り欠かなくても、MSVの頃みたいに肩ジョイントをL字にしたり、ボディ側に工夫をすれば、可動を損ねずに実現出来る気もします。差替え無しの1/100、どうでしょうか?

2003.11.9 健 竹史

1/144 レイダーガンダム
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