健さんの
プラモコラム

その91
MGエールストライクガンダムの巻

( 1/100MGエールストライク ガンダム/ バンダイ/ GAT−X105 エールストライクガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 MG化は番組終了を待ってから・・・って、えらく早いじゃないですか!説明書の再現フォトストーリーで最終回まで紹介してあるし、アニメやプラモは、どんな日程で準備してるんだか・・・。なんて、予想外に早い登場に驚きつつも、「MGってなんだっけ?」という定義の部分は、1/100と間を置かずに発売した方が、より鮮明になるのも確かでしょう。同時期に出しても、MGはここが違うんだ!という所を、さっそく見ていきましょうか。さーて、どこが違うのかな〜?(うわ、違いまくり!)



 頭部は、メインカメラのフチアンテナが、旧(?)1/100よりも、ずいぶんシャープになりました。目とメインカメラにはクリアーパーツを使用。この辺は予想通りのMGクオリティになってますね。耳の部分はインテーク風の処理かと思ってたんですが、フタの様な表現に見えますね。ここもイーゲルシュテルン(バルカン)の一部と言う解釈なのかも。すぐ上に砲口が有りますし。

 顔つきやヘルメット形状は、ストライク独特のラインが薄れて、平均的なガンダム顔に近くなった気がします。そう言えば劇中でもこんな感じだったかも。額の赤い部分は下寄りになり、メインカメラの視界を塞がない配置になって自然ですが、ついでにアンテナ下(眉間)が尖って、左右の目の間を仕切る様な感じになってます。ここはガンダムらしくない印象を与えているかも。(悪役ヅラにも見えますね。)は根元でも前後可動。頭側のポリキャップは新規設計(たぶん)で、厚肉の頑丈な物になっています。

 ボディは、肩の上面を分割してあって、肩関節が前後と上下にスイング可能。つまりMGのGガンダムよりも良く動き、さらに大胆なポーズが可能です。実機がこうなっているかは疑問な部分もありますが(ガンダムファイトに出る訳じゃないし)、通常仕様(?)の1/100でも再現性は納得出来るレベルな訳ですから、ギミックで暴走する事こそ、今後のMGの進むべき方向なのかも。高額になった分だけ楽しめると言うのは、商品的にも分かりやすいですしね。



 胸のダクトは、フレームパーツが露出する形で色分けされました。ハッチは開閉式で、コクピット内部を再現。ハッチ位置は、かなり前寄りになりました。内部容積の都合と言うより、ハッチを指で開きやすくするためでしょうね。ハッチ上の青いカバーはアームで前にせり出しますが、カバーの面積と同じ位に太いアームにはビックリ。断面がH字形ではなく、T字形にしてあれば、もう少し細く見せる事が出来たかも知れませんね。保持のために両端はH字形にする必要が有っても、途中だけでも細くならないものかなぁ?

 です。ウエストはボールジョイントでグリグリ可動。今回のポリキャップは、どれもゴツくて保持力が有りますね。スカートは、フロントとサイドが独立可動。リアスカートは左右一体で可動します。ハイキック等のポーズが決まります。OSを書き換えて運動性能が高いためか、特にストライクは格闘技が得意だった印象が有ります。Gガンダム風のキット内容は、劇中イメージからして妥当と言えるかも。



 は、モモの装甲がスライドするギミックが目を引きます。仕組みはシリンダーの伸縮ギミックと同じで、モモフレームの表面パーツがヒザに引っ張られてスライドする構成で、その上に外装パーツが取り付けて有るんですね。シリンダーギミックよりも、むしろ単純と言えるかも知れませんが、外から分かりやすい、見た目の面白さが有ります。シリンダーに取って代わる、新スタンダードになるかな!?従来のMGシリーズでも、シリンダー部分を利用すれば、改造可能かも知れませんよ。

 ヒザアーマーは、ヒザ関節を保護してスライドしてる・・・様に見えますが、ヒザメカ部に貼ってある(角度は動きますが)だけの構成。MGのGP01にも似たギミックが有りましたが、あれはヒザメカ前面ではなく、ヒザ関節と同じ軸上で動かしていたため、ポーズを付ける時にスネから浮くか、スネと一体のままにするかを、自在に選べたんですよね。今回は強制的に動いてしまうため、好みでない人も出てくるかも。(すみません、ボクの事ですね。)

写真右は、ヒザを曲げた状態。モモの前面装甲がスライドし、ヒザアーマーがスネから離れているのが分かると思います。
写真左と中央は、MGガンダムGP01の脚。ヒザを曲げた時に、ヒザアーマーが移動するかどうかを、自由に決める事が出来ます。

 ヒザアーマーのスリットは、1/100ではダクトとも取れるディテールでしたが、今回はスラスターと解説されています。スネと分離してるなら、スネの放熱に使われているとは考えにくいので、スラスターという解釈は、このキット用としてはベターじゃないでしょうか。まぁスラスターとしても、スネと一体の方が自然かなぁ・・・動かない方が好みという人は、取付部を削って、スネ側に接着しても良いでしょう。

 足首は幅が狭くて六角形の印象が薄れ、ここも平均的なガンダム足に近づいた部分に思えます。まぁ、1/100キットはSEEDシリーズのストライクに見えるべきですが、MGは平成の「ファースト」ガンダム扱いなので、今後のガンダムと並べた時に先祖に見える様、個性を消した方が良いのかなぁ〜??とか思ってみたり。足首アーマーも、ものすごくコンパクトになりました。薄くて、可動軸との噛み合わせが浅いので、良く外れます

 足裏がグレーなのも、MGのGガンダムに似てますね。1/60ストライクも同様の構成でした。ツマ先が可動式で、ポーズ付けの自由度は高いんですが、保持力が弱のが難点です。可動部はABS製ですが、足首センサーの再現等で、スペースが取りにくかったのかも。他の関節が頑丈な分、ますます惜しい所です。足首は二重関節で、上下ともボールジョイント。開脚時の接地性は1/100に多少負けますが、スペースが狭くなってるので、単純な比較は出来ないかも。

 肩アーマーは、上にハネ上げる事が可能です。肩関節の上下可動と併用すれば、ザブングルの変形の様な位置まで動きます。(出ないかなぁ〜、MGザブングル。)肩上のフックは、上に開きます。白い外装部分は、肩の端あたりに軸が有って回転可能。また、側面(フックの下あたり)には、横からジョイントを差し込めそうなスリットが設けてあります。ソードやランチャーの装備を固定するギミックなのかな?


頭を外して、腕をいっぱいに上げた状態。肩関節の動きはザブングルに似ています。この可動をフルに使えば、ビームブーメラン「マイダスメッサー」を掴むポーズも可能になるかも・・・!

 肩のサイズは小さめにアレンジされているので、ソードが発売される時には、肩アーマーも軽快な印象になると思います。各種装備とスカイグラスパーの、理想的な比率から逆算した肩サイズだったりすると、嬉しいんですけどね。出ないかなぁ〜、MGスカイグラスパー

 は、ヒジが二重関節になりました。フレーム内蔵式ですが、フレームの組立は簡潔なもので、MG初心者にもスイスイ組めると思います。ヒジのフックもフレームパーツの一部です。外装の形は、スキの無い1/100に対して、MGらしく分割ラインを強調した物になっています。

やっぱりいたのか、キラ・ヤマト!

 手首は、親指・人差指・他3本の指が動く、MGでおなじみの可動指タイプですが、人差指と中指の間にスキが無いのが嬉しいですね。指も手首も、保持力がしっかりしています。1/100のアグニシュベルトゲペールを持たせてみましたが、握力だけで十分に支えられます。それに可動指だと、持ち替えが簡単で良いですね。ストレスなく遊べます。

アグニ(1/100ランチャーに付属)を構えた状態。いとも簡単に、正面に向けて構える事が出来ます。人間の様な、肩の表情にも注目!

 バックパックは、スラスターの向きから成形されて、1/100よりもクッキリしました。(最初からやって欲しかったなぁ・・・笑)今回は全身のディテールを少なめにしてあるんですが、ストライカーパックを接続する背中だけは、逆にメカメカしくアレンジされてます。

 エールストライカーはギミック満載!サーベルラックがボールジョイントで可動する様になり、サーベルを抜くポーズも自然に決まります。ラックは完全に前に倒れるので、スカイグラスパーとの合体にも期待してしまいますね。 主翼は1/60キット並に大きくなり、飛行能力(自称・長距離ジャンプ?)にも説得力が増しました。劇中でも大きく描かれてましたもんね。基部を引き出せば、主翼を下に折り畳む事も可能です。



 解説によると、白い突起はバッテリーパックだそうです。ここの根元は可動式で、エールストライカーの上半分を、上下にスイングする事が可能になっています。ボディに密着しては、せっかくの肩の上下可動を殺してしまいますからね。上昇ポーズだとか勝手に想像するのも楽しいですし、上下のユニットを密着させれば、スカイグラスパーとの合体時に、少しでも上下幅をスリムに見せられるかも。各部の形状は、直線的にアレンジされてます。

 武装です。ビームライフルは、1/100よりも大きくなりました。スコープマズルが特に大きくなっている様です。フリーダムのライフルとの共通性を意識しての事なのかは、今後のお楽しみかな?スコープには、クリアパーツを使っています。

 ビームサーベルは、1/100よりも細く、長くなりました。2パーツ構成なんですが、ツバとの接続部分が細くて、ピンを折らないか心配です。ワンパーツで、スライド金型を使った方が良かったかも。クリアーのビーム刃が付属します。

 シールドは、1/100よりもシャープなデザイン。先端も尖って、打突武器らしさが増しました。裏面には、可動式のアダプターを取付けます。アダプターの途中がL字に曲がる事で、腕のどの面にシールドを取り付けるかを選択出来ます。ギミックは良いんですが、説明書には取り付け方が1通りしか書いてありませんMG初心者を念頭に置いたハズのキットにしては不親切でしたね。グリップを倒した状態で取付け可能な事も説明なし。説明書は、次回生産分からでも、説明を追加した方が得だと思います。(初版マニアは要チェック!)

 アーマーシュナイダーは、展開可能になりました。1/60では3パーツ構成でしたが、今回はグリップ部分がワンパーツで、全2パーツの構成。ハメ込みのスペースが節約出来る、ナイスな構造です。ポケットの容積を稼ぐため、サイドスカートは長めになりました。「その64 1/100エールストライクガンダムの巻」で、スカート裏までポケットに利用する構造を提案していましたが、今回はさらに大胆に、スカートに大穴を開けてあります。容積を稼いだ上に、厚みも節約するとは。フタの側面を大きく切り欠く事で、取り出しも容易になりました。

シールド裏面のアダプターに注目。L字形をしていますが、折れ曲がり部分を伸ばせば、直線にもなります。腕の取り付け面を変更可能にするギミックですが、説明書では、伸ばした状態しか触れられていません。
グリップも、起こした状態しか説明されていませんが、写真の様に、倒した状態にする事も可能です。
写真上は、サイドアーマーを開いた状態。写真下は、サイドアーマーの裏面です。

 今回の目玉は、ディスプレイベースが付属する事でしょう。カタパルトはカカトのロックが可動式。手動で前後にスライドします。床からは飛翔ポーズ再現用の支柱が起き上がり、4段階に角度を調節可能。EX−Sガンダムのベースに似ていますが、支柱を格納出来るので、収納しやすくなっています。2000円クラスのパッケージに収まるのが嬉しいですね。残念ながらカタパルトは、1/100の足首幅には適合しません。念のため。



 ベースには電源ケーブルも付いていて、腰後部に連結可能。プラグ部分は支柱に納める事が出来るので、ケーブルを巻きとった状態も再現出来ます。これも説明されていませんけどね。飛翔ポーズで飾る時は、腰下のフタパーツを外した穴に、支柱を連結します。フタパーツは支柱にセット出来るので、紛失しにくくなっています。



 欲を言えば、腰後部のケーブル接続口と、支柱用の穴のサイズを統一してあれば良かったですね。腰後部にも支柱を差し込める様になっていれば、大気圏落下や、対バクゥ戦の急反転等の名シーンも再現出来たでしょう。また、ウイングゼロカスタムがMG化される様な事があれば、なぜか支柱取付け穴が開いてると良いかも。「最後の出撃」の狙撃ポーズで飾れそうです。

シュベルトゲペール(1/100ソードに付属)で斬りかかるシーンを再現してみました。カタパルト後方の、ケーブル設備は簡単に取り外す事が出来ます。このような発進後の戦闘シーンで飾る場合には、ケーブル設備を外しておいても良いでしょう。

 ところで、パッケージには、デカールを貼った写真が少ないんですが、これはフラガ兄貴のパーソナルマーク等、使用時期が限定されるマークが多いためと思われます。後半は連合マークを消したかも知れませんし、モルゲンレーテ社のマークは、貼る事が許されない時期の方が長かったかも。ストーリーを見返して、想像を膨らませて貼るのが良いでしょう。エールストライカーの2面にまたがって貼るマークは、友人が苦戦(の結果、見事成功)してましたから、不慣れな人は場所を変えても良いでしょう。あと、グレーのマークが多いんですが、ディアクティブモードでは目立たないかも。

 組立時間は、2時間20分でした。MG初心者にも薦められる難易度で、これだけ遊べれば超お買い得のキットじゃないでしょうか。形状的にはクセが有る気もしますが、設定画のイメージは1/100に任せて、劇中イメージに特化した判断は、正しいと思います。2つとも(これで4つ目ですが:笑)買って、違いを楽しむのが吉かも。普段は飛翔ポーズで飾っておけば、固定ポーズのガレージキットみたいでしょ?これくらいアレンジが効いていてた方が、絵になりますからね。

1/100ストライクとの比較。ディテールは1/100の方が多いし、立ちポーズでは、どちらがMGなのか、一瞬では分からないかも。(ポーズを取らせるとハッキリ違いが出ますね。)左がMG、右が1/100です。

 今後の展開ですが、エールユニットが除外可能なパーツ配置になっているので、ソードランチャーの発売は期待出来そうな気がします。いや、1/100装備との互換性が無いので、スカイグラスパーとセットでも出してもらわないと困りますが(笑)。デュエルやバスターに流用出来ない肩やスネのフレームが別ランナー。逆に言えば腕・モモ・足首のフレームは流用を意識している様子です。足首のランナーからウエスト等を除外可能なので、期待して良いかも。ルージュを発売するには、シールド表面パーツの配色を解決しなくてはならないみたいですね。



おまけ

 今回付属のディスプレイベースは、ガンプラ史に残る快挙だったような気がします。プラモも台座が付いた途端にインテリアに化けるんだなぁ、と再認識。このキットやPGガンダムGP−01の様に、マクロスファクトリーみたみたいな飾り方が出来るキットが、ガンプラの中にも増えていくと良いですね。

 ベース無しで、ソードやランチャーを安く出して欲しい気持ちも有るんですが、もう1つベースが有れば、空中戦のシーンも再現出来そう。いや、いっそのこと、今回のベースと組み合わせられるメンテナンスベッドが良いでしょうか?とにかく気分は「大人の財力を持った少・・」じゃなかった(笑)、「少年の心を持った大人たちへ・・・」なのであります。


2003.10.22 健 竹史




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