健さんの
プラモコラム

その90
HGフォビドゥンガンダムの巻

( 1/144 HG フォビドゥンガンダム/ バンダイ/
GAT−X252 フォビドゥンガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 フォビドゥンって、海中から攻めてくるシーンが印象的でしたね。どうせ飛べないんだから、(移動中だけでも)カラミティが潜れば?とも思ったんですが、今になって見ると3機それぞれに、「陸・海・空」みたいなイメージを持ってるボクなのです。・・・こんなのボクだけかなぁ。連合のエースと言うよりも「3つのしもべ」みたいな待遇が、そう思わせるのか(泣)。ま、いいから本題に移りましょうか。



 頭部は、頭頂部の赤いカメラが色分け済み。このカメラ、アゴまで内部でつながったパーツなんですが、切り分ければ額前面から差し込む事も出来そうです。カメラの裏面にピンを配置してあるのは、後ハメ加工を意識した設計なのかも。アンテナのハメ込みは、変形時にリフターに当たって外れないために、ちょっとキツめにしてあるのかな?少なくとも500円キットでは、そう感じました。押し込む時にアンテナを折ってしまったので、HGの時は慎重に組立てました。組む時さえ気を付ければ、外れにくい良いアンテナです。

 ボディは、ハッチ、ダクト、上面スラスター、ウエストを色分け済み。ダクトのある左右のユニットが回転し、リフターを頭上に移動させる仕組みになっています。腕の取付け軸の根元を太くして、回転軸に使ってるんですが、この軸をハサミ込んで左右ユニットを組み立てる構造は、何とか後ハメに出来てたら嬉しかったですね。スラスターをロックのパーツに使うとか。あるいはウエストパーツを肩まで延長して、フレームか軸受けの様に利用するとか。(ウエストの後ハメ加工は定番ですが、今回あまり配慮しなくて良い気がします。)


ウエストパーツをボディフレームにしてしまうパーツ構成案を2通りほど。せっかくABS製なんですから。下の案は左右分割ですが、背中側のディテール再現の都合で、フォビドゥンには不向きかも。太い軸はリフター回転用、細い軸は腕取付け用です。

 です。サイドアーマーが大きいのか、フロントアーマーが薄いのか、位置関係がズレているのか、どうもフロントアーマーが奥まって見えますね。サイドアーマーの六角ディテールは、もう少し大きくても良かったかも知れません。えー、また余計な事を書いてしまいますが、強襲形態の背面画では、リアアーマーにスラスターが描かれてませんね。(準備稿の形状が残ってるとか?)キットのリアアーマーには、スラスターが再現されてます。

 は、スネ側面の黒い部分を色分けしてあります。ヒザ関節は、連合MSっぽいディテールだったカラミティと違って、ザフト寄りのディテールですね。HGジャスティスのヒザにも有った、スラスターにも見える肉抜き(ディテールは無し)も、妄想をかきたてます。スネ後部のスラスターは、カラミティの肩スラスターに似た構造の様ですが、残念ながら今回は別パーツになっていません。

 足首は黒の1色成形で、足の甲の色分けは省略されてます。足首関節は2重関節。今回は関節メカ部に足首カバーが付く構成です。HGカラミティはヒネリに有利な構成でしたが、今回は軸の設置方向を変えて、開脚に有利な構成としてあります。カマを構えたポーズがダイナミックに決まりますし、強襲形態でも安定感が出ますね。(でもGガン立ちさせてしまうボクなのです。)



 肩アーマーは、側面のスラスターが別パーツ。スラスターには上下の区別が有るんですが、間違えたらハメにくくなるので、すぐに気付くと思います。せっかくだから、一目で分かるくらいにハメ板をズラしてあれば、迷わず組立てられるのになぁ。

 は、前腕のカバーが別パーツ。先端には115ミリ機関砲「アルムフォイヤー」の砲口が再現してあります。(ムムム、5号機のガトリングよりも大口径!)成形方向の制約が有るのに、それらしい砲口に仕上がってます。上級者は、ピンバイスで開口してやると、さらに良くなるでしょう。

 手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属。ディテールは、HGカラミティと同じ物になっています。

 リフター(甲羅)は、ずいぶん小さい印象です。設定通りでなくてもカッコ良ければ構わない気もしますが、強襲形態のシルエットが人間離れしてる方が、コイツの場合はカッコイイ気がします。500円キットよりも大きくなってくれるかなー?と期待してたのに、同じサイズで残念でした。形状的には、レールガンの基部前面が、500円キットでは水平、HGでは斜めになっています。データの共用率は高い印象ですが、ここは意図的に2種類の解釈で発売したのかも。設定では立ちポーズは水平、強襲形態では斜めになっています。



 リフター上面は、フェイスガード(?)を別パーツ化。ここのハメ込みはピンですが、板にすればフェイスガードを正面(やや斜め上)から成形して、スリットをクッキリ出来たんじゃないかな?と思います。触角・・・じゃなかった、アンテナは、中央部分を緑で塗ってやる必要が有りますね。

 88ミリレールガン「エクツァーン」は基部の回転が可能。でも、そのまま起したら肩に干渉するので、ヒネってから横に起し、またヒネり戻すという手順を取ります。ルービックキューブみたいですね(笑)。実機では、肩幅よりも外側に位置して、そのまま起こせるんじゃないかと思います。

 レールガンの途中には、回転して枝になる部分が有りますが、今回は展開ギミックを省略してあります。サイズが同じなので、500円キットの物を流用して収納状態を再現、HGの物を展開状態に改造すると良いですよ。HGの方は切り分けに適したパーツ分割にもなってますし・・・とか書こうと思ってたら、模型誌が先に出てしまいました〜。まぁ有効な改造法だと証明済なので、万事OKですね(泣)。基部の軸径が若干違うので、修正が必要ですが。

 エネルギー偏向装甲「ゲシュマイディッヒパンツァー」は、ABS製のアームで可動。シールド側でヒネる事が出来ますが、基部でヒネる事が出来ないため、水平方向にしか動かせないのが残念。どう動かしても、表情が固いですね。シールドの重量に配慮したのかな?ケーブルは別パーツにせず、アームの下側にモールドで表現されています。

 シールドは、2枚重ねの構成で色分けを再現してありますが、大きさも厚みも足りない印象です。アームの負担を軽減するために、止むを得ず軽量にしてあるのかなー?(高額化を避けるためかも知れませんが・・・)表面のビームシールドの様なパーツだけでも、厚めにして欲しかった所です。

 武装は、重刎首鎌「ニーズヘグ」が付属します。これも柄が短めの印象が有りますが、MS本体との比較設定を見た事が無い(有るのかな?)ので、断言しかねる所です。模型誌の作例でも延長されていて、ボクも長い方が好みではありますが、柄の上端(メカ部との境目)にちょっと注目。わずかに段差が付けてありますが、この部分、設定では丸ですが、キット(HG)では八角形にアレンジしてあります。ここを持たせて、スベリ止めにしようという(刃がダラリと下を向かない様に)狙いが有るのかも。ちょっと小さめで、十分では無いですが。ダラリとならない様に構えさせるには、両手首をヒネって、柄をちょっと弓なりにさせると良いですよ。

首狩り鎌なんて物騒ですが、MSの頭を狙うのなら、「不殺」のキラ君にもピッタリの武器と言えるかも。(笑)

 この心配りに敬意を表して、HGのニーズヘグは無改造で残し、500円キットの物を延長してはどうでしょう?HGの物はABS製で加工しにくいとの指摘も有りますし。(スミマセン、出来るだけ自分の言葉で書きたいと思っていますが、ABSの改造は経験不足でして、どの程度加工しにくいのかまでは、実感を持たずに書いています。ここは受け売りの文章ですね。)

 強襲形態への変形は、胸両脇のパーツが回転する仕組みですが、さらに数ミリ高さを詰めて、頭に少しでも深く被さる様に工夫してあります。伸縮よりもガタの少ない、軸可動にしてあるのが良いですね。それでも顔は、かなり見えてしまいます。リフターが90度以上回って、前側をより多く隠すとか、リフターの先端が厚くなる形状にしてあれば、もっと顔が見えにくかったんじゃないでしょうか。



 何より、リフターが大きければ、もっと深く被れたんじゃないかと思います。設定では肩より外側(スラスターの上あたり)にレールガン基部があります。つまりリフターは、肩幅よりも大きいのが正しい訳です。1/100が出るなら、リフターの大型化をぜひ!あとは、回転のついでに腕の取付け位置が下がっても良いかも知れませんし、頭が引っ込むとか、胸板がハネ上がる等の小細工を併用しても良いかも知れません。(MGでなけりゃ、やらないかな?)

 組立時間は1時間10分でした。まぁ、ココもアソコも小さいとは言いましたが、設定通りのリフターを被せて、カマを延長したら、並のMGよりも展示スペースを食いそうですね。特に設定にこだわらなければ、ギミックも多くて楽しめる、良いキットだと思います。でも魅力的なMSだけに、改造したい欲求は、どんどん湧いてきますね。



 改造するには、リフター各部を一度切り刻んで、もっと大きな円盤パーツに貼り付けていくのが良いかなー?と思うんですが、ドラグナー3型の頭部とか、アイザックの頭なんかはどうでしょう。(友人からは、アッザムの底面から切り出せば?という案も出ました。)思うばかりで、なかなか手を動かさないんですけどね。

せっかくなのでサイズを測っておきました。リフターの改造以外にも参考にして下さい。(円盤生物のスクラッチとか:笑)

HGフォビドゥンのリフター中央部
  46ミリ(これを100%とすると・・・)

1/144ドラグナー3型の頭部
  51ミリ(111%)
1/100ギャンの盾中央部
  52ミリ(113%)
1/144アイザックの頭部中央部
  55ミリ(120%)
1/550アッザムの底面
  60ミリ(130%)
WAVE 1/100バッシュ・ザ・ブラックナイトの盾
  107ミリ(233%・・・1/72にはピッタリ?)

肩幅を完全に被うリフターを自作するには、アッザムを流用すると良さそうです。(肩幅との比率から計算。)ディテールも少ないですし。

おまけ

 例によって、500円フォビドゥンを軽く紹介しておきましょう。各パーツのサイズはHGと同等で、リフターやシールド、鎌も含めて、データの共有率は高い様です。という訳でコイツも甲羅が小さいんですけど、それでも500円とは思えないボリュームですね。



 肩の前後幅は、HGよりも狭くなっています。今回の肩アーマーは腕と一体の珍しい設計で、その都合でしょうね。2分割された腕の内側に肩アーマー、外側に肩スラスターが付いていて、組み合わせるとスラスター周辺が別パーツの様にクッキリするという大胆な構成。許される価格内で少しでもボリュームを出そうとして、肩パーツをケチッたのかな?でも結果はスラスター内に分割ラインも入らず、普段よりも良い仕上がりです。この制約の多いシリーズのおかげで得られた分割ノウハウは、決して少なくない様な・・・。(で、いずれMGあたりに活かされる、かな?)



 レールガンの展開は可能ですが、ゲシュマイディッヒパンツァーのアームは無可動。ケーブルは省略されてます。強襲形態への変形は、胸両脇の回転を省略。リフターを外して、レールガンとシールドを回転、肩上に取り付ける、組み替え変形です。リフターの裏面には、後ろ半分に空洞や肉抜きが有りますが、かなり頑張ってる内容じゃないでしょうか。



 惜しいのは手首が回転しない事ですね。鎌が本来両手持ちの武器のため、片手でしか持てないのがじれったく感じます。コレクションシリーズは、凛々しい立ちポーズを提供出来れば十分な気もしますが、強襲形態って、戦闘中な訳ですから。鎌には何ヶ所か肉抜きが有りますが、ディテールに見える様に配慮してあります。(HGよりもハイディテール?!:笑)

 HG改造用のパーツ取りにも重宝しそうですが、ボリューム感や色分け等、単品でみても魅力的なキットです。ぜひHGの隣に、並べてみて下さい。誰です?農民一揆みたいだなんて言ってるのは!(笑)

領主を滅殺!

2003.9.30 健 竹史

1/144 フォビドゥンガンダム
HG フォビドゥンガンダム
ADVANCED MIA フォビドゥンガンダム

シューベルト:交響曲第8番《未完成》
 /交響曲第9番《グレイト》

スピーシーズ3 禁断の種

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