健さんの
プラモコラム

その87
HGカラミティガンダムの巻

( 1/144 HG カラミティガンダム/ バンダイ/
GAT−X131 カラミティガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 緑色で、大火力で、時間制限付き。なんだかイメージが仮面ライダーゾルダとダブって見えるんですが。オルガ役の涼平さんって、こんな役ばかり回って来るなんて事、ないですよね?「京都地検の女」が、ちょっと気になってきましたね。まぁ司法修習生だそうなんで、大火力ってのは無いか。まてよ・・・家に帰ると悶絶してるってパターンは?(ないない、多分。)では彼の乗機、カラミティを見ていきましょうか。



 頭部です。アゴは顔面パーツの裏側いっぱいにハメ込んであって、ガタ付きがありません。アンテナも、狭い額に合わせて、横長の突起でハメ込む構成で、外れにくくなっています。バズーカやビーム砲の様な、遊んでて顔に当たる装備を持ったMSの場合、パーツが外れにくいってのは特に嬉しいですね。耳の所のアンテナは、ヘルメットと一体成形。マスク部の彫刻がクッキリしてて良い感じです。

 ボディは、ウエストを胸パーツでサンドしておいて、黄色い胸板とスキュラを貼り付ける構成です。ボディと同色なのにスキュラを別パーツにしてあるのは、プロポーション修正やパーツ流用を考えてる人には嬉しいかも。黄色い胸板は、奥まった部分を黒く塗るのが大変そうですね。1/100(MGかな?)が出る事があれば、黒い部分はパーツ分けするか、黄色いパーツの内側の、模様の様な部分を別パーツにして欲しい所です。あの模様、スキュラの裏で繋げれば、ワンパーツで済みそうですね。

 です。フロントスカートは毎度の左右一体可動。下端はスラスターになってるんだと思うんですが、成形方向の都合で、少々ツブれ気味です。サイドスカートのスラスターは別パーツで、しっかり再現。キットでは長方形の噴射口ですが、設定画では正方形に近い気がします。スカートと言うより、推進ユニットのつもりで、ブ厚い形状にしてあれば良かったかも。



 リアスカートは残念ながら、スラスターが一体成形。ここもサイドスカート同様、設定画のスラスターは正方形みたいです。スカート自体もブ厚そうです。いつもレイダーガンダムのお世話になってますけど、意外と推力ありそうな気がしてきました。フンドシとリアスカートは一体成形ですが、別ユニットの様に距離を開けて成形してあります。フロントスカートみたいに、可動させてみたくなりますね。

 フンドシ正面(センターアーマー)の下には、突起が付いています。上半身が持ちにくい事もあって、遊んでいると、つい腰の辺りを触ってしまいます。外れやすい部分なので、この突起は接着しておいた方が良いかも知れません。フンドシ上の赤いセンサー?)は、別パーツ。まぁ、いつでも別パーツなんですが、今回赤いパーツは、この1点のみ。なのに、シールで済ませない所が良いですね。別パーツというだけでクッキリしますし。

 です。ヒザ関節等のメカ部分が白いのが、変わってて面白いですね。WAVE等から発売されてる関節パーツも、もっと明るい色に変えてくれないかなー、なんて思ったりして。特にアストレイ以降、関節もグレーとは限らない訳で。明るい色に塗装する時、発色が悪くてじれったいんですよね。関節パーツ以外にも、バーニアやセンサーって、明るい色で塗る事、多いですもんね。(おっと、カラミティの事、忘れそうだった。)

 スネは、明るい緑のスネ本体に、濃い緑のパーツを左右から貼り付ける構成になっていますが、実はフクラハギ全体が濃い緑なのが正解。ヒザ関節周辺は、塗装してやる必要が有りますね。足首アーマーは、先にハサミ込んでおく構成で可動式。



 ヒザアーマー下の黄色い部分は別パーツです。ここもスラスターなのかなー?下端には穴が開いてます。キットでは下端が細くなり過ぎて、スラスターには見えませんけどね。やっぱり、推力は有りそうなデザインですよ。1/100が出るなら、足腰のスラスターを、もっと派手にして欲しいもんです。色も似てるし、ギャプランみたいなイメージになるかなー?スネ正面の窪みは、分割ラインが出ない様に工夫してあります。

 足首です。連合の新型3機は、どれも土踏まずが有るデザインなんですね。カラミティもフリーダムの様に、メカ部そのままの土踏まずに、ツマ先とカカトが付いているのが正しい様です。(色の付いてない、線画の設定資料が分かりやすいと思います。ホビージャパン03年6月号等。)キットでは、足裏の組立を簡素化するためか、土踏まずまで緑で一体成形してあります。塗装見本でもそうなっているので、設定にこだわりたい人は、アニメ用の資料を見て塗装すると良いでしょう。上級者は、土踏まず側面の段差も削ると良いかも。

 足首関節は、内部フレームの一部らしい関節部のディテールを、関節カバーの様に処理してあります。ポリキャップが見えにくくて、なかなか良い感じ。可動範囲も広く、大胆にヒネる事が出来ますよ。

 肩アーマーです。実機では、黄色い部分が肩アーマー本体で、前後に緑のプレートがぶら下がっている様に見えますが、キットでは、緑の部分を、ワンパーツで箱型に成形。その上に、黄色のパーツを被せ、上面に明るい緑のパーツを貼り付けてあります。接着ラインは全く残らない、上手い分割ですね。肩アーマー内部のスラスターは可動式で、後ハメが可能。肩アーマーと腕もハサミ込みではなく、塗装後に組める親切設計です。肩アーマー先端下面の、三角形のスラスターは、埋まっている(中から出ている)表現だと良かったでしょうね。

 です。上腕は、ヒジの上でヒネる事が出来ます。肩のコブが、角の取れた四角形の様で、カッコ良くない気がします。三角形の山の様な形になってたら、筋肉の様な力強さが出たかなぁ・・・筋肉で動いてる訳でもないのに、妙な事を言ってますが。前腕は、シールド装備用のスリットを両腕に装備。スジ彫りを太めにして、そのラインの中にスリットを仕込んであります。設定では、普段通りの、細いパネルラインなんですけどね。シールド用のジョイントの設定が無い様ですが、なるべく形を崩さずに解決したかったのでしょうね。面白い解決方法だと思います。



 手首は、穴開きゲンコツが左右各1個付属します。交換用手首は有りません。斜めのグリップにも、まっすぐなグリップにも対応する構造は、このキットでも健在です。

 バックパックは左右2分割。エリの後ろ半分と一体化してます。ここのスラスターは、すぼまらず、正方形に近い形で、設定に近いと思います。バックパック左右のスラスターは、背中と一体成形。実機ではスラスターもバックパックも、背中の穴から生えている様に見えますね。背面が、ほとんど全部穴になってる様な、面白いデザインです。しっかりパーツ分割された、1/100が見てみたいですね。

 武装です。背中の125ミリ2連装高エネルギー長射程ビーム砲「シュラーク」は、2色に色分けされてます。砲口の赤も色分けされてたら嬉しかったんですけど、このサイズで望んだらゼータクでしょうか?(でも、ジャスティスの胸ダクトでも色分け出来るくらいだからなぁ)基部はポリキャップで回転しますが、左右に角度を付けられないのが惜しいですね。

 337ミリプラズマサボットバズーカ砲「トーデスブロック」は、左右2分割とスコープの、3パーツ構成。先端を、色分けのついでに別パーツ化してあれば良かったですね。スコープの裏側は穴になってますが、設定でも少し窪んでいるので、全部埋めたらウソになります。埋めずに放っておいても良いでしょう。肩に担ぐのが基本の様ですが、脇に抱えてもカッコイイですよ。(シュラークにも干渉しませんし。)

 シールドは、設定に無いアダプターを介して腕に取付けます。アダプターは、ピンが2本の、取付け方向を選べるタイプ。設定に無いとは言っても、シールド裏の絵には軸受穴が描かれているので、実機でもアダプターを使っている可能性は有りますね。(あるいはフリーダムの様に、腕からジョイントが出るか。)グリップはモールドで表現されていて、つかむ事は出来ません。

 シールド裏の厚み部分は、残念ながら肉抜きされています。シールド上側には3基のスラスターが付いていますが、3つのパーツの取付け位置を間違わない様に、それぞれ違う形で、裏側に噛み合わせが設けてあります。シールド側の突起(ハメ込み板)が、そのままスラスターの内側になっているのも、塗り分けやすくて良いですね。スラスターの端は、シールド詳細図では角っぽく、全身図では丸っぽく見えます。市販パーツでスラスターを作り直したい人は、好みの形状に合わせて選んでも良いでしょうね。

 シールドに仕込んである115ミリ2連装衝角砲「ケーファーツヴァイ」は、先端が別パーツで、開口してあります。基部は、フロントスカートで御馴染みの、左右一体可動式。構造も共通です。模型誌ではフロントスカート同様に切り離して、独立可動出来る様に改造してましたが、間に金属線を入れて連結してありましたね。そうしないと不安定だったのかどうかは試してないんで分かりませんが、砲の外側にも、最初から軸を設けてあれば、より確実だったんじゃないでしょうか?

レギュラー満タンですね?

 組立時間は、1時間でした。部分的には色々と書きましたが、プロポーションは良いキットだと思います。武装も派手で楽しいんですが、サポートメカ・・・いやいや、相棒のHGレイダーが、まだ発売されてないのが寂しいところ。それまでは食玩「DX仮面ライダー龍騎」ゾルダと一緒に遊ぶと良いですよ。(R&Mシリーズは、ちょっと大き過ぎるので。)背中にマグナバイザーを押し当てて「ファイナルベント!


おまけ

 では例によって、500円カラミテも紹介しておきましょう。プロポーションは、HGに近い印象ですが、サイドスカートや肩アーマーの前後幅、股間の突起やリアスカートの長さ等が、微妙に小さくなっています。そして武器類は、ビーム砲、バズーカ、シールド共、どれも1割程度小さくなっています。詰められる部分を詰めて、なんとか価格を維持したという所でしょうか。



 武器のボリューム感は、HGの方が設定の印象に近いと思いますが、もともと大きな武器ばかりですから、貧弱な印象は有りませんね。HGで重厚さを、コレクションで軽快さを楽しむつもりで、両方買っても良いでしょう。もし武器を小さくせずに、ボディの方を小さくアレンジしてあれば、設定以上に重厚なイメージのキットに・・・いや、それじゃあ身長もプロポーションも、何も守れてないか。



 ところで、バズーカを持ったMSは、SEEDシリーズでは初めてですね。そのため、右腕がバズーカに合わせて、まっすぐに造形されています。他のキットの武器を持たせる事は出来ますが、ヒジに角度の付いたシリーズの中で、ちょっと不揃いな印象に見えるかも。また、ヒジに角度の付いた、ほとんどのキットには、カラミティのバズーカは持たせにくいでしょうね。


武器類の比較。大きくてカラフルな方がHG、小さくて色分けされていないのがコレクションキットです。小さいながらも、縮小率が(ほぼ)揃えてあるのは良心的と言えるかも。

 組立時間は、20分程度でした。武器のサイズばかりが目に付く感じですが、フンドシが後ハメ可能な設計になっていたり、土踏まずの辺りはHGよりも設定に近かったりするので、この辺にも注目したいですね。それから、SEED−MSVで発表されたソードカラミティに改造するベースキットに使えば、武器類は総取り替えになるので、サイズの問題は消滅します。上級モデラーには、丁度良い素材かも知れませんよ。

2003.9.3 健 竹史

1/144 カラミティガンダム
HG カラミティガンダム
ADVANCED MIA カラミティガンダム
月刊ホビージャパン2004年10月号

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