健さんの
プラモコラム

その83
HGジャスティスガンダムの巻

( 1/144 HGジャスティスガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X09A ジャスティスガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 ジャスティスの設定画を初めて見た時は、「なんかデカイの背負ってるなぁ!」と思ったもんですが、リフターって、それでも小さいんですよね。グフがドダイを背負ったら、こんな比率じゃ済まないワケで。ドダイと比較される前にグゥルを登場させて、目を慣らしておいたのも上手いです。グゥルもキット化してくれないかなー?なんて思いつつ、キットに目を通していきましょうか。



 頭部は、アンテナとオデコのカメラがワンパーツ。トサカは色分けされています。リフターを肩に乗せると、顔が隠れて左右の視界が悪そうですが、このトサカのカメラで問題なく飛行出来るとか、そんな配慮のあるデザインなのかな?単にイージスのイメージを引き継いだだけでは無いのかも。ガタつきのないアゴや、サジットゥス(機関砲)のシャープなモールドも良い感じです。

 ボディです。肩上面には、わずかな段差があるデザインなんですね。ペーパーがけで消してしまわない様に、力を加減したい所です。エリの内側は平らなのが正解(なのかな?)。無変形だと思いながらも、首が引っ込みそうなデザインはドキドキしますね。1/100では、エリの内側が別パーツでフラットだったら嬉しいです。

 ボディ正面の色分けは、茶色い本体にピンクのパーツ、白のパーツを重ねる構成。背中のピンクの部分までは色分けされてないので塗装が必要です。(リフターを起こさなければ見えませんけどね。)胸部ダクトは別パーツで、フチが薄く成形されてて良い感じです。ただ、ゲート跡をキレイに整形したり、キッチリ奥まで押し込むのが、難しい部分でもあります。押し込む時に、極薄のフチに力をかけてキズつけないよう、ピンを切って接着した方が簡単で安心かも知れません。



 は、フロントスカートが左右一体で可動。スカートの押さえになっているセンターアーマーにはピンが無く、正面スラスターにハメ込みます。サイドスカートはサーベルラックになっています。穴のキツさで保持するため、サーベルは後ろからハメ込みます。実機では、もっと余裕のある穴サイズで、内部メカで保持してるんでしょうね。サーベルを掴んで抜く事を考えると、もっと前に飛び出ている方が良いのでしょうけど、連結して丁度良い長さになるのは、このくらいなんでしょうね。

 です。モモは、股関節のポリキャップが、とにかく頑丈に囲ってあるのが印象的。モモ外側のパーツ側に、完全に埋没しているので、ハメ込みピンを短く切っても、頑丈さは落ちにくいかも知れません。今後のスタンダードになるのかなー?ヒザメカ部は左右貼り合わせで、後ろ側のディテールを再現。メカ部の下端(普段見えない所)に、なぜかスラスターかダクトの様なディテールが!ピン周辺の肉厚の都合で窪みを作ったついでの遊び心なのか、それとも実は変形するのか?!(変形して!)

 スネは、ピンクの本体部分を、ポリキャップを挟まずに貼り合わせておいて、白パーツを貼り付ける時にポリキャップを仕込みます。後部スラスターは、若干ですが可動します。このスラスターとヒザ関節が、同じ幅で一つのスリットに収まってるから、ますます変形しそうに見えるんですよね。足首関節は、スネ側が固定なので2重関節にはなっていません。足首カバーは、上下貼り合わせの構造です。



 足首は、グレーのメカ部分にポリキャップを押し込んでおいて、足裏と足の甲を取り付ける構成です。足の甲のグレー部分は、ピンクのパーツの穴からメカパーツの一部が露出したものです。足首関節のポリキャプは、スペースの都合で側面が露出しています。上級者は、薄いプラバンで隠しても良いでしょうね。

 肩アーマーは、ビームブーメラン「RQM5バッセル」をハサミ込む構成。ハメ込み部分が丸見えなので、肩アーマー内部色で塗っておくと良いでしょう。このバッセル、説明書によると「建造後半になって追加された」のだそうです。正しくは登場直前に・・・かな?500円ジャスティスのパッケージ解説では、武装リストの中に数えられていません。残念ながら分離は不可能です。

 は、フリーダムに比べて上腕のコブが小さいですね。側面ディテールに違いはありますが、ボリュームだけは揃えても良かったかも。兄弟機ですもんね。前腕は、シールド保持にポリキャップを使わない事から、シンプルな2分割。シールド用アダプターがズレない様に、外側の装甲には設定に無い段差が付けてあります。シールドの取付けっって、仕組みがハッキリしてない様ですね。兄弟機なら、取付け方法も共通で良いと思うんですが。(ここも変形の匂いがするなぁ。)

 手首は、左右ともスタンダードなゲンコツのみ付属します。フリーダムにサーベルと一体になった手首が付属したのだから、こっちにはナギナタ(連結したサーベル)と一体になった手首が付属しても良かったかも。MGみたいにツバの部分を別パーツ化すれば、スライド金型も不要ですしね。

 今回の目玉、リフター(ファトゥムー00)です。垂直尾翼、メインノズル、ビーム砲(MA−4Bフォルティスビーム砲)が色分けされてます。ビーム砲は可動式で、砲口はスライド金型を使って開口してあります。主翼はクランク型のアームで基部が移動、展開します。可動と背中への連結にはポリキャップを使用してます。M9M9ケルフス旋回砲塔機関砲は、今回は可動せず。しかもエンジン部分ごと、バッサリ2分割です。砲身だけでも別パーツだと良かったでしょうね。



 武装です。MA−M20ルプスビームライフルは、HGフリーダムの物と共通の形状。リアスカートへのマウントが出来ないのも共通ですね。ジャスティスの場合も、ライフルとサーベルの干渉は、気を配らないといけないポイントの様です。このキットでは、ライフル本体とグリップのスキマにサーベルが収まる、絶妙の配置です。固定出来ないのが惜しい!

 MA−M01ラケルタビームサーベルは、クリアーのビーム刃が2本付属します。連結出来ないのは残念ですね。(普通にサーベル両端からビームを発生出来るバクゥって、実はスゴイMSなのかも。)サーベルの形状はHGフリーダムと共通ですが、スジ彫りの深さが若干違っている様です。



 シールドも、基本的にはHGフリーダムと共通です。ただし取付け穴の径が、若干違う様で、交換して持たせる事は出来ません。腕側の取付け位置がフリーダムよりも低めで、シールドと肩が干渉しにくくなってますから、フリーダムと不揃いになっても穴位置を見直し、ポリキャップ接続を採用する事も出来たと思うんですが、統一感の方を優先した様です。・・・統一感は有るけど、貸し借りは出来ない、と。「君の形見のシールドは、大切に使わせてもらうよ」なんてシーンは無いとは思うんですが(おいおい!)、融通が効く方が楽しいのになぁ。

 リフターのギミックです。背中の取付け部分はムキ出しのポリキャップです。ここで回転して、肩に背負わせる事が可能ですが、機首の移動時に頭部アンテナに干渉するため、説明書では、一旦頭を外すように指示してあります。実機では、ジョイント部がアームで延長され、リフターが前に倒れてから前にせり出すとか、そんな感じかも知れませんね。肩上面の穴にリフターの突起がロックされ、しっかり固定されます。


リフターを展開しても、しっかりと自立します。予想以上に安定してるので、「Gガン立ち」させてみました。

 それから、分離してジャスティスを上に立たせる形態は、説明書の中では触れられていません。足を置く面積が足りないので不安定ですから、確かにあまりお薦め出来ませんね。リフターを肩に背負っても、安定して立てるサイズにとどめようという判断なんでしょうね。


リフター(ファトゥムー00)の上に立った状態。一段くぼんだ、足を置くべき部分からは、足サイズがはみ出しています。1/100のリフターの上に立たせたら、ちょうど良い・・・と、嬉しいんですけど。

 そうは言っても、まるでマントの様にデザインされた物がコンパクトになっては、イマイチもの足りないのも事実。設定画のボリュームに慣れてしまった今では、「もっとこう、後ろにコケそうなくらいに大きく出来なかったのかなぁ?」なんて思ってしまいますが、きっと本当にコケますから、商品としては、これ位で良いのかも。肩に乗せた状態では実に軽快そうな印象で、なかなか良いと思いますよ。組立時間は、1時間15分でした。


おまけ

 コレクションシリーズの、500円ジャスティスにも、軽く触れておきましょう。MS本体の色分けは胸、アンテナ、バッセル程度ですが、リフターの色分けが垂直尾翼とノズル程度しか違わないので、遠目に見ると、一瞬同じ物が2つ並んでいるのかと思うほど。(ま、ホントの一瞬ですが。)形状も、データをかなりHGと共用しているのか、差が少ない様に思います。互いのリフターを交換して肩に背負わせても、密着します。



 成形方向の制約から、腰のサーベルが斜めになってませんが、武士の刀の様に突き出たサーベルは、HGよりも設定のイメージに近いかも。サーベル単体としては長すぎる印象ですが、どうせ抜けない物ですし、「立ちポーズが映える置物」に徹した判断は妥当でしょう。ポリキャップとの噛み合わせが無い足首関節は、HGよりもスッキリしてますし、ヒザ関節の後ろは、HGよりもメカニカルです。スカート上端も、ちゃんと個別のパーツに見える様、気を配ってますね。胸部ダクトは、色分け目的で別パーツ化してないので、外観はこっちの方が自然です。



 リフターはビーム砲が可動。主翼の展開も、肩への移動も組み替えですが、各形態の再現性はHGと同様のプレイバリュー。ギミックや色分けに左右されないため、エンジン周辺のパーツ分割は、HGよりもパテ埋め箇所が少なく、組みやすいでしょうね。(ノズルの塗装は大変そう。)インテークの中央のフィンが無いのは、意図的な簡略化かな?下面の整流板(?)が斜めでないのが残念です。成形の都合は、問題無いと思うんですけど。武装は、ライフル、シールドともコレクションフリーダムと同等の物が付属しますが、シールド裏の取付けピン位置だけは変更してあります。

科学忍法「竜巻ファイター」!

 今回も、HGに見劣りしないクオリティだと思うので、2つ並べて遊んでみるのも良いでしょう。リフターを2機使って、肩にも足元にも装備してみるとか、ジャスティスの上にジャスティスを立たせてみるとか。そう言えば、リフターの上に立つだけで「活躍シーン」になる訳ですから、ポーズに制約のあるコレクションジャスティスこそ、乗れるサイズの大きなリフターが付属してたら良かったかも知れませんね。


2003.7.27 健 竹史

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