健さんの
プラモコラム

その82
1/100 フリーダムガンダムの巻

( 1/100 フリーダムガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X10A フリーダムガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)



「あぁ・・・ガンプラ?!」

「ちょっと大雑把ですわね。これはSEED1/100シリーズ第7弾、フリーダムです。スナップフィットや色プラの技術をも取り込み開発された、バンダイの最新のキットだそうですわ。」

「これを何故僕に?」

「今のあなたには必要なキットと思いましたので。お手頃サイズだけでも、ビッグサイズだけでも駄目なのです。だから・・・!あなたのコレクションに、陳列棚に、このキットは不要ですか?」

 冒頭から、またバカな事を書いてしまいましたが(笑)、フリーダム初登場のシーン、良かったですね。何度も見返してるうちに、「女性の店員さんに、こんな薦められ方されたら買っちゃうかも」とか思ったもんですから。マジで、コスプレ販売のキャンペーンやってくれないかなぁ。ぜひご検討を!

「・・・ところで、君は誰?

「わたくしは、プラモデルニュースの上○彩ですわ。」

失礼、本題に入りましょうか・・・。



 頭部です。ストライク同様、目はクリアーではなく、黄色で成形されています。やはりイージス以降に商品仕様を変えた訳ではなく、「主役機は無塗装でも楽しめる様」という配慮みたいですね。マスク横のグレーの部分も色分けされましたが、別パーツ化された都合で、HGよりも厚みが強調された気がします。今回は左右一体のグレーパーツに、白いマスクを前からハメ込む構造ですが、1/60では、どうなるんでしょうね?ストライク等と同様のマスクの表面に、グレーのガードが重なってる構成だと嬉しいんですが。

 ところでフリーダムのバルカンって、視線と一致せずに、下向きに配置されてるデザインみたいですね。MSと戦いながらも、バルカン(とメインカメラ)は歩兵を狙ってるとか?(ヒィー!)凄まじい機密保持への執念!いや、きっと上空から下の敵を狙う戦法に適した設計なのですよ。そうに違いない。

 ボディは、胸中央の赤いライン、エリ、ウエストの白部分まで色分けされ、HGよりも充実しています。ダクトは表側から取り付けます。スキマから、奥の排熱構造が見えるのが良いですね。説明書では、バックパックの取付けはかなり後回しになっていますが、エリのロックを兼ねているので、ボディと同時に組んでおきたいですね。

 は、通例通りフロントスカートが左右独立して可動。でもスカート基部の出っ張りに干渉して、ストライクやバスターほど大きくハネ上げる事が出来ず、立てヒザポーズに不利ですね。不可能ではありませんが、スカートがヨジれてカッコ悪いし、ポリキャップを歪めたのか、保持力が落ちてしまった様な・・・(他キットの余りポリパーツと交換しようかなぁ。)腰フレームの干渉部分は、削り落としておくと良いかも知れません。


フロントアーマーを起こすと、内寄りに傾いてしまうのが伝わるでしょうか?グレーの腰内部フレームを、少し削ってやれば解決できると思います。


 です。ザフト製という事で、ヒザメカ部はストライク等とは異なる形状。デザインの都合でパテ埋めが必要な部分がありますね。ワンパーツで済ませて、パテ埋め不要になってるHGに、改めて感心したりして。スネ正面のスラスター(?)は、パーティングラインがディテール部分を通らない分割になっています。欲を言えば、ヒザアーマーを正面からワンパーツ成形してあれば、もっと楽だったんでしょうけど、フレームの露出も無い機体でそれをやるのは、MG以上限定かな?スネ後部のスラスターは別パーツ。偏向板も可動します。

 足首は、関節メカ部が、ストライクを思わせるデザインになっています。カバーで覆われた部分にセンサーのディテールを入れるのは「?」ではありますが、地球軍とは別のセンサーなのか、センサーの機能を妨げない素材の足首カバーなのかも?なんて解釈もアリかな。(って言うか、どうせ見えないし。)足首カバーは、アキレス腱の辺りに接続します。

 ツマ先とカカトの間のグレー部分(キットでは要塗装)はフレームそのままの様で、2重関節にしづらいデザインですね。キットでは、このグレー部分に、別の足首関節が接続されていますが、これは可動のためのアレンジという事ですかね。HGも含めて、他のキットも2重関節がスタンダードになっているだけに、つらい所ではあります。ボクは「関節部は略して描いてあるかも」と思っているので、今後もこのキットの解釈でも構わないと思っています。



 肩アーマーは、上の赤い部分が別パーツ。スラスターも2色に色分けされました。スラスターはハサミ込み式ですが、肩アーマー裏のピン受け穴と、赤パーツ裏の突起で位置が決まりそうなので、ピンを全て切り落として、後で接着しても良さそうです。って言うか、赤パーツとの噛み合わせだけで保持出来ちゃうかも知れません。後ハメ加工の方法まで考慮して設計してるのかな?

 です。上腕はHG同様に、コブの部分でヒネる事が可能です。この構造、ヒネリに適さない元デザインを、強引にヒネってる様な印象もありましたが、装甲の継ぎ目をガードる、優れた構造かも知れないなぁ、なんて思い始めていたりして。コブの裏には、止むを得ずスキマが出来ますが、少しでもスキマは少ない方が良いですよね。上腕の筒部分の断面は、HGはほぼ正方形、1/100では長方形です。正方形のHGの方がスキマは最小限で済むので、より適切な判断かも。HGのデータは使いまわしていないのかな?

 前腕は、側面のカバーが外れてシールド用のジョイントが現れます。と言ってもモールドだけなんですけどね。「その80 HGフリーダムガンダムの巻」で予想してた通り、ヒジ関節に近すぎて、ジョイントのギミックを仕込むのは難しそうです。シールドの取付けは、モールドの隣にある穴に、設定に無いアダプターを介して取り付ける方式にアレンジされています。このテのカバーは外すのが難しいものですが、今回のカバーは、ツメで簡単に外せて、良い感じですよ。

 手首は、左右の穴開きゲンコツと、ライフル用の右手が付属します。パーツ分割はストライク等と同じですが、ディテールは地球軍MSとは別の物になっています。


左腕のシールドマウント部は、カバーを外してあります。前腕中央の穴がシールド取り付け穴、ヒジ付近の穴は、ヒジ関節用ポリキャップの取り付け穴が貫通したものです。


 ところで、1/100恒例だった肩のスイング機構は、今回は仕込まれていません。これまで肩関節に使われていたポリキャップEが、ウイング支持アームに使われて、ポリキャップが足りなかったからですかね?前々から、こんな時には追加のポリキャップを入れて欲しいと思ってるんですが、ABSのランナーも有るキットですから、ABS関節や、ABSのキャップパーツを採用しても良かったと思います。

 もっとも、サイドスカートもヒジのフックも大きいフリーダムの場合、右脇を締めるポーズが苦手なので、肩が多少前後しても、正面狙撃ポーズは取らせにくいかも知れませんが。(ウエストをヒネれば済む事です。むしろ、ウイング付きのMSの場合は、ヒネった方が躍動感が増す気がします。)

 バックパックは、上・下・スラスターの3パーツ構成。ウイング基部は、HGでは単純な円錐形でしたが、今回は段差を設けたりして、より見栄えの良い形にアレンジされてます。ウイングの可動はHGと同等。今回も基部のポリキャップは露出していますが、側面からは見えにくくなっています。全部隠せなくても、印象はかなり良くなる物ですね。



 武装です。MA−M20ルプスビームライフルは、今回もストライクのライフルよりも大きくなっています。カバー部分はスライド金型でワンパーツ成形。ライフル本体に、本当に上から被せる構成です。ライフルを、リアスカートにマウントする事も可能になりました。サーベルの、スカート表面からの突き出し具合を控え目にして、ライフル側の突起を長くして実現しています。レールガン展開時にはマウント出来なかったり、スラスターの真下だったり、リアスカートのセンサー(?)を塞ぐ位置である事を考えると、主に待機状態でマウントするための物なのかも。



 MA−M01ラケルタビームサーベルは、サイドスカート上に固定可能。保持力は十分です。クリアーのビーム刃が付属する他、筒状のジョイントパーツを使って、2本のサーベルを連結する事も出来ます。このジョイントパーツ、MGの標準的なサーベルの径にも合うので、塗装してないMGを持っている人は、遊びで試してみても良いでしょう。ストライクやデュエルのサーベルには合いません。フリーダムのサーベルは、地球軍MSの物よりも、かなり大型の様ですよ。



 M100バラエーナプラズマ収束ビーム砲は、黒い部分が色分けされました。ここも肩アーマーの様に、後ハメ加工してくれとでも言いたげな構成。板状の抜け止めをニッパーで切り飛ばすだけで、後ハメ可能になりそうです。回転軸部分はABSの筒パーツ。外径でビーム砲を保持し、内径で両面のウイングを保持してます。ストッパー構造が仕込んであるので、ウイング展開(ハイマットモード)時に、10枚の羽根の配置がピタリと決まります

 MM1−M15クスィフィアスレール砲(レールガン)は、HG同様に展開が可能。折り畳み位置を一定させる、位置決めピンも健在です。さらに今回はグリップの展開が可能になってます。ちょっと引き出しにくいので、グリップ下の穴(ロック用のジョイント穴)から、ツマヨウジ等で押し出すと良いですよ。良い個は3つ持っている、1/144フリーダムのツノなんかも便利です(泣)発射口やダクトは別パーツ。ビーム砲も別パーツだと、完成度が揃って良かったでしょうね。(パーツ分けは、色分け目的という位置付けのシリーズなのかな?)



 シールドは、赤い三角パーツをサンドして白パーツ2枚を貼り合わせ、さらに表面に黒、赤、ダクトパーツを貼り付ける構成。厚みが有って、打突武器としても頼もしい感じです。グリップ位置は、差替えによって5段階に調整可能。デュエルみたいに、畳んだ状態にも出来たら良かったんですけどね。

 オマケに、ラクスのフィギュアが付属しますが、そのまたオマケにハロが付属するのが嬉しいですね。実はコレ、1/20ピンクちゃんであると同時に、1/60初代ハロとしてもピッタリのサイズじゃないですか?SEEDに興味の無かった一年戦争ファンの人も、このキットを買って、PGガンダムのコクピットにピンクちゃんを置いてみてはいかが?ラクスはスカート内の再現はありませんが、前後貼り合せなので改造はし易いと思います。


新旧ハロの比較。ラクスが持っているのがSEED版ハロ「ピンクちゃん」、右が1/20フラウ・ボウに付属している、初代ハロです。(近年再販された物は、クリアー成形となっています。)

ハロを小型化して商品化しやすくしたのは、SEED最大の功績かも?なんて思ったりします。皆々様、8月6日はハロの日ですぞ!

 組立時間は、1時間50分でした。他の1/100シリーズに合わせたディテールも追加され、HGよりも一段とカッコ良くなってます。主役の風格を楽しむには丁度良いサイズだと思うので、HG派の人も、フリーダムだけは1/100も買ってみてはどうでしょう?


おまけ

 今回は、お詫びと訂正であります。「その80 HGフリーダムガンダムの巻」の写真は、左右のウイングを逆に取り付けてました。通常形態の外観には影響ありませんが、ハイマットモード時のウイングの形が違ってしまっていました。(該当の写真は差替え済み。)

HGフリーダムガンダムのウイングの展開状態。右が正しい展開、左が、後ろのウイングを上にした、誤った展開。(左右のウイングを間違って取り付けた場合も、この状態になります。)

頭とウイングの間隔に注目。軸の配置の仕方で、ここまで形(位置)が変化するという見本ですね。

1/100フリーダムガンダムでは、ウイング基部のポリ隠し構造のおかげで、左右の取り付け間違いが起こらなくなっています。


 こっそり直しておけば良い物を、あえて記事として採り上げたのは、間違った場合、ウイングの位置が大きく変化する事が面白いと感じたからです。2つの軸で3枚のウイングを連結しているので、どの順で展開するかで、軸位置が変化するんですよね。ボクが間違った様に展開した場合、ウイングが外寄りに位置します。左右でウイングの配置を変えれば重心も移動して(AMBAC?)、宇宙でも旋回半径を小さく出来るとか?設定では、ウイングの配置は固定なのかも知れませんが。ウイングが外寄りになると、バックパックに干渉しなくなって、後ろに向ける事も出来ますから、知っててワザと配置を変えてみるのも面白いかも。正しく組んだ人も、一度お試しあれ。


2003.7.24 健 竹史

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