健さんの
プラモコラム

その78
1/100デュエルガンダムの巻

( 1/100デュエル ガンダムアサルトシュラウド/ バンダイ/
GAT−X102 デュエル ガンダムアサルトシュラウド
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 ヒカルの碁」ファン待望、塔矢アキラのフィギュアが登場です。それにしてもこの服装や、同梱された謎のロボットは、どこかで見たような・・・あ、手元の資料が間違っておりました。失礼、失礼。(と、白々しく間違えつつも、マジでヒカルのフィギュア欲しいなぁー、と。)



 気を取り直して、デュエルです。ストライクとの共通性が高いためか、1/144やHGでは、ストライクに次ぐ「シリーズ第2弾商品」だったんですけど、1/100では、ずいぶん待たされましたね。当初はスタンダードなMSを優先し、ストーリーが動き始めたらライバルのイージスを優先、バスターは、その中間とか?今回の発売に合わせたのかストーリー中でも大破を免れ、CMも作られました。今、さりげなくプッシュされてる重点商品なのかな?プラモとアニメ、どっちがどっちに合わせて展開してるんだろう?なんて思ったりするのです。ではキットの方へ。

 頭部は、目とメインカメラをクリアーパーツで再現。と言うと毎回恒例の様に思えますが、クリアーパーツを、マスク裏からではなく、表からハメ込む構成が面白いですね。そしてオデコパーツでフタをする訳です。今後、オデコが別パーツ化出来るデザインの場合は、この方式が良いと思いますね。チョンマゲ内部のスペースに制約が少なくクリアーパーツ自体もフラットな形状で済む気がします。収縮も少なくなるかな?

 この構成のおかげか、目とメインカメラの奥(すぐ後ろ)は空洞ではなく、白い(顔面)パーツが存在します。ここをシルバーにでも塗装しておけば、目の輝きも増して、さらにカッコ良く仕上がるでしょう。無塗装でも、MGに有りがちな、「目が空ろ」な印象にならず、カッコイイですね。もっともSEEDの場合、目が空ろな方が、敵組織に誘拐されて操られている感じが出てリアルだ!とか思ってしまう(バカ?)ボクは、初代ライダー世代です。(笑)アゴの奥も詰まっててガタつきが無く、かなり良く出来た構成の頭部だと思います。

オデコパーツ(バイザー)を外した状態。目と頭頂部メインカメラのクリアパーツが、前側からハメ込まれています。写真では分かりにくいと思いますが、後ろ(内側)からハメているのでは無いらしいとは、思ってもらえるでしょうか。

って言うか、白くて分かりにくいのは、クリアパーツの後ろが空洞でないからこそ、なんですけどね。

肩の上(頭の左右)の細長い突起は、増加アーマーを固定するための物です。


 ボディは、ウエストを胸パーツでサンド、肩は前後可動する、ストライク等と共通の構成。肩関節のデザインも、ストライクに合わせてあります。胸のダクトに加えてワキ腹も色分けされ、HGよりも設定に近い配色になりました。肩上面には、アーマー装着用の突起が追加されましたが、これが余分かどうかは断言出来ない所です。大河原さんの設定画は見上げる構図なので、肩上面が見えない事が多いですし。追加ディテールと見る事も出来ますね。

 は、HGよりも股関節軸のディテールが、あっさりした印象。フロントスカートが無いので、この辺はもっとオーバーな表現でも良かったかも。ところで、HGと1/100では股関節の軸位置が違うんですね。モモの内部スペースの違いが原因でしょうけど、これはデュエルに限った事ではない様です。1/100の方が設定に近いですね。増加アーマー取付け穴は段差でフチ取りされ、ちょっと凝った感じになりました。サイドスカートはHG同様、後ハメが可能です。

 は、ストライクよりも長めで、特にスネが長くなっています。足首メカ部は一見すると共通ですが、ストライクよりも内部が見えやすいため、奥に突起を追加してスカスカ感を解消しています。メカ部自体を太めにして解決していたHGよりも、上手い方法だと思います。ヒザメカ部も一見共通に見えますが、ストライクの方がヒザアーマーが密着しているため、干渉部を大きくエグってあります。なかなか共通化してもらえないのが、もどかしいですね。

 足首はストライクと共通のデザイン。でも良く見ると、足の甲(白パーツ)の関節内側を少し切り欠いて、足裏接地性を高めてあります。ここはストライクと違いますね。改めて見ると、バスターも切り欠いてあります。そうか、敵組織に捕まって改造を・・・じゃなかった、バスターの時の踏ん張りポーズ対策を、引き継いだという事でしょうか?足首アーマーが無いので、気付いた後は目に止まりますね。

 肩アーマーは、HGと一番印象が変わった部分かも。やはりグレーのフレーム部分に、表面装甲を貼り付ける構成なんですが、両端の丸モールドに注目。これが平たいフレーム表面だと解釈すれば、白いアーマーを大きく切り欠いて、1/100の様な形状解釈になります。丸モールドは、フレームから出っ張っているのだと解釈すれば、HGの様な、白パーツと噛み合った形状になります。目が慣らされていましたが、設定を良く見ると、1/100の方が正しい様に思えますね。

 です。上腕とヒジ関節は、ストライクやバスターと共通の様です。肩ブロックは、上腕と同じで成形。1/100と1/60のストライクの肩ブロックは、設定と違いますがグレーです。コレはコレで面白いんですが、デュエルやバスターとは異なっています。1/100シリーズを並べるなら、肩ブロックの塗装は、どちらかの解釈に合わせると統一感が出るでしょう。

 前腕は、左右貼り合わせてから腕輪(青)パーツをハメる構成。白部分と青部分は、設定では太さが違いますが、キットではほとんど段差を付けてありません。後で追加アーマーの腕輪と重なるためですね。シールド装備用のポリキャップを両腕に内蔵。HGではモロ見えでしたが、ハードポイントらしいディテールで囲ってあります。

 手首は、左右のゲンコライフル用の右手が付属します。ここはストライク、バスターと共通の形状ですね。



 バックパックは、下側のスラスターが左右一体で可動。HGデュエルもそうですが、HGUCでおなじみの左右一体スカートみたいに、軸には突起が付いています。スラスターの周囲が囲ってありますし、軸の中央で切断すれば、ガタつきなく左右独立可動に出来るかも。(試してませんけど。)サーベルホルダーは可動式。HGやコレクションキットに比べて丸みの無い、シャープな円柱形になりました。

 武装です。ビームライフルは、スコープが別パーツでないのが残念な所ですが、銃身下の「175ミリグレネードランチャー」のギミックを再現。(公式ガイドブックでの表記。どこが175ミリなのかなぁ。一番細い所?キットの説明書では「マルチ・ガンランチャー」となっています。)グレネードは、弾体上面にスリットが有り、ライフル側のツメでも保持されています。

 ビームサーベルはストライクと共通。ホルダーに差し込む部分のキツさが少し違っていますけど。ビーム刃「ストライクの物を流用可能だ!」とか言わずに、ちゃんと付属してます。(笑)

 シールドです。ストライクの時には3箇所から選べたグリップ取付け位置は、2箇所プラス折り畳み状態に変更。腕とのジョイント部分は、ポリキャップがスイング可能になりました。それでも肩には干渉しますが、多少でも改善したのは嬉しいですね。設計は新規ですが、形は変わっていない様です。色を塗り変えてストライク用にしても良いでしょう。

左から、グレネードを外したビームライフル、デュエルのシールド、ストライクのシールド。

デュエルのシールドは、グリップの折りたたみを差し替え式で再現、腕への取り付け部のポリキャップが可動式になりました。
ポリキャップ周辺は別パーツでなく一体になりましたが、「ハメ込みピンを短く切りすぎても、着脱時に分解しにくい」効果を狙ったものでしょう。

ストライクのシールドに比べて、ポリキャプ位置がシールド内部に埋まってしまったため、シールドと肩アーマーが、ますます接近してしまっているのが、やや残念ではあります。(これを解決するためのスイング可動でしょうに・・・)


 イザークのフィギュアは、意外と穏やかな顔で造形されてます。これならキラの味方になるとか、予想外の展開になっても並べて置けそうです。とは言っても背筋はピンと伸ばしてて、軍人らしい立ち姿。キラやアスランに比べ、イザークとディアッカの姿勢は凛々しさが違います。ニコル君も並べたいなぁー。

左から、イザーク、ディアッカ、アスラン、キラ(制服、私服、パイロットスーツ)。左の二人は、背筋がピンと伸びて、いかにも軍人風。アスランは背筋は伸ばしても、アゴは引かずに柔らかい感じ。キラは、私服が一番元気そうで、パイロットスーツなんか、うつむき気味ですらあります。(出撃前じゃなく、戦闘終了後なのかなぁ。)


 それではお楽しみの、アサルドシュラウドです。ボディアーマーは、HGでは胸の両脇まで囲っていましが、これは取付けの都合でしょう。今回は前面だけを覆う構成で、こちらが正しい様です。このために、デュエル本体の肩に突起を設けて接続する様、アレンジされた訳ですね。対ビーム防御策なら正面だけでも十分と思えますし、アーマーと本体の、パーツの重なりも楽しめるデザイン。幅が肉厚分スリムになり、HGより軽快な印象も良いです。

イークイーップ!!

 腰フロントアーマーは、ボディアーマーと別なので、装着後もウエスト回転が可能です。元々あまり大きくは動きませんけどね。スカートは可動式。ここも大きくは動きませんが、モモに密着してないデザインなので、脚は十分自由に動きます。スカートのハメ込みはキツめですが、ベルトの下方向から押し込めば破損しにくいと思います。

 腰リアアーマーはワンパーツ成形。スカートの可動は有りません。ところでフロントスカートでは、ヒンジの成形の都合で開いた穴をデザイン的に処理してあるんですが、リアスカートには同じディテールが有りません。構造が前後で違ってるんでしょうか?フロントに似せたディテールが入ってても良かったかも。

 スネアーマーは、HGでは脚を左右からサンドしてましたが、今回は前面と側面から噛み合わせる構成に改められました。中央に接着ラインが残らない、良いアイデアだと思います。HGでは、ラインを消すために着脱をあきらめて接着するか、ラインを消すのをあきらめるしか無かったですからね。本体のスネに、アーマー固定用のミゾが追加されましたが、ディテールと思える範囲で処理されています。

 足首アーマーが可動しませんがポージングは十分に可能、アーマー裏がスカスカなのは価格アップを避けるためとしても、スラスターが足首アーマーに貼り付いているのは、すごく残念です。せっかく別パーツなのに、これじゃ一体成形と同じです。

腕とスネのアーマーです。分割位置が分かりやすいように、ちょっとスキを残した状態で撮影しています。


 肩アーマーは、HGでは中央で前後分割されてましたが、今回は後ろ寄りの位置で分割。内部にミサイルやレールガンの制御装置が内蔵されているなら、今回の方が説得力有りますね。ミサイルポッドは開閉可能。ミサイルが別パーツでないのは残念ですが。115ミリレールガン「シヴァ」は、銃口もスコープも別にせず、2分割という男らしい構成。HGはボールジョイントで可動しましたが今回は軸可動で、微妙に悔しい感じ。まあ、実機は軸可動だと思うので、これで十分ですけど。

 肩アーマーを装着すると、サイドアーマー(青いパーツ)が動かなくなるので、腕の可動は制限されます。MGが出るなら、ゼータプラスの腰ビームカノンの様な関節を仕込めば解決出来るんじゃないでしょうか。

 腕アーマーは、グレーのパーツを横から被せ、腕輪を連結する2パーツ構成。HGではサイズの問題から、腕輪部分のプラ肉厚が目立つとの判断か、簡易的な再現にとどまった部分です。今回ようやく、アーマー有り・無し両方のカラーリングが再現されました。

 背部増設スラスターは、色分けはHGよりも充実しましたが、天井パーツ(おそらくプロペラントタンク)の裏は今回もスカスカで残念。裏ブタパーツが欲しかったなぁ。これ以上パーツを増やすと価格が上がってしまうのかな。ここを充実させると、何か他のパーツを省略する必要が・・・ん?イザーク君、何を脅えているのかね?(笑)



 組立時間は1時間45分でした。ふと思ったんですが、装備変えでストライクを3回も発売するなら、先にデュエルを発売してくれてたらなぁ、と。主役を後回しにするのは商売として「?」ですが、シールドの肩干渉グリップの改善案がストライクに反映されていたら、改良版のシールドが3枚手に入っていたかも知れませんからね。

 それから、肩フックの規格がストライクと微妙に違うのも惜しいですね。前後幅が2ミリ狭ければ、ランチャーの右肩ユニットがフィットするんですが。とは言え、単体で見ればなかなかカッコイイ出来栄え。頭部クリアパーツの処理(今後のMGに反映を!)やシールドの改良など、意欲的な設計も好感が持てる、オススメのキットです。


おまけ

 デュエルの肩のフック、ストライクのキットと互換性が無い事が、かえって妄想をかき立てる面も有ったりして。例えば、これは手持ち武器携行用のフックだったが、追加装備用に使ってはどうかという案が出て、ストライク設計時には規格が刷新されたとか。

 ストライク同様の追加装備用とすれば、サイドアーマーはやっぱり邪魔なんですけど、肩上に装備を装着する時、実はサイドアーマーは下に下がるとか。あるいは腕と独立して動かせる様、肩横に吊り下げる装備が用意されてて、その場合サイドアーマーは取り外すのだとか。まあ「オレ設定」で兵器体系ごとスクラッチするのも大変ですが、イラストを描いて楽しむ分には、面白いかも知れません。


2003.6.1 健 竹史

1/144 デュエルガンダム
HG デュエルガンダム アサルトシュラウド
1/100 デュエルガンダム アサルトシュラウド
1/144 スラッシュザクファントム
MIA デュエルガンダム

機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK1
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK2
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK3
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK4
シンフォニーSEED 交響組曲 機動戦士ガンダムSEED

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