健さんの
プラモコラム

その75
HGブリッツガンダムの巻

( 1/144 HGブリッツガンダム/ バンダイ/
GAT−X207 ブリッツガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 「フリーダム!フリーダム!どいつもこいつもフリーダム!なぜだ!なぜヤツを宣伝して、このオレを宣伝しねえんだ!くらえ鷹爪三角ロケット!!」・・・とまぁ、ニコル君はこんな事言わないでしょうけど、同時発売のフリーダムのCMばかりが目立つ気がするのはボクだけでしょうか?こっちの方が3倍も高額なのに。5体のガンダム勢揃いの快挙なのに。第3クールのオープニングでの冷遇ぶりも気になりますが・・・とか心配してたら、やられちゃいました。うわらば!(だからニコル君は言わないって。)



 という訳で、追悼記念みたいな発売になってしまったブリッツですが、これからもアスランが回想するシーンで活躍し続けると思うので、ぜひ1/100も発売して欲しいものです。そう言えば、先に散っていったラスティーの立場は?親はやっぱり評議会メンバーなのかな?なんて話は置いといて、キットを見ていきましょう。

 頭部は、機体の特徴を反映してか、どことなく忍者の様なシルエット。ビッグボルフォッグもこんな感じでしたっけ。アンテナも手裏剣をモチーフにしてるのかも。アゴが大きい分、マスク内部のスペースが狭いのか、アゴのパーツの取付け部が小さい様です。グラつきが有るので、アゴは接着した方が良いでしょう。組んだ後には安定するのかも知れませんが、顔面パーツの取付けが、どこまで押し込んだら良いのか、良く分からないパーツ形状になっており、最後まで密着してくれません。この辺はちょっと不親切かも。

 ボディは、胸側のパーツが肩を越えて後方まで伸びたデザインのため、上面に接着ラインが残らないのが嬉しいですね。実機の装甲も、継ぎ目が無くて強固と言えるかも。前側の赤いパーツは、ミラージュコロイドのガス放出口なんですかね?表側から取り付ける構成ですが、1/100が出るなら、胸の内側から仕込む構成になってると、より実感が出るんじゃないでしょうか。カラフルですが、分割ラインが目立つのは、いろプラのつらい所です。

 です。スキが無いのに良く動くフロントスカートは、ちょっと感動モノかも。一見しただけでは、無可動のデザインにも見えるほどのスキの無さです。この辺も、忍者の衣装を意識してるデザインなのかなぁ?サイドスカートはスラスターを兼ねてますが、前後に回転が効いて姿勢制御に役立ちそう。ポーズ付けの時に回してみるのも良いかも。フンドシは、他の4体のガンダムと違ってメカグレーではなく、ボディカラーの黒で成形されてます。単色に近いからこそ、装甲を着込んでいる様なチラリズムが映えると思うんですが、どうでしょう?メカグレーに塗る事を提案したいです。



 です。スネは、グレーのフレームに外装を取り付ける構成。前、後、ヒザ、側面と、各装甲がハッキリ分断されている事もあって、パーツ分けの効果が見栄えにしっかり反映してる印象。足首アーマーは、ほとんどスキが無いのに可動し、ポーズ付けの妨げになりません。浮き上がった足首アーマーの下にはシリンダーのモールドが有ったりして、ちょっぴり得した気分です。

 足首は、ツマ先とカカトが分かれたデザイン。このテのデザインの場合、ツマ先を伸ばす様に可動するギミックは良く見かけますが、今回はそれに加えて、ヒネる様にも可動して、開脚時の接地性が、非常に良くなってます。カカトは浮いた状態になりますが、90度以上に脚を開いて踏ん張っても、足裏がピタリと接地する自由度の高さは、このキット最大の見せ場でしょうね。オープニングのハデなポーズも再現出来ますよ。あんまり良く動くんで、しばらく気付きませんでしたが、足首関節は2重関節には、なってないんですね。

ちにゃ!!

ツマ先をヒネるギミック。これによって、大きく踏ん張ったポーズでも、足裏が見事に接地します。カカトが浮いてしまうと言っても、人間だってツマ先立ちする事は有る訳ですし、問題無いと思います。


 は、下面をバーニアが覆ってくれるデザインのため、接着ラインが上面にしか出ないのが嬉しいですね。バーニアはハサミ込みですが、後ハメ加工にも配慮した様な形状です。肩アーマー本体と噛み合う形になっているので、ジョイントを全て切り落として、接着しても良いでしょう。ところで、肩の他にヒザや足首アーマーにも見られる山形の形状は、ミラージュコロイドが全身に行き渡りやすい様に工夫された面構成?だったりして。

 は、左右でヒジのディテールが違うんですね。右腕トリケロスを固定するために、元デザインには無いミゾが追加されています。左腕は、ジョイントピンを抜き取れば、グレイプニールを装備していない状態も再現可能です。前腕の分割は、ディテールの中央を通る様に割ってあるのがツライ所ですが、これは仕方ないでしょうね。

 手首は、HGバスターと共通の様です。元のデザインは5体共通と思いますが。キットの手首形状は5体揃いませんでしたが、手持ち武器の互換性は、HG、コレクションシリーズとも、アストレイから一貫して守られました。ライフルのグリップ角度が違っても、全ての手首にフィットするというのは、プレイバリューの面で非常に優れたシリーズになったと思います。そう!ミクロマンの様な。多彩な武器(バズーカやアーマーシュナイダー)や乗り物(サブフライトシステム)が発売されれば、もっと楽しめそうですね。

 バックパックは、ボディと一体と言うか、背面装甲が存在しない様なデザインですね。良く見ると、基本はストライクの背面と共通の様です。各バーニアの内側にはフチ取りの様な段差が追加して有り、単純な凹みにはなっていません。凝ってるのは嬉しいんですが、こうなると肩アーマーのバーニアが単純な凹みなのが、ちょっとだけ残念に思えてきますね。


HGデュエルガンダムのビーム刃をセットした上体。(このキットにサーベル用のビーム刃は付いていません。念のため。)


 武装です。右腕の攻盾システム「トリケロス」は、ライフル、サーベル、ランサーダートが仕込まれたシールド。ライフル部分は、本体とスコープの2パーツ構成。しかも右側の面はシールドと一体で成形してます。銃器モノは、このスケールでも銃口が別パーツになってるのが標準なので、ちょっと寂しいかも知れません。ランサーダートは、3本のうち上の1本のみ着脱可能サーベルは、なぜか(笑)スライド金型でビーム刃の取付け穴が開いていて、なぜかデュエルのビーム刃を流用可能です。このサーベル、必要に応じて手に持っても良いと思うんですが、実機は着脱可能なんでしょうか?キットでは固定ですが。

 左腕のピアサーロック「グレイプニール」は、閉じたツメと開いたツメが付属し、差し替えが可能です。開状態のツメは、内側に肉抜きが有ります。ディテールにも見える様に配慮はしてありますが、塗装派の人は、パテで埋めた方が良いでしょう。敵を貫く武器にデコボコが有ると、抜けなくなりそうで心配ですし。



 グレイプニール用の飾り台とリード線を使えば、射出シーンを再現出来ます。飾り台は黒ですが、グレイプニールと同じ色になるのは避けて、グレーのパーツで成形してあると良かったかも知れません。理想はクリアー成形でしょうけどね。また、リード線に引かれて倒れない目的か、グレイプニールのサイズに対して、ベースが大きめに作ってある様に思います。せっかくだから、もう少し大きくして、ブリッツ本体も飛行ポーズで飾れるなんて言う、2通りの使い方が出来ても良かったかなぁ。なんて欲張り過ぎ?

 組立時間は1時間5分でした。一番動きにくそうなデザインに見えて、ポーズの自由度は他のガンダムより格段に高いです。特に足首の可動が自由だと、下半身全体の自由度が増しますね。ブリッツほど大きくは動きませんが、イージスのツマ先もヒネれるので、同じ様に踏ん張らせてみると良いでしょう。あー、イージスのウエストがヒネれないのが、非常に惜しい!



 それからカラーリングですが、パープルの部分も、キットではメカグレーで成形されているので、塗装すると、もう少しカラフルになるでしょう。また、赤の色分けは、かなり省略されています。シールは付属してますけどね。シールドなんかは、実は黒よりも赤の部分の方が多いんですよね。1/100が発売される事が有れば、HGよりも、ずいぶんカラフルになってるかも知れませんね。



おまけ

 例によって、400円ブリッツにも軽く触れておきましょう。ストライクは装備無し、デュエルは増加装甲無し、イージスは背中がペラペラ、バスターは武器を小さく。と、コレクションシリーズは可動意外にも、省ける部分を省く事で、低価格を実現してきた様に思います。でもブリッツに限っては、常に全ての装備を携行していて、省ける部分が無いデザインですね。トリケロスも、通常のシールドと違って、裏面を省く訳にはいかない物ですし。という事で、HGとコレクションシリーズの差が、特に少ない機体と言えるかも知れません。装備も、ブレイプニールが若干小さいものの、トリケロスのサイズはHGと変わりません。



 ディテールに関しては、胸のミラージュコロイド噴出口が別パーツ化されていない為に、かえって理想的な方向(正面)から成形されています。塗り分けは大変でしょうが、奥行き、造形の細かさ、微妙な段差と、400円キットの方がカッコ良く仕上がっている部分ですね。肩アーマーも、HGよりもクッキリ作ってあり、こちらの方が好きと言う人は、少なくないかも。

 ボディの分割なんかは、肩の後ろに接着ラインが出ない巧みな構成で、HGよりも上手い方法と言えるかも。色分け等の制約を抜きにして、単純には言い切れませんけどね。また、クルブシ周辺は、無可動でスキが不要な分、HGよりも再現度が高くなっています。HGの足首は、もう少しクルブシのスキを小さくしても十分に可動出来そうなので、400円キットを参考に改造、あるいはパーツを移植しても良さそうです。



 それから、パーツ点数が少ないからこそ可能な事ですが、ゾイド(最近のは把握してませんが)の様に、組立て順にパーツナンバーを振ってあるため、切り出したパーツをナンバー順に並べておいて、一気に組むといった事も可能です。これは極論としても、次に切り出すべきパーツはどれか探しやすくなります。親がニッパーの作業を手伝いやすくしておけば、子供はハメ込み作業だけを楽しむ事も可能な訳で、これまで以上に低年齢の子供に薦めやすくなったと言えるかも。このパーツナンバーの方式は、バクゥ等、後のキットにも継承されています。

 という感じで、けっこうガンバってるキットだと思います。ミラージュコロイドなんて装備も有る訳だし、フリーダムガンダムのキャンペーン用に、クリアーあるいはスモークグレーのブリッツを出してもらえると、すごく嬉しかったんですけどねぇ。


2003.5.4 健 竹史

1/144 ブリッツガンダム
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1/100 ブリッツガンダム
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