健さんの
プラモコラム

その68
HGバスターガンダムの巻

( 1/144 HGバスターガンダム/ バンダイ/GAT−X103 バスターガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 ヘビーアームズレオパルドと、ガンダムが何体も出てくる作品には、火力重視のタイプが混ぜてある物ですが、コイツはちょっと違う印象ですね。先の2体は「どれだけ多くの部分が開くか」というのがウリのデザインだったと思いますが、今回はシンプルなMSに、何通りにも使える特徴的な武器を持たせるという発想。「敵に囲まれる」よりも、「敵を囲む群れの中の1体」という役回りだからでしょうかね。では、キットを見ていきましょう。

なんでこのポーズなんだよ!

 頭部は、アゴとオデコ、カメラカバーが色分けされてます。上下にツブれた頭になってる気がするのは錯覚でしょうか?400円キットとの共通性は高いようだし、やっぱり錯覚かも。目つきだけは、ちょっと違いますね。400円キットの方が鋭い目つきですが、HGは無表情にも見え、コレはコレでコワイかも。カメラカバーはスキマが開いていて、奥のカメラがしっかり見えます。ほほガードの下が、もっとカーブしてると、よりバスターらしいかも。アゴはグラつくので、接着すると良いでしょう。首が前後にズレるのが、ポージングに役立ちそうです。

 ボディは、腹部を胸部でサンドする、お馴染みの構成ですが、コクピットハッチは腹部と一体になってます。胸パーツで周囲を囲ってあるため、胸パーツの表面に貼り付けてある様に見えますが、実際は「奥から生えている」様な感じです。一見ただのパーツ節約にも見えますが、表面に貼り付けた場合よりも実機の構成に近く、リアルな印象です。ハッチを開いた状態にも改造しやすいんじゃないですかね?(ほら、周囲がシャープでしょ?)

 は、フロントアーマーが左右一体可動、サイドアーマーが可動で、一見ありきたりの構成に見えますが、前フンドシは太い角ピン(角柱と呼んだ方が良いかな?)で接続、リアフンドシは丸ピンですが、全周を囲わずに分解性を高めてあり、「また分解して、いつの日か作る派」の人に親切な設計になってます。

 ウエストには武器保持用のアームが有りますが、これはベルト式に、腹部と腰部にサンドされています。ウエストの軸に通してあるだけで、特にピン等で固定されていないので、腰正面のセンサー付近にスキマが出来やすくなっています。気になる人は、接着すると良いでしょう。



 は、これまた毎度の構成かと思ったら、股関節がボールジョイントではなく、Sガンダム式の軸可動モモの途中でヒネれる構成で、下半身のポーズ付けが、ものすごく自由です。連結武器を構える時も、力強く踏ん張れます。どうでも良い事ですが、余りポリキャップコレクターのボクとしては、「ポリキャップB」が余ると、ヒジョーに得した気分になりました。えー、本題に戻って、足首カバーは、スネ側に接続されてます。ピンを、もう少し短く切ると、楽にハマると思います。

 足首は、ストライク等と同様の構成。形状も共通です。足首関節は、ストライクの物に比べて、スネの奥まで伸びた形状になっています。設定では同じに見えるので、並べた時の統一感を気にする人は、加工しても良いでしょう。足首カバーですが、足首にはセンサーが有るので、これを隠さないように、ハネ上げ気味にしておくのが正解みたいです。

 は、武器を構えるポーズのためにも、ぜひ前後スイングして欲しかった所。前後に長い形状という事もあって、スイング可動させても様にならなかったかも知れませんけどね。上級者は、肩関節をダブルボールジョイントに改造してはどうでしょう?武器の重さは腰のアームで支えられているし、腕の保持力は弱めでも良いハズです。肩アーマは、ミサイルポッドの開閉を再現。ハメ込みキツさだけで支えている、軸の無い可動ですが、結構しっかりしてますね。肩側面のアーマーも可動します。

 は、上腕が筒構造になった、HGでおなじみの構成。形状もストライクに近いんじゃないでしょうか。ヒジ関節パーツは、前後を間違えない形状になっています。これはストライクと共通。似てるように見えますが、デュエルは前後を間違える可能性のある形状です。優れているストライクの規格を反映して設計されたんでしょうか。キツさがストライクと共通でないのが、また面白い所です。



 手首は、設定ではストライクやデュエルと共通のデザインだと思うんですが、なぜか手の甲が親指付近を覆ったタイプの物が付属。例え設定と違っても、こっちの方がスカスカ感が無くて良い、という事なのでしょうか?この辺まで(ヒジも)統一されてこそ面白い、という部分は有ると思うんですが、やっぱ番組終了後にMGの登場を待たなくてはイケナイのかな?ところで手首の基部は、設定ではバスターだけ、スイング可動を意識したデザインになっていますね。キットでは無視されてますが、やはり武器の取り回しを意識してるのかな?

 バックパックは、わずか3パーツですが、スラスターが別パーツに見える様な、深いスジ彫りのおかげで、結構リアルな印象。さすがにノズル内部は、成形方向の制約を受けているので、ピッタリのパーツが有れば、交換してやると良いと思います。あと、上面のフックの下にスキマが見えるので、埋めてやると良いでしょう。

 武装です。長い名前が付いてますけど、簡単に言えば、右がランチャー、左がライフルですね。どちらも固定式のグリップと、折り畳み式のグリップが付いています。背負わせた状態では、設定よりも後ろ寄りに位置しますが、これは肩の可動を妨げないためのアレンジです。その点400円キットは、肩の可動を犠牲にしても設定に忠実な配置を守るという趣旨の様です。



 武器保持用のアームは、基部が回転、途中でヒネリ可動と2重関節、武器との接続はボールジョイントという、充実したギミック。ランチャーとライフルを個別に構えるのは勿論、連結した時でも、ポーズの自由度が高いですね。何しろSガンダムと違って、両側の接点がブンブン動く訳ですから。脚の自由度の高さと、ウエストが回転出来る事も、HGUCのSガンダムより優れている点ですね。首も回転、上下、前後、ヒネリと、ものすごく良く動くので、どっちを狙って構えても、視線が武器と一致します。逆に、武器を背中に固定すると、ウエストの回転が出来なくなります。腰とバックパックをアームで連結する訳ですからね。

 アームのサイズですが、ギミックを仕込むために、止むを得ず、少々太めになってしまっています。設定に似てる・似てないの問題に加えて、武器をかかえて持つには、ちょっとワキの下が狭い感じ。1/100が発売されれば、アームはもっと細くなり、さらに余裕を持って武器を構えられるんじゃないでしょうかね。欲しいよー!



 ところで、左右の武器を連結すれば「超高インパルス長射程狙撃ライフル」「対装甲散弾砲」にパワーアップする訳ですが、どちらが前でも連結出来る仕組みなんですよね。という事は、友達の持っているバスターの武器と、3つ以上の連結も可能という訳です。って言うか、買い占めて直列つなぎしてみたくありません?バスターガンダム量産の暁には、ソーラーレイの様な最終兵器になっちゃうカモですよ。

 実はHGと400円キットでは、武器のサイズが若干違うんですけど、連結は可能なんですよね。無理なヤツは前後逆にしたら、なぜか繋がっちゃったりして。ハリケンガジェットみたいに4連結すれば、ナイトオブゴールドにだって負けませんゾ。(バカ芸大好きです、ハイ。)

流派超越!4重連インチキライフル、ファイアー!

 ところでグレーのパーツは、どれも同じグレーの成形色ではありますが、設定では明・暗2色のグレーが使い分けられているので、塗装の際には注意しましょう。

 組立時間は1時間5分でした。ロングライフルと言えばF90シリーズのL型装備を思い出しますが、畳んでも、あまり密着しない事もあって、コンパクトな印象が有りませんでした。バスターの場合は、2分割と言う画期的な方法で収納状態を美しくまとめ、左右のバランスも均等を保っています。武器を組み替える楽しさも加わり、また背中に移動させる事で、自由度の高い保持アームを、さりげなく配置しています。このデザインは傑作でしょう。イジってて、実に楽しいキットです。



おまけ

 「ヒジが曲がったまんま」という大胆なキット内容から、またしても「コレクションシリーズの制約」を感じさせる400円バスターですが、実際に手に取ってみると、そんなに悪くない印象。今回も軽く紹介しましょう。



 色分けは不完全ながら、基本の4色が適度に配置され、それなりにカラフル。むしろオレンジの配置が少なくて、アニメよりも落ち着いた印象。こっちの配色の方が好きという人もいるかも知れません。コクピットハッチはHGと同じ構成で色分け。グレーはHGより明るめですが、2色使い分けるのが正解なので、どちらも不完全。

 腰まわりはベルト部分の分割が無いため、HGよりもスキが無くて良いかも。左右のアームも無可動のため、コンパクトで形も良いです。

 は毎度の左右分割。ヒザの可動も有りませんが、足首のボールジョイントは、上からでは無く、後ろから軸を通す構成で、足裏接地性は良好。踏ん張りポーズに十分に対応します。

 は、目が慣れてくるとファイティングポーズにも見えてくるから不思議です。仮面ライダーゾルダの変身ポーズにも似てるかな?(どっちも火力タイプの戦士!)HGのヒジは1箇所しか曲がらないのに対し、400円バスターのヒジは、ちゃんと2重関節っぽく曲がってます。1/100や1/60が出ても、2重関節にはならない可能性が高いですから、これはもう、ポーズと思って楽しむのが吉というものです。

 武器は、アームが可動しないので、持ち方こそ擬似的な物ですが、同時発射も連結も可能です。サイズはHGよりも小さいんですが、背面の設定画では、この位の長さに見えるので、HGの武器が大きいだけなのかも。肉抜きや取付け穴、収納出来ないグリップ等が惜しい所。ボールジョイントが無い分、背負った時の密着感はHGよりも良いですね。腰のピン径を左右で変えてあり、組み替え時に武器の配置を間違えないという、さりげない心配りもニクイなあ。コイツもイージス同様、あなどれないキットと言えそうですよ。

2003.1.29 健 竹史

1/144 バスターガンダム
HG バスターガンダム
1/100 バスターガンダム
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