健さんの
プラモコラム

その63
HGデュエルガンダムの巻

( 1/144HGデュエル ガンダムアサルトシュラウド/ バンダイ/
GAT−X102 デュエル ガンダムアサルトシュラウド
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 今度の新作も、5体のガンダムが出るのか。ガンダムが1機だけの、特別な機体だった頃が懐かしいなあ。面白いながらも、そんな気持ちも、どこかに持ちながらSEEDを見てるんですが、良く考えたら、ファーストガンダムも各地で何号機まで作られていたとか言う設定も有って、5体というのは、意外と少ないのかも知れません。今回は本当に極秘らしく、1箇所で、それも中立コロニーで開発されており、(TV放映中ならともかく)ファーストよりもリアルかも。

 しかも、ガンキャノンガンタンクの役割の機体もガンダムタイプだったという訳で、ますますファースト放映当時の感覚に近い物を感じます。決して「ガンダム乱発」では無いようです。なーんて事を、つい考えてしまいますね。だってコイツ、フルアーマーやアレックスを、どうしても連想させますもん。では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は300円キットに比べて、微妙に大きくなりました。細部も、これまた微妙に、表情豊かになった気がします。もともと300円キットでも男前なので、アンテナ基部やアゴ等は、「別パーツ化されていない300円キットの物を塗り分けた方が好みに合う」という人もいるかも知れませんね。アゴは多少のガタつきが有るので、接着した方が良いかも知れません。

 は、黄色いダクト(?)が別パーツ化されたのが嬉しいですね。塗装も楽になりますが、胸の窪みの底面から、一段突き出してる形状が、実に良いと思うんですよ。ハッチの上側に、300円キットよりもハッキリと段差が有ったり、エリの内側の段差も、前面と上面で深さに違いを持たせたりと、単調にならないよう心掛けた設計と言えるんじゃないでしょうか?ハッチの下側も、300円キットよりも彫りを工夫して、別パーツに見えるほどの出来。細かい所が、丁寧に作ってあります。

 ウエストは、腰の突起に埋まったデザインのため、ほとんど回転出来ません。残念と言えば残念なんですが、「アーマーを着込んだら動きが悪くなった」という印象を与えないための、巧みなデザインなのかなあ?なんて思ったりもします。考え過ぎ?

 は、サイドアーマーが可動式。後ハメが可能なので、脚の着脱の妨げになりません。下から差し込むサイドアーマーというのも面白いですね。サイドスカートの巾と同じ所まで腰骨が有る、力強いデザインです。その腰骨の側面には縦のスジ彫りが有りますが、これが正解。300円キットにはスジ彫りが無いので、こだわる人は彫ってやると良いでしょう。

 は、HGストライクとかなり共通の印象ですが、微妙に力強い形状にしてあります。関節位置も、300円キットの時よりも共通性が高いですね。

 パーツ構成も共通点が多いんですが、部品番号の取り方が、まるで違うのが面白いですね。足首なんか、ストライクと形状データを共用してるんじゃないかと思うんですが、それでも番号は違います。ヒザアーマー、ヒザ関節、足首などを、ストライクは左右別番号デュエルは左右共通番号にしています。ボクは同じ形の物は、同じ番号の方が気を使わなくて良いので好きですね。ザフトに寝返ろうかなぁ?(意味不明)

 足首アーマーが無いという事で、ムキ出しになっている足首関節は、ストライクよりも太めに作ってあります。こっちの方が実機に近いんでしょうね。クルブシの張り出し具合もストライクより大きく、力強いシルエットです。今回も2重関節なので、メカ部が動くのが、まる見えです。器用な人は、極小シリンダーを仕込んでみても面白いかも知れません。

 肩アーマーは、横の青いアーマーが可動します。これで腕が真横まで上がります。300円キットと異なり、前後のアーマーの下辺は、水平でなく斜めという解釈です。やっぱり、この方が変化に富んだ形状で、面白味が有るかも知れませんね。



 は、300円キットよりも上腕側のヒジ関節の露出が小さくなっています。肩アーマーが上下に長いので、しっかり上腕が見える印象になりました。300円キットでは、上腕を隠し過ぎている様にも見えるので、肩アーマーを上腕そのものと錯覚させそうですが、今回は腕がちゃんと見える(印象になる)ため、肩を肩だと認識出来ます。力強さを、ちゃんと表現出来ている気がしますね。

 前腕は、後ろ側にポリキャップが露出しています。ポリキャップ自体をメカ部に見立ててあるのでしょうけど、角のスキマから腕の中が見えてしまうのが残念です。せめて埋まったポリキャプを、壁で囲ってあれば良かったと思います。もちろん、ポリキャプの露出が無ければ最高ですが。丸穴だけ開いているのも妙なので、周囲にメカ的なディテールを入れても良いでしょう。(設定には穴も有りませんが。)

 手首は、HGストライクと同じ形状みたいです。左右とも穴開きゲンコツのみ付属します。裏ワザとして、なんとHGストライクの、サーベルと一体となった手首を流用可能です!・・・と、こんなヒネくれた紹介をするのはボクだけかな?

 バックパックは、下側のスラスターが可動します。上側のスラスターは別パーツ化されていないので、色分けは再現されていませんが、代りにバックパックの上半分が別パーツになっているので、塗装は簡単だと思います。サーベルラックは無可動。実機が可動式なのかどうか分かりませんケド。

 武装です。ビームライフルは、ほとんど300円キットと同じ印象なんですが、一部だけハッキリ異なっているのが興味深いですね。ワンパーツの都合で再現が不十分だった、スコープのレンズ部分は当然として、グリップの付け根のディテールと、先端の長さだけがハッキリ違っています。厚みもちょっと厚くなっていますケド。なんでしょうね?300円キットに監修チェックを入れて、重点的に修正したような、そんな印象のキットですよね。あるいは300円キットは、無視出来ないくらいに出来が良かったという証明でしょうかね。


上がHG、下が300円キットのビームライフル。
測ったように同じなのに、違う所はハッキリ
違います。グリップの下端が違っているのは、
手首を分解せずに300円キットに持たせる
ためです。

 ビームサーベルは、背中から抜いて手に持たせる事が可能です。刃はクリアーパーツで再現。HGエールストライクのサーベルに取り付ける事が可能です。柄のサイズも形も、キッチリ共通化してあります。ん?300円キットのサーベルの柄は、ちょっと長めですね。って言うか、ツバが長いみたいです。

 シールドは、ストライクと色違いの同一の物ですが、腕の形状が違うので、ジョイントパーツは新規の物です。前腕のポリキャップに接続しますが、300円キットよりも、ちょっと下寄りに構えるような位置になります。

 では今回の目玉、アサルトシュラウドですね。説明書によると、シュラウドというのは、死体を包む布なんだそうです。大破した時にはこれで梱包して後方へ・・・じゃなくって、ストライクに敗北した事から、復讐を誓って命名されたものみたいですね。これを書いている時点では、本編には登場してないんですけど、説明書には砂漠で戦っているディオラマが載ってます。ストーリーは、どの辺まで決定してるのかなー。



 肩の増加アーマーは、肩を前後からサンド。キットでは真ん中で分割してありますが、実機ではどうなんでしょうか?右肩のレールガン「シヴァ」は2パーツ構成。ボールジョイントで可動します。左肩はミサイルポッドなんですが、開閉ギミックは無く、発射状態には出来ません。残念。せめてフタは取り外し式で、内部にミサイルが再現されていれば、固定ポーズにしたり可動ギミックを仕込んだりして、発射シーンを楽しめたと思うんですが。

 腕の増加アーマーは、前腕のポリキャップに接続します。シールドを装備させる時は、ノーマルの腕に装備する時の物とは別のジョイントを使います。増加アーマーの後側に、マウント部がそれらしく用意されていますが、アニメ用の設定画には見当たらない、キット独自の解釈のようです。シールドは左右どちらの腕にも装備可能です。ところで腕輪の様な青い部分は、増加装甲が付かないムキ出しの部分だと思うんですが、アサルトシュラウド状態では黒く塗られていますね。配色ミス?それとも本当は腕輪ごと交換するのかな?(この方法だと、接続方法の問題が解決するんですが・・・)

 ボディの増加アーマーは、胸からフロントスカートまでが一体。ワキの下までカバーしてるので、腕を引き出してスキマを作ってから装着します。増加アーマーは意外とカラフルなんですが、パーツはグレー2色なので、ちゃんと塗装すると印象が変わると思います。特にボディはカラフルですね。これを着せるとウエストがヒネれなくなるんですが、元々あまりヒネれないので、特に悔しくありません。(笑)

 リアアーマーは、腰の窪みを利用して取付けます。フロントも同様なんですが、スカート裏に、ヒンジの様なディテールが入っています。ノーマル状態にはスカートが無いため、印象が変わって面白いですね。モモやフンドシに密着しない、浮いた感じが斬新と言えるかも。無可動ですが、モモの可動にも干渉しません。

 スネアーマーは、脚の外側だけを覆っているので、2重構造がマル見えになって面白い部分です。脚の前側で分割してあり、スネをサンドして装着します。裏側の見える部分には、メカ的なディテールが簡易的に入れてありますが、ここはスラスターのすぐ上なので、空洞を埋めた方が、それらしいでしょうね。設定でも、そうなっています。他にも、足首アーマーとスラスターがくっついている等、形状は不完全な部分もありますが、パーツを増やすとMGみたいになるので、頑丈さを損なわない範囲に留めたという事で、妥当な判断だと思います。上級者にとっては、腕の見せ所になりそうです。ヒザは露出しており、元々頑丈な部分はカバーする必要が無いという・・・ん?フェイズシフト装甲だから、どこも元々頑丈でしたね。



 バックパックの上には、増設スラスターを装備。このためバックパックには穴が開いていて、この点は300円キットの方が優れていますね。ただ、窪んだ位置で、しかもポリキャップも見えにくいので気にならないと思います。テールスラスターの上が、末広がりになっていないのが、ちょっと残念。天井のパーツは、裏が塞いであるのが正解です。装着しても本体のスラスターを全く塞がないので、段違いにスラスターが配列された様な、面白いデザインに変化します。

 組立時間は1時間20分でした。アーマーを着込み過ぎない適度な増設で、パーツの重なりを視覚的に楽しめる、面白いキットですね。「脱いでもスゴイ」(死語)、本体の出来も良い感じ。今回はアーマー類は、手軽さ優先の構成だと感じましたが、1/100でも発売されたら、かなり楽しめるんじゃないでしょうか。


おまけ

 先日、ファンシーグッズの売り場で、お祭りスタイルのスヌーピーを見つけました。ハッピの背中に「す」の字。そして手には「す組」の幟(ノボリ)。す組・・・「素組み」まるでスヌーピーに、「塗装はしないのかい?」と問い詰められているような、罪深い気持ちになりました。・・・いや、ウソですけど。

素晴らしき素組みの世界へようこそ!

 素組みというのは、元のMSのみならず、それをメーカーが、どう料理したかという、キット自体を愛でる、高尚な行為なのであります。(力説!)だから「塗らないなら買うのやめたら?」なんて言っちゃイケナイのです。ガンダムと言うより、バンダイのファンなんだから。素組みモデラーに栄光あれ!・・・てなカンジで、みなさんも素組みの免罪符として、お一つどうですか?カワイイですよ。「SNヌイグルミマツリ」(発売元サンリオ、1000円ナリ。)


2002.12.19 健 竹史

1/144 デュエルガンダム
HG デュエルガンダム アサルトシュラウド
1/100 デュエルガンダム アサルトシュラウド
1/144 スラッシュザクファントム
MIA デュエルガンダム

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