健さんの
プラモコラム

その62 HGUCジ・オの巻

(1/144 HGUC ジ・オ /
バンダイ/ PMX−003 ジ・オ 「機動戦士Zガンダム」に登場)


 ファーストガンダムの最後の敵がジオング、Z最後の敵がジオ。ジオングを意識した名前なのかなあ?なんて想像したのは当時の話。この特殊な脚の構造も、「あんなの飾りです」に近いかも知れませんねえ。しかし、この特異なMSを手に取れる日が来ようとは。この調子でジュピトリスMSは、いずれズラリと並べたいもんですね。

 一年戦争と0083が埋まって来たので、そろそろZネタが増えて来るかも。ZのMSって、デザインの巾が広いんで、カトキさんが不統一感を無くしてくれたら、面白いコレクションになるんじゃないでしょうかね。では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は、モノアイシールドにマスクを貼り付け、左右分割のヘルメットでサンド。さらにヒサシを取り付けるという組立で、ガンダム系に近い構成ですね。なんとモノアイは、ピンクのパーツで成形されており、シールを貼らなくても色分けされてます。他のMSよりも、ぐっと小さい顔なんですが、「いい目をしているな」なんて言いたくなりますね。なかなかの男前です。

 ボディは、バックパックまで一体になったような、複雑なシルエットですが、丁寧な分割で再現してあります。エリの横にあるコブのために、カケラの様なパーツをかませたりと、なかなか良心的。ところでココは、バルカンなんでしょうか?コクピットハッチは別パーツです。肩関節には、前後スライドギミックが仕込んであります。これだけ大きいんだから、上下にも動いて欲しかったなあ、なんて思うのは欲張りでしょうか。

 ウエストは左右合計で30度くらい(目測)ヒネれるんですが、下半身のポーズが限られる(良く動くんですが、そう感じにくい)デザインなので、もっと大胆にヒネれた方が良かったと思います。どうせ動力パイプに隠れて見えにくいので、もっと円筒形に近づくように改造しても良いでしょう。簡単な方法としては、2ミリくらい引き出してやると、それだけでも回転の自由度が改善します。お試しを。動力パイプは軟質樹脂製です。

 です。スカートには、ものすごいボリュームが有るんですが、フンドシ自体は、あまり大きくないデザインの様ですね。そのため、設定画ではフンドシがスカートに隠れてしまっています。ところが、隠し腕の説明画を見ると、フンドシ正面に、三角のスラスターが描かれてるじゃありませんか!キットでは、ここは見落としたのか、再現されていません。って言うか、じっくり見ないと正面の状態が伝わらないってのも、設定画として不親切と言えるかも。でもこのスラスター、SDジ・オでは再現されてます。うーむ、自社製品はリサーチしとかないと。

 フロントスカートは、左右独立して可動。こんなにデカイけど、フロントスカート用のポリキャップ(フンドシに仕込む、いつものヤツ)が使われています。裏側のディテールも、しっかり再現。そして、今回の目玉、隠し腕が展開可能です。基部は二重関節&ヒネリ可動。手首は回転可能。左右方向の動きが全く無いのが、ちょっと寂しいですけど、このサイズなら良しとしましょうよ。畳んだ状態もイカしてます。手首は、強度を考えて、3本の指が全て一体成形。でも形は良いので、ワンパーツとは感じさせません。



 サイドスカートも裏側を再現。ここはソードラックになっていて、収納ギミックを再現してあります。ソードの装備数が4という事は、隠し腕でソードを使う時も、こっそりココから取り出していたんでしょうか?アニメ放映時の記憶は定かではありませんが、いきなり斬りつけてくるので、スカートの中にも隠し持っているのかと思ってましたが、どうなんでしょう?このソードラック、スカート内に向けてもソードをリリース出来る構造とかだったら、面白いですね。(隠し腕との位置関係は良いと思うんですよ。モモが邪魔で、無理かも知れませんが。)

 リアスカートは、こんなに巨大なのに可動式。下のダクト(?)は別パーツです。裏面もメカっぽく仕上がっていて、見せ場になっていますね。スカート裏にもスラスター(だよね?)が有るので、忘れずに塗り分けましょう。

 モモですが、ここもフンドシと同じく、スカートに隠れて分かりにくい部分です。隠し腕の説明画によると、やっぱりモモ前面にも、忘れられてるディテールが有るようです。モモの後ろ側にはディテールが付いているんですけどね。なんでだろう?

 スネは、実機ではヒザとツマ先をフレームで繋ぎ、ヒザとカカトをシリンダーで支えているんじゃないかと想像してるんですが、キットでは、「その様にも見える」フレームパーツで、ヒザと足首中心を繋いであります。荷重を真下で支えて、安定して飾れるし、頑丈だし、HGUCとしては正解なんじゃないでしょうか。

 スネ前後のアーマーも、良い形です。前のアーマーは、ヒザ関節や足首関節付近のエグレを、もう少し控え目に改造すると、よりアニメの印象に近づくと思います。後ろのアーマーの上にあるメカ部は、アニメ設定には無い物の様に思います。スネフレームの再現を、擬似的な物に留めるために、スカスカ感が出ない様にアレンジされたのか、あるいはカトキさんの画稿では、ここまでメカを張り出させる意図は無かったのに、その後大きめに調整されたのかは不明です。アニメに近づけたい人は、メカ部を削り落としてアーマーを上へ延長しても良いでしょう。

 足首は、MGの大型キット並みの面積です。クルブシからスネへ伸びているパイプは、ちょっと取付け穴に余裕を持たせすぎで、よく抜けます。穴を小さくするか、中に詰め物をして、ガタつきを減らした方が良いでしょう。穴が小さくても可動には影響なさそうです。足の甲は、実は足首には繋がっておらず、スネ側だけに繋がっています。おかげで構造が単純化されてて良いんですが、MGでは見せ場になるでしょうね。(出るんでしょ?クイズに登場したんだし。)

 肩アーマーは、横のスラスターと、腕カバーが可動。厚みの有りそうな形状も良い感じです。曲面と平面が、アニメ設定よりもクッキリ分かれている感じ。上面のスラスターは、肩アーマーに埋まった様になっていれば、他のスラスターと統一感が出て、より良かったかな。

 ヒジ関節付近は、アニメ設定では動力パイプが通っていますが、キットではスタンダードなヒジメカパーツで、パイプは省略されてます。MGでは、前腕のヒジ側に、もっとスキを作って、パイプを仕込んで欲しい気がしますが、今回はHGUCのスタンダードに近づけた構成で、正解じゃないでしょうか。



 前腕は、甲の側は良い形してると思うんですが、内側がペッタンコで、面白味に欠ける気がします。隠し味程度にカーブかテーパーを付けても良かったかも。ヒジ付近のコブにあるスリットですが、設定では6本、キットでは5本となっています。肩のスリットも5本なので、意図的に統一したのかな?

 手首は、設定では前腕(袖)に埋まった感じになってますが、キットでは埋まっていません。可動というか、遊びやすさを考慮すれば、妥当な判断でしょうね。特にビームライフルの形状は、カートリッジが袖に干渉しそうなデザインなので、設定重視派の人も、改造しない方が無難かも。ソードが握れるゲンコツの他に、ライフル用の右手が付属します。

 背中は、タンク状のパーツが、別パーツかと思うような出来なのに、一体パーツです。上に伸びたバーニアスタビライザーは、付け根にスキが無いので、可動しそうに無い印象。もちろん固定です。ミゾを、もう少し下まで切ってやると、動きそうに見えるでしょう。

 メインスラスターの横の、羽根みたいな物は何でしょうね?放熱板と判断している作例も有るようですが、どうも側面にスラスターが付いている様にも見えるので、もっと厚みが有って、燃料でも入ってるんじゃないかと思うんですが、プロペラントタンクにせよ、放熱板にせよ、スラスターの熱を受けそうな位置にも思えますが?そんな心配は無用なのか?もっと他の何かなのか?MGでは解説が欲しいところです。

 全身のスラスターは、ほとんどが別パーツで、後ハメ可能。フロントスカートに付く物は、穴が平行四辺形という事もあって、取付け位置がズレやすいので注意。前寄りにハメると平行は出やすいんですが、ハメ込み部分(突起)を削り落として、体寄りに接着した方が、個人的には納得出来そうですね。



 武装です。ビームライフルは、銃口とエネルギーパイプが別パーツ。残念ながら、カートリッジの着脱は出来ません。ビームソードは、クリアーパーツのビーム刃が着脱可能。刃も含めて、4本付属します。両手、両隠し腕に持たせる事も可能な訳です。ああ、獲物のHGUCゼータ、早く発売して欲しいですね。

 組立時間は、1時間40分でした。手足の左右共通化が徹底しているし、小さなパーツが少ないので、組立ては楽だと思います。サークルのメンバーに見せた所、成形色も「塗ってあるのかと思った」という感想が出る程、良い感じです。値段はEX−Sガンダムより安いんですけど、このボリュームはスゴイです。似たようなサイズの物が多いHGUCコレクションにコイツを加えると、並べるて遊ぶのが、より楽しくなると思いますよ。



おまけ


 新製品ラッシュのSEEDから、ジン(商品名モビルジン)を簡単にご紹介。イージスに続いて、単色成形&シールという構成。ザク風に見えて、実はゲルググ顔なんですね。そう思えば、大きなトサカにも納得です。足首は、前はアーマー、後ろはスラスターに挟まれて、あまり動いてくれません。AT風のスネは、面取りは前側のみで、後ろは平らなのが正解。同様に、丸っこいも、背中は角ばってるのが正解みたいで、設定重視の人はイジってみると良いかも。



 腰と脚のハードポイントは、ぜひ共通サイズにして欲しかった部分ですね。は、肩アーマーが上に「乗ってる」構成なので、横に大きく動かせず残念。肩アーマーを前後分割して可動を充実するか、肩横のスラスターを再現するか、どっちかでも欲しかったですね。全体的には悪くないと思います。バックパックの着脱も設定通り。機銃と剣が付属します。説明書(内箱)にはパイロットのミゲルの紹介もあり、「いいなあ西川君」などと思ってしまいます。組立時間は20分。塗装派の人は、フンドシを後ハメ加工すると良いと思いでしょう。


2002.12.15 健 竹史

HGUC ジ・オ
MIA ジ・オ
1/144 モビルジン
HGモビルジン
MIA モビルジン

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