健さんの
プラモコラム

その57  ストライクガンダムの巻

( 1/144ストライク ガンダム/ バンダイ/ GAT−X105 ストライクガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 なんとも評価しづらいキットですねえ。アニメの放送前で・・・あれ?全国的には、もう始まってるんですか?こっちは1週遅れ?じゃあボクが知らなくても、読んでる人は活躍ぶりを知ってるという事ですか。こりゃあ、ますますつらいですね。今回はTV登場に合わせてプラモを出していくそうですが、一部の地方では、プラモが1週先行する事になるんですね。(ま、こっちで放送が無かったターンエーよりマシですよ。)



 今回も例によって、300円の簡易キットです。「その55 アストレイの巻」で「アニメの日程や関連記事、外伝の連載スケジュールとか、設定を載せるべき」と、あまりにシンプルな説明書に注文をつけたんですが、さっそく全16ページ、フルカラーのPR小冊子が入ってました。これ、300円キットに封入するには豪華すぎませんか?ボクが列記した内容に加えて、ゲート処理、スミ入れ、マーカー塗装の解説から、今後の発売スケジュール、各種ガンダムコミックやシャア専用マガジン(!)の紹介まで。ボクが指摘するまでも無かったって感じですね。

 では、キット本体を見ていきましょう。頭部は、ずいぶん小さくなっています。なんでも設定画とアニメのプロポーションに違いが出るという過去の反省から、アニメスタッフに絵を描いてもらってから設計してるという話ですから、そのためでしょうか。作画用立体資料の逆ですね。頭身に限らず、全体的に細身になってます。

 それに加えて、肩に追加装備を付けても干渉しないようにという配慮で、あえて小さめの頭にしてあるのかも知れませんね。形状的には、アンテナの角度が気になります。内側のアンテナはもっと開き気味の角度で、外側のアンテナはもう少し閉じ気味の角度で。これに高めのトサカを加えて、放射状のシルエットになると、ストライクらしさが出る気がします。設定画よりも、パッケージの証紙にある正面顔が参考になると思います。

 首の関節は、頭を横に向けると、ちょっとグラつくようなので、接着剤を盛り付ける(ハメる前に充分乾かすコト!)等の対策をすると良いでしょう。ところでこの首関節、他のガンプラのポリジョイントと、わずかな違いで互換性が無いみたいですね。HGストライクとも互換性が無い事が予想されますが、2個イチや改造のためにも、統一して欲しかった所です。

 ボディは、腹からフンドシまでがワンパーツ。それをサンドして胸と腰を組立てます。胸はエッジが甘い印象を受けますが、面構成は設定画よりも凝った物になっている感じです。胸板なんか単調さが消えて、良いアレンジじゃないでしょうか。

 腹部に縦に通っている2枚のプレートは、何の役目なのか理解してないんですけど、背中にも同様の物が有りますね。この2枚の間隔が、腹と背中でわずかに違っているのは、機能的には構わないんでしょうか?腹と背中の板は、実は中でつながってて、1枚の板だったりとか、変形や分離、解体用のロックだったりしないのかな?とか、ミョーに想像をかきたてる部分ですね。

 は、前後のスカートの角が丸っこい感じですが、これはワザとなのかな?フロントスカート下のスラスター(?)は、三角形になってますが、設定画では台形です。また、各模型誌に紹介されたHGストライクは、テストショットで判断する限りでは、このスラスター(?)が長すぎるみたいですね。射撃ポーズの番組宣伝イラストを参考にしたんでしょうか?各商品でバラバラの資料を見てるのかな。カトキさんのポジションの重要性って、こういった資料の不統一を無くす事にあるのかも。



 ついでにサイドスカート上の四角は、電撃ホビーマガジン9月号の6ページと90ページで違っているんですが、キットは6ページの物に近いですね。この画稿は決定前の物なんでしょうかね。開発・発売が早いために、こういった物も世に出てくる事が有る、とい事なのかも。サイドスカート下の尖り具合は、番組宣伝イラストにソックリ。半完成品の「クイックモデル」は、どんなディテールなんでしょーか?(妙な楽しみ方だなぁ)

 です。アストレイよりも長くなってるのが、ちょーっと残念。アストレイはガンダムのデータを盗用して作られた機体という事らしいですが、フレームが共通なワケではないんでしょうか。ガンダムが一斉に出るんだから、ミクロマンみたいに完全に同一プロポーションにしてみるのも面白いと思いますケド。まるでア○イとイ○イが個別にキット化したデスト□イドシリーズの様な・・・おっと、せめてストライクとデュエルは同じプロポーションであって欲しいですね。

 脚の可動は、例によってヒザが固定です。ヒザアーマー裏とヒザメカの間は、律義にスキマを設けてあり、可動モデル同様の外観を実現!でも、どうやって塗り分けたらいいんだか。いっそアストレイの様に、スキマが埋まってても良かったと思うんですが、改造派の人には嬉しいかも。股関節の可動は、スカートが長いので、ハイキックは無理ですね。このストライク同様、ほとんどのガンダムは立ちポーズ専用になりそう。デュエルはスカートが短く、良く動きそうなので、期待しましょう。

 の可動を妨げる、もう一つの要因は、足首の幅が大きい事ですね。足首のセンサーが足首アーマーの中まで入り込んだデザインと、アキレス腱の様なフレームの干渉はデザイン的に仕方ないとして、足首の幅は、本当はもっと狭いんじゃないかと思います。足裏と足首アーマーの幅、設定画では、あまり変わりませんよね?幅広のために、足首関節のクリアランスが、余計に狭くなったのか、左右スイング(接地)が苦手になってます。デザイン的にも、細い方がスピード感が出て、飛びそうな印象になると思いますし。

 後で、良く動くHGが出ると分かっていても、それでも出来るだけ踏ん張った立ちポーズで飾りたいのが人情というもの。ヒザを開き気味に、ツマ先は閉じ気味に調整すると、アストレイに負けない程度に踏ん張れるポイントがあります。お試しあれ。

 は、アストレイと構成の変わった部分です。肩ブロックと上腕が一体になり、上腕をヒネる事が出来なくなりました。これは痛いですね。斜め前への射撃ポーズが可能だったアストレイに対し、ストライクは正面への射撃ポーズしか出来ない訳ですから、ポーズの自由度は格段に落ちました。その代わり、ボディ塗装後に肩をハメる事が可能になってます。



 ところで腕のデザインは、初期画稿に準じているとの事。サイドスカートの所で触れた画稿と同じ物でしょうか?ヒジなんかは、もっと尖って見えますね。シールド用の取り付け穴が左腕に開いてるんですが、中に(と言うか金型に)細工をして、穴が斜めになっているのがポイント高いですね。シールドが肩に干渉しないように、うまく傾いて取り付けられる仕組みです。ヒジは無可動。今回も、少し曲げてあって、自然なポーズです。

 手首は腕パーツと一体。アストレイは手の甲が別パーツでしたが、今回は色分けの都合も無いので、そこも一体です。

 肩アーマーは、上腕をサンドする形の前後分割。ガンプラでは、よく見られる構成ですね。上下にスイング出来ますが、今回は腕が横に上がらないので、腕より肩アーマーの方が、良く動くみたいな、妙な印象です。

 背中には、Vガンダムの様な、斜めのスラスターが付いています。バックパックは無し。謎のポリキャップと言うのはよく聞きますが、今回は謎の穴が開いてます。実はこのキットで、一番大事な部分かも知れないんですけど、飛行用追加ユニット「エールストライカー」(HGに付属)の着脱が可能な事は、各模型誌で確認済み。

 エール以外の装備は300円シリーズとセットで発売してもらえれば、武装の単品売りというリスクも無く、高価なHGを何回も買う必要もなく、丸く収まるんじゃないかという企画が有るようですから、この「背中の謎の穴」には、すごく期待してしまいます。「メインに楽しむHGだけ塗装すればいいや」という人は、300円ストライクは無塗装でも、メタルカラーでも黒塗りでも良いでしょう。聖闘士星矢のハンガーみたいですね。

 今のところは、背中の穴にはシールドを取り付けて遊べます。劇中で背負うかどうかは不明ですけど。奥まっていなければ、ピン径自体はガンダムXのバックパック等と同じなんですが。ん?逆にXはストライクの装備を背負えるってコトでしょうか?

 武装は、ビームライフルとシールドが付属。ビームライフルは、けっこう厚みがありますが、肉抜き無しで問題ない仕上がり。シールドは、さすがに裏までは再現してませんが、先に触れた様に、腕の穴の工夫でストレスなく持たせる事が出来、肩の張り出したMSでは珍しく、シールドを装備した姿が美しくキマってます。本当は腕の甲に取り付けるんでしょうけど、腕がヒネれないので、側面に付ける様になってます。



 組立時間は、15分程度でした。肩アーマーは一見したところ左右共通の様なので、今回もパーツを全部切り離してから組み始めても、迷わないと思います。

 ところで、HGの発売が正式に発表された事で、「なんとかグレード」というブランド名の意味が、これまでよりもハッキリしてくるかも知れませんね。HG、MG,PGという言葉は、今ではほとんどサイズを示すだけの物になってしまっていますけど、今回はHGと、そうでない1/144が同時期に出る訳ですからね。商品仕様が惰性で決まらず、毎回、意図を持って決められる。そんな風潮になっても面白いかも知れません。



おまけ

 ウルトラマンコスモス、今度こそキチンと終わって、何よりでした。最初は色々と、見ていてもどかしい感じがして、ズルズルと見なくなってしまったんですけど、再開後に改めて見始めると、ずいぶん面白い番組になってて驚きました。元々ウルトラはテーマ性の強いシリーズで、手探りの中から面白くなるまでに時間がかかるのかも知れません。次回作は、気長に応援して、離れないように見たいと思います。

 ところで再開後の放送分は、「第○話」ではなく、「復活第○回」とカウントされているようです。ネオスや総集編に変更された分が、いずれビデオ等の形で本来の順番に組み込まれるための配慮だと信じたいですね。てな訳で、まだ復活は不完全。難しいテーマに挑んだ傑作を、全話残らず鑑賞出来る日を、楽しみに待ってます。


2002.10.7 健 竹史

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