健さんの
プラモコラム

その47 HG ヴァルヴァロの巻

(1/550 HGメカニクス ヴァルヴァロ / バンダイ/ MA−06
ヴァルヴァロ 「機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー」に登場)


 HGメカニクスも3作目、またもや0083から、モビルアーマーのキット化です。戦艦や戦闘機も採り上げて欲しいんですが、EXモデル扱いになっちゃうんでしょうか?ほとんどMA専門ブランドになってますけど、ラフレシアやリカール、アプサラスは出してもらえるのかな?ちょと今後のラインナップ(って言うか存続)が心配ですが、でも箱を開けたら美味しそうだったので、今はちょっぴり幸せ。



 では、食欲をそそる赤パーツを気にしつつも、例によって、ちっこい奴から組んでいきましょう。フルバーニアンは8パーツと支柱、ベースの全10パーツ構成。基本的に接着剤を使って組み立てますが、右腕は接着しない方が、動かして遊べるので良いでしょう。ビームライフルは、ノイエジール付属のステイメンの物より、少し小さいようです。ハメ込みピンの都合で背中のブーストポッドが真後ろを向いていてポーズが固いので、ちょっと改造して角度を付けてやると良いかも。キットのままでは、スリングパニアーみたいな、動きそうにない印象です。

 支柱は股間から伸びていますが、これがモモの内側に干渉するために、脚パーツがフンドシに密着せず、後ろ側にスキマが出来てしまいます。支柱を細く削るか、スキマを埋めると良いでしょう。左手はボディと一体で可動しないのが残念ですが、シールドに隠れる側面を犠牲にして、前後面にモールドを入れる判断は正しいですね。可動軸が仕込めなくなったのは、このためでしょう。



 直立に近い、おとなしめのポーズで、ヴァルヴァロのクローに持たせて遊ぶのにピッタリ。支柱はMSから取り外せませんが、ベースは着脱可能なので、持たせた時に、あまり目障りではなと思います。ベースと支柱のハメ込みキツさは、簡単に抜ける程度に調節してあるみたいです。気がきいてますねぇ。

 GP02は、13パーツに支柱、ベースで、全15パーツ。ランナー面積はフルバーニアンの倍くらい、スネは左右分割という、なかなかのボリュームです。バインダーを展開し、アトミックバズーカを構えた、例のシーンを再現してます。バズーカは、ピンバイスで開口出来るサイズだと思うので、ぜひ追加工を。バインダー後ろのバーニアが丸くないので、市販のバーニアパーツと交換するか、丸く削ってやると良いでしょう。

 他に目立つ欠点も無いし、ディテールも素晴らしいし、これだけでも売れそうな完成度です。って言うより、MGは飛行ポーズで飾れませんから、飾り台付きのコイツは、ぜひ押さえておきたいアイテムですね。もう、キットの商品名を「情景模型・激突戦域/コロニーの外にいる(いや、天国だろ)ヴァルヴァロ付き」に変えちゃってもいいかな?っていうくらいですね。

 いよいよヴァルヴァロに取りかかります。最初に機体下面を組んで、「けっこう小さいなあ」なんて思ってると、スラスター、後部、側面とパーツを取り付け、どんどん大きくなっていきます。完成すると14センチ。グラブロが8センチ、ビグロが7センチ(いずれも腕を含まず)ですから、かなり大型の機体ですね。重MAと書かれた資料も有りますが、納得です。でも、デンドロのサイズが3割大きかった前例もあるので、念のため計算してみました。



 ヴァルヴァロは68メートルという事で、1/550なら12.4センチ。まあ1割くらい大きめですね。グラブロは40.2メートル(7.3センチ)なのでキットは、やや大きめ。ビグロは45.5メートル(8.3センチ)なので、2割小さめです。グラブロとヴァルヴァロの比率は、だいたいキットの通りって事ですね。

 まあ、同スケールのガンダムを持たせて違和感が無ければ、それで十分なんですけども、ヴァルヴァロはズバ抜けて大きいMAだと言えそうです。腕を伸ばすと、100メートル位ありますよ。(余談ですけど、資料本で書いてあるビグロ等の頭頂高って、全長の事ですよね?対比図では、そう見えるし。)

名称 全長 キットサイズ 計算では
グラブロ 40.2m 80mm 73mm
ビグロ 45.5m 70mm 83mm
ヴァルヴァロ 68m 140mm 124mm


 では、各部について。モノアイは、頭のフタが上下して、必要な時だけ露出する設定ですが、ポリキャップ使用の関節で、動きを再現出来ます。モノアイはフタ側に付いてますが、設定ではボディ側に付いてます。これはプラの肉厚の都合によるアレンジでしょう。フタの中身(コクピットハッチ)まで、平面的ながら再現してあります。

 頭のフタの左右に、ダクトのような部分がありますが、ここから後ろに伸びたユニットは、上下幅が途中でふくらむのが正しいようです。キットではストレートになっているので、設定重視派の人は変更すると良いでしょう。コレはコレで、カッコイイ気がしますけども。

 クチバシ部分は、パネルライン風(設定には無いけど)に分割されたワンパーツ構成、機体後部もワンパーツ、ボディは左右分割ですが、接着ラインは頭のフタに隠されてます。作りやすいパーツ構成だと思います。

 メガ粒子砲は、カバーが左右に開閉します。カバーのラインも、生物的な曲面でカッコイイんですが、実機のしくみを考えると、もっとカバーの上下幅を広くして、中のメガ粒子砲を前寄りに配置すべきなのかも。と言うのは、メガ粒子砲の真下にランディングギアが有り、どう見ても、中でぶつかっているからです。(ぶつかる問題はともかく、実機ではメガビーム砲が前方下にせり出す設定なのは、フタの上下幅を抑えるためかも?)

 あるいは、ランディングギアは前に伸びてきてから、下に向くのだと解釈するかな。(いきなり下に伸びてくるような矢印が描いてありますが)キットは、残念ながら着陸状態は再現出来ません

 ランディングギアのフタですが、前脚のフタは、もっと大きめにすると、それらしくなるでしょう。フタ周辺が、小ぶりに作られているようです。あと、フタは成形の都合上、スジ彫りが入れられない面なので、段差で表現してあります。彫り直すと質感がUPすると思います。後脚のフタは、なぜか半分忘れられていますが、2枚開くのが正解です。成形方向の都合も関係ないのに、どうしたんでしょう?スジ彫りを追加してやりましょう。

 機体左右の大きな三角形のパーツは、あっさりと上下2分割。後ろの垂直尾翼みたいなパーツは、ミサイルポッドだそうです。ここの後ろ半分が別パーツになっていれば、ディテールを省略せずに再現出来たと思うんですが。ちょっと残念ですね。せっかく分割しやすいパネルラインも有ったんですけど。

 機体左右にある対空ビームガンは、ぜひ再現して欲しかった部分(自作するのが大変そう)ですが、キットでは再現されていません。開閉しなくても、フタと差し替えで満足出来たのになあ。それにしても、重武装の機体ですね。下面にはバルカンもありますし。110ミリってのは大きいなあ、と思ったら、マリーネやガーベラテトラの内蔵マシンガンと共通なんですね。ん?マリーネは、手持ちの90ミリマシンガンより大口径の内蔵火器を装備していたとは!(知らなかったー。)



 メインスラスターは、3基が微妙に外向きになるよう、取付部に角度が付けられています。スラスター取付面は、メカ色の別パーツで、それなりのディテールも入っています。

 プラズマリーダーは、2パーツ張り合わせの構成。実機でも合わせ目には段差があるので、ここもパテ埋め不要です。ところで、こんな兵器の技術があるなら、クローにも仕込んでおいて、スタンガンのようにビリビリ攻撃すればキョーレツだと思いますが、どんなモンでしょう?ビグロと言い、コイツと言い、捕まえるまでは順調なのに、反撃食らっちゃうんですよねー。

 クローは、ポリキャップ内蔵で開閉します。このシリーズも、大きな関節にはポリキャップを使ってくれるんだなあ、と、ちょっと安心。大きな方のツメは、設定通りの伸縮もします。おそらくココは、伸縮部分も関節になって、「くの字」ではなく、「コの字」形の動きが出来る構造なのだろうと予想してますが、どうでしょ?「くの字」では「箸の使い方が間違ってると、豆を上手につかめないの図」になってしまいますから。(デンドロは、すべり止めや突起で解決してるみたいですが)ツメの内側は、メカ色の別パーツで、塗り分けも組立も簡単になってます。

 は、伸びた状態と縮んだ状態を差し替える事で、伸縮を再現できます。しかし、腕パーツが4つあるのに、肩アーマー(?)は2つしか付属せず、腕を付け替える度に移植しなくちゃいけないってのは、なんともセコイ感じがしますね。(ジオン残党はパーツ数を減らして、地球にやさしいMAを運用しています。とか?)



 着脱の強度を考えても、肩アーマーはワンパーツ構成で正解なんでしょうけど、ホントは2分割の方が、もっとイビツにうねった形状に出来て、模型としては面白かったかな?丸い突起を大きな物に交換するだけでも、メリハリは出ると思いますが、上級者は、パテを盛って、ウネらせてみてはどうでしょうか。

 腕の伸縮部分は、まあ、節を分割せずに一体で作るんだから、あまりシャープにはなりにくい部分ですね。縮んだ状態の腕は、逆にもう少し厚ぼったい段差を付けたら、肩アーマー等の装甲厚と、統一感が出たかな?腕は伸びた状態と縮んだ状態で、長さの違いは、あまり無い様ですね。移動中の関節保護が一番の目的なのかな?腕の収納は、本体下のくぼみにクローがピッタリかみ合い、なかなか良い感じです。

 飾り台は、なんだかツメみたいなシルエット。デンドロみたいに、余った腕パーツを、台の下に収納出来たら良かったかも。(かなり厚くなりますが。)ヴァルヴァロと支柱の接続は、ポリキャップが使われています。今回の、飾り台の真ん中には、ジオンマークが彫刻されてます。なんか、嬉しいですねえ。デンドロの飾り台に、連邦マークが欲しいとは、これっぽっちも思わないんですけど。(笑)

 組立時間は、フルバーニアンが5分、GP02が10分、ヴァルヴァロが50分くらいでした。どことなくゲットマシンみたいで、ヴァルヴァロ量産の暁には、ぜひ3色並べてみたかったなあ。それから、「これでGPシリーズが勢揃い」なんて、各模型誌で書かれてますけど、重力下仕様のGP01だって欲しいですよねえ。このオマケMS,何らかの形で、ぜひ続けて欲しいもんだと思います。



おまけ

 ウルトラマンコスモス、すごーく残念な形で終わっちゃいましたね。なかなか見れなかったけど、史上最も優しいウルトラマン、どうまとめるのか期待してたのになあ。ここはぜひ、ドラマ部分を(パワーレンジャーみたいに)撮り直すとか、(ボーンフリーみたいに)アニメにしちゃうとか、とにかく何でもいいから、「無かった事」にだけはしないで欲しいなあ、と思う次第です。

 私事ですが、ボクが生まれる時にお世話になった病院の先生が「円谷先生」という方だったそうで、どうりでウルトラ好きの子供に育つワケですよ。これからの子供達も、ぜひウルトラマンを見て育って欲しいです。円谷プロさん、応援してます!

2002.6.23 健 竹史

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