健さんの
プラモコラム

その42 MG ザクF2型の巻

(1/100 MG ザクF2型 / バンダイ/ MS−06F2
ザクF2型 「機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー」に登場)


 グフザクに使えると 誰が決めたんだ
 
可動広げる技術で 図面を書き直す
 

  うた:西条町非出来サークルのみなさん
 
 単品の本格キットとしては、初の発売のF2です。パッケージで見る限りは普通のジオンMSですが、模型誌の新製品告知では、カッコして(ジオン)と書いてあります。連邦に接収された機体も発売されるんだなー??と、思わせておいて、「デラーズフリート仕様」とか「アフリカの公国残党仕様」なんていう妙な商品展開だったりして。なにしろ、パイロットのジオン兵は、ランナー切替に対応してませんから。(いや、パイロットスーツごと接収したのかも・・・それはないか。)

 どうやら、ジオン兵のランナーが、まるごと除外されるようですね。連邦機が出る時には、同じランナーにあるミサイルポッド、MMP−80マシンガン、マガジン、ロケットブースターまで除外されるのでしょう。こんなに武器を減らすなら、MMP−78(ザクマシンガン)はもちろん、ヒートホーク、1/20キース君フィギュアなんかも追加して欲しいですね。あ、キース君は腕立てポーズでお願い。



 今回のウリは、ザク系のスタンダードになるのかと思っていたMGグフの「メカフレーム」を、あえて使わずに完全新設計とした事でしょう。可動シリンダーの再現とか、股関節の前後スイングとか、グフ以降スタンダードになった機構も多いし。ついでに・・・砂が入りまくりそうな足首の可動は、やっぱり評判が良くなかったかな?

 では、頭部から行きましょう。サイズはF/J型(つまりMGノーマルザク)よりも、ぐっと小さくなりました。オデコオープンは無くなり、グフのような積み上げ式のパーツ分割。なのに頭(モノアイから上)パーツの固定は、可動オデコの時と同じ方式の、後頭部にポリキャップを仕込むタイプです。さらにモノアイシールド(透明のカメラカバー)が、頭側に付いているので、前側にスキマが開きやすくなってます。

 つまり、動かなくてもいい頭に、わざわざ可動軸を付けてパカパカにしちゃってるんですね。で、顔の下半分とは噛み合ってないモノアイシールドは、頭が少しでもガタついたら、スキマが開いてしまうワケです。内部メカはMGザクよりもサッパリしてるので、モノアイシールドを付けなければスカスカに見えそうだし、厄介な構造ですね。「図面上ではうまくいったんだけど」というパターンでしょうか。

 頭は、アンテナ(羽根飾り)付きの隊長機の物と交換出来ますが、モノアイシ−ルドが頭側に付いているので、いちいちクリアパーツを付け替えなければ隊長機を再現出来ない不親切設計。クリアパーツを引っこ抜くにはラジオペンチ等が必要ですが、キズを付けそうで恐いですね。スライド金型成形の、パテ埋め不要のクチバシとか、抜け止め構造の動力パイプとか、スムーズ可動の手動モノアイとか、優れた点も多いだけに残念な部分です。

 ボディは、F/Jと同じ、ウエスト可動無の胸・腰一体のフレームですが、肩関節の引き出し機構を内蔵。腕が水平以上に、横に上がるようになりました。(ま、シールドやスパイクアーマーが干渉するんですケド)胸の装甲全体が開く構造は無くなりましたが、設定通りにハッチが開くギミックは感動モノ。左右どちらからでも搭乗出来る設定ですが、右のみ開閉します。



 フロントアーマーは、動力パイプを軸に左右独立可動。スキマが無くって良い感じですね。設定ではフロントアーマーは左右つながっているみたいですが、スキマが無いので、パッと見ただけでは、違う印象を感じさせません。サイドスカートにはグレネードランチャーやシュツルムファウスト、マガジンをマウント可能。リアスカートは固定です。背中からはバズーカラックが引き出せますが、F/J型よりもスムーズに出し入れ出来ます。

 股関節は、陸戦ガンダム等のような前後スイング可動が可能です。ウエストが回らなくても、ここで多少ヒネった様な表情が付けられます。脚の可動は、立てヒザが可能なほどに改善してます。

 モモは、動力パイプの取付け穴の都合で、ちょっとギザギザの前後分割。成形の都合からか、カトキさんのリニューアルデザインよりも、ギザが1段多くなってます。ボク的には、前、後、パイプ周辺という3分割も良いかな?とか思うんですが。(特に一年戦争MSは、外装が外しにくい分割もアリだと思うし。)

 の内部フレームは、ヒザのシリンダーを再現してますが、ちょっとキツかった様で、シリンダーがナナメに伸びるわ、伸びたロッドがヒザブロックにコスれちゃってるわで、かなりウソっぽい感じです。まあ、動くと楽しい遊びの部分ですから、整合性の追及よりも、ギミックが仕込んである事を素直に喜ぶべきでしょうね。非難ばかりして、シリンダーが内蔵されなくなっても面白くないですから。

 元々、PG以来このシリンダーは、機械としては変だと思うんです。伸びるだけでは長さが足りず、シリンダー自体がスライドしてたりとか、脚を曲げるシリンダーは有るけど、伸ばすシリンダーは無いとか。伸縮両用にしては、ロッドが太すぎるとか。(ロッドが太いと、油圧をかける面積が足りなくなる)いや、油圧じゃないのかな?でも、不自然さを承知の上でも、やっぱり楽しいですよね?こういうギミック。

 ちなみに、ロッドが太すぎるという疑問に関しては、「あれはシリンダーでは無く、シリンダーを保護するカバーかも知れないなあ」なんて思ったりもします。まあ、ポリキャップが、実機の可動軸より、はるかに大きいスペースを食ってると思うので、「実機でも成立しない」と考える必要は無いでしょうね。



 スネは、バーニア類を内部フレームに取り付け、装甲の穴から覗かせる構成がナイスです。パーツ分割はMGグフ同様、前面からスソ全周が一体になった本体と、左右分割のフクラハギという構成。ヒザアーマー裏は空洞ですが、可動させて脚に密着出来るので、気にならないと思います。

 スネの外側にはミサイルポッドが取付け可能ですが、付けない時には、ハードポイントにフタをします。これ、サイズ的に困難かも知れませんが、スプリングの効いたフタを、押し込んで武器を取り付けるようなギミックがあると楽しいかも知れませんね。

 足首は、グフほどじゃありませんが、良く動くようになりました。あれほど動く必要は無いし(それに、ちょっと反則っぽいし)十分な可動です。大きく曲げた時に、カカトの上の装甲が割れるギミックがあるんですが、別に装甲が割れなくても、内部メカがせり出しても良かったんじゃないかと思います。クツに砂が入りそうで、ちょっと抵抗あるし。G7パーツの内側をくり抜いて、ソール側に接着すれば、簡単に改造できそうです。

 です。横に大きく上がる代わりに、前後スイングは無くなりました。F/J型よりも太めの形状。上腕は、F/Jでは直線的でしたが、グフでは緩いカーブに、今回は真ん中で盛り上がる形になってきています。腕の甲は、モールド方向の都合から、スライド金型成形です。

 手首は、可動指と平手を左右ともセット。サイズはF/Jよりも大きめです。手首カバーは、固定のような固定してないようなグラグラ状態です。自由度は高いし、やっぱり固定じゃないのかな。

 ランドセルは内部メカを再現。背中側の、ランドセル取付け面までモールドが入ってます。両脇には、ロケットブースターを好みで増設可能です。これを付けると、背負ったバズーカが外せなくなるんですけどね。あ、干渉するから、元々背負えないんだ。ノー・プロブレムであります。毎度の事ながら、バーニアを塞ぐ位置にバズーカを背負うのって、どうなんでしょうね。あ!ミサイルポッドも、脚のバーニアを塞いでますね。うーむ。



 スパイクアーマーは、グフ同様にトゲが一体成形になっています。可動の自由度は大幅アップ。シールドはF/J型よりも角張ったデザインで、ポリキャップを露出させない構造に変更、可動軸のモールドが追加されました。

 各部の動力パイプは、抜け止め構造が嬉しいですね。F/J型では、完成後も時々抜ける事がありましたから。ただ、頭や胴のパイプは、左右同時の組立なので、ビーズ状のパイプカバー(?)がバラけそうで苦労します。例えば胴のパイプは、ランドセル内部メカで固定するのではなく、内部メカのさらに内側に、左右それぞれのパイプを固定する止め具があれば組みやすかったでしょうね。

 脚のパイプは、ヒザを曲げた時に、1箇所で不自然に折れ曲がります。もっと細い芯の方が、なめらかに曲がるのでは?

 武装です。MMP−80マシンガンは、マガジンの着脱が可能。リアスカートには、ホルダーを取り付けて固定できます。バズーカは、スコープがちょっとグラつきますが、凝ったディテールで良い感じです。シュツルムファウストは、発射状態も再現可能で、ホルダーに通してサイドスカートに装備出来ます。ハンドグレネードは、2個セットのワンパーツ成形。手に持った状態も欲しかったですね。これだけ動くキットなら、投げるポーズも見たいのに。

 ミサイルポッドは、ミサイルの着脱が可能。固定用のリングは押し広げて脚に通しますが、薄い肉厚で取付けはスムーズです。リングの形がスネにピッタリで、組み付けた瞬間、心が洗われますね(大ゲサ)。マシンガンのマガジンは、3個1束のセットですが、スカートの曲面になじんだカーブが、生身の歩兵っぽくて良い感じです。裏が空洞なのと、抜け落ちやすいのが、ちょっと残念。



 組立て時間は、3時間でした。ただ、動力パイプのゲート処理をサボってますので、キチンとやれば、もっと手間がかかるでしょうね。並べてみると、今まで違和感のなかったF/J型のスタイルが、少し妙に思えてきます。MG用のデザインは、0083よりも後なんですけど、やはりファーストのイメージを優先していたという事でしょうかね。このF2、かなり売れてるみたいで品薄かも知れませんが、ぜひ手に取ってみて下さい。今度こそ、良く動くザクなのであります。



おまけ

 ガンダム対ガンダム、ウルトラマン対ウルトラマン、ライダー対ライダー。そして今年は戦隊ヒーロー対戦隊ヒーロー。でも、小さな子供向けの番組では、(にせ者ならともかく)ヒーローの意匠をしたキャラクターには、正義の側にいて欲しいと思ったりして。ダークサイドヒーローってのは魅力的なんですが、やっぱ大人が楽しむべきシチュエーションだと思うんです。せめて戦隊だけでも、良い子の手本でないとね。

 まあ、後で仲間になるとは思うし、毎年のパターンにはならないでしょうけどね。そんな事より、モチーフが忍者だし、3人しか出ないと知った時には、「残りの二人は敵幹部になりすまして潜入済みで、首領を背後から暗殺するのに違いない!」と思ったんですが。なになに、それこそ卑怯で子供に見せられない?簡単にケリがついて番組が終わっちゃう?やっぱりダメかぁ。失礼しましたー。

2002.5.8 健 竹史


西城秀樹 ターンAターン
谷村新司AURA
RAY-GUNS ・ CENTURY COLOR
奥井亜紀 月の繭
∀ガンダム ― オリジナル・サウンドトラック2
∀ガンダム ― オリジナル・サウンドトラック1
∀ガンダム 1
∀ガンダム 1 地球光
∀ガンダム 2 月光蝶

[HOME]

inserted by FC2 system