健さんの
プラモコラム

その41 HGUC EX-Sガンダムの巻

(1/144 HGUC Sガンダム / バンダイ/ MSA−0011[Ext]
EX-Sガンダム モデルグラフィックス誌連載「ガンダムセンチネル」に登場)


 ついにHGUCも、MG並の価格帯に突入ですね。ちょっと高すぎるんじゃないの?と思ったんですが、MGゴッドガンダムと頭一つ分も違わないサイズ!並べてみるまで、その大きさに気付きませんでした。RX−78とは、大人と子供ほど違います。このサイズで、この重武装なら、2500円も納得ですね。

 では、バリエーションキットという事で、Sガンダムからの変更・追加部分を中心に見ていきましょう。頭部、腕部はそのままなので、ボディから。



 胸には、Iフィールドジェネレーターが追加されました。Aパーツのコクピット(赤いパーツ)の代わりに取り付けるので、コクピットは余りパーツとなります。でもランナー切替で除外されずに、今回も付属してるんですよね。これは、差し替えて着脱を再現できるようにと言う、ボーナスパーツなのでしょう。なかなかイキな計らいです。上級者は、ハッチをボディにしっかり接着して、増加パーツの裏側に引っかかりを自作すれば、着脱も可能だと思います。

 Iフィールドジェネレーターの形状は、増加パーツの表からハメ込むようになっていますが、立体感がイマイチです。装甲に穴を開けて、内部メカをムキ出しにしている感じが正しいと思うので、キットでも、増加パーツの裏から取り付ける構造にすれば良かったと思います。目立つ部分の目立つ装備なので、一度くり抜いて、少し改造するだけで、かなり良くなると思います。

 です。「下腹部に注目!面白いギミックに注意して観察しよう。」(by偽善者トーマス)・・・って、スマートガンが接続出来る程度じゃ、あまり面白くもないか。Sガンダムと同じ腰本体に、Bパーツのコクピット(赤いパーツ)の代わりに、増加装甲パーツを取り付けます。ここも、余りパーツと差し替えて、着脱状態を再現出来ます。増加装甲の下には、一体ながらも、コクピットを再現してあります。ナイスな気配りですね。

 腰部増加装甲の上面には、ビームスマートガンのジョイントが接続出来ます。ジョイントを付けない時には、メカパーツと交換してやりますが、ここの取替えは、指でつまみにくくて、けっこうキュウクツです。ウエストを分離してから交換すると、簡単ですよ。このメカパーツ、旧キットよりも前にせり出した位置に改められて、設定に忠実になりました。



 ヒザアーマーです。旧キットでは、サーベルが起き上がったんですが(着脱は不可)、今回は固定です。その代わりに、リフレクター・インコムが着脱出来るようになりました。インコムを射出した後のヒザは、貫通穴が開いて、なんだか妙な感じ。インコムのサイズは、旧キットよりも大きくなってます。ここも設定に近づいた箇所ですね。

 脚部増加ユニットは、見事にフィットしますね。組立後の着脱(って言うか分解)も可能です。後ろに大きくユニットを追加したハズが、意外と脚本体のノズルが食い込んでおり、あまり中の容積は大きくないらしい事が分かってしまいました。うーむ。ユニットの接続には、ノズルの中にピンを差し込む方式です。塗装して着脱も楽しみたい人は、キツめのピンを削って、シンチュウ線を仕込んでジョイントにした方が安心かも。

 ところで、脚と腰の追加パーツは、もともとスネパーツばかり集めてある、Eランナーを拡張して配置してあります。これは、ますますGクルーザーに流用しやすい構成ですね。EXモデルのGアタッカーは完全新規金型だった様ですが、ぜひ使いまわせるものは、どんどん使いまわして欲しいです。少しでもキットが安くなれば嬉しいし、極論を言えば、安くしなくてもいいから、しっかり儲けて欲しいです。儲かるうちは、どんどんキットを出してもらえるワケだし。

 EXモデルって、どうせ高い訳ですし、従来のキットから流用しまくって、パーツがドッサリ余っても構わないんじゃないでしょうか?実は、基本的に単色成形のシリーズみたいなので、流用してもらった方がカラフルで嬉しかったりして。

 背中のブースターパックは、片側で1ランナー、裏面パーツは別ランナー、ビームキャノンも別ランナーという、すさまじいボリュームです。GM1個分値上げしただけの事はありますね。上面は、Gコアと接続出来るジョイントにフタがしてある構造で、Bstか、ディープストライカーに翼を畳んだGコアさえ付属すれば、そのままコアブースターが再現出来そうです。裏面が別ランナーなのも好都合。各種バリエーションが再現可能な、単品売りでも良いですね。

 ブースターパックは、パーツ分割を工夫して、旧キットよりも格段に再現度が上がってます。上の方にある4個のセンサーなんか、旧キットでは完全にツブれていた部分です。裏面のディテールもしっかり再現。今回最大の改善点かも。デザイン自体も、あらゆるラインが丸っこかった旧キットに対し、程よく直線が加わりました。全てを曲線で構成するよりも、生産性が高い感じで、理屈にかなったカッコ良さが出てるというか。工業製品的って、こういう事かな?



 特筆すべきなのは、バーニア横の推力偏向プレートの組立。ブースターパック本体を張り合わせた後でハメ込む事が可能です。で、バーニア基部(底板)でヒンジを押さえ込み、可動強度も十分。ついでに、推力偏向プレートの取付け位置も、旧キットより正確になりました。再現性も組みやすさも向上して、すごく良い分割ですね。

 バーニアは、ボールジョイントでグリグリ可動。バーニア内部のパーツが付属した旧キットに比べ、内側のデザインはスッキリした物に変更されました。わざわざ旧キットのパーツを流用した雑誌作例もあるようですが、元の画稿ではバーニア内部は塗りつぶされており、どちらも間違いではありません。全く新しい物にアレンジするのも含め、好みで作って良いでしょう。バーニア外側に追加されたディテールは、本来あるべき物で、ここも再現度がアップした部分ですね。

 ビームキャノンです。サイズも形も全く同じで、途中から折れ曲がる物が新たに追加されました。Sガンダム付属の、曲がらない物も入っており、余りパーツとなります。この他バーニア4個、推力偏向プレート2個も余ります。これはもう、流用して下さいと言ってるような物ですね。形の揃ってる物を、たくさん使いたくなるパーツばかりですね。

 テールスタビライザー基部は、新パーツです。旧Sと旧EX−Sでは、同じパーツを使っていたんですが、ブースターパック移動用(変形時に移動する)のアームが、Sには無くて、EX−Sには有るためです。気を使ってますねえ。全身がこんな調子ですから、変形しそうな匂いがプンプンする、いいキットに仕上がってますよ。

 ところで、腰部ビ−ムキャノンと、ブースターパックの取り付け軸は互換性があります。両腰にもブースターパックを付けて、脚付きBst型なんてのをデッチ上げても楽しいかも。

 ビームスマートガンには、ディスクレドームが追加されました。旧キットでは無かったサービスぶりです。これで予想通り、Bst型が出る時に、連射装備仕様の物がセットされれば、3つのキットで、それぞれ少しずつ違うスマートガンが持たせられる事になります。「全部買わなきゃ」と思わせる展開、いやサービス精神、さすがですね。

 ビームスマートガンの接続は、2ヶ所ともポリキャップで、ずいぶん頑丈になりました。旧キットでは、腹部なんか「乗せてるだけ」みたいな、細いピンでしたからね。ところで、スマートガンを連結した状態で上半身を分離すると、アザルトガリアン「自走改」みたいですね。(Gボマーの地上戦モード?)



 装備以外にも、両手とも平手パーツが、新たに追加されました。これで例の、「スマートガンを水平に持ったポーズ」が取れます。最近では、平手が左手にしか付属しない事も多いですけど、極力、両手とも付属させて欲しいですね。白旗なしで「降参します」も出来るし。(見たいか?そんなポーズ)

 Gコア(コアファイター)は、今回は付属しませんが、Sガンダムの物を並べてみると、コアブースターとしてのサイズ比率は、ピッタリ守られているようです。今になって思うんですが、Sガンダムの時だけコアファイターに車輪を付けなかったのは、コアブースター状態に合わせたんでしょうね。・・・でもボディは翼の状態が違うから使い回せないワケだし、新規パーツになるでしょ?機首だけ使い回すために車輪をケチるとは、ちょっとセコいなあ。

 気になるBst型の発売ですが、今回の追加ランナー部分に、早くも謎の製品切替があるので、ますます期待して良いと思います。前回も指摘した通り、脚など他の部分も、切替に対応してますしね。ただ、予想のつかない切替もあったりして、ディープストライカーまで発売が決定しているのか、何かオマケが付くのか、よく分からないでいます。プロペラントタンクあたりかなあ?・・・と思ったら、ただの飾り台だったりして。(笑)



 組立時間は、2時間半でした。Sガンダムで慣れてる分、早いペースだと思ったんですが、やっぱりすごいボリュームでしたからね。Sガンダムの時にも感じた印象ですが、旧キットと全く違う物を組んでるような気分でしたね。

 旧キットも、当時としては相当なパーツ数だった様ですが、色分け、パーツ分けがさらに徹底して、ユニットごとの魅力がハッキリ感じられるキットになったと思います。成形色もディテールを引き立ててる感じがします。「GUNDAM SYSTEM」等のマーキングも付属して、かなりのオススメキットです。ここまでメカメカししいと、見ていて飽きないですよ。本当。



おまけ

 EXモデルのドップが、1/144ガルマ専用機として発売されるそうですね。1200円なら、買ってみようかな?という人、かなり多いんじゃないでしょうか。1つ手に取ったら、けっこう続けて買ってしまう物ですし、これでEXが、ますます普及すると良いですね。
 
 キットには、MSにも使えるシールが追加されるとか。素人なんで、あくまで想像ですが、シールの開発って、金型を作るよりは、はるかに安いと思うんですよね。どんなに魅力的でも、どうしても割高感のあるEXモデル。シールのような付属品でお得感を高めるのって、けっこう有効的かも知れませんね。


2002.4.29 健 竹史

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