健さんの
プラモコラム

その28 HGUC ゼクアインの巻

(1/144 HGUC ゼクアイン / バンダイ/ RMS−141
ゼクアイン・モデルグラフィックス誌連載「ガンダムセンチネル」に登場)


 初キット化アイテムは、うれしいですねえ。振り返ってみると、HGUCはリニューアル物専門みたいになってしまって、未発売MSの初キット化って、意外と少ないのです。キットが出ればメジャーMSになる、と言う側面も有ると思うので、もう少し未発売物の比率を上げて欲しいものです。
 
 今後はステイメンが控えているようですが、GP02Aやガーベラは後回しにして、同時代のGM系や、ザメル、ヴァルヴァロ等をお願いしたい所。(なぜペズン繋がりで、MSXに行かないんだー!)
 
 さて、今回はゼクアインの武装のうち、第3種兵装(実体弾マシンガン装備)でのキット化です。第1種ビームライフル第2種スマートガン&ディスク・レドーム。これらを発売する場合、特にマシンガン関連装備のパーツを除外するような、ランナー構成にはなっていないようです。



 多分、1,2,3種兵装フルセットの、デラックスキットとして出るんじゃないでしょうか。2500円程度で。
 
 では、各部を見ていきます。頭部は、成形方向の制約で、側面のモールドが甘くなってますが、なかなか良いツラ構えではないでしょうか。設定の正面画が好みの人は、ヘルメットの前側のフチを、もっとトガらせると良いでしょう。首の軸が顔の下ではなく、後頭部あたりに通っていて、妙な印象でしたが、これで正解の様です。
 
 胸は板ハメのオンパレード。内部メカパーツを中心に、左右分割と上面パーツ。ハッチやインテークも板ハメ。ピンより折れにくいから、助かります。脇の下までモールドが入って、良い感じ。胸のセンサーは、設定よりも小さいかな?あれ?センチネル単行本の作例は、センサー付いて無いんですね。おお?カトキさんのコミックにも、付いてる機体と、付いてない機体が登場してますね。サンライズ公式設定画には、付いてない様です。たくさん作る人は、両方作ってみては?



 は、久々の「左右フロントスカート独立可動式」。胸といい、センチネル物は、なぜか気合い入ってる感じ。センチネルが一段落する頃には、ガンプラのスタンダードが、1ランク上になってる事を期待します。リアスカートにはスラスターを装備してますが、ハメ込み構造が裏から丸見え。普段はスカート裏まで再現しなくても・・・と思ってるんですが、今回は特に目立つ機体でしたね。
 
 は、すごいボリュームですね。足首の位置は、カトキさんは特にアレンジを加えてない様ですが、設計時の判断か、Sガンダム同様、足首関節のクリアランスを広めに取ってあります。確かに、こんな大きな足首、スネアーマーに埋まってたら、十分な可動は無理ですね。
 
 ふくらはぎのプロペラントタンクは、接続基部を、それなりに再現してあり、着脱を楽しめます。可動に支障は無いんですが、足首(足の甲)アーマーが可動したら、あるいは別パーツだったら、嬉しかったですね。
 
 ところで単行本の画稿と、サンライズの画稿は、ずいぶんと異なるようですが、ヒザアーマーなんて、上面が別構造ですよ。リアスカートは、単行本のはブロックごとに可動しそうだし。ここまで違うと、それぞれ欲しくなりますね。「好みでチョイス」のレベルを越えてますよ
 
 です。例によって筒構造の上腕ですが、どんどん完成度がアップしてます。ヒジ関節も含め、外観と組み易さの両立は、完璧にモノにしちゃった感じ。前腕は、色分け再現の都合を利用して、モナカ(左右2分割)ではディテールの入らない、ヒジ内側にモールドを追加してるのがポイント高いですね。元デザインには無いモールドですが、これによって、3方向からディテールの入った、プラモ臭くない前腕になってます。C2パーツ(ライトグレー部分)を割っておけば、塗装後の組立が可能になると思います。
 
 ヒジアーマーは五角形ですが、元デザインは四角形で、スキマからメカが見える構造の様です。MGになるなら、そっちの方が、見どころが増えて良いかも。
 
 手首は、Zの時期の構造に準じて、4面を装甲で覆ってます。左平手は、武器を両手持ちさせるための表情付けがナイス。左握り手は、穴無しゲンコツです。サーベルは2本有っても、左には持てませんね。その分カッコイイですけど。右手は、人差し指可動の1個のみですが、マシンガンのトリガーカバーが窮屈で、無理して指を通すと、指の軸が破損する恐れアリ。要注意というか、あきらめた方が無難です。


 は、アーマーの接続軸の位置が悪いのか、あまり腕が上がりません。肩関節軸をナナメに通して、意欲的なんですけど、残念。今回は、給弾ベルトの弾力に負けないよう、むしろキツキツで良いのかも知れません。
 
 シールドは途中で曲がる構造ですが、あまり可動しません。サンライズ設定画が、割と可動しやすい構造でしょうか。ヒジとシールドのマイナスモールドの比率は、絵によってかなり違いますが、特に「装備一式展開図」は、差が大きいですね。マイナスモールドが小さいほど、シールドは可動しやすいかも。それから、バーニアは上の、固定側に付いていて、動かないという解釈の方が、可動には好都合かも。(性能に大差ないなら、軸に推力の負荷をかけなくても、ねえ。)MGが出る時は、ご検討を。
 
 バックパックは、少し小さくアレンジされた様です。当時から、ボディサイズに対して、バックパックや装備品が過剰に大きいのでは?(ボディだけは大型化しなくても良いのか?)と疑問に思っていましたが、いざ発売されるとなると、あの重量感を、1度手に取ってみたかったなあ、なんて思ったりして。身勝手だなあ。
 
 ところで、バックパックを取り外すと、接合部は内部メカが露出しています。「ムーバブルフレームに接続」という事でしょうか。隠れた見どころの1つでしょう。
 
 マシンガンは、大きくてワクワクしますが、給弾ベルトの関係でポーズが限られる、って言うか、全く動かないのが残念。手に対して、グリップが小さいと感じるんですが、どうでしょう?給弾ベルトはアサフレックス製で、塗装可能です。弾倉タンクは着脱可能。目立つ部分なので、成形の都合で省略されたスジ彫りを再現すると良いと思います。
 
 シールドには、その他の装備品を固定するマウントラッチが再現されているので、ぜひ重武装した姿を見てみたいですね。逆に、弾倉タンクを外した軽装状態は、解説書にもパッケージにも紹介されてませんが、ガラリと印象が変わるので、ぜひ再現してみて下さい。パーツを外せば良いだけ、とは言いながら、シールド上面がフラットで、味気なく見えます。元デザインでは、ゆるい曲面になってるので、パテとヤスリで、整形すると良いでしょう。
 
 組立時間は、2時間弱でした。キット本来の魅力もなかなかですが、流用したくなる様な、メカメカしいパーツがギッシリ。ランナー状態でも、うれしくなって来ますね。特にバーニアパーツは形も良いし、色が明るくて塗装しやすそう。(何で各社とも、改造パーツの成形色が暗いんでしょう?赤や黄色に塗りたい時も多いのに。白いのが出たら、そっちを買いますけどね。)
 
 ところで、ふと夜中に「マラサイ欲しいなー」なんて思う時が有りますよね。(夜食かよ?)ゼクアインにツイメリットコーティングして、小林誠先生や近藤和久先生みたいにイジって、砂漠色に塗ったら、心の乾きが、少しは癒されるでしょうか。長いマシンガンが、そう思わせるのかなー?



おまけ

 文中で「サンライズ(公式)設定画」と呼んでいるのは、「MS大全集」等に載っている画稿の事です。サンライズ公認MSを収録してるので、絵もこっちが公認なのかな?と判断し、こう表記しました。他のセンチネルMSも、けっこう変更された物が多い様で、センチネル単行本と、近年の設定集は、1度見比べてみると面白いと思います。って言うか、ぜひ買って手元に置きましょう。


2001.10.14 健 竹史

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