健さんの
プラモコラム

その27 HGUC Sガンダムの巻

(1/144 HGUC Sガンダム / バンダイ/ MSA−0011
Sガンダム モデルグラフィックス誌連載「ガンダムセンチネル」に登場)


 センチネル増量キャンペーンのスタートです。模型各誌の扱いも、普段より力が入っているように感じます。ボクはセンチネルに特に思い入れがある訳ではないのですが、好きな人が多いのは分かるし、売り切れ必至とニラんで、予約して買いました。MG誌がセンチネルを久々に特集した、99年1月号が即日完売して、入手出来なかった苦い経験も有りましたからね。(バックナンバーも在庫なし!探したのなんの)
 
 この機体、A、B、CパーツがGアタッカー、Gボマー、Gコアと、イニシャルに合わせて命名してあり、ロボットマンを連想させます。ユニット交換の自在合体システムも同じね。(カトキさんに戦隊ロボをデザインしてもらったら、面白い運用が見られるかな?)
 
 キットには恒例のコアファイター(Gコア)が付属しますが、EXモデルでGアタッカーが企画中との事。A、B、Cランナーに上半身、D、Eランナーに下半身のパーツが多く、EXモデルに、このキットを流用しやすい構成になってます。特にEランナーは、スネ100%の構成(ボンカレーみたい)で、Gボマー発売の時には、ぜひ共用して欲しい所。これで開発費が下がれば、多少は安くなるかな?
 
 Gクルーザーの発売(但しHGメカニクスで)は、その24、デンドロ君の巻で提案しましたが、分離形態で発売すれば、より手頃で、しかも集めたくなりますね。(合体は可能かな?)
 
 それからEX−S、Bstの可能性ですが、バックパック、Gコア、モモ、腰ビームキャノン、テールスカート、スマートガン用エネルギー供給ユニットまでもが切替可能なパーツ配列なので、いずれも期待大、ですね。いつも思うのは、本当にバリエーション展開の用意だけなのか?ひょっとして、もう金型は全種完成してるんじゃないのか?って事ですね。早速このランナーの先を、立原さんに霊視してもらう事にした・・・とかお願い出来たら、いいんですけどねえ。


 注目すべきは、スマートガンの前半分が切替可能になってる事。連射仕様のスマートガンが、おそらくBst型に付属するとみた!(話題作りの一環として。)6000円くらいで、ディープストライカーは可能でしょうか?大型のMGだと思って、ぜひ!では、キットに目を通していきましょう。
 
 初キット化のGコアです。設定では双胴ですが、間がつながったデザインに変更されてます。強度の問題ですかね?心配ないと思いますけど。主翼を収納するスリットや、車輪ドアは、成形方向の都合からか、省略。主翼のスジ彫り等も変更されてますが、解説書のイラストは、おそらく当時の設定画そのまま。カトキさんは、ノータッチだったのかな?あと、脚が収納状態なのが、他のHGUCコアファイターと不揃いで、非常に残念です。
 
 ところで、Gコアの設定画は、垂直尾翼が有る物と、無い物が存在する様ですが、ボクはこれが「新旧画稿」なのか、「バリエーション違い」なのか知りません。しかし尾翼の無い絵を掲載し、キットには尾翼が付いてるってのは良ろしくないのでは?資料を調べて修正するモデラーも多いでしょうが、絵を描く資料にプラモを購入する人や、プラモからガンダムを初めて知る人もいるハズなので、ぜひ注意をお願いしたいです。
 
 頭部です。横顔は、エアインテークが傾斜してる旧キットが良いかな?と思いましたが、傾斜してないHGUCの方が、正面から、首が浮いて見えない効果がある様です。アンテナもインコムも引き締まってナイス。首の左右可動が改善し、射撃ポーズで、スマートガンと同じ方向を見る事が可能です。
 
 ボディです。胸幅が締まり、脇のラインが平行に近くなり、カッコ良くなりました。エリと、顔の前の四角(センサー?)が、区別されて良い感じ。ウエストは、全く可動しませんが、それでもポリキャップが仕込んであります。分離ギミックを再現したかったのかな?MS状態では全く見えない腹内部に、簡易的にGコア機首が再現して有りますし、付属のGコアとの統一感には、気を配ってある印象です。背中の再現も十分。
 
 の形状も、引き締まりました。テールスカートには、相変わらず肉抜きが有りますが、より埋めやすい形状になってます。腰への接続は実機のジョイントに忠実で、密着感もUPしてます。旧キットでは、バックパックが大型で背中に密着してなかったので、あえてスカートを浮かせて、バックパック寄りに設定してたのでしょうか?新旧キットを見比べると、以外と旧キットから学ぶ点も多いのかも知れません。
 
 です。モモ(ヒザ)関節は、今回もヒネれず、残念。しかも、このヒネリ分割線は傾斜していて、ヒネると、脚がよじれるのでは?と心配です。絵を見ても、傾斜させる必要は無かった気がしますね。あと、ヒザだけ関節強度がイマイチです。ポリ軸に負担をかけない為かな?(ところで、モモや腕は、Zプラスと共通なんでしょうか?)
 
 スネは、きれいなカーブで、初代ガンダムの様なラインにアレンジ。ヒザアーマー(サーベルラック)は、旧キットとは成形方向を変えて正面とサーベルをシャープに再現。かわりに側面の穴は省略されましたが、これはピンバイスで簡単に再現可能なので、ナイス判断です。(これに合わせて、全身の穴も省略!足首関節のクリアランスが拡大された分、良く動きますが、旧キットと異なる印象に見慣れるまで、多少の時間がかかりました。
 
 は、フックが一体成形になったのが、何より嬉しいですね。前後の厚みが増し、腕が収納されそうな雰囲気が高まった感じ。旧キットよりも小さくなった様ですが、胸が小さいので、むしろ力強さは、増したかも。前後可動が加わり、良く動きます。
 
 サイドジャケット(腕カバー)の取付部(肩下面)は、妙な段が付いてて、プラモっぽい印象。HGUC用背面図を参考に、構造物が肩の前後装甲にサンドされてる感じに整形すると良いかと。
 
 上腕は、毎度の筒方式ですが、スキマがムーバブルフレームみたいで、チラリズムが実に良い感じ。ヒジの赤いパーツは、2分割の前腕をロックしているナイスな構造。欲を言えば、ヒジ関節横の、白い部分を、赤パーツで覆い隠して有れば文句無しでしたが、このサイズじゃ難しかったかな。
 
 手首は、左右の握り手と、武器用の右手が付属します。手の甲は、頑丈な板ハメ式で、スマートガンの様な、窮屈そうに構える武器には、ありがたいですね。
 
 バックパックは、ずいぶん小さくなり、背中との密着感も高まりました。密着しすぎて、EX−Sの大型ブースターと、ちゃんと交換出来るのか、少し不安です。ま、ブースターもコンパクトになるのでしょうけど、コアファイターとの比率に関わるので、限度があるハズ。後頭部カバー(バックパック取付面)の厚みが、ずいぶん減少しているので、軸位置だけで解決出来るのかな?霊視して欲しいよー。
 
 テールスタビライザーは、旧キットより、ずいぶん上まで可動する様になりました。しかも、カチッと固定される手応えがあるんですけど、やっぱGアタッカーに、そのまま使える設計なんでしょうか?背部ビームキャノンは、旧キットではSとEX−Sでサイズが異なりますが、出力は同じ設定なので、おそらく同一の物。今回は統一されるんじゃないでしょうか?


 ビームスマートガンは、下面の再現度が向上。左腰からのサポートユニットの取付位置が大きく変更になり、構えたシルエットが、よりカッコ良くなりました。サブグリップは、カバーを開いて(差し替えて再現)、展開します。起き上がる方向は設定と逆ですが、伸縮ギミックが追加されてる分、位置的には好都合?
 
 ところで説明書では、スマートガンを構える時は、左腰のみ接続する様になっていますが、ちゃんと左右両方を接続しても構えられます。左だけ接続する方が、ポーズが大胆に決まりますけどね。あと、左足を大きく動かすと、アクションフィギュアのレバー操作の様に、スマートガンを構え直す動作を楽しめますが、これも左のみ接続した時限定の裏ワザ
 
 腰部ビームキャノンは、先端が別パーツで精度UP。もともと脚を動かすと、つられて動く装備ですが、軸位置が旧キットより高くなり、ますます振り回されてます。発射態勢の位置を上げて、カッコ良くするためでしょう。取付軸が長めなので、スマートガンともども、半分引き出したりして、ポーズを調整しましょう。
 
 サーベルは、旧キットはクリアーパーツでしたが、今回は白。グリップの太さは多少違いますが、どちらでも持てます。
 
 ところで、立ち姿も良いですが、やはり「宇宙(そら)がお似合いですなあ」の機体だと思うので、Vガンダムの様な、飾り台が有ると良かったでしょうね。とか話してたら、知人が、「むしろ飾り台は、MGゴッドガンダムにこそ必要」と言いました。飛びかかる、走り出す等、片足や、宙に浮いたポーズは、様になるでしょうね。
 
 組立時間は2時間強でした。「いずれEX−Sが出たら、そっちを買う」なんて言ってないで、速攻で買って損なしのキットを、ぜひ手に取って欲しいですね。で、みんなで意見を出しあえば、より良いEX−Sが手に入るというモノです。「Zプラスはヒザ回転を可能にして、Sとモモを交換可能にして欲しい」とかね。
 
 さて、今回ちょっと注目すべき点は、PC−123プラスの他に、PC−15という、追加のポリランナーが使われた事。以前、「その19・HGUCガンダムの巻」で、「BB戦士用程度のポリランナーを、必要な数だけ追加して、可動の充実を図って欲しい」という主旨のコメントをしましたが、今回使われたPC−15は、まさにBB戦士に使われている物でした。今後もポリパーツ個数の制約がなくなれば、より自在に設計されたガンプラが手に入る訳で、ぜひ定着して欲しいですね。



おまけ

 なぜ今、センチネルに着手するのか?について、バンダイの川口名人が「センチネル世代が、そろそろ30代になってしまうから」という内容の事を語っておられました(ホビージャパン9月号)。所帯を持つと小使いが減って、趣味に使える金額が限られてきます。事実、ボクもプラモを楽々買えてる訳じゃないし。でも20代まででファンが構成されてる趣味なんて、いくら腕を磨いても社会の認知度は上がらないと思います。
 
 だからボクは、頂点を極めるガレージキットよりも、安さで底辺を支えるプラモを応援したいし、魅力を知った人には、少しでも長く続けて欲しいです。それに、一生の趣味が持てない国は、豊かとは言えません。サービス業の人口が増えてるのに、そっちにお金を使えない様では、今を乗り切っても、すぐ次の不景気が来ますよ。
 
 てな大義名分を掲げて、道楽人生に邁進するのであります。みんなで、がんばって続けていきましょう!


2001.9.15 健 竹史


  

HGUC Sガンダム
HGUC Ex-S ガンダム
HGUC ゼクアイン

  

MG Sガンダム
MG Ex−Sガンダム
MG FAZZ

  

MG ゼータプラス テストカラー
MG 1/100 ゼータプラスC1

  

GFF EX-Sガンダム
GFF EX-Sガンダム タスクフォースアルファ
GFF ディープストライカー

  

機動戦士ガンダムMS大全集 2003
ガンダム・センチネル
ガンダム・センチネル―ALICEの懴悔




アナハイム・ジャーナル

[HOME]

inserted by FC2 system