健さんの
プラモコラム

その22 MGリガズィの巻

( 1/100 MGリガズィ/ バンダイ/ RGZ−91 リ・ガズィ 
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場)


 ガンダムもどき」の「しょうもないMSです。しかしキットはカッコイイ。3000円の本体と、1000円のバックウェポンシステム(BWS)といったパーツ比率ですが、完成時のボリュームは相当なモノで、4000円はお買い得でしょう。
 
 この機体、無変形のZガンダムに増加装甲を被せて、飛行形態をとらせるコンセプトですが、可変MSにBWSを装着しても面白いでしょうね。例えばZガンダムのフルアーマー化を検討するとして、MS形態ではなく、ウェーブライダー(WR)形態に追加装備する案です。現に、ゲームでのリガズィは、MSよりもWR形態の方が強いのだとか。なら、MS時よりWR時を強化したパーフェクトWRって、使えそうでしょ?(誰か作りません?)



 最も、同様のコンセプトはエアマスターバースト+Gファルコンという前例が有りますし、ガンダムWでは、バード形態を増加装甲で偽装してるから、目新しくも無かったかな?では本題へ移りましょう。
 
 頭部です。バルカン砲も、アゴもシャープ。ジェガンと共通イメージのオデコも良。後頭部の動力パイプや頭頂カメラは、1/144キットではツブれちゃってて、今回初めて存在を知りました(笑)。アンテナは、プラと軟質樹脂から選べますが、ぜひ軟質樹脂を使いましょう。がんばってBWSとの密着感を高めた設計になっているので、機首にブツける可能性が高いので。
 
 ボディです。コクピットの再現性は高いですね。ピンよりも板ハメを多用してあり、分解時の破損率は激減してると思います。嬉しい配慮で、今後もお願いしたいですね。無変形なので、Zでは出来なかったウエスト回転も可能。ポーズが決まります。ああっ、Zでも回転させたい。求む!Ver2.0!



 ところで、パイロットの塗装説明が無いのが、いつも不満です。今回は特に、3人も使用したのにアムロらしき小さな写真だけとは。模型誌で、過去のキットの付属フィギュアも含めて、資料集を掲載できないでしょうかね?
 
 です。股関節がパンタグラフの様に(って言うかMGのZの腹部みたいに)スライドして、BWS合体時には脚の間隔が広がります。勝手にスライドしない為の、ロック機構も強度十分。この強度が、Zにも欲しかったなあ。
 
 フロントスカートは、Zと同じで、中央で支持されてます。四角いヒンジの様なディテールは、実機はともかく今回はダミーです。サイドスカートは腰ではなく、脚に接続されているので、脚と一緒に動きます。ツマ先を開けばスカートが後ろにズレるので、せめてボールジョイントにして欲しかった所。(これじゃ装甲にならない。)スカートは回転し、中に仕込んだグレネードは、スライドして、せり出す事が可能です。
 
 脚は、Zと同様の変形をしますが(ヒザの曲げ方向は逆)、ビス止めでヒザは頑丈、モモ、スネの内部も再現。しかもパチパチ組めます。ヒザアーマーの密着性も良好、足首の接地も十分です。カカトの構造は、頑丈でシンプルな上、分解容易で感心しました。(PG版Zが参考?)
 
 はフレームも無く、可動こそシンプルですが、前腕の甲をスライドさせると、グレネードがせり出すギミック付き。但し、シールドをマウントしてる時にはギミックがロックされてます。ヒジの動力パイプは廃止された様子。
 
 手首は、いつものボールジョイントに加え、手首カバーがスイング可動、さらに手の甲の付け根が「お手つき」可動するという最高のギミック。また、手首カバーの組立は、内部にピンを仕込むスペースも無い狭さで、パーツ外部にディテールに見せかけたツメを設けてロックする発想がナイス。「狭くて可動に出来ませんでした」なんて言わないチャレンジ精神ですね。
 
 ところで手首の「お手つき」可動ですが、「バズーカを肩に担ぐのに適した可動」として、MGにも導入されないかと期待していた機構です。(その1・ガンダムVer1.5の巻参照。)MG版Nガンダムで、すでに導入されていたものの、ちと高くて買ってないのです。だから、イジるのは今回が初めて。リガズィはバズーカを装備しないので、この手首をガンダムMK−2に付けて、バズーカを肩に担がせてみました。
 
 結果は良好で、ちゃんと肩に乗せられました。幸い、この2機の手首サイズは同じなので、ディテールを多少改造して、手首を取り替えても良いですねえ。また、ステイメン等、ボールジョイントのサイズが合わず、流用出来ないMSも有ります。今後のスタンダードにして欲しいし、別売手首も検討して欲しい所です。今回は、平手も付属してませんし。
 
 は、BWSを少しでも密着させるためか、合体時には腕を覆う様に回転します。合体後も、BWSから肩スラスターが露出しており、推力面ではZよりも優れたWR形態と言えるかも。(Zは肩が隠れてしまう。)
 
 バックパックは、取付基部がMK−2等と同じ規格で、交換可能。(多分、Nガンダムとも共通でしょうね。)スーパーガンダムをたくさん買って、手当り次第にGディフェンサーを背負わせたくなりますね。ビームサーベルは、背中の箱から出て来ます。せり出すギミックも楽しいんですが、フタが邪魔で、取り出しにくそうだな、と心配になります。
 
 ところで、各部のスラスターは、内側の黄色まで色分けされててカラフルなんですが、黄色パーツの肉厚が目立って、2重構造の様に見えて不自然です。ケンプファーの時はフチをシャープにして目立たなくしてあったんですが。薄いパーツは安全上やめる事になったのか、もぎ取り派(!)に不評だったのか分かりませんが、フチを薄く加工する他、黄色パーツを使わず、塗装で済ませるという選択も出来るでしょう。
 
 ビームライフルは、あっさり3パーツ。マガジンも外れません。デザインが派手じゃない事もあって、「リガズィが弱いんじゃなくて、武装が貧弱だったのでは?」と思ったりして。本体はシンプルで、大きくなり、スラスターも増え、デッドウェイトのフライングアーマーも廃止されて、マジでZより強そうですから。それとも、シールドが重くて、対ニュータイプ戦には不利だったかな?
 
 ビームサーベルは、さすがにツバの展開までは再現出来ず、収納用と手持ち用が2本ずつ付いています。
 
 シールドは、手持ちと、腕にマウント、どちらでも装備可能。ハンドグレネードも、外せませんがしっかり再現。シールド表面の青い部分は別パーツで、裏のハメ込みピン受け穴は、ナットの様なディテールとして処理されています。実機でも、あの青い部分だけ2重装甲って解釈かな?
 
 シールド裏がメカメカしいので、1/144はどうだったかな?と比べてみると、著作権者やメーカー名が有りました。時代だなあー。(1987年製。けっこう古いんだ。)


 
 注目のBWSです。解説ではサブフライトシステムでもある様な扱いですが、ほとんど皮一枚の構造で、大きなスラスターが無い事に驚きます。つまり、「リガズィ自身の力で飛んでいる」みたいです。むしろメガビームキャノン1門、ビームキャノン2門の方が重要で、これを分離する事は、メイン武装を捨てる事に等しい様な・・・。ついでにマイクロミサイルでも持ってたら、ヤクトドーガを振り切れたかなあ?
 
 主翼はZZのシールドでも使われた、空気を注入して厚肉のまま一体成形する方式。折り畳みは再現されてませんが、形は良い感じ。両サイドのビームキャノンは、すぐ内側にスコープらしき丸が有るのが正解なんですが、これは付け忘れたのか、アレンジの際に不要と判断されたのかは不明です。(多分、ワザとでしょう。)側面のスラスターが抜けやすいので、接着した方が良いでしょう。
 
 内部再現も無いので(ま、再現すべき内部が無いんだけど)、BWSはHG仕様みたいな印象ですね。サイズはキツキツで、なで肩に密着した合体状態は、雨ガッパか、ミノを着た様な印象。ここまでコンパクトにして、スネ部分とのバランスを取っている様です。確かに、Zと同程度のスネのサイズで、はるかに大きなWRになる訳ですから。
 
 合体は、肩を下げ、腕を窮屈に曲げ、脚を変形させてBWSを被せます。バックパックは、BWS上面に一部露出します。肩をロックし、シールドで下面を塞ぎますが、別取付の結合パーツで、ヒザもロックします。Zの時の様なガタつきは無く、シルエットも美しく、嬉しくなりますね。
 
 合体時の変形は、カトキさんオリジナルと思っていましたが、元デザインでもヒザは微妙に折っている様に見え、脚の間隔はハッキリと広がっていますね。
 
 飾り台は、BWS単体でも飾れます。肩用のロック機構で接続し、安定感は十分。ところがWR形態は、台の上に乗せるだけ。シールド表面に合わせた、ただの十字形の板なんで、ツルンと落ちそうです。まるでバランスゲームみたい。ここ中国地方では、今も小さな地震が有り、こんなデリケートな物は飾れないっスよ。「十」字に、もう1本追加して、「士」の字形に改造した方が安心でしょう。
 
 って言うか、飾り台のシルエットを「サイコフレームの試料(テストピース?)」形にするとか、そんな演出が欲しかったなあ。エヴァの頃ならやったかも。って言うか、ビグロの飾り台にはドクロマーク入ってたし、久しく戦艦やモビルアーマーを出さないうちに、そう言う発想が失われてしまったかな?
 
 模型誌に、ジオングの飾り台をジオンマークにしちゃった作例が有りましたが、実にカッコ良かったですね。まだ間に合います。「ジオンの魂の具現」ノイエジールの飾り台には、ぜひマークを入れてね!(注:まだ参考出品だってば)
 
 組んだ感想ですが、Nガンダムより安いけど、こっちの方がプレイバリューが高いんじゃないでしょうか?当時、Nガンダムと同額程度で1/100キットが出ていたらなあ、と、つい思ってしまいました。サザビーばかりに目が行って、誰も検討しなかったのかな。ボクも思ってなかったし。
 
 今後の要望ですが、F91にも登場するジェガンを、ぜひMGに加えて欲しいですね。リガズィの最強最後の敵でもあるし。(どうも納得いかんぞ。)もちろんBWS付HGUCも、2000円程度で可能と思うので、ぜひ!ところで1/144の腰アーマー、左右で形が違うのはナゼ?



おまけ

 ゲームの話が出たついでですが、ザンスカールのタイヤMS、ゲームではけっこう活躍してると聞きました。Vガンダムは敵メカの発売が少なく、「タイヤメカ」という新コンセプトが打ち出された後半からのキット化は皆無。HGUC化を希望したい所ですが、まずはBB戦士でどうでしょうか?

 タイヤなんて、SD映えしそうなアイテムに思えますが。安価ゆえにリアルモデルよりは大胆な展開もしやすく、またマイナー機種の知名度を上げたり、認知度を試したりするのに適したシリーズと思いますが?(クロスボーンガンダム発売はナイスでした!)


2001.7.1 健 竹史

MG リ・ガズィ
MG νGUNDAM
MG サザビー
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

MIA リ・ガズィ
MIA サザビー
MIA ジェガン

機動戦士クロスボーンガンダム スカルハート
GFFクロスボーンガンダム X-1

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