健さんの
プラモコラム

その20 HGUCジオングの巻

( 1/144 HGUCジオング/ バンダイ/MSN-02 ジオング
「機動戦士ガンダム」に登場)


 パッケージが恐竜的進化を始めてますよ。1800円と言いながら、マスターグレードの3000円クラスの箱サイズ!けっこうお買い得かも。
 
 さて、6月はジオング、リガズィと、飾り台強化月間の様です。EXモデルではGトレーラー、ドダイ2と、それ自体が飾り台みたいなメカが出るし、デンドロビウムも控えてますからね。これは意図的な演出かな?
 
 ところで小スケール・デンドロビウムは、その2「SDデンドロビウムの回」で提案した物で、もし企画の参考の足しにして頂けたのなら嬉しく思います。みなさんも、ガンガン要望を送ると良いと思いますよ。ただ、「高くても良いから出せ」ってのは限界が有ると思うんで「こうすれば?」みたいな提案を心がけているつもりです。
 
 さあ、それでは本題のジオングです。高くてもいいからパーフェクトジオングとコンパチになってるといいなあ。(さっきの発言はどうした?!)


 頭部です。旧キットで塗り分けに苦労したモノアイシールドも、前後分割でツブれちゃってた側頭部も、うまいパーツ分割でシャープに再現。頭部フレームが真四角で、前後が分かりにくいので、顔面パーツを先にハメておきましょう。ボクは頭の前後を間違えてヘルメットを被せ、パーツを破損してしまいました。
 
 耳のバーニアは可動しませんが、先端の黄色部分までパーツ分けしてあり、実にカラフル。モノアイはシールで再現されてるし、腰部メガ粒子砲だけ塗ればアニメ通りの配色です。


 ボディは、内部メカ再現は無いものの、フレームに装甲を着せる方式で、簡易MGという感じ。この様な大型キットは内部に補強が無いと、大きな平面部がベコベコしますから、2重構造は大歓迎ですね。昔のキットはパーツの肉厚も薄く、接着後もペーパーがけの圧力で割れたりして泣かされたものです。1/100ズゴックの足裏とか、近年(?)ではベルガギロスのフンドシとか。
 
 もっとも、このジオングもワキの下だけは不安ですね。分割面は、そのままパネルラインにしてくれた方が、ペーパーがけ不要で安心だったかな?とか思ったら、カトキさんの絵ではパネルラインになってるではないですか。ここはスジ彫りしちゃってOKですね。ついでに腕の付け根には穴が開いて、メカ部が見えるとナイスなのになー。あれ?これもカトキさんは、そう描いてますけど。
 
 図体が大きな分、こういう部分は大事だと思います。身長が半分の他のMSに、一部とは言え、造形密度で負けて欲しくなかったなあ。(もちろん、コンセプトデザインに忠実にして欲しいという感情からでもあります。あれがアニメ用では無く、キット用の絵である以上、省略すべき線は1本も無いハズ
 
 まあ、肩の上までパネルラインを入れたら似合わなかった、とか、後の段階で手直しする事もあるのでしょうけどね。それに、通常の2倍サイズのMSが、他のMSと同じ構成なのか?という点も悩み所。でも、全身に入ってる面取りがワキの下だけ無くて、エッジになってるのは、やっぱり側面をないがしろにしてるのかな?
 
 内部フレームは、飛行形態をとるための可動フレームでもあります。ウエスト、首、エリ(よだれかけ)まで可動して、しっかり背を反らせる事が可能。巨体のためか、ポリキャップがいつもより多めに入っております。特に、ウエストはポリキャップ2個のガタつきを利用して、多少ヒネる事も可能です。
 
 ただ、もしパーフェクトジオングも出すなら、前かがみや、見おろすポーズにも対応して欲しかったかな。


 スカートはワンパーツで成形、ランナー無しなのでニッパー不要。装甲の厚み部分(スソ)にもディテールが入ってます。バーニアのパーツは共通化が図られ、スイスイ組めます。しかも可動式。5基の小バーニアを放射状に向ける事も、急旋回してる様に、全て1方向に向ける事も可能。2基の大バーニアは、フンドシパーツに接続され、まるで脚の様に自由可動。
 
 この大バーニアの可動を見れば、パーフェクトジオングの発売を期待するなと言う方が無理でしょう。一応、金型を流用した場合、余りパーツが出ない様になってますね。飾り台とフンドシのパーツだけ区分けされ、生産の切り替えが出来る様になっています。脚が付いたら、飾り台(大きいです。200円くらい?)は不要ですからね。
 
 しかし、フンドシまで共用パーツから外すというのはなぜ?しばらく考えましたが、多分、飾り台用の穴まで隠す(と言うか、この穴もハメ込みに使う)、新規のフンドシが付くのでしょう。見れば、スカート内の配管ディテールも、フンドシからバーニアへパイプが通っている様なレイアウトですね。
 
 今度は逆に、大バーニアと大バーニア基部は、余り部品になってしまうのか?という点が気になりますね。基部はそのまま、股関節メカ部として共用されるのでしょうか。ではバーニアだけは余らせるのか?もしかすると、足裏バーニアとして利用されるんじゃないですかね。
 
 1/250キットで見る限り、確かにサイズは近いようです。ならばカトキさんの事ですから、「同じ規模のロケットエンジンを別に開発するのは不自然」として、同一規格品にしてしまう事を提案されたのでは?1/250キットとは、穴の数こそ違いますが、説明のスジは通っていると思います。これで余りパーツは1個も出なくなりましたね。(実は、小バーニアのパーツは、もともと1個余るんですけどね。)
 
 ところで身長ですが、MSのスペックは資料によって異なる場合がありまして、このジオングでも17.3mという資料と、23mという資料が有ります。(1/250キットの解説カード。ちなみに脚無しで23m、脚付きで38mとなってます。)
 
 このキットは17.3m説に近いサイズです。(旧1/144から、このサイズでしたが。)少しは脚付きを発売しやすいかな?何しろ、身長が3割違うと、体積は1.3の3乗倍、約2倍にもなりますからね。仮に1/250キットをそのままサイズアップすると、243mm、実機で35m相当になります。解説カードと少々違いますが。
 
 造形村のパーフェクトジオングも35m相当で、本体と別売脚部の価格比率(3対2)をそのままあてはめると、3000円程度で全身プラキットが出せるかな?という感じ。これなら文句無しで買っちゃいますよね。
 
 脱線から戻って、腕部です。指はスライド金型でビーム砲口が再現してある上、独立可動の優れモノ。攻撃姿勢も良いけど、シャアの演説ポーズがオススメです。「父ジオンのもとに召されるであろう!」って奴。顔に表情がある分、笑えます。
 
 前腕はパテ埋め不要のナイスな分割。組立が楽なだけじゃ無く、4面の成形条件が均等な、優れた設計だと思います。上腕は、シリンダー部分が別パーツでナイス。シリンダーの肉抜き穴が、そのままハメ込み穴になってます。しかも、両面のシリンダーパーツでヒジ関節を挟み込む事で、後ハメ構造になってます。見事ですね。
 
 肩ブロックは、肩アーマー内での可動に差し支えない形状ですが、さらに肩アーマーが上にスライドするので、腕は横に90度以上上がります。この構造は、スライド可動を狙ったのか、再分解しやすい適度なキツさを狙ったのか不明ですが、トライ(テストショット)後に調整しやすい構造を採用しており、偶然今のキツさになったのではないと思われます。2パーツ構成の肩アーマーを、あえて奥までハメ込まずに、いかり肩に接着しても良いでしょう。その方が肩と肩アーマーがスレないので、塗装派の人にはオススメです。
 
 有線サイコミュは、腕を一度外してから、リード線で接続します。腕は結構重いので、リード線は差し込みピン(B1,B4パーツ)に瞬着で固定した方が安定するかも。ディオラマにするなら金属線に替えてしまいましょう。
 
 旧キットと違い、頭部はリード線で接続出来ません。(あれは脱出用と思うし)でも、首とヒジの接続径は、同じにして欲しかったなあ。ボクは、手と頭を組み替えたり、そういうバカな遊びが大好きで・・・いや、首に穴さえ開ければ、旧キット同様のディスプレイが出来るのに、わざわざ裏ワザ遊びを台無しにしてますよ。残念。
 
 ところで、ボディを破壊されたジオング頭が、首無しガンダムの体を「URREYYY!」とか言って乗っ取ったら、ひと味違った続編が期待できたかな。(妄想)
 
 飾り台はABS製で可動式。もう少し思いっきり前に倒れても良かったかな?コケない程度で止めといたんでしょうか?
 
 可動や構造は格段に進歩してますし、細部形状に気を配っていますが、根本的なジオング像は、ハウトゥ・ビルド・ガンダムの、小田さんのジオングで確立してるのかな。今回比較して、1/250キットの出来の良さも、改めて認識しました。(アレ自体、小田さんの影響が大きい。)人生の半分以上を、「あの」ジオングが欲しい、と、悶々と過ごしてきたボクにとっては、たまらない逸品ですね。組立時間は1時間15分でした。
 
 ところでパーフェクトジオングの横に、サッキー竹田のフィギュアを置けたら・・・と思うのですが、どうでしょうか?狂四朗付きパーフェクトガンダムと連続発売とかね。机上の戦争博物館たるHGUCのコンセプトから外れるかも知れませんが、MSVに加えた事自体イレギュラーな訳だし、ガンプラの恩人たちに、こんな形で敬意を表しても良いのでは?



おまけ

 まあパーフェクトジオングの人気なら、まずHGUCで発売してもOKとは思いますが、このテのMSをEXモデルで出すのも一つの方法でしょうね。MGゲルググに1000円分の追加パーツでリゲルグになるとして、イマイチ機体人気が問題ならば、2000円アップでも良いと思いますが。

 降下パック装備のEZ−8、ハイザックカスタム、バリュート付きマラサイ、ブースター付きギャプラン、マント付きサンドロック等。マイナーメカばかりではなく、人気ある機体のマイナー&大型装備にも希望を!(まずは百式のランチャーかな?)


2001.6.12 健 竹史

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