健さんの
プラモコラム

その16 MG百式の巻

( 1/100 MG 百式/ バンダイ/ MSN−100百式
「機動戦士Zガンダム」に登場)


 「MGの最新作は百式とな。
  なんとも雅(みやび)なMSよのう。」
 「はい。金メッキゲート処理も、
  たいへん美しゅうございますねえ。」
 「ガンダムのぉー 没デザインがエース機にぃー
  色は金ピカ 今も昔もぉー」
 「百式様とスモーガンダム様は同じ境遇なのでございますね」
 
 という訳で百式です。一見してゴールド一色のようで、チラリとが見え隠れするデザイン。実は中身は赤じゃないのか?なんて思ったりして。「今はまだ正体を明かす時ではない」赤い彗星が、金の鎧に身を隠しているような。しかし4500円はキツかった。「バンダイ、そなたはマロが嫌いかぁー?」



 では頭部から。目だけでなく、チョンマゲカメラもクリアパーツ。奥まった所にハメ込む構成ですが、裏側から押し出せば分解可能な構造が親切です。バルカンが別パーツだったり、かなり気のきいた分割で、パズルの様な組立ですね。それでも後部カメラがクリアパーツじゃないのは伝統かな?

 ボディです。金のカバーが左右に開き、引き込まれる様に開くハッチはムード満点。胸とかエリとかの形状は、HGUCよりメリハリの効いた物に変更されてます。顔も含めて、上半身は数段カッコ良くなったと思います。胸の装甲が外れたら、さぞ良かったろうと思うんですが。デザインが「着てる」様な印象ですから。
 
 ランドセルは、内部が再現されているものの、メカっぽさがイマイチ。外装の分割もイマイチ納得がいかない感じで、開かなくても良かったかな?という印象。しかし説明書の図解イラストはカッコイイ開き方してます。これなら欲しい!と言うよりキットと説明書は一致してて欲しいですね。(BEE−CRAFTさんのイラストは、いつも楽しみにしてます)



 バインダーは、HGUCより幅広でシャープな形状。可動も良好ですが、上下の2枚を後ハメ出来たら良かったと思います。優れたパーツ分割であるこのキットも、さすがにバインダーだけは左右割りです。パテ埋めしたくなる人も少なくないハズ。ラインを消して塗装した後で、下のパーツをハメられたら楽でしょう。軸パーツ(E11)が外側から通せたら実現できたかも。
 
 ところでランドセルは、ガンダムMK−2の物と交換可能です。実機では怪しいですが(だってパイプが接続できない)、隠れたプレイバリューですね。で、ランドセルを交換すれば、Gディフェンサーとも合体できます。(ホビージャパン5月号に指摘アリ)この時期のMSは今後も装備交換可能な商品内容でお願いしたいですね。MGマラサイとか。
 
 その他、MK−2とのコンビネーションと言えば、「聞いて驚け見て笑え、カミーユ百式の肩に乗れ!」(対アッシマー戦)が有名ですが、百式の肩アーマーはMK−2の足裏(土踏まず)形状にフィットするように設計されており(偶然だって)ちゃんと肩に乗れます。ただし、不安定なので要注意。
 
 は、アーマー裏のハメ込みピン穴がデザインとして処理されており、ナイスです。(MGゲルググで泣かされた部分ですね)リアスカートも、サーベルラックも可動。でもサーベルは取り出しにくい感じのデザインですね。
 
 ですが、モモの構造はシンプル。内部再現はスネのみとなっています。ヒザ関節は、動力パイプを別パーツ後ハメとして欲しかった所。スネのシリンダーもそうですね。パーティングライン消しの死角が出来る構造は、旧キットの頃から敬遠されてましたから。
 
 足首は2重関節です。HGUCでは、足首カバーが押し込まれる様な可動でしたが、今回はメカ部で可動します。足裏は前後別パーツですが、可動はしません。まあ、下手にスキマが出来るよりも良かったかも。
 
 肩アーマーは、肩ブロックに密着していて、横のスキマもフロートアーマーでカバーされているので、腕との接続が少々ムズかしかったです。まず腕と胴を接続しておいてから、肩アーマーパーツを被せる様に組むと良いかも。と言うより、フロートアーマーがスラスターごと上に可動すると、組みやすい上に楽しかったのでは?
 
 は、可動フレーム(内部メカではなくて)の上に装甲を被せる2重構造。百式改(&改量産型)にも対応?なのでしょうか。動力パイプは別パーツではありませんが、パーティングラインを隠すパーツ構成が見事。ただ、形状は少し不満です。前腕の断面は、ヒジ側が台形、手首側が正方形で、ゆっくり変化しているのが正解なんですが、この辺りは旧キット3種の方が正確です。雅な形状なのに、残念!
 
 手首カバーは、アンダーゲート処理されていないゲートあとが、見えなさそうで見える(笑)のが残念。図面上で隠れる事になっていても、ゲート周辺にはメッキのムラが出来るものです。ちょっと余裕無さすぎですね。必要最低限の部分しかアンダーゲート方式になっていないのは、やはりコスト高なんでしょうか?良く知りませんが。
 
 指可動は、構造が単純で、保持力も十分な4本指一体可動タイプ。ゲンコツのサイズも大きくて好きですね。
 
 腕・脚のバーニア類は、赤パーツで成形されていて、外装との一体感も十分です。ところで、金メッキは光りすぎて、モデルの形状が今イチ分かりにくいですね。で、腕なんか時々、1本のカタマリに見えたりして、形状を鑑賞しづらいと思います。ヒジの可動部が、あと2ミリでも多く露出していたら、脚部の様に構造が分かりやすくなったのではないでしょうか。(HGUCの肩ブロックは黒で、設定とは異なりますが、上腕と肩アーマーの境い目がはっきり見えて、模型演出的には正解だったかも。スミ入れの手法と同じ効果です)
 
 という訳で、百式のメッキを活かしてコンテストに出品する人は、ヒジを曲げるとか、動力パイプが見えるポーズで展示すると、腕が単調に見えにくく、印象が良くなるかも。
 
 武装ですが、クレイバズーカはマガジンの中に弾まで再現されて、しかも一番上の弾は前にせり出しているという凝ったもの。しかし後部ダクトくらいは別パーツにして欲しかったですね。ビームライフルは、バズーカ同様に背中にマウント出来るナイスアレンジ。しかしMS本体のパイプは赤なのに、ライフルのパイプは耐ビームコーティングなんですか?(設定通りなんだけど)
 
 ライフルのエネルギーパックは着脱可能ですが、これってリックディアスのビームピストルの物と兼用なんでしょうか?HGUCでは別モノになってますが、設定画では似てるような、似てないような。
 
 ライフルのサイズは、HGUCより3割しか大きくなってません。これは旧1/100と旧1/144でも、ほぼ同じサイズになっています。これは旧キットの武器を、あまり吟味せずに参考にしているためなのか?あるいは13センチと20センチのスケールでは、適する付属品のボリュームが異なるというノウハウなのか?旧キットとミックスしやすい様に、極力サイズを変更しない方針なのか?真相はどうなんでしょうね。
 
 その他には、ビームサーベルが付属。シールドは無しです。金ピカ永野メカは、盾を持たない完全攻撃型で、やんごとなき美形キャラが乗って、大砲ぶっ放さなきゃ。あ!なんだか急にメガバズーカランチャーが欲しくなってきましたね。
 
 動力パイプは、MGザク以来のパイプカバー方式では無く、1本モノとなっています。関節にもパイプが有る、この時期のMSは、これで統一した方が良いでしょう。
 
 組立時間は、3時間程度でした。ボクは1000円当たり1時間以上かかるペースですが、メッキ代金を差し引いても早い。アンダーゲートは作業が楽なんですかね。(もちろん、組みやすいキットではあります)ゲートの切り口をデザインナイフで処理する時は、普段と違う(不慣れな)方向にゲートが有るので、手をすべらせない様注意しましょう。大半はニッパーで十分と思いますが。
 
 さて次はステイメンが、企画段階のコアファイターを復活させての登場だとか。百式も、初期アイデアの変形案をオプションで再現して欲しかったなあ(無理)。などと妄想しながら眺めると、また格別に美しいのです。では。



おまけ


 ミールが頭上を通過して中国地方のマナが低下したのか(言いがかり)、25時間後に芸予地震が直撃!完成品は無事でしたが、「積んどくプラモ」が部屋に散乱し、多少の破損がありました。この程度で済んで幸いでしたが、実はさっき久々の余震が・・・。


 ところで、地震直後から深夜まで電話回線がパンクして不通だったんですが、こんな事で大丈夫なんですかね?有事の際など、家族の安否を確認する人が殺到して、電話もネットもオンラインも動かなくなるのでは?そんな状態で自衛隊や政府に十分な情報が届くんでしょうかね?有事法制よりも先に、電話線を太くした方がいいんじゃないの?ねえ森さん。


2001.4.3  健 竹史


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