健さんの
プラモコラム

その11 HGUCゲルググマリーネの巻

( 1/144 HGUC ゲルググマリーネ(一般機) / バンダイ/ MS14-F
ゲルググマリーネ 「機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー」に登場)


 「1粒で何度もおいしいゲルググマリーネあります・・・
  おばあさん、これ、どういう事?」
 「それは、お買いになった方だけが分かるのでございます。」
 「まあいいや。で、いくら?」
 「1200円です。お買い上げありがとうございます。」
 
 「マリーネはシーマ機に使い回せるから、1粒で2度までなら分かるけど、どういう意味なのかなあ?」

などと考えつつ、待望の0083強化キャンペーンのスタートであります。トローペン、フルバーニアンの次は何かなー?ではさっそく見ていきましょう。


 頭部です。よく見ると、ゲルググが花粉マスクを付けた様なデザインなのかな?クチバシが顔面と別パーツになっていたら、後付けのユニットみたいで面白かったかも。トサカの上下幅が、末広がりになっていないのが残念。トサカの生え際も、アレンジ前の設定ではスジボリの手前です。大型化したい人は参考まで。
 
 モノアイシールドは、正面から見るとX字が正解の様ですね。(十字傷の様な意匠を狙ったのかな?)ここはテーパーの限界みたいで、そこまで切れ込みは入っていませんが、顔の印象は、なかなか良い感じですよ。
 
 胴体は、ウエストの分割ラインが直線的でないのに、しっかり回転可能。MGよりもポーズ付けが自由です。エリが、もう少し小さく、シャープな形だと良かったでしょうか。ウエスト左右のバーニアが、しっかり埋まる位に、スカートのふくらみが欲しかったですね。


 マリーネのスカートは、分割ラインがハッキリ示してあって(しかも入り組んで)、MG向きの機体かも知れませんね。さてスカート内部にはバーニアまで再現!でも3基がくっついてしまってます。ここは可動よりも形を優先して欲しかった所。こういう所こそ、見えない側を肉抜きしていいから、1基1パーツで再現したら良いんじゃないでしょうか。はめこみピンの受けが、形を崩してしまってたら、動いても嬉しくないと思うんですが。
 
 は、やっぱりヒジ関節のスカスカ感が気になりますね。て言うか、元デザインは球体関節の様で、ここは、ぜひとも正確に再現して欲しかった所。マリーネにコダワリが有るから言っているのではなくて、他に流用したくなるような関節だから、という不純な動機からでもあります。
 
 肩アーマーは左右共通で、リゲルグ等につながるデザインですね。残念ながら、内側までは再現されていません。
 それにしても、ヒジと言い、肩内部と言い、ゲルググイェーガーの機構を踏襲しているのですね。0083のスタッフは、ポケ戦の世界観から外れない様に、デザインに気を配っている様です。
 ここもMG映え(?)しそうなポイントだなあ。


 
 今回、大注目の手首です。たまらない出来ですね。特に、指を広げた左手は、これまでの平手とは一線を画する見事なモノ。(右手用が付いてないのが実に惜しい!)今後のスタンダードにして欲しいですね。連邦系のMSはモノアイの様な表情の変化が無いので、演出上の重要性がさらに高まると思うので、手首のさらなる充実をお願いします。(Gガンダムの時に、このレベルの手首が出てたらなあー)
 
 は、スネの段差もクッキリと良い感じですが、もっとふくらみがカーブしてても良かったかも。フトモモは、元デザインに似てスッキリしていますが、カトキさんのリニューアルデザインでは、グフフトモモの様な、角張った面構成に見えます。つま先も、旧来のデザインの様に描いてありますが、キットではMG版に近いですね。
 
 この辺は、マリーネにしか無い形状的特徴を、多少大げさな位に強調した方が良かったのでは?と思います。いずれ、一般型のゲルググが出た時に、手足を組み替えて、各タイプから好みのパーツを持ってくる、なんていう事が出来たら、楽しいと思うんですが、そうなったら、各タイプの違いがハッキリしていた方が面白そうでしょ?
 
 そう言う事もあって、ボクにしては珍しく、外見的な形状の事ばかり述べてきた訳です。(まあ、分割がシーマ機とのコンパチを意識してますね、くらいしか、中身については言う事ないってのも有りますが)
 
 で、HGUCゲルググなんて出るの?と言う話ですが、ボクは、準備は始まっている、とニラんでいます。
 ランナーの名前の欄には1行空きが有って、「シーマカスタム」と書き込むつもりだな、というのは見てすぐ分かりますが、ここでAランナーに注目。手首やスラスター等、シーマ機以外にも使えそうなパーツが集中して配列してあります。で、名前欄を足裏パーツごと交換すれば、ゲルググ全種に対応できそうですよね。
 
 と、ここで気づく訳です。
 
 「そうか!1粒で何度もおいしいゲルググマリーネっていうのは、A・B・C・S型にも流用できるマリーネの事だったんだ!」(て言うか、ひょっとしたら、ドム系や他のMSにも使えそうですよね)
 
 では続けて見ていきましょう。バックパックの構成は、これまたリゲルグに準じているんですね。キットでは、上面の小型バーニアが省略されてしまっているのと、プロペラントタンクが短い(小さい?)のが残念。タンクは、少なくともスカートのスソまでは有るみたいです。ナナメ上に向いたバーニアは、もっと埋まったような感じだと良かったでしょう。バックパック自体が少し小さかったのかも知れませんね。
 
 付属の90ミリマシンガンは、後ろから見るとちょっと寂しい感じですが、持たせている時には、目立たない部分です。手首とのフィットは良好で、グラつきは有りません。
 
 スパイクシールドもしっかり持てます。ザクのキットとビミョーにサイズが違いますが、今回は生産ラインの違いと見て良いと思います。あるいは、予備のザクシールドを改造したのではなく、生産ラインを活かして、ゲルググ用に新たに開発したのでしょう。これ、2個そろえて、ザクの両手に持たせてみたいですね。マックスターみたいに。
 
 ところで今回感心したのが、手首パーツの内側に、どれとどれをハメ合わせるのか分かりやすくするために、記号が刻印してある事です。手首は合計4個入っていますが、手の甲パーツはどれもそっくりで、いつも油性ペンでナンバーを書き込んで見分けが付く様にしています。このキットでは、ナンバーではなく、1〜4個の点が刻印してあって、刻印の数が同じ、手の平と手の甲を組み合わせていけば、説明書を見なくても作れるようになっています。
 これって、パーツナンバーを打ってあるよりも親切ですよね。
 
 これに似ているので、ついでにボクが15年くらい前から使っている書き込み文字を紹介しましょう。
 
 仮組みしたキットを分解した時にナンバーが分かる様に、パーツ裏に書き込んでいる人は多いと思いますが、狭くて書きにくい事があります。そんな時には数字ではなくて、自分の決めた記号を書くのです。
 
 ボクは点(・)が1棒(−)が5を表すと決めて、ソロバンの様に数える事にしています。
 
「・」は1、「・・」は2、「−」は5、「−・・」は7、「−−」は0、という具合です。
 
 これは、ボクのオリジナルだと思っていたのですが、文化人類学の先生によると、これと同じ数字を使っている民族が実際にいるのだそうです。
 
 ちなみにガンプラの場合、左右が紛らわしいパーツは4個くらいである事が多いので、ナンバーの下1ケタだけ書いておけば、十分でしょう。これで、狭くて書けないという問題は、かなり解決できますよ。
 
 本題に戻って、全体の印象ですが、シーマ機と違う部分が別パーツになった結果、パネルラインでの分割が一部実現していて、ナイスだと思います。でも、やはりノーマルのゲルググとのシルエットの違いを、もっと強調した方が良かったと思いますね。装甲の構造の違いが、シルエットの差を生んだと、解説にも書いてありますし。
 
 しかし、これからMGゲルググの様なパーツ互換性のあるファミリーが続々出るかも知れないと思うと、ワクワクしますね。マリーネキャノンとか、リゲルグマリーネとか、デッチ上げるのが今から楽しみです。ランドセルの下に隠れていますが、MGと同様のアタッチメント交換パネルはしっかり受け継がれてるし、期待するなと言う方が無理でしょう。組立時間は1時間20分。左右共通パーツ化してあると、作業もスムーズですね。
 
 次回、シーマ機についての提案です。ふくらはぎ後方にバーニアを追加したら、スネ内部のバーニアとダブってしまいます。シーマ機の場合、スネ内部にはバーニアが無いと解釈するのが良いと思いますが、どうでしょうか。それから、ボーナスパーツとして、なぜかVサインの手首なんか入ってると、一般機が余分に売れたりするかも知れませんよ。ぜひ、ご検討下さい。



 
おまけ


 11月4日と5日に開かれた、我がドリームワークス・ゼロの作品展示会には、1000人を越える方に入場して頂きました。本当に有り難うございました。特に、日頃模型に全く縁の無い方々に見て頂けたのは、本当に良かったと思います。模型の専門誌が有る事さえ知らない人、自分で色を塗る物だとは思ってもいなかった人、みんな模型に触れるチャンスが、ボクらが想像する以上に無いのですね。
 
 今後は、模型メーカーのイベントや広告戦略も、模型を作った事の無い人を重要視するべきだと思います。電撃ホビーマガジン00年10月号でも「新規ユーザー拡大」を意識した発言(P38)がありましたが、ボクは、例えばジグソーパズルの楽しさが分かる人なら、プラモの楽しさも分かってもらえるんじゃないかと思います。
 
 低年齢層(と、その家族)へのアピールという点では、ゾイドには期待してしまいますね。毎週4点もの改造作品を、全国へ向けてTVで紹介するというのは、模型文化の浸透に、ものすごい貢献をしてるんじゃないでしょうか。レンタル用ソフトには応募作品をかたっぱしから載せるとか、さらに力を入れて欲しいものです。
 
 2000.11.14  健 竹史

HGUC ゲルググマリーネ
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