健さんの
プラモコラム

その9 バウの巻

( 1/144 HGUC バウ / バンダイ/ 機動戦士ガンダムZZに登場)


 HGUCの可変(て言うか、分離・合体)MSです。メッサーラギャプランの発売が待たれる所ですが、もともと、旧キットでも完成度の高かったバウで、経験値を上げておこう、という事でしょうか。今回は、バウアタッカーの厚みを、よりスリムに見せるという目標があるようで、腹部のブロック移動で解決しています。(MG−ZZ等に見られる手法ですね)


 このキットのノウハウが、いずれギャプランがHG化された時に活かされて、MA形態での上下幅の縮小や、密着感の向上が実現するとうれしいですね。
 
 ところで、この機体のスカートに書かれた龍飛(タテ書きではなく、あれで1つの漢字)という文字の事ですけど、あれを「バウ」と読むという事は、最近のファンには、どの程度知られてるんでしょうかね?(説明書には、しっかり解説されてました。今やプラモは情報源なのです)


 ボクは放映当時、学校の図書室で一番大きい(何冊にも分かれている)漢和辞典で調べた事があるんですが、「時代が古すぎて意味不明」みたいな説明が載ってました。(Y口県立U高校の後輩諸君は、さっそく探してみよう)
 
 ちなみに、そのまま英語に当てはめると、「ドラゴンフライ」(トンボ)という事になるのですね。分離形態を、「バウドラゴン」「バウフライ」なんて命名しても良かったかな?(安直!)


 箱を開けると、連邦系MSに流用したくなるパーツがぎっしり。シャープさ、メカっぽさも十分です。喜んで組み始めたのにビックリ、

なんじゃ、この組立順序は?


 ナッターを途中まで作ってアタッカーに手をつけ、また途中で放り出して、まるで「プラモ未完成病」ではありませんか!


 ただでさえ説明書が記号化されて、途中状態のパーツがどこの部分なのか、管理しにくくなってるんだから、1機ずつ組んでいくのが親切だと思いますよ。
 
 ちなみにガンプラの場合、腰か胸から始めると、作りやすいと思いますよ。眠たくなって中断しても、出来た所まではつながってますからね。
 
 で、先にナッターを組みました。形状は文句なし、可動も十分です。スカート内のバーニアも、それらしくて良い感じ。欲を言えば、足首の可動軸は、カカト側に付けて欲しかったですね。分離形態の時、カカトが脚スラスターを塞ぐ位置に移動しちゃってますから。
 (まあ、MS時の可動範囲を優先した軸位置なんだとは思いますが、今ならABS製の2重関節を仕込む事で解決しても良いのでは?)
 
 しかも、そのためにカカトの肉抜きが丸見え!まあ、キレイにくり抜いてあるので、上級者は、中にメカパーツをつめても良いし、パテ埋めも簡単なんですが、「素組みでもカラフル」という、いろプラのメリットは失われます。
 
 まあ、肉抜きが絶対にイカンとは言いませんが、会議の席で「ここの肉抜きは目立つけど、まあ良いか」等と言った人は、同僚に牛丼をおごる、といった程度の覚悟は欲しいところ。(無茶いうなよ)
 
 フロントアーマーは、左右切り離すだけで独立可動するというナイスアイデア!と言いたい所ですが、じゃあ何ではじめから分けてないんでしょうね。
 よく模型誌でも、「ここを切り欠くだけで後ハメが可能になります」みたいな記事を見ますが、ボクは「加工しなくても最初からそうなってる」のが理想だと思ってます。


 それとも初心者が改造の喜びを知る手助けとして、あえてそうしてあるんでしょうかね。
 
 続いてアタッカーです。変形機構のアレンジは、かなり成功した様子。旧キットではライフルよりも低い位置に腕が有りますが、今回はライフルと腕は同じ高さです。分離形態の出来は、かなり向上してると言えるでしょう。
 (機体の一番下にグリップがあるので、思わず他のMSに持たせたくなってしまいます。)
 
 肩アーマーは上面でつながっていますが、つながってないのが正しいようです。この辺は旧キットの方が正確ですが、安心して子供に提供できる強度・構造を確保したいという事でしょう。大きなお友達は、上面を切り取って、前後を独立させてもOKでしょう。可動軸のキツさだけでも、十分保持できそうです。
 
 (今回は、旧キットを入手できず、カタログやBクラブ136号の写真と比較しています)
 
 ところで、設定を無視するような事を言うのは心苦しい所もありますが、アレンジは近年のキットで、さかんに行われているので、提案させて頂きましょう。
 
 このバウのデザイン、バウナッターの機首が回転すれば、ウエストが可動できるわけですが、バウアタッカーの機首がフンドシに収納されている事が、それをジャマしています。そこで、アタッカーの機首は、GP01やV2の様に、折り畳んであると解釈してみてはどうでしょうか。
 
 これほどウエストの細いMSは珍しく、胴をひねるのに何の障害も有りません。ZZ放映当時はウエストは本当は回らないけど、アニメのウソで回してる、という認識だったかも知れませんが、MGガンダムでのウエスト回転の努力を見て、しかも0083のMSデザインが歴史に書き加えられた後となれば、そんなに突飛な提案では無い気がしますが、どうでしょうか。
 
 腕に自信のあるギミック指向の方、てゆーか、MGがもし発売されるなら、検討してみて下さい。
 
 さてMS形態ですが、合体部分の接合も頑丈で、さらに腹部の移動部分がロックするという演出まで付いてます。可動も十分。旧キットに比べて胸が引き締まってカッコ良くなってます。
 
 顔も良いです。特に動力パイプはナイスだと思います。また、モノアイの位置が選べるように、シールも3種付いてます。
 
 腕はちょっと残念な所で、手首のポリパーツのスペースを確保する関係から、ビームサーベルが短く、形もチャチになっています。上腕とヒジ関節の境目が、あいまいなのも残念。どちらも大問題ではありませんが。
 
 形状的には、前腕はもう少し末広がりの方が設定に近かったかも。また、これは元デザインの問題ですが、手首に角度が付いているため、ライフルが持ちにくいです。(こんなMSに限って、持ちにくいデザインの専用ライフルを装備してるんだから・・・)
 手首自体は、ライフルにすごくフィットしてるのになあ。
 
 そのライフルですが、上面の2本のパイプが、くっついて1本の帯になってしまっているのが惜しいです。全体としてはシャープで良い出来なんですが。
 
 シールドは腕にもアタッカーにも、しっかり固定できます。その上ボールジョイントで自由可動のスグレモノ。両端のバーニアだけ、抜きの都合で歪んでますが、これがGP01だったら、別パーツになっていたのかなー。
 
 GP01の感想として、分割が細かいからと言って、ユーザーが負担に感じる事は無いと思いました。組立時間は1パーツに付き、30秒も増えるかどうか。それで満足感が1点ずつ上がるのです。むしろ、不満な点を改修するのは1作業で30分はかかるでしょう。はっきり言って、細かく割ってあるほど楽だし、パテ代や部品代もかからないから助かります。これからもジャンジャン分割して下さい。
 
 そう言えば、久々に金型が使い回せないMSでしたね。しかもグリーンの機体はマイナーすぎて発売しないかも。ここは2個買って、1つはグリーンに塗ってしまうのが良いでしょう。下半身を交換合体させると、なかなかキンバライドな気分で、0083ファンも思わずニヤリ、なのであります。(そうかなー)
 
 分離形態には飾り台が欲しかった所ですが、2個も付けると価格がUPしそうですし、あまり無理は言わずにおきましょう。(でも今後のMAには、極力付けて欲しいなー)
 お手軽な方法として、Vガンダムシリーズの飾り台を流用してみてはどうでしょうか。目立たない所に(出来れば裏打ちしておいてから)、穴を開ければ完成。可動もするし、「あれは良いものだ」な感じで重宝しますよ。
 
 さて、全体の印象としては実に見栄えの良いキットで、しかも遊んで楽しいキットです。これまでのHGUCとは毛色の違った機体で、今後のシリーズがどっちに転んでいくのか、ワクワクしてきます。


 ドム・トローペンの後を受けてドワッジからMSVに走るも良し、可変MAやカスタム機に走るも良し、ガズR/LからガルバルディにつなげてZシリーズに持っていくも良し。でも何より、まずはビデオで活躍シーンを見返したくなりますね。それくらいカッコイイです。(特に横顔。)



おまけ


 ザク3赤キュベレイも発売されましたが、ザク3の箱を開けてビックリ。リックディアスの回で、「こんなヒザ関節はボクの知る限り初めて」などと書きましたが、ザク3カスタムで、すでに使われていたのですね。で、ボクはザク3を作ってないのか?いや、しっかり作っているんですねコレが。ボクの記憶力なんてこの程度のモノなんですが、長い目で厳しく監視してやって下さい。


 後日談をもう1つ。MGダンバインのゴムランナーの耐久テストは、1カ月を越えました。毛山さんのアドバイスで、途中からは曲げてテンションをかけて続けていますが、劣化しませんね。ダンバインは、用心して冷暗所に保管してますが、あまり神経質に恐れることはないのかも知れませんね。

2000.10.2  健 竹史

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