健さんの
プラモコラム

その7 MG ダンバインの巻

( 1/35 MG ダンバイン / バンダイ / 聖戦士ダンバインに登場)


 ガンダム以外の作品世界から、初のMG化となったダンバインです。1/35。ファンタジー色の強い作品ですがシリーズ展開してる各スケールの数字だけ見ると、ミリタリー物みたいですね。


 箱を開けて驚くのは、ポリキャップの、あまりにも少ない事(10個)。500円キットよりも少ないでしょう。その代わりに、ビスが大量に(17本!)入っています。主に関節はビスで組み立て、ハッチ開閉など、強度を必要としない所にポリパーツを使っている訳です。
 
 だから、単に生体メカが仕込んであるからMG、というだけではなく、その奥には可動骨格が入っていて、MGガンプラと、あまり変わらない構造ですね。


 ガンプラには、よくグレーやガンメタルのメカ部品ばかりのランナーが有りますが、このダンバインにも、1枚まるごと内部メカのランナーが入ってました。ABS樹脂製。固いですよ。こいつをビスで組むのです。
 その上に、ゴム製の「お肉」をハメて、装甲を着せるという手順ですね。


 このキットが何かとコンパチになるかな?などと、作ってる最中は考えませんでしたが、外装の交換はすごく簡単な構造ですよね。だからファンのリクエスト次第では、MGゲドが出せるかも。(問題は機体の人気)
 
 さて、HGダンバインが出たばかりですし、単なるスケールアップかと思っていたら、かなり違うようですね。HGでは、パーツ分割が実機でも装甲の分割ラインとなるよう、デザインの方を変更して解決したようです。肩アーマーに分割ラインが入ったり、オーラ・コンバーターの形状が変わってたり。
 
 その点、MGはアニメ設定に忠実です。パテ埋めが必要な所は多少ありますが、パーツの合いは良いし、もともと細かなディテールは無いので、大した問題じゃありません。
 
 脚や頭の黒いラインは、分割された装甲の間に、パーツとして入っています。(内部フレームパーツの一部)これは、実機でも脚部中央に補強が通っているものとして、納得できる処理だと思います。装甲も天然素材だし、分割部を密着させるよりも、スキマに物をかませて塞ぐほうが、合理的なのでしょうし。
 (それにしても、接着剤不要、塗り分け不要、パテ不要の次は、スミ入れ不要の時代かな?)
 
 しかも、この装甲の分割部(つまり装甲のフチ)、エッジが立っておらず、丸みが付けてあります。パーツの端ではなく、アールの部分で型を分割してある訳です。特に、太モモのパーツなんて、形状のウネリも加わって、触った感触は、まさに昆虫や骨みたいな滑らかさ!
 
 質感と言えば、ツメの乳白色も良い感じ。羽根のディテールはHGよりもさらに昆虫っぽくなってますね。目は半透明の成形色ですが、パーツの肉厚の変化が透けて、グラデーションの様な効果が生まれてます。

 (これも計算のうちかジョジョ?!)
 
 足の指は可動になりました。さすがに関節強度は固くありませんが。デザインはHGと大きく異なり、モロに生物です。ここは、バンダイが結論に達していないとかではなく、むしろワザと変えているのだと思いますね。オーラバトラーは生物的にもメカ的にも捉える事が可能なので、あえて2種類とも出してみたのではないでしょうか。


 そして、生物らしさを強調した方をMGとしたのは正解でしょうね。内部生体メカにこだわるシリーズは、外見がロボット的じゃ中途半端ですから。

 「ユーザーに解釈・選択の幅を残した」とも言えますし、「どっちのコンセプトでも満足な物を出せるよ」という自信の表れかも知れませんね。
 
 実際、ここ数年のバンダイの技術進歩はスゴイんですが、それ以上にセンスが良くなってると思いませんか?
 
 メカ的な部分の代表、コクピットは、ハッチの開閉がスムーズです。閉じた時の密着感も見事で、つくづく精度の高いキットですね。フィギュアも良い感じ。
 
 武器は、剣とオーラショットが付属。オーラショットは、腕のカーブに良くフィットして、安定した取り付け。HGより良くなってます。解説書のCGイラストを見ると、金属質のような、生物素材のような・・・・。オーラショット自体が生きてて、昆虫の脚みたいなものでダンバインの腕に張り付いてる、なんていうのもアリかなあ。(コワイ考えになってしまった(T^T))
 
 手首は、剣をうまく持てます。「突き」ができる角度で。ここはガンプラでもぜひとも改善して欲しい所です。ガンプラで、この正しい持ち方ができるのは、HGUCギャンと、HGファイティングアクションの一部くらい。
 剣をゲンコツでにぎるのは不自然で、ポーズも決まりませんから、このダンバインの様な手を、ガンプラのスタンダードにして欲しいものです。(切望!!


 羽根は二重関節、おまけに水平にもできます。飛行ポーズには欠かせない要素ですね。オーラコンバーターも、2箇所で可動し、大きく跳ね上げる事が可能。ついでに内部には生体飛行ユニットを再現してます。コンバーター下面には、内部モールドがヒケとなって浮き出ていますが、このヒケさえも生体素材っぽくて、パテでナラすのがもったいない気がしますね。

 (これも計算のうちかジョジョ?!)
 
 生体飛行ユニットや脚の筋肉、脳などは、赤いゴムパーツですが、曲げる要素が無いので、柔らかい素材である必要は無いと思います。ここは劣化の心配からも、アサフレックス等の、他の素材が良かったのではないかな、と思います。ただし、これは素人の考えですので、「モールドがシャープに入る」とか、「収縮が少なくて肉厚のパーツに適している」などの理由が、有るのかも知れません。
 
 黒の関節カバー類も、軟質ソフビの方が、うれしかったです。それとも、劣化しないゴムなのかなー、とも思い、不要となったランナーを、直射日光にさらす「耐久テスト」を敢行中!現在、12日経過して、劣化の兆候なし。でも油断せずに、ダンバインは押入の中に保存してます。飾りたいよー!
 
 ところで脚の筋肉パーツ、外観のスキマを塞ぐ効果を兼ねていて、非常にナイスなアイデアです。発売前は、「筋肉見て、何が楽しいんだ」(そんな事より、パーツ減らして安くしてくれ!)とか思ってましたが、大きく開いた脚装甲のスソから、プラのジョイントパーツなんか見えたら、ムードぶちこわしですよね。あのスキマに、筋肉パーツが密着して、モデルの死角を無くしています。コダワリが徹底してますよね。感心しました。
 
 頭部の解釈には、1つ提案が有るんですが、もし他のオーラバトラーもMG化される事があれば、脳(生体コンピューター)は、もっと小さめにしてはどうでしょうか。頭いっぱいに脳がつまってると、知的生物みたいでしょ?
 
 ダンバインは、もう発売されちゃったから、「脳が大きいから優秀な機体なんだ」という解釈で、他のオーラバトラーは、もう少し動物らしく、小さい脳にした方が、それらしいと思います。
 
 確か生物は、体重のうち、脳の占める割合が大きいほど、知能が高いとかで、MGダンバインくらい脳が大きかったら、それこそ人間並の知能ですよ。(もっとも、素材となった強獣キマイ・ラグにとってはこの頭は小さく、大脳新皮質も少ないのでしょうけど)
 
 ダンバインには貴重な素材もふんだんに使われているとの事で、キマイ・ラグの脳も、その中のひとつなのです。矛盾はないでしょ?
 
 不満があるとすれば、やっぱり説明書。肩関節の組み立ては、「軸が一直線になるように組む」というのが、図から伝わりにくいです。番号と向きをよく見れば組めますが、意図する完成状態を示すのが一番です。確かに「向きに注意」の詳細図は付いていますが、中央のパーツばかりに目がいって、左右のパーツに注意が必要な事に気づかず、しばらく悩みました。不注意なのはボクですが、不注意対策は大事です。だって「不注意な人に」伝えるんだから。
 
 それにしても、スライド金型が惜しげもなく使われてますね。強度的にも大歓迎ですが、バンダイのプラモは、どこまで行っちゃうんでしょうかね。コワイぐらいに楽しみです。
 
 組み立ては3時間弱。同額のガンプラより短時間で組めますよ。パーツが余らないのも、気持ちEー。(死語)という訳で今回のまとめ。


 「いらない部品はありません。みんな大事な部品です。」 (by藤井フミヤ)




 おまけ


 少し前からコンビニに出回ってるんですが、「課長 島耕作ドリンク」なんていうドリンク剤があるんですね。ビジネスマン向けに、ヒジョーにナイスなキャラクター起用だと思います。ユーモアもあるし。


 で、「上級ドリンクで、部長 島耕作ドリンクなんてのも有ったら面白いんじゃないかなー」なんて言ってたら、本当にあるんですよコレが。「誰だよ、こんな気のきいた商品展開する医薬品メーカーは!」と裏を見てビックリ。


 「バンダイドリンク」なんだって。


 おそらく、規制緩和でドリンク剤が「医薬部外品」扱いになったとき、参入したんでしょうね。ユーモアも感心したけれど、多角経営への意欲と、時代に敏感な着眼点もスゴイですよ。改めて、優れた企業だなと、感じました。
 そういえば、MGグフには、早速ハモンさんが付属するそうで、ほんと、ニーズが分かってるなあ。
 
2000.9.4 健 竹史

聖戦士ダンバイン DVDメモリアルボックス1
聖戦士ダンバイン DVDメモリアルボックス2

聖戦士ダンバイン大全
聖戦士ダンバインノスタルジア
―Do you remember the tale of Byston Well?

リーンの翼―バイストン・ウェル物語より 1 角川文庫
ガーゼィの翼―バイストン・ウェル物語 1 ログアウト冒険文庫
オーラバトラー戦記 1 アの国の恋 角川スニーカー文庫

エンターティメントバイブル 聖戦士ダンバイン オーラバトラー大図鑑
オーラバトラー B-CLUBスペシャル
オーラバトラー 2 B-CLUBスペシャル
ダンバイン3Dマニュアル1 Dセレクション
ダンバイン3Dマニュアル2 Dセレクション
聖戦士ダンバイン データコレクション
スーパーロボットコミック 聖戦士ダンバイン編

MIO ダンバイン とぶ
オーラバトラー・ダンバイン・パラデューム OVAサウンドトラック
聖戦士ダンバイン サウンドトラック
聖戦士ダンバインII サウンドトラック
聖戦士ダンバインIII サウンドトラック

ロードオブバイストンウェル VOL..1 ダンバイン
リアルポージングロボット 聖戦士ダンバイン 1 ダンバイン
リアルポージングロボット 聖戦士ダンバイン 2 レプラカーン

[HOME]

inserted by FC2 system