健さんの
プラモコラム

その171
 
1/100 インフィニット
  ジャスティスガンダム
の巻

( 1/100 インフィニットジャスティスガンダム/
 バンダイ/
 ZGMF−X19A インフィニットジャスティスガンダム
「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 けてくれるのかな?どうかな?!と待ち続けていた1/100SEEDシリーズが、ついに再開であります。しかもフォーマットが格段に進歩してる感じ。ヒジは二重関節化。デザインはビークラフトによるリファイン画稿に準じており、フレームこそ内蔵していないものの、外観的にはMGに近い物となっています。従来の1/100とほとんど同じ価格帯でMG(っぽい物)が手に入るとなれば、この仕様は嬉しいですね。



 逆に言えば、インフィニットジャスティスがMG化される可能性が低くなったとも考えられるんですが、何しろ主役・ライバル合わせて年間10機以上のガンダムが登場するご時世です。いつ巡ってくるか分からないMG化の順番を待つよりも、1/100をMGに近づけていく方法は歓迎したいと思うんですが、どうでしょう?では、キットに目を通していきましょう。

 頭部は、リフターのビーム砲に挟まれる事を意識してか、かなり小さめの造形。目とアゴを色分けしたマスクを前後分割のヘルメットでハサミ込む、スタンダードな構成です。チョンマゲの上に被せるカメラカバーは、フチが薄くてHGよりも繊細な造形。今回はトサカ前面のセンサーも別パーツ化され、HGよりも色分けが充実しています。こちらはフチが厚くて、カメラカバーとの釣り合いが取れてないのが残念。上端にも丸みが無く、単調な印象になっています。



 マスク左右のギザギザは、ほとんどヘルメットに隠れていて、劇中よりも優しい顔に見えます。ヘルメット側面の造形は、バルカン(?)とフィンの向きがキチンと揃い、ほほガードがコメカミの辺りまでガードしている事を意識して、段差をよりクッキリ造形する等、HGよりも再現度が高まっています。

 ボディです。は前後可動が可能な二重関節。肩関節はボディ側に軸受けを設け、肩アーマー側に軸を設置しています。今までとは逆ですね。軸受けはポリキャップにカバーを被せたシンプルな物で、前後スイングが可能です。は左右上面を別パーツ化してあり、実機と同様ダクトの上に装甲が被さる様な構成。ウエストはグレーの部分を腹巻きの様に別パーツ化。背中側中央に突起を設けてボディに差し込み、しっかり固定されています。



 エリの内側は別パーツ化してあり、1/100 ストライクフリーダム等には無かったメカニカルなモールドを追加。この辺もMGに近いですね。胸部ダクトと正面の白い部分も別パーツ化。緑色のラインは今回もシールが付属します。背中のリフター着脱用のジョイントは、今回もボディ内側からの取付け。連結部がクチバシの様にカットしてあり、単純な角パイプ状だったHGよりも、凝ったデザインにしてあります。

 です。フロントスカートは左右独立して可動。上端にある台形の突起はスカート表面に貼り付けた様な解釈で造形。左右のスラスターはダルさが無く、HGよりもシャープに仕上がっています。サイドスカートは、サーベルホルダーの内側やスラスター周辺にまでディテールを追加してあり、厚みの変化にもこだわる等、完全にMGレベルの凝った造形。フロントスカートの動きに干渉するので、脚を大きく上げたい時には若干引き出してやると良いでしょう。

1/100ストライクフリーダムガンダム(左)との比較。頭のサイズが違う程度だと思ってましたが、肩の高さもインフィニットジャスティスの方が若干低いですね。

 リアスカートには、設定上のハードポイントとは別に、小さなスリットを新設してあります。このスリットを使って、HGでは出来なかったライフルのマウントが可能となっています。公式ガイドブック3を見ると、どうやらライフルの設定に突起が描かれていないために、HGでは敢えてマウント出来ない仕様にしてあった様ですね。ライフル側に、ハードポイントに合わせた突起を追加すると目立つため、最小限の突起とスリットを作って対応したという事なのかも知れません。「描かれてないけど有るハズだから付ける」「でも元のイメージも大事にする」この辺のサジ加減もMGっぽいと思います。



 です。モモ・スネともヒザをハサミ込む組立てとなっています。ヒザは二重関節ですが、隠れて見えない部分に、ヒザ裏モールドを活かした形で突起を設けてあります。これがストッパーになって、限界以上にヒザが曲がらない様になっています。ヒザを曲げた時のモモとスネの密着感はHGより自然になるよう改善されているので、塗膜を傷つけないための配慮でしょうか?

 スネは、ヒザアーマーや白い正面装甲を単独パーツ化、ヒザのビームブレイド発生器インテイクを色分けする等、HGよりも充実した構成になっています。脚が長いのか、長く見える様にまとめてあるのか、HGとは関節の配置も違いますから一概には言えませんが、特に後ろから見ると長く見えますね。ヒザアーマーをスネのラインとなじませてスッキリさせる等、単純に延長しただけではないのだろうなと感じています。



 足首はツマ先からカカトまで一体成形で、クルブシはグレーのパーツを被せる事で色分けを再現。土踏まずの底だけは塗装が必要です。足の甲は、ビームブレイド発生器を別パーツ化。ツマ先のラインは段差で表現。HGでは成形の都合から上面をスジ彫りで、側面を段差で表現していましたが、全体を段差で表現する事で、ここだけ装甲が強化されている様にも解釈出来る様になりました。(マシーネンクリーガーSAFSも最近はクツの先が強化されてます。そんな感じ?)

 足首メカ部は二重関節。上はニ軸可動、下はボールジョイントで、ズレやヒネリの表現がかなり自由に行えます。上の関節は、HGでは後ろから差し込んでいましたが、今回は前から差し込む構成。ポリキャップの露出が大きい代わりにアキレス腱付近に干渉物が無く、ツマ先を伸ばすポーズに適しています。つまり蹴りや飛行ポーズが得意という事なので、ぜひ飾り台付きの初回版をオススメします。下の関節はクツに埋没しておらず、360度ヒネる事が可能です。関節の継ぎ目は足首カバーで隠してあるので、外観は問題ありません。

足首は、真後ろに向ける事も可能です・・・いくら自由度が高いと言っても、普段は足首をこんなにヒネる事はありませんが。(戦う前から逃げたがってるみたいで、ちょっと面白いですけどね。)

 肩アーマーは、突起と肩ブロックをハサミ込んでの前後貼り合わせ。今回はさらに胸と腕の間の仕切り板もハサミ込んでいます。肩関節軸は肩ブロックではなく、この仕切り板から生えていて、胸と腕は直接にはつながっていない構造です。仕切り板の可動軸で肩アーマーをハネ上げると、肩位置が上がって迫力が出ますし、腕自体も水平以上に横に上げられる様になります。

リリーナ・・・おまえを殺す!

左腕をいっぱいに上げた状態。胸と肩ブロックが、直接にはつながっていないのが分かるでしょうか?二重関節化されたヒジにも注目。

 肩をハネ上げるギミックはMGではすっかりお馴染みになっていますが、ファトゥムー01を肩に乗せる都合で、胸ブロックの上面を動かす訳にはいきませんからね。そこで考えられた新ギミックという所でしょうか。それにしても、HGアカツキと言い今回と言い、かっこいいポーズが決まるギミックがどんどん標準的に採用される様になって嬉しいですね。

 肩の突起ブーメランではないという事で、根元の下半分はスラスターという解釈になっています。もともと先端がスラスターになってる様なので、説得力は有ると思います。



 でも新ギミックが採用され、ヒジ二重関節になりました。上腕はポリキャップをハサミ込むため左右分割になりましたが、分割ラインを端に寄せ、目立たない様に配慮してあります。肩ブロックの中に仕込むポリキャップは、穴で上腕の可動軸と接続、ピンで肩アーマーと接続するという2つの役目を1つでこなしています。前腕は単純な2分割で、ハードポイントにはポリキャップも仕込んでありませんが、周囲にはそれらしいディテールを追加。上腕・前腕とも左右の面に曲面を使って変化を持たせてあります。

 手首は左右ともリアルな握り手が付属しますが、親指上面の造形が改善され、さらに見栄えが良くなっています。手の甲は、手首関節付近の装甲形状に切り欠きを設けてあり、手首関節がスイング出来るMGキットと並べた時に違和感が有りません。武器を持たせる時に一旦指を外す仕組みは同じですが、ハメ込みピンを太い角ピンに変更してあり、安心して着脱出来る強度になっています。(ピンが折れた経験のある人、少なくないでしょ?)左手用の平手も付属しています。



 バックパックは分離攻撃可能なリフター「ファトゥムー01」となっています。HGに比べて背中との距離を広めに取ってありますが、これはエンジンを厚くして迫力を増すアレンジのためと思われます。インテイクを斜めに配置し、ウイング取付角度も後退気味に変更。肩に乗せた時の重心が設定よりも後ろ寄りになりますが、自立は可能なのでご安心を。



 ウイングはパープルのパーツを黒いパーツで上下からハサミ込んで色分け。全幅30センチ以上のボリュームは圧巻ですよ。可変するだけでなく、エンジンごと上に反らせる事が可能で、背負わせた姿もハッタリが効いています。ウイング前部のMR−Q17Xグリフォン2ビームブレイドは、クリアーピンクのビーム刃が付属。今回のビーム刃は、どれも波打ちの無いストレートな物が用意されています。

HG インフィニットジャスティスガンダム付属のファトゥムー01(左下)との比較。別物の様な印象です。

 機首は二重関節で展開可能、先端の対装甲ナイフは、折り畳んだ状態で機体中央のスリットに刃が納まる様になっています。設定にもスジ彫りが有りますが、確かに刃が食い込んでいる様にも見えますね。刃の後部がトサカの様に立って攻撃的なイメージがアップ、ここは刃の厚みの変化を見せて、機能性を視覚的に伝えるポイントにもなっていると思います。

 下面のグリップにはすべり止めの表現を追加。ヒンジもしっかり造形してあります。MA−6Jハイパーフォルティスビーム砲は、HGよりもかなり大きめに造形、後ろに折り畳む事が可能です。HGには無かったギミックですがこれはアレンジではなく、反転するとMA−M02Sブレフィスラケルタ(ビームスパイク発生器)が正面を向くという設定です。機首下面にも同様の固定武装MA−M02Gシュペールラケルタを装備しています。



 武装です。MA−M1911高エネルギービームライフルはスコープが可動式。前述の様に、腰にマウントする事が可能です。2色で成形されていますが、カラフルな武装なのでピンク等の部分を塗装してやる必要があります。スコープは奥までディテールが施してあって凝ってるんですが、それより前面に白いパーツをハメ込んだ方が嬉しかったなぁ・・・。

 MA−M02Gシュペールラケルタ(ビームサーベル)は、クリアーのビーム刃が2本付属。1/100ストライクフリーダムのサーベルと同じ形式番号ですが、サイズは格段に大きくなっています。まぁリフターのビームスパイクも同じ形式番号ですから、外観は関係なく内部メカが共通だと考えても良いでしょう。(HGでもサイズが違ってますね。)連結状態のサーベルも、別パーツで付属しています。



 MX2002ビームキャリーシールドは、アダプターを使わず直接左腕に装着。グリップは無可動ですがパーツ化されています。ビームシールドは、表面中央のシールド発生器を一旦取り外し、クリアーパーツを通して再度セットしてやります。設定では丸っこいラインの発生器ですが、シールドの形に合わせて六角形にアレンジしてあります。

 シールドの一部は、分離してビームブーメランに変化します。しかし今回はかなり大きめにアレンジされて、シールドの横に別物として貼り付いてる感じですね。ギミックを仕込める厚さが必要なシールドですから、ブーメランの薄さを表現するには、面積を大型化するのが一番ではありますが。

参考までに、1/100のリフターにHGインフィニットジャスティスを乗せると、こんな感じです。

 シールドから取り外してビーム刃を取り付け、ビーム発生器ごとV字に曲げれば、RQM55シャイニングエッジビームブーメランの出来上がり。身長を越えるほどの大型ブーメランです。シールドに装着したままビームを発生させる事も出来ますし、サーベルとして手に持たせても良いでしょう。

 EEQ8グラップルスティンガーは、シールド表面に装備されたアンカークロー。HGでは省略されていましたが、今回はシールドから取り出して射出状態を再現出来ます。クローは左右が連動して開閉。ビームシールド発生器を一旦取り外し、アンカークローとシールドをワイヤーで接続します。ブーメランとシールドのビームを展開しながらアンカークローの射出すると、なんだかスゴイですよ。

内蔵武器のジェトストリームアタックや!

 脚のMR−Q15Aグリフォンビームブレイドは、ヒザアーマーと足の甲の間にクリアーのビーム刃を取り付けて使用状態を再現。飾り台が初回版にしか付属していないためか、ビームの長さは取り付けた状態で立てる程度に設定してあります。あまり足を開いて踏ん張らせると、ビームがカーブしてしまいますけどね。

 飾り台MGウイングゼロEW版と同じ物が、初回版にのみ付属します。成形色は変えてありますが、アダプターも追加しない、全く同一の物です。初回版を買いもらした場合は、MGウイングゼロEW版から流用すると良いでしょう。取り付けは背部スラスターの噴射口を利用します。(思い切りのいい設計士だな・・・手強い!)えー、飾り台に綿でも貼り付けてやれば、上昇シーンを再現出来るんじゃないでしょうか?(笑)

腰後部にビームライフルをマウントしたところ。ハードポイントと別に取付用のスリットを設けてあるのは、ビームライフルの取付位置を下げて、支柱との干渉を避ける意味も有るのかも知れません。

 おまけに、アスラン・ザラキャラクタープレートが付属します。キラがラクスと、シンがステラと並んで描かれていた様に、誰かとペアでも良かった様に思うんですが・・・候補が多すぎて、やっぱり単独で付属させるのが無難かな?1/100レジェンドに付属するレイは、議長とセットでも良い様な気もするんですが、どうでしょう?



 組立時間は2時間でした。これだけ可動の追及デザインアレンジがノーマル1/100シリーズで行われると、ついつい初期のMGと比べてしまいますね。すでにフレーム再現の無かったMG ガンダム1.0に近いレベルの物にはなってる様にも思えますし。MGがさらに進んだ可動や表現を開拓していって、比較的簡単にフィードバック出来る物は非MGキットにも投入、MGが非MGを引っ張る様に進んでいくのかなー。

ファトゥムーにぶら下がると武器が持てないので、ファトゥムーのスリットにトサカを突き刺してみました。(アンテナとトサカ正面のセンサーは取り外してあります)・・・バランスを崩すと転倒・破損の恐れがありますので、良い子のみんなはマネしちゃダメですよ。

 こういったMGと並べて違和感の無い仕様のキットは、ガンダム以外のキャラクターキットに応用していっても良いかも知れませんね。今度1/48レイズナー「スーパーメカクロニクル」というシリーズで発売されるそうですが、内部再現や可動のグレードを若干落とせば、敵メカまで発売してもらえるんじゃないかなー?なんて期待してしまうのであります。


 おまけ

 主人公・天道の偉そうな態度が痛快な「仮面ライダーカブト」、ハマってる人も多いんじゃないでしょうか?組織の謎、敵の謎、過去の謎、今度はどんなシチュエーションで高速戦闘を見せてくれるのか?!もうそんな事より何より、彼の行動・言動が、番組の一番の魅力じゃないでしょうか。

 ふと思うんですが・・・変身ヒーローというのは、有り得そうもないストーリーを、いかに有りそうに見せるかという点に、ものすごい努力が重ねられてきたジャンルだと思うんですね。ところがカブトの場合、変身するくらいじゃないと、あの超人ぶりと偉そうなキャラクター設定に納得がいかないと言いますか、つまりカブトの存在が、天道にリアリティを与えている様にすら思えてきます(笑)。

 ところで、食事を作る事、食べる事、食べさせる事に、あれだけこだわり、大事にしているキャラクターって、他にいないんじゃないでしょうか?最近「食育」と言って、食事の大切さや食習慣を教えようという動きがありますけど、天道役の水嶋ヒロさんをPRポスターに起用するなんてのも面白いんじゃないかと思うんですが、どうでしょう?子供に人気のあるキャラですし、保護者(おばあちゃん)の言いつけを守ってる事も含めて、ピッタリだと思うんですが。

 ちょっとこれ、文部科学省に意見を送ってみようかなぁ・・・。

 文部科学省 御意見・お問い合わせ窓口案内

2006.6.3 健 竹史


   

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