健さんの
プラモコラム

その161
 
HGUC ガブスレイの巻

( HGUC 1/144 ガブスレイ/ バンダイ/
RX−110 ガブスレイ
「機動戦士Zガンダム」に登場)



 ヘイズルとかドムとか、複数買いしたくなるMSが続々と発売されますね。このガブスレイも2機で活躍してたMSで、「2個買いくらいなら、してみようかな?」という方もおられるんじゃないでしょうか。2機と言うよりペアですね。映画での登場は旧作カットがメインでしたが、「恋人たち」というタイトルなんだから、もう少し優遇して欲しかったなぁ〜。(一番作画に恵まれたのはアッシマーでしょうか?)では、本題に参りましょう。



 頭部は、アンテナ・顔・オデコを縦に重ねる3パーツ構成。オデコが別パーツなので、細いモノアイシールドにシールを貼るのも、塗装するのも容易だと思います。アンテナは、HGマラサイと同様に軟質素材を使用。変形の時に触ってしまう事の多い部分ですが、破損の心配は少ないと思います。後頭部に肉抜きが有るので、気になる人はパテで埋めてやると良いでしょう。



 はいつもと同じポリキャップを使った二重関節ですが、さらにエリの内側も上下にスイング。大きく上を向いたポーズが可能です。この可動のおかげで、フェダーインライフルを槍の様に構えて水平飛行するポーズを取らせても顔が正面に向き、とても自然ですね。このポーズは説明書にも紹介されていて、「メモリアルアクション」の様なセールスポイントの一つだと言っていいでしょう。



 ボディは、腹とエリが一体となった黄色いパーツを、緑の胸パーツで前後からハサミ込む構成。ABS製の肩関節軸も、この時一緒にハサミ込んでやります。ボディの造形は丸みを帯びて、ちょっと優しすぎる気がします。設定を見るとエリの前側は直線的で、鋭角的なシルエット。スジ彫りは肩の球体に向かう感じで配置してあります。胸板はもう少し平面的に、ひょっとしたら凹面の様な感じにしてあると、エリの高さが稼げるかも?胸を角ばらせ、ワキの下の段差を強調するなど、ワキ腹の柔らかいラインと明確に差を付けたら良かったんじゃないかな?と思います。(言うのは簡単なんですけどね。)

 コクピットハッチは別パーツ化して色分け。複雑に入り組んだウエストは一見すると回転しない様にも見えますが、腹部ダクトの下で左右スイング出来る様になっています。



 は、フンドシに動力パイプがつながっていたりして、元々フレームっぽいデザインですね。MA時にはスカート内も丸見えになりますが、フンドシ自体が普段よりも複雑な形をしていて、見栄えが良いと思います。スカートは腰の左右に接続してあり、変形時の移動とは別に、2軸でスイング可能。変形(スカート移動)用のアームはMS時に正しい位置でロックされる仕組み。このロックは抜け止めも兼ねている感じですね。



 テールスラスターはフンドシに接続してあり、ポリキャップで上下にスイング可能。内蔵しているのはメッサーラ用のバーニアだそうですが、モモの可動を妨げない配慮からか、設定より上下幅を詰めて控えめのボリュームとしてあります。先端にはカギ状の突起が付いていますが、ハメ込みの都合でテールの裏側にコブが出ています。MGを出す時にはスライド金型を使って突起の一体化を・・・なんて言うのはゼータクかな?

 です。スネに変形可能なフレームが仕込んであるだけでなく、モモにも引き出し機構を仕込んだフレームが内蔵されており、MGにも負けない充実ぶりです。フレームは全てABS製。変形パターンは複雑に見えますが、足首がクローと入れ替わる機構は、ZZガンダムの手足がバーニアと入れ替わる仕組みに似ていますね。ヒザ関節は、左右にヒネれる様になっています。



 変形機構を忠実に再現したこのキットでも、スネアーマーの展開・移動だけは、一旦取り外してから付け替える様になっています。ヒザ関節の後ろにはMA時に使うハメ込みピンがムキ出しになっているので、MS状態で固定して作りたい人は、切り落としてしまうのも一つの方法でしょう。スソの後部には3連バーニアが有りますが、中央のバーニアはスネの分割ラインを変化させて取り付けてあります。



 足首は、カカトがスリムなデザインのため関節軸受けをスネ側に配置。ツマ先はポリキャップで可動しますが、クルブシ部分に丸モールドを配置してあり、「ここで曲がります」という演出がいかにもムキ出しフレーム風で良い感じ。足裏は、ツマ先と左右に肉抜きが有るので、こだわる人はパテで埋めてやると良いでしょう。足首アーマーはスネフレームにハサミ込んであり、可動式となっています。

 肩関節は、ボディに埋まった球体部分で前後にスイングする事が可能。ポーズを取らせる時やMAに変形させる時には、少し引き出してやると、さらに大きく動いてくれます。思いっきり引き出してやれば、球体をヒネって上下スイングさせる事も可能ですね。肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込む前後2分割の構成。形は良いんですが、前後の半円状の穴を、もう少し柔らかいラインで造形してあると良かったかも?メガ粒子砲は砲口まで再現してあり、ボールジョイントでグリグリ動きます。

写真左(右手)が、腕を横にいっぱいまで上げた状態。実は肩の可動範囲はこんなに狭いんですが、ポージングで不自由を感じないのは、ワキの下が広いデザインのためでしょうか?むしろスイング機構等を見て「良く動くキットだなぁ〜」と思い、可動範囲の狭さにしばらく気付かなかったほど。
ちなみに写真右(左手)は、肩の球体を引き出して90度ヒネってから横に上げた状態です。

 です。上腕はABS製で、ここも簡易MGといった感じですね。上腕自体がレール状になっていて、筒状の腕カバーが上腕にスライドします。ヒジは二重関節ですが、MS状態では下側の関節だけ可動。変形時に引き出してやると上腕とのロックが外れ、上側の関節も曲がる様になります。

 腕カバー内サーベルホルダーという設定。ピンに差し込む形でサーベルをセットするため、サーベルが丸見えになっていますが、実際はもっと奥から、必要な時だけ飛び出してくるのだと思います。こだわりたい人はサーベルの収納をやめて、収納ユニット取り出し穴をそれっぽく作り込んでやっても面白いかも。

えー、何だか良く分かりませんが、ガブスレイ星人です。地球を狙ってます。たぶん。

 腕の3連バーニアは一体成形されています。組立は簡単ですが、つなぎの余剰部分が目立つので、上級者は手を加えてやると良いかも。前腕は左右2分割。標準の手首用ポリキャップが入らないほど細いので、ABSの軸受けを仕込んであります。

 手首は、左右の穴開きゲンコツライフル用の右手が付属します。どれもマラサイ以降の仕様に準じた、リアルな造形の物。例によって保持力よりも造形を優先してあるため、ライフルを持たせて位置を調整していると、うっかり指が外れる事があります。失くさない様に注意しましょう。

旧1/144キット(左)との比較。身長はHGの方がわずかに高いだけですが、腰と肩の位置が大きく異なるため、かなり身長差が有るように感じますね。

 MA時の頭部カバーは、背中ではなく、MSの(エリ内側)ユニット後部にアームで接続してあります。頭部と頭部カバーが同じユニットに接続してあるため、変形時にも位置関係が簡単に決まって良いですね。って言うか、MA時にも昆虫っぽい顔が上下に動く訳です。このカバーはMS時にも、ZやZZの様な後頭部カバーとして役に立ってるんでしょうね。

 頭部カバーに隠れた背中には、フェダーインライフル用のマウントラッチが付いています。設定では下に折り畳める様になっていますが、キットでは無可動。頑丈さを考えると正解でしょうね。もともと見えない部分なので、動かなくても特に問題ないと思いますし。



旧1/144ガブスレイ。MSらしくないプロポーションに苦心の跡がうかがえると言うか・・・いっそ前年の「エルガイム」に登場するHMだと思って設計すれば、もっとカッコ良くなっていたかも知れませんね。
・・・て言うか、この年からポリキャップを標準装備した事で、設計に制約が生じた部分は少なくなかったんじゃないかと思います。今はABSやスライド金型が使えますし、何より許される価格の上限がアップしてますからね。この時代にもう100円の値上げが許されていたら、スカートが分割されてパーツの重なりが見せ場になっていたのではないかと想像してみるんですが・・・どうでしょう?

 武装です。フェダーインライフルは、後部にビームサーベルを仕込んだロングライフル。キットでも手持ちのビームサーベル用のビーム刃を取り付ける事が出来ます。カギ状の2本のフックはポリキャップで可動。カギの向きが逆を向いた設定画も存在しますが、完成後もフックの着脱が可能なので、逆向きに付け替えて再現する事も可能です。



 ビームサーベルは4本付属、腕カバーの中に2本ずつ装備しています。クリアーのビーム刃は2本付属。ビーム刃だけのランナーを用意してあるのが何とも嬉しいですよね。今後もこの方針でお願いしたいと思います。



 飾り台は、ビス止め式のジョイント部分が2軸可動、さらに回転してモデルの向きを変える事が出来ます。ベースの裏には手首・ビーム刃・MA用のジョイント・取付穴のフタといった、余りパーツを収納可能。支柱は完成後も簡単に取り外せるので、収納の時に場所を取らず便利です。ところで支柱はアッシマーの物と近い形をしているんですが、今回は突き出しピンが目立つ位置に配置してあってガッカリ。不都合が無ければ、次のキットからは目立たない位置に戻して頂ければと思います。

 お楽しみの変形です。頭部カバーを移動して顔を隠し、左右のスカートを前に移動させて閉じればボディの変形は完了。はカバーを上にスライドさせ、ヒジ関節を引き出して180度曲げてやります。実機ではワキの下に手首を突っ込んでいるのだと思いますが、キットでは手首を外して再現します。



 は、サイドスカートとヒンジでつながっているリアスカートを開いて、モモを背中側に起こしてやります。ヒザ関節を引き出し、スネの外装を一旦外して内部フレームを180度回転。設定ではフレームを支えるアームの間にツマ先を突っ込む方向に回していますが、キットではカカトを突っ込む方向に回す事で、足裏幅を稼いでいます。モモの後ろのフタを一旦開いてツマ先を収納、フレーム先端のクローを展開して、スネの外装を移動後の位置に付け替えてやれば完成です。



 MA形態ではフェダーインライフルを背中(機体下面)にマウントしておく事が可能。また、背中の左右(肩甲骨の辺り)のフタパーツを取り外せば、飾り台用の接続穴が現れます。支柱の先にY字形のジョイントパーツを追加して、MAの飛行姿勢でディスプレイしてやる事が可能です。



 また、脚だけを変形させた、MSとMAの中間形態(ケンタウロス形態)も再現可能。この場合はヒザ関節を180度ヒネって、クローが前を向く様にしてやります。モモに収納出来ないツマ先は取り外して誤魔化す事になりますが、MG化される事があれば、モモごと180度ヒネっていると解釈すれば解決するんじゃないでしょうか。ヒネリ可動を仕込める様なら、ぜひ検討して欲しいと思います。



 組立時間は1時間半でした。旧キットで満たされなかったモヤモヤ感を、20年ぶりに吹き飛ばしてくれるような出来の良いキットですね。初めて手にするMA形態も、最近流行りの昆虫っぽくて良い感じ(笑)。位置がズレる様な微妙な変形箇所も有るのでガタつきを心配してたんですが、ヘタリも無く頑丈な変形が楽しめますよ。オススメです。


 おまけ

 故郷、山口県宇部市の「ときわ公園」には「カッタ君」というモモイロペリカンがいるんですが、ご存知でしょうか?日本初の人工ふ化で生まれた彼は、自分が人間だと思い込んで近くの幼稚園に通うようになり、アニメも製作されました。市のマスコットキャラとなったカッタ君のイラストは市内のあちこちで見かけるんですが、彼にちなんだ土産物はないのかなぁ?と前々から思っていたんですよ。



 で、正月休みに実家に帰った時に探してみたら・・・ありました!(有)虎月堂さんから新発売された焼きチーズケーキ「焼き生まちーずカッタ君のたまご」です。美味しくて、ウチの家族にも好評でしたよ。機会があれば、ぜひ食べてみて頂きたいと思います。

ボクが買ったのは山口宇部空港だったんですが、いつも売っている訳ではないのかも知れません。また、その時は地方発送もしてもらえる様でした。最新の取り扱い状況は、ぜひ「虎月堂」さんの方へご確認下さい。
デザートショップ「虎月堂」ホームページ



 ふと思ったんですが、「カッタ君」という名前は「勝った君」とも読めますから、受験とか試合とか、さらには就職から選挙まで(笑)、縁起のいいお土産物として喜ばれるんじゃないかと思うんですよね。虎月堂さんには頑張って欲しいですし、市の方でも、土産物に限らずカッタ君をもっとPRして欲しいなぁ、と思います。愛されるキャラクターってのは、地元の宝ですからね。

2006.1.9 健 竹史

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