健さんの
プラモコラム

その159
 
HG デスティニーガンダムの巻

( HG 1/144 デスティニーガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X42S デスティニーガンダム
「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 ようやく「光の翼」付きでデスティニーが登場です。名前に番組タイトルを冠したガンダムですが、最終回での負けっぷりにも、ようやく気持ちの整理が付いてきたかなー?なんて思ってるんですが、皆さんはどうでしょう。もう少し時間をかけて激戦の末に敗れたら爽快感も有っただろうに、ずいぶん主役を冷たく扱うなぁ・・・とも思ったもんですが、まぁその、ラストで女の子の幽霊が語りかけてくるうちは、やっぱり彼が主役ですよ(泣)。ステラのセリフは、つたない言葉ゆえに抽象的ですが、結論でなくヒントだけを与えた感じで良かったと思います。



 放送を初めて見た時には勝ち負けしか見てませんでしたが、あの戦いはアムロとシャアの間に入ってララァが死んでしまったシーンに似ていますね。その後、似たシチュエーションはシリーズに多く登場しましたけど、ルナマリアに手をかけずに済んだシンは幸せだとも思えます。アスランに救われたと言うか。分からず屋は戦闘不能にして、分かり合える日を待つ、それがSEEDの流儀であります(おいおい!)。以前アスランもやられてましたね(笑)。アロンダイトも、天国のトダカ一佐が「もう戦うな」と折って行ったとか、そんな扱いでも良かったかなー。えー、そろそろ本題に移りましょう。

 頭部は、一体成形された目とアゴの表面にマスクを貼り付ける構成。塗装派にとっては分割が少ない方が有り難く感じる部分かも知れませんが、「血の涙」とも言われる特徴的な顔だけに、クマドリはぜひ色分けしておきたいセールスポイントですもんね。「涙」部分のスジ彫りだけは、塗装してやる必要があります。



 ヘルメットは前後分割、チョンマゲはコレクションキットに比べて、頂点部分の帯状の段差が細くなっています。これは接着ラインと段差を一致させて接着ラインを目立たなくした物ですが、どちらが設定に近いかは微妙ですね。って言うか、この帯と側頭部のインテイクが同じ角度に配置されてるのが少々残念。設定では平行になってませんし、ディテールが接着ラインに沿って配置されてると、単調な印象になってしまうと思うんですね。MG化される事があれば、ぜひ意識して盛り込んで欲しい所です。

 ボディは、前後分割のウエストを前後分割のでハサミ込む、シンプルな構成。エリも別パーツ化されていませんし、ダクト周辺の水色もシールで色分けしています。こうして確保した内部スペースを使って、グフイグナイテッドと同じ、L字の引き出し式肩関節を内蔵。球体ポリキャップでヒネリも加えられるアレです。シャイニングフィンガー(?)のポーズも自然に決まりますよ。この関節を仕込んだGガンダムシリーズが欲しくなってきますね。



 です。フロントスカートは左右独立して可動。一部HGUC(しかも若干大型の機体)では実現していますが、このサイズのSEEDシリーズでは初の快挙です。サイドスカートはスラスターを色分け。別パーツ化した効果で内側がクッキリしてて良いですね。1/100よりも噴射方向が明確な造形になっています。リアスカートにはライフル用のマウント穴が設置されていますが、コレクションキットよりも位置が高くなってます。今回の方が本来の位置ですね。コレクションキットはスコープが畳めないため、マウント位置を低くして解決してた訳です。

 です。モモは股関節周辺を切り欠いて可動範囲を拡大。ヒザは後ハメ可能な二重関節になっています。スネは左右分割で、可動式の後部スラスターをハサミ込む構成。ヒザ周辺の青い部分は別パーツを貼り付けて色分けされていますが、関節の周囲にわざとスキマを設けて、メカっぽいディテールが見える様になっています。このアレンジはどうしたんでしょうね?まさか、どこかのインチキ模型サイトが、関節のスキマの中の事までアレコレ書くもんだから、パーツが重なって見えない様な処理を・・・。



 足首カバーはコの字形に一体成形されたパーツで、スネ下端に取付けます。コの字と言っても、取付部の辺りにもう一箇所折れ線が追加されていて、設定画とは若干印象が異なります。密着感を高めようというアレンジなんでしょうか?1/100やコレクションの方が設定には忠実です。上端には1/100同様のオリジナルディテールが追加されていて、向きの確認が容易になっています。実機にも、こんな印が各所に付けてあるのかも知れませんね。

 足首は、カカト全体と一体成形された足裏に、クルブシとクツ、足の甲を重ねる構成。斜め上から組み付けて、クルブシをクツで閉じ込めていく感じですね。土踏まずだけ塗装してやればカラーリングは完璧なんですが、最近は飾り台に飾れるモデルが標準になってきましたから、土踏まずも「見えない部分」ではなくなってきましたよね。塗装した場合の効果は、以前よりも大きくなっていると言えるかも。



 肩アーマーは、上腕をハサミ込む前後2分割の構成。ビームブーメランが別パーツ化されて、コレクションキットよりも外観が良くなりました。内側のハメ込みピンが丸見えなんですが、ここは1/100の方が、同じ丸見えでも若干カッコイイかも。1/100では、ハメ込み穴(って言うか、筒ですね)が、パーツ接着面を越えて長く作られているんですね。これだけでも、ピンが見えた時に連想させられる接着面のイメージがソフトになる気がします。「真ん中にある境い目は接着ライン」という経験があるからでしょうか?筒の方が長いと、シリンダーか補強構造に見えて納得してしまうんでしょうか?(笑)

 です。上腕はヒジの上でヒネリ可動。前腕は2分割で、さらにアーマーを被せてあります。アーマー中央のハードポイントは単純な穴で、ポリキャップは仕込んでありません。シールドはコンパクトで特別重たくもないし、取付ピンはABSですから、ポリキャップ無しでも問題無いと思います。

 手首は、左右とも穴開きゲンコツ、ライフル用の持ち手開いた手の3種が付属します。ライフル用の持ち手は、手の甲パーツを穴開きゲンコツと共用。手首関節の軸を下のズラして角度を付け、前腕のアーマーに干渉せずにライフルを構えられる様に工夫してあります。開いた手は、コレクションキットの様な「平手」ではなく、掌からパルマ・フィオキーナを放つ時の、指を大きく開いたポーズになっています。手の甲アーマーは単純に浮かせるだけでなく、シリンダーで持ち上がった解釈で造形。前腕と干渉しない形にまとめてあります。

両雄の技量は互角、エネルギーは無尽蔵のため激しい戦いに決着はつかず、ついにはラクスの提案によりジャンケンで勝敗を決する事になるのでは・・・そんな風に考えていた時期が俺にもありました。(ウソ)

 バックパックは、メインスラスターをハサミ込んでの左右貼り合わせ。メインスラスターは上下にスイング可能です。ウイング基部にはポリキャップを使用して後ハメが可能。ウェポンラック基部にはコレクションキットでおなじみの球体ポリキャップを使用しています。

 ウイングは、コレクションキットよりも若干大きくなっています。小羽根も長く、生物的なカーブを強調してありますね。主翼は黒い部分を色分け。ここはワンパーツ化してあるのが嬉しいですね。主翼は内部のスラスターまで再現。2枚貼り合わせで、尖り防止のために先端だけ分割ラインを変化させています。その分割ラインをごまかすために、先を三角形にパネル分割してある様なスジ彫りを追加。先日飛行機と新幹線に乗る機会が有ったのでパネルラインを眺めてきたんですが、この様な先端部を、実際に分割してあるケースも見かけましたよ。



 ウイングは薄いパーツばかりですが、可動部分にはABSの小片を入れてポリキャップの代わりとしてあります。今回の目玉、光の翼は、わずかにラメの入ったクリアーピンクで成形。とても雰囲気が良いと思います。小羽根の切り欠きに噛み合う突起でしっかり固定。着脱の際には噛み合わせの向きを見て、少しパーツを押して反らしてやると良いでしょう。クリアーパーツを装着した全幅は30センチ以上。すごい迫力ですよ。



 ウェポンラックは、ラックとアームが各1パーツと、コレクションキットと同様の構成ですが、基部だけでなく途中の関節にも球体ポリキャップを仕込んであります。キツいのでボール部が動かず、結局軸部分だけで可動してしまうんですが、組立前にユルめに調整しておけば、より自由度の高い可動が得られるんじゃないでしょうか。長射程ビーム砲の構え方に関わってくる部分ですから、試す価値は大きいと思います。

運命玩駄無大将軍・・・みたいな感じ。光の翼には推力が有るんだと思いますが、だとしたらウイングがこの位置では、足元に向かって急降下していきそうですね。

 武装です。MA−BAR73/S高エネルギービームライフルは、スコープとフォアグリップが可動。腰にマウントするためのジョイントは1/100同様に端子の様なモールドが施してありますが、モールドの彫りが深すぎて端子らしさはイマイチ。スコープ上下のモールドも、1/100より大きくなってます。この辺の変化は、材質がABSになったからでしょうか?ABSはプラより流れにくいのか(ランナーも太めですよね)、以前から細かなモールドを避けて、彫りは大きく深く、エッジは甘めに設計してある様に思えます。

 MMI−714アロンダイトビームソードは、ABSのヒンジで展開ギミックを再現。本体はプラ製です。ビーム刃はラメの入ったクリアーピンクで成形。1/100の様な凹凸の無いビームは、ラメが程良く目立って効果的だと思います。ビーム発生器となっているツバには横から切れ込みを入れてあり、ビーム刃を横からセット。このためビーム刃の突起はソード本体と同じ水色で塗ってやると良いでしょう。



 M2000GX高エネルギー長射程ビーム砲も、アロンダイトと同様に展開可能。グリップも展開可能です。砲口側面の平行四辺形のモールドは、ハメ込みピンの表面が露出したもの。良く使われる組付け方法ですが、丸や長方形に比べて、鋭角があるためかスキマが目立ちますね。今後はハメ込みに利用しない方が良いかも。



 ちなみにアロンダイトビーム砲は、コレクションキットよりも若干厚くなっていますが取付用のミゾは同じ配置になっています。ラックとの間に若干スキマが開きますが、コレクションの物はHGに背負わせる事が可能という訳です。って言うか、まぁウェポンラックごと交換する事も出来る訳ですが。予備とか換装をイメージした改造を思いついた時には、安価なコレクションキットとミックスしてみるのも良いかも知れません。

 RQM60Fスラッシュエッジ2ビームブーメランは、肩アーマーからの取り外しが可能。コレクションキットよりも大型で迫力が増しています。厚みもあるんですが2枚貼り合わせにせず、スライド金型でビーム取付穴を開けてワンパーツ成形。ヒケ防止のために凹ディテール(デザイン的に処理した肉抜き穴)を入れてあります。ブーメランの表面がデコボコしてると気流が乱れて上手く飛ばないんじゃないかとか、命中した時に抜けにくいんじゃないかと思う訳ですが、カッコイイからOKかも。ターンエックスに似合いそうなブーメランです。



 ブーメランのビーム刃は長短2種類付属し、長い方はビームサーベルとして使用する時の物。長短各1本ずつしか付属しないのが、少々残念ですね。

 MX2351ソリドゥスフルゴール(ビームシールド)は、手の甲の発生基を一旦外し、ビームパーツと一緒に再度取付けます。手の甲は4つ付属しますが、ビームパーツはどれにも取付けられます。HGレジェンドガンダムの物と規格や形状を統一してあるので、拝借すれば両手同時に展開する事も可能です。



 実体シールドは、差し替え式で伸縮を再現。伸縮部表面の再現を優先するため、裏面のデザインは厚みを抑えた形状にアレンジ。さらに差し替え用の穴を配置するため、先端部までフレームが延長されて、ほとんど別モノになっています。でもガイドレールが長い方が頑丈だと思いますし、よりリアルな形と言えるかも。差し替え用の突起の先端もディテールを入れてメカっぽく処理してあるなど、気配りが行き届いてます。



 飾り台は、恒例となった支柱2本が付属するタイプ。しかもHGレジェンドと同じ、先端アダプターも付いています。このアダプターが有れば、斜めの支柱にも垂直にモデルをディスプレイ可能。支柱2本を使えば、1つのベースの上に対決シーンを再現する事も出来る訳です。「その155 HGレジェンドガンダムの巻」で、高低差のある空中戦を再現しようと提案しましたが、そんな案は最初から検討されてたのかも知れません。本当に良く出来た飾り台ですよね。

「ひぃぃ〜!命ばかりはお助けを〜!」山賊?辻斬り?飾り台の使いみちは、対決シーンの再現だけに限りません(笑)。開いた手が有ると、ホントに表情豊かで良いですね。

 組立時間は1時間10分でした。完成度もプレイバリューも高く、待った甲斐のあるキットだと思います。肩の可動が自由で武装も豊富なうえ、素手での攻撃も再現出来るので、いろんなシチュエーションで飾れます。光の翼を外せば軽快に、取り付ければ威圧的に印象が大きく変わるのも面白いですね。かなりオススメのキットです。

   2005.12.27  健 竹史


 おまけ

3Dデザインフィギュア 「苺ましまろ」というのを店頭で見かけて、2つだけ買ってみました。「苺ましまろ」という作品については詳しく知らないんですが、作者の「ばらスィー」さんの絵柄は「週刊わたしのおにいちゃん」の時から、とても気に入ってました。



 箱の表から、顔だけ見えるパッケージに入っていて、4人のキャラが3種類ずつ、合計12種類のラインナップ。左がまつりちゃん、右がちかちゃん。メガネと浮き輪はクリアー成形、飾り台が付属しているので安定してディスプレイ出来ます。



 首、下半身(水着は不可)、髪は交換可能で、ピンキーストリートの様な組み換え遊びが出来ます。サイズも近いですね。ペットや小道具が付属しているのも楽しいです。

 組み換え部分は、さりげなくピンキーと互換性があったりします。ウエストの太さが異なるためスカートが合わないケースが出てきたり、「ピンキーの頭+苺ましまろのボディ」では首が長くなってしまったりしますが。でも体型が変化する互換パーツというのも、遊びの幅が広がって良いですよね。



 面白いのは、首がボールジョイントで可動する事。ピンキーよりも頭が大きい子供体型のため、頭の中を中空にして軽量化してあり、安定は良いです。単純な動きですが、表情が付いて結構面白いですね。もう何点か買っておけば良かったかな?少なくとも4人のキャラを、ひと通り揃えておくべきだったかも。かわいくてオススメです。

2005.12.27 健 竹史

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