健さんの
プラモコラム

その145
 
HGブレイズザクファントムの巻

( HG 1/144 ブレイズザクファントム/ バンダイ/
ZGMF−1000/M ブレイズザクファントム
「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)


 ブレイズザクファントム・レイ専用機、HGでもようやく発売されましたね。キットはHGザクウォーリアの装備変更&カラー変更。劇中では修理される前にレジェンドに乗り換えてしまった様ですが、「どれだけ待たされても、ブレイズザクファントムの美しさは変わらない」(トリビアの泉・ナレーション風に)のであります。ちょうどEXモデルのMAエグザスも発売された所ですから、2つ並べてスタート当初の気分に返って作ってみるのも良いかも?では、本題に移りましょうか。



 まずはザク本体から。頭部は、ヘルメットとアンテナのパーツを新規にセット。破損対策のためか、アンテナは位置をロックせずにハメ込み幅のキツさだけで保持する様に出来ています。根元にスミ入れしたい人は、接着しておけば位置が保てるので安心かも知れません。「ところでおばあちゃん、隊長でもないのにどうしてレイのザクにはアンテナが付いているの?」「それは議長の命令が良く聞こえるためだよ。」・・・ああ、つまらない事を書いたら、オオカミのマークを貼りたくなってしまった(笑)。

 シールドは2枚に増えました。シールド本体のパーツ(A16)は1枚追加されただけですが、シールド表面のパーツは、手足と同色の従来パーツ(B32)を除外して、ボディと同色の新規パーツ(A23)が2つ用意されました。配色が異なっていても1/100の様に多くのランナーにパーツを分散出来ないため、単純な色替えキットとはいかない訳ですね。



 もっとも、B32パーツ(従来の、手足と同色のシールド表面パーツ)の隣に未使用のランナー切り替えが残っているので、B32パーツも2枚用意されている可能性が高そうです。でないとハイネ機イザーク機が発売出来ませんからね。これらがもし発売されるなら、レイ機の単純な色替えキットではなく新たに金型を彫ってる訳ですから、ぜひフル活用して、緑のザクファントムなんかも発売して欲しいですね。

 左右のシールドをハネ上げると20センチ近くもあり、このスケールでもかなりのボリュームが有ります。1/100よりも軽い分、気軽にシールドを動かせますから、いろんなポーズを取らせてみると良いでしょう。

またまたインチキ飛行ポーズです。今回はビームトマホークを使ってヒザ下を支え、ツマ先で立たせてみました。これが本物なら、左足は無事では済みませんが(笑)。
あまり安定が良くありませんから、倒れても転落の恐れの無い、広いテーブルの上で試しましょう。

 スネ側面のスラスターも、従来と同じ形状ながら、配色の違いから新規パーツが用意された部分です。こちらはボディよりも一段濃いパープルで、ブレイズウィザードと同じランナーに含まれています。従来パーツも余りパーツとして付属するので、取っておくと良いでしょう。オリジナルのバックパックなんかを自作する時に、こういった左右対称のパーツは重宝すると思いますよ。

 ブレイズウィザードは、新規の多色成形ランナー(Eランナー)と、黒いランナー(Bランナー)の新規部分で構成されています。バリエーションキットが発売される度に「このランナーは事前に彫ってあったのかな?バリエーション発売の時に新しく彫ったのかな?」なんて気になってたんですが、このEランナーの金型は、最近彫られた物だろうと思います。

 と言うのは、ランナーの角が今までのランナーよりも丸くなっているんですね。先日、バンダイがプラスチックの削減に取り組む一環として、まずはガンプラのランナー構成から見直すというニュースが流れました。その後数点の新作キットしか見ていませんが、ランナーの角が丸い事が一つの特徴になっています。気のせいかも知れませんが、仕切りの配置も直線的で折れ曲がりが少なく、四角に囲っていない部分も増えた様な。ランナーの距離が短くなれば、石油資源の節約になる訳です。

このキットに含まれている2枚のランナーの比較。左が新規に追加されたEランナーです。

 余談ですが、ボクは石油資源で楽しませてもらってる立場の者として、プラモと関係ない部分での省資源を、なるべく心がけたいと思っています。固い話と思われるかも知れませんが、1回限りの買い物袋に使われるよりも、プラモに姿を変えて半永久的に飾られた方が石油としても本望ではなかろーかと・・・え?「エゴだよそれは」?!失礼しました。

 本題に戻りましょう。テールスラスターは、フィンの部分を避けた左右分割、黒い部分の色分け等、外観に関しては1/100と同等の仕様です。1/100ほど上に大きくハネ上げる事は出来ませんが、左右のブースターポッドの可動でシチュエーションがほとんど決まってしまいますから、さほど問題無いと思います。ポリキャップも完全に隠れてますし、良い感じですよ。

 ブースターポッドはポリキャップで可動。偏向板はハサミ込み式ですが、ミサイルハッチは後ハメ可能です。ミサイルポッドは今回もポリキャップを使った可動式。先端のスラスターは後ハメ可能です。ミサイル部分はハサミ込む様になっていますが、パーツの一部を切り取れば後ハメ可能になってくれそうです。



 ポッド後部エンジン・スラスターは2基一体で成形されていて、1/100の様に色分けはされていません。まぁ、ここ以外は1/100に負けていないと思うので、ぜひ塗装してやりたい部分です。先にハメ込んでおく構成になっていますが、突起を削り落とせば後ハメ(接着)も可能だろうと思いますよ。

 ブレイズウィザード本体スラスターは別パーツ化され、色分けを再現。こういった小スケールモデルにスラスターが密集してたりすると精密感があって楽しいんですが、中央の四角いスラスターだけ内部ディテールが追加されてて、なんだかミョーな感じです。ザク本体のスラスターとサイズはほぼ同じなのに、ディテール密度(表現方法というべきかな?)が不揃いなんですね。これでは機構の違う別系統のスラスターが並んでる様で、かえって説得力が下がってしまってるかも。

ブレイズウィザードとザクの背中では、スラスターの形が異なっています。(ブレイズウィザードの物は外周がクッキリ、背中の物は奥がすぼまっています。)また、写真では分かりづらいですが、ブレイズウィザードの物は奥にフィンの様なスジ彫りが施してあります。ここだけ1/100に準じたディテールですね。

 武装です。MMI−M633ビーム突撃銃手榴弾(ハンドグレネード)は、これまでと同等の物が付属。シールドが2枚になったため、マガジンは2個追加されています。

 嬉しい事に、MA−M8ビームトマホークも1本追加されて、2本に増えました。1/100の方を先に発売したのは、プラス要素のあるキットを先に発売したら1/100が見劣りしてしまう可能性が有るからなんでしょうね。(という事はHGデスティニーも期待して良いのかな?!)

 誤解して頂きたくないのは、1/100の内容が「本当に劣っている訳ではない」という事です。「その138 1/100ガナーザクウォーリアの巻」でも紹介しましたが、HGのビームトマホークは片手で持つのに適した設計なので、2本付属させる意義が大きいと言えます。1/100はグリップが長めに設計してあるので両手に1本ずつ持ったポーズが決まりにくく、代わりに両手持ちが出来るという、HGに無いメリットを持っています。買う前のユーザーには分かりにくい事ですが、付属する本数だけ比べても判断できない、それぞれ違う価値が有る訳ですね。



 組立時間は1時間5分でした。イレギュラーな発売順でしたが、ファーストガンダムの頃はスケールと発売順序が無関係で、何がどんなクオリティで出るか分からないワクワク感が有ったなぁ、なんて、昔の事を思い出しました。今は順序が変わってもクオリティが高い所で安定してますが・・・それでも待ってた甲斐のある、美しいザクです。

 ガナー装備のDランナーと重複しない様に、新規ランナーは「Eランナー」となっていますから、いずれ1/100の様にガナー&ブレイズウィザードのセット発売も行われるかも知れませんね。そしておそらくスラッシュ装備がFランナーだと思われます。発売はもしかして放送終了後?待たせたついでに、MSV扱いで奇抜なウィザードを何点か発売して欲しいなぁ、なんて思うんですが、どんなもんでしょう?


 おまけ

 コレクションシリーズのブレイズザクファントムも、軽く紹介しておきましょう。HGと比較してから紹介したいと思っていたら、ずいぶん時間が経ってしまいました・・・。



 ザク本体は、先に発売されているザクウォーリアのヘルメットと右肩アーマーを新規パーツと差し替え、シールド1枚とアンテナを追加した物です。アンテナは、基部のすぐ下(頭部内側)にある回り止めの突起と干渉する都合で、一部を切り欠いた様なハメ込み形状となっています。切り欠きの形が位置決めの役目を果たして、HGよりもアンテナの角度がピッタリ決まる感じです。



 シールドは、2箇所ある取付け穴のうち、上の穴を使って取り付ける様に指示されています。ザクウォーリアの時は下の穴を使う指示でしたから、取付位置は低くなった訳ですね。実際はザクウォーリアもザクファントムもシールド位置に違いは無いんですが、低い位置の方が設定に近いと思います。ザクファントムの場合は、シールド位置が高いと顔の周囲を囲まれた様な圧迫感が有るので、低い位置の方がカッコイイですね。

ハイネ機(左)とレイ機(右)を並べて、2通りの位置にシールドを取り付けて比べてみました。(写真では、互いのブレイズウィザードを交換してあります。念のため。)

 シールドと肩の距離は、HGに比べて近くなっています。並べてみるとHGの方が横幅がゆったりしていて、迫力がある感じですね。各パーツのサイズはHGと同じなので、上級者はシールドを保持しているアームを自作してやれば、HG同様の迫力が出ると思います。

HGブレイズザクファントム(左)との比較。シールドと肩の間の距離が違うと、ずいぶん印象が違って見えます。

 ブレイズウィザードは、2分割の本体にテールスラスターとブースターポッドを取り付ける構成。テールスラスターはワンパーツで、ノズルの配置に合わせた補強が入っています。残念ながら可動はしません。メインスラスターは、1/100の様なアレンジが加えられていないので、ザクの背中のスラスターと統一感が有ります。

1/144(左)とHG(右)の、ブースターポッドの可動範囲の比較。どちらも最大限に起こした状態です。

ブースターポッドは左右貼り合わせ式で、ミサイルパーツとミサイルハッチは後ハメ可能です。偏向板は開閉しませんが、内部のスラスターは一体成形で可能な範囲で再現してあります。



 ブースターポッドが可動し、ミサイルハッチが開閉するので、値段に対してのプレイバリューは十分ではないでしょうか。ポリキャップを仕込む制約が無いため、あえてブースターポッドの軸位置を高めに設定してあるので、HGよりもポッドを大きく起こす事が出来るのが魅力です。ほとんど水平にまで起こす事が出来ますよ。



 ウィザードのサイズはHGと共通で、中央の取付ピンは無いものの、各種HGザクに装着可能です。色違いのハイネ専用機も発売されていますが、色を塗る予定の無い人は、ハイネ機とレイ機のウィザードを交換してやっても良いでしょう。これだけで色数が増えて豪華に見えますし(再現度は上がりません:笑)、追加装備っぽさが増しますよ。組立時間は15分程度でした。

2005.7.5 健 竹史

HG ブレイズザクファントム(レイ・ザ・バレル専用機)
1/100 ブレイズザクファントム レイ機
1/144 ブレイズザクファントム レイ機
1/144 ブレイズザクファントム フェイス隊仕様
MIAブレイズザクファントム レイ機

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