健さんの
プラモコラム

その136
 
HGガナーザクウォーリアの巻

( 1/144 HG ガナーザクウォーリア/ バンダイ/
ZGMF−1000/A1 ガナーザクウォーリア
「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 前作では、それなりの頻度でランチャーストライクの出番が用意されていたのに、デスティニーでのブラストインパルスの出番の少なさと言ったら・・・とお嘆きの換装マニア(?)の皆さんこんにちは。ボクもじれったく思って見ている一人なんですが、ブラスト装備の出番が、半年経ったのに1回しか無いのは、使用目的がガナーザクと重複してるからですね、きっと。専門の砲撃手がいるから、インパルスは飛んで前へ出て戦うシチュエーションに、どうしてもなってくるのでしょう。



 ソードインパルスの出番も少なめですが、これは白兵戦になる回数が空中戦ほどは多くならないだろうと言う事と、フォースシルエットビームサーベルが装備されているためでしょうね。スラッシュザクファントムをミネルバチームに加えなかったのは、ある意味正解だったかも知れませんね。イザークを乗せる事で、他の戦場でも戦いが続いている事が伝わりやすくなってる気がします。では、そろそろ本題に入りましょう。



 本体は、先に発売された一般機と共通なので、いきなり追加装備のガナーウィザードから。M1500オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲は、先端と後部を折りたたむ事が可能。ヒンジ部分にはABSパーツを使用しています。って言うか、グレーの新規パーツは全てABS、黒の新規パーツはスチロール樹脂。オルトロスは全てABSパーツで構成されています。



 オルトロスコレクションガナーの物とサイズ・形状を統一してあるので、HGとコレクションを並べて飾っても違和感は無いと思いますが、それでも仕様はグレードアップしています。斜め下に向いたダクトは別パーツ化され、肉抜きも無くシャープな仕上がりになっています。グリップ下の切り欠きは無くなり、差し替え部分の保持力を高めていたスコープ前の突起も廃止、より設定に近い外観となっています。グリップはオルトロス本体と一体になり、角度調節の可動は無くなりました。

オルトロスの他にビーム突撃銃、ビームトマホーク、手榴弾も付属します。(その124 HGザクウォーリアの巻を参照下さい。)

 オルトロスのスコープは、残念ながらド真ん中を分割ラインが通っています。今回はずいぶん大きなスコープなので、パテで接着ラインを消す代わりに、薄いプラ板を貼り付けても良いかも知れません。それから、スコープのフチですが、タテとヨコで厚みが異なっているので(安全基準?)、こだわりたい人は削って均一にしてやると実感が増すと思います。

緑の一般機との比較。オルトロスが上下に良く動くのが分かると思います。
(ルナマリア機と一般機は別売りですので、ご注意下さい。)

 コレクションガナーでは固定式だったフォアグリップは、可動式になりました。本体から引き出して、両手持ちで構える事が可能です。かなり前の方まで動いてくれるので、左手に自然にフィットしますよ。



 バックパック(ウィザード本体)は、黒とグレーの2色が使われ、単色成形だったコレクションガナーよりもカラフルになっています。サイズ・形状は基本的に共通の様ですが、アーム取付基部が下に延長されています。コレクションの方が設定には近いんですが、アーム位置が高いため、ワキの下に近すぎて、ちょっとキュウクツな設計だったんですね。形状優先のコレクションに対し、「ある程度プレイバリューを優先」というスタンスは、手足に限らず装備にも活かされているのかも。(HGのフォースシルエットもそんな感じ?)パーツ分割が細かくなったため、右側面のディテールはコレクションガナーよりもシャープになりました。

HG(左)とコレクション(右)のガナーウィザードの比較。アーム取付基部の位置の違いに注目!

 大容量エネルギータンクは、2分割に加えて底面が別パーツ化され、「底からフタをしてある」様な感じが強調されました。これ、前々から「てっぺんが丸まっていて扱いにくそうなタンクだなぁ」なんて思ってたんですが、乾電池みたいなカートリッジを、下から差し込んであるのかも知れませんね。つまり、外から見えている部分はカバーなのかも知れないな、と。



 オルトロスを保持するアームは、両端がボールジョイントで可動する他、途中2箇所でも可動する様になっています。ボール部分は旧コレクションシリーズの球体ポリキャップを使用、アーム途中の可動部にはABSパーツを使っています。アームの可動は「折れる」と言うよりも「振れる」感じで、左右に動きます。両手で構える場合は斜め左に向ける事になるので、この「振れる」可動はけっこう有効だったみたいです。



 エネルギーケーブルには、リード線を使用してあります。MGボールの時よりも太めの線ですが、ガンプラにリード線ってのは、なかなか良く似合います。メッシュパイプなんかに置き換えれば、さらに設定に近づくでしょうが、コレはコレで良い感じです。バックパック側は線の先端を折って閉じ込めてありますが、オルトロス側は差し込んであるだけなので、完成後に取り外す事も可能となっています。

左がHG、右がコレクションシリーズのルナマリア機。成形色の見直しというのは珍しいと思うんですが、こんな場合も想定して、HGが出た後にガンダムカラーを発売するスケジュールが組まれるのかも知れませんね。

 組立時間は1時間5分でした。ストライクやインパルス、バスターなんかにも似た様な装備は有りますが、ガンダムよりもハイテクっぽくないデザインが、いかにもザクらしくて似合ってますね。ルナマリア機は、コレクションに比べてボディカラーが濃い赤になり、より劇中のイメージに近くなった気がします。シャアピンクっぽいコレクションガナーは、我が家では議長専用機と呼ぶ事にしましょうか(笑)。ディアッカが搭乗する一般カラーの機体も連続して発売!「ウィザードと緑ザクを2個イチしてね」と言わない辺りに、ザクにかけるメーカーの意気込みを感じてしまうのであります。


 おまけ

 ザク強化月間の目玉、ザクウォーリア・ライブコンサートバージョンも、軽く紹介しておきましょう。「ミーア・キャンベル専用ザク」なんて発表するもんだから、第一報が流れた時には大騒ぎでしたね。いざ登場してみたら、慰問コンサートの演出に使われるだけだった訳ですが。国をまとめるための貴重なアイドル(の替え玉)を、あえて危険な戦場に送る必要はありませんからね。(と言いつつも、80年代のアニメだったら普通に出撃してたかも?)



 キットはHGザクウォーリアのカラーバリエーション。ビーム突撃銃、ビームトマホーク、手榴弾といった武装も、ひと通り付属しています。面白いのはシールですね。ハロやハートマーク、「LOVE!」「Lacus Cline Alive!!」の文字の入ったマーキングシールが付いています。色分け用のシールは、シールド表面の星(?)マークを再現するために、スパイクの1本1本に巻きつけるシールを用意するという徹底ぶり。塗装慣れしていない人が「なんかカワイイ〜」と気軽に買っても、かなり劇中イメージに近い物を手にする事が出来ますよ。あと、モノアイは青なんですね。ピンクだとボディカラーと重なるんで。

 パッケージ側面と説明書には、1/144ミーア・キャンベルが印刷されています。「切り取って使って下さい」とは書いてありませんが、それを狙ってのサービスである事は明らかですね。立体物でないのは残念ですが、1/100キットのキャラクタープレートから派生したアイデアなんでしょうか?何にせよスケールが揃っているというのはスゴイ事でして、紙きれと言えども実はミーアが主役、ザクは飾り台って事にもなりかねないのですね。(豪華〜!)



 話はちょっと脱線しますが、1/144シローが付属したEz8に続いて、グフカスタムにノリスが付属していれば・・・「フィギュアを付けたらグフカスタムが売れた」なんて分析されて、HGUC等にもフィギュアが付いていたのかも。(歴史のIFと言うには、あまりにも素敵な話です、涙。)今からでもどうです?2005年基準の一つって事で。

 ところで、実際の販売価格は1000円(ザクウォーリア一般機と同額)に落ち着きましたが、当初は予価1200円と発表されていたんですよね。この差額の200円、一般機ほどは売れないだろうと考えての値上げだったのか・・・あるいは、ホントにミーアのフィギュアを付属させる案が有ったんじゃないかな?なんて事も、ちょっぴり妄想してしまう訳ですが。いやいや!ついでにカラフルなシールドはタンポ印刷で、さらにさらに!劇中同様に右手の上に乗せられる様に、右の平手も追加されたのかも?妄想は膨らむばかりです。(あくまで妄想です。)

 一見奇抜に見えますが、軍隊への慰問は現実でも行われている事ですし、式典用ジン等の「演出としてのMS」はすでに劇中に登場していますし、「戦争の裏で行われるムード作り」にも言及した「デスティニー」を象徴する様なMS(とキャラクター)な訳で、「これはトンデモMSじゃない、シリアスでリアルなんだ。買おう!」と自分に言い聞かせようと思ってたんですが・・・アスランモードよりも、よっぽど落ち着いた色あいです。皆さんも、意外と普通に購入できたのでは?(笑)

 それから今ふと思ったんですが・・・さっき「ミーアをあえて危険な戦場に送る必要はない」と言いましたけど、これに乗ったミーアが連合MSに撃たれる様な事が(仮に芝居でも)起これば、「戦争やむなし」の気運を止めるのは難しくなるかな?なんて思えてきました。やっぱり、このまま乗らないで、舞台装置で終わって欲しいMSですね。

2005.3.30 健 竹史

HGガナーザクウォーリア ルナマリア機
HG ザクウォーリア・ライブコンサートバージョン

1/144 ガナーザクウォーリア
1/144 ブレイズザクファントム ハイネ機
1/144 ブレイズザクファントム レイ機

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