健さんの
プラモコラム

その134
 
HGソードインパルス
         ガンダム
の巻

( 1/144 HG ソードインパルスガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X56S/β ソードインパルスガンダム
「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 インパルスにも、ようやく装備バリエーションが登場です。今年はガンダムに加えてザクにもバリエーションが用意されてますから、なかなか順番が回ってこない訳ですが・・・大活躍だったオーブ脱出戦に合わせてHGソードを発売して欲しかったなぁ〜。って言うか、複数機を相手に華々しいデビュー戦を飾ったのは、このモードなんですけど。



 やっぱクリスマス商戦までにフォース装備を全スケールで発売しなきゃならないってのは、10月スタートの番組にはキツいスケジュールなんじゃないですかね。だから次回作が春スタートになるように、1年半やっちゃいましょうよ〜。ね?ね?なんだか面白くなりそうですし。では、キットの方に目を通していきましょう。

 インパルスガンダム本体は、フォースインパルスで青だった部分が赤に、赤だった部分が黒に成形色を変更。装備によって機体色が変わる「ヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲」の設定を再現しています。「白い部分は変色しなくていいの?」なんて疑問も湧いてきますが、変色しない部分はPS装甲で、変色する部分だけがVPS装甲なのかも知れませんね。1/60インパルスで再現されていた内部メカこそが、VPS装甲の制御部分だった・・・なんて、勝手に想像してみても良いかも。変色部だけ内部再現されてたから、好都合な解釈でしょ?



 なぜ変色するのか?という点に関しては、当初から「各装備の負荷の違い」と説明されていた様に思いますが、「SEEDデスティニー公式ガイドブック」では、「武装の重量と消費エネルギー」と説明されています。オリジナルのシルエットを考えて自作したい人は、消費エネルギーだけでなく、装備重量にも着目してカラーリングを決めると良いかも。逆に、塗りたい色に合わせて装備やボリュームを想像していくのも、イメージをふくらませる手助けになるかも知れませんね。

 基本武装MA−BAR72高エネルギービームライフルMMI−RG59V機動防盾(シールド)は今回も付属しています。ただし、ソードインパルスはシールドを展開しないので、表面パーツは収納状態の物のみ付属。フォースインパルスの物と形は共通ですが、成形色の都合で新規ランナーに含まれています。



 では本題の、ソードシルエットに移りましょうか。バックパックは、赤いインテイクを色分け。スラスター類はグレー(内側は赤)の色指定ですが、白で成形してあります。グレーで成形された場合よりも発色が良いので、塗装する人にとっては嬉しいかも。本体は上下に分割されているため、上面のスジ彫りはクッキリしていますが側面のディテールは段差での表現となっています。

 エクスカリバー保持用のアームは可動式で、アーム・基部の軸受けともABSパーツとなっています。裏面には設定にあるラインを活かした肉抜きが有りますが、パテで埋める時に、肝心のラインまで埋めてしまいそう。穴の形に合わせたプラ板を詰めるか、パテで埋めた後に彫り直すか・・・これまではラインを避けて肉抜きしてある事が多かった気がしますが、今後はラインでそのまま肉抜きする方針なのかなー?確かにライン通りの形の穴の方が、埋めないままでも見栄えが良い、と言えるかも知れませんが。



 MMI−710エクスカリバーレーザー対艦刀は、クリアーのビーム刃が着脱可能。ビーム刃の取り付け穴を成形する都合から、ツバの部分だけは左右貼りあわせになっています。ハメ込みの突起はパーツ表面まで露出してしまっていますが、オリジナルのディテールに見える様に、デザイン的に処理されています。

 着脱式のビーム刃は、シグー・ディープアームズの時には両端を取付け穴に差し込んでいましたが、今回は根元が差し込み式で、刃先側は横から押し込む方式となっています。実剣側に切り欠きが有って、ビーム側の突起と噛み合わせる形です。ビーム刃の突起は位置決めのストッパーになるよう左右非対称に作ってあるので、どちらの剣に取り付けるか間違わない様にしましょう。突起部分は白く塗ってやると、ビーム発生器の一部に見える様に配慮した形になっています。(逆に、ビーム刃を外すとビーム発生器が欠けた様に見えてしまう訳ですが。)


最近お気に入りの「宙に浮いてる風ディスプレイ」。コレクションキットの物と合わせた2本の連結エクスカリバーで支えて、ジャンプしてるイメージでポーズを取らせてみました。手首で荷重を支えるので、安定は良くないですけどね。

 エクスカリバーは、2本を連結して使う事も可能。この状態は「アンビテクストラスフォーム」と呼ばれるそうです。身長の2倍以上の長刀はものすごい迫力なんですが、コレクションソードインパルスも買った人は、HGとコレクションのエクスカリバーを連結する事も出来ますよ。HGとコレクションではジョイント類の規が不揃いな事が多い(混ざらない様にという配慮?)んですが、今回は互換性アリ、サイズも共通です。劇中に登場する事は無いかも知れませんが、連結した物を2本持たせる事も可能です。1/100や1/60では出来ないゼータクですね。

 RQM60スラッシュエッジ・ビームブーメランは、ビーム刃の取り付け穴を成形する都合で2パーツ構成となっています。パーツの分割位置は、パネルラインとしても自然に見えるよう、グリップの境い目に配置。説明書の見本ではパテ埋めしてありますが、そのままでも問題ないでしょう。手に持たせる時は、一旦手の甲を外してからセットします。ブーメランを2つ装備しているため、ビーム刃は2枚付属。ソードストライクの物よりも、かなり大きめの刃となっています。

赤いのがHG、黒いのがコレクションキットのブーメランです。

 ビームブーメランの取付け基部はヒンジになっているので、エクスカリバーを取り出す時には干渉しないよう起こしてやると良いでしょう。ビームを発生させずに、2本をV字に連結したままで実刃ブーメランとして使う事も出来るそうですが(しかも実刃の方が強力)、ヒンジ部にスキマが出来ているのが可動モデルのツライ所ですね。ビームの干渉反応が使えないので飛翔経路をコントロール出来ないかも知れませんが・・・そこはコーディネイターの才能でカバー?!(つまり狙って投げるの?)

 コアスプレンダーは、腹部に収納される合体状態の物とは別に、飛行状態の物が付属します。これは嬉しいオマケですね。上下2分割と垂直尾翼という構成で、無変形モデルならではのシャープな造りが良いです。機首の折り畳み部分のディテールの細かさ、厚みのカーブした主翼など、丁寧に作られています。サイズは合体用の物と比べて、若干小さいですね。普通なら合体用の方がスペースの都合で小さくなったりするモンですが、なぜ???ちと狭そうな印象です。

赤いのがHG、黒いのがコレクションキットのブーメランです。

 ところで、変形しない代わりにミサイルが付属しています。1/100や1/60でも付属しなかったので、てっきりMGまでおあずけかと思っていましたよ。つい先日、分離飛行の特性を活かして坑道から奇襲を行うエピソードも有りましたし、良いタイミングでのリリースだと思います。やはりミサイルを装備している姿こそが劇中のコアスプレンダーですし。(あの奇襲、地中用グーンを投入して欲しかったなぁ。)

 ミサイルは着脱可能なので、合体シーンに欠かせない「ミサイルポイ」も再現できます!あれ、ちょっともったいない気もしますが、現用戦闘機でも大型ミサイルをフル装備したままでは着艦可能重量をオーバーする場合があるそうです。つまり作戦が中止になっても、何本かを捨てるか無駄撃ちしなくては空母に戻れない、と。合体中を攻撃されたらマズイので、無駄でも積んでいく描写もリアリティのうち?(投棄シーン自体は何度も使い回せて、効率が良いんですけどね・・・あわわ)

歴代ビーム併用実剣装備の比較。
上から、ソードストライクのシュベルトゲペール、
ソードカラミティのシュベルトゲペール、
シグーディープアームズのレーザー重斬刀
ソードインパルスのエクスカリバー。
ついでにビームブーメランは、
右がソードストライクのマイダスメッサー、
左がソードインパルスのスラッシュエッジです。

 残念ながらシルエットフライヤーは付属しませんが、HGフォースインパルスに付属する物を使ってソードシルエットフライヤーを再現する事が出来ます。90度回転するL字形のジョイントはフォースシルエットの物と共通の仕組み。やはりジョイントは若干キツめですので、ジョイントの向きを45度方向にして、ピンを使わずに合体させると良いでしょう。後部スラスターエクスカリバーは水平位置に起こし、ビームブーメランは180度回転させてウイングの様なポジションにしてやります。

飛行状態と合体状態のコアスプレンダーの、コクピットの幅の違いに注目!バックパック部分のサイズだけ比べると、そんなに違いは無いんですけどね。

 組立時間は1時間5分でした。ソードストライクとほぼ同じ武装では有りますが、二刀流とか、連結して大型の武器になるといった、新しい工夫が盛り込まれていて楽しいですね。飾り台が付いていれば、もっと派手なポーズを取らせて遊べそうですが・・・MGはフォースインパルスしか出さないなんて、言わないで下さいよ〜?

 ところでこのデザイン、「前作よりもパワーアップした印象にするために二刀流にしたのだろう」と見る事も出来るでしょうけど、二刀流になった最大の要因は、シルエットフライヤーと合体するためでしょうね。スカイグラスパーよりコンパクトな航空機の、しかも後部だけに合体させるため、左右非対称の装備を登場させにくくなっている様な気がします。そう思って見るとソードランチャーストライクのデザインは今見ると一層新鮮ですね。何か一つくらい、合体後に非対称な形になるシルエットが見てみたいもんです。せめてMSV企画でも。


 おまけ

 例によって、先に発売されているコレクションシリーズのソードインパルスガンダムにも触れておきましょう。インパルス本体はフォースインパルスの物と共通で、VPS装甲部分の成形色が変更されています。ビームライフルは今回も同じ物が付属しますが、展開状態のシールドは付属せず、収納状態のシールドが新たに付属します。フォースの時に黒で成形されていたおかげで、色も同じで統一感が有り・・・って言うか、塗装に苦労しそうです。(笑)



 MMI−710エクスカリバー・レーザー対艦刀は、柄の端(連結部分)が別パーツ化された2パーツ構成。コレクションシリーズは手の甲だけを外す事が出来ない構造なので、ここを一旦外してゲンコツに通して握らせます。この手順はHG付属のエクスカリバーでも可能です。手の甲を外すよりも楽に持たせられる気がしますよ。刃にはビームが一体でモールドされているので、未使用状態にする事は出来ません。

 2本を連結してエクスカリバー・アンビテクストラスフォームを再現する事も可能です。先にも触れましたが、HGの物とジョイント形状が統一してあるため、ミックスして遊ぶ事も可能となっています。もっとも、ビーム刃をクリアー成形してあるかどうかの違いや、ツバの部分にハメ込み突起をカモフラージュするディテールが無い代わりに肉抜きされていると言った違い、成形色の違い(HGの白に対して黒)は有りますけどね。



 RQM60スラッシュエッジ・ビームブーメランは、左右連結したウイング状態でワンパーツ成形。ヒンジ可動しないため、中央付近もキッチリ整ったV字形をしています。厚みのあるHGの物も迫力が有って良いですが(これはビーム刃の取付け穴を設ける都合でしょう)、コレクションの物は薄くシャープで、それぞれに魅力が有りますね。グリップ付近が分解出来ないので、コレクションインパルスに持たせるには腕を分解する必要があります。

 連結していない、単独状態のビームブーメランは1本のみ付属。こちらはグリップが分解出来る様になっており、コレクションインパルスにも簡単に持たせる事が可能です。グリップ分解ギミックのため設定に無い分割ラインが入っている他、ハメ込み突起をカモフラージするディテールも追加されています。見栄え良くまとめてありますけどね。ビーム刃は本体と一体成形で取り外し不可。ビームの形状はHGの物と統一してありますが、なぜか根元のトゲが1本だけ違っています。

シルエットフライヤーはHGフォースインパルスに付属するものを使っています。コレクションソードインパルスには付属していません。念のため。

 バックパック(シルエット本体)は、HGに比べて前後にやや短くなっていますが、こちらの方が間延びした感じがしなくて、ボクは好きですね。最初は、コレクションシリーズで良く見られる「武装のサイズダウン」かとも思ったんですが、HGは背中やシルエットフライヤーとの合体用ジョイントが仕込んであるため、スペースの都合で仕方なく長めに設計してあるんじゃないでしょうか。

 HGフォースインパルスに付属するシルエットフライヤーに合体させる事も出来ますが、水平に起こしたスラスターの下面がフラットで、ポリキャップを仕込む都合でフラットになっていないHGよりも見栄えが良いと思います。逆に、HGは下面の形状よりも軸位置を優先した設計の様で、起き上がったインテイクと本体上面の位置関係が設定に忠実。という訳で、上から見るならHG、下から見るならコレクションがオススメですね。

 本体のパーツ分割ですが、上下分割だったHGに対して、コレクションでは左右に分割。上面の面構成のシャープさでは負けますが、側面ディテールの仕上がりが良くなっています。こうして比べてみると、HGとコレクション、それぞれ相手に無い良さを持っていて、ライバルともペアとも言える関係に思えてきますね。



 ここはやはり両方買って、並べて比べていっしょに遊んでしまうのが良いでしょう。という事で今回のバカ芸でありますが(常設コーナー化しないように!)、2つのシルエットを友情パワーで合体させてしまうのであります。エクスカリバー連結部の規格や本体幅が同じ事を利用して、簡単に連結出来ますよ。つまり2機あれば実物でも可能?ビームブーメランを握らせてインパルスを乗せれば、サブフライトシステムっぽくて良い感じですよ。2倍の推力で体当たり攻撃されたら、斬れるのなんの。ただしこの形態でミネルバに着艦するのは禁止ね。(笑)

   2005.3.12  健 竹史


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