健さんの
プラモコラム

その131
 
1/100 カオスガンダムの巻

( 1/100 カオスガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X24S カオスガンダム
「ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 イージスの時には特に意識しなかったんですが、MAに変形する1/100キットって、けっこう貴重な存在の様な気がします。ガンダムタイプの変形はMAというより戦闘機が多いですもんね。1/100エピオンイージスと、これで3体目でしょうか?(企画中だったアシュタロンは欲しかったなぁ。)では、デカくてかわいいビグロもどき君を堪能して参りましょう。



 頭部は、HGとほぼ同じパーツ構成。目の部分もマスクと一体で、色分けはシールで対応しています。アンテナは変形時に折りたたみが可能。プラ製と軟質樹脂製の2種類が付属し、好みで選んで組み立てます。せっかく閉じるんだから、真剣白刃取りでもやってくれないかなぁ(笑)。

 ボディです。緑のウエストをダークブルーの胸パーツでハサミ込み。赤い部分は、ダクトだけでなくエリ前のラインも別パーツ化されました。エリ・ウエストの下半分・ハッチのグレー部分をハメ込み、胸正面の黄色いパーツ(これもカメラ?)を取り付けます。背中側にはポリキャップが仕込んであり、機動兵装ポッド取付け用アームを後からハメ込む様になっています。(別武装のバリエーションを考えてみるのも楽しそうですねぇ。)は前後に動かす事が可能。首の位置調整を変形に利用している機体が多いので、このままスタンダードになるんでしょうね。



 です。フロントスカートは左右独立して可動。サイドスカートは赤いサーベルホルダーが別パーツになりました。これは色分けだけでなく、保持力の点でもHGより優れています。U字形のワンパーツなので、ハメ込みキツさに頼っていないんですね。フンドシ下面にはスラスターパーツを取付けます。ここはHGでも別パーツ化されていましたが、サイズが大きくなった分、MA時には、より目立つポイントになってきた感じ。塗装派の人は、内側を塗ってやると良いでしょう。

 です。モモの上面には四角い穴が開けてあるんですが、MA時にはここをリアスカート内側の突起でロックしてやり、重量を支える仕組みになっています。ヒザ関節は後ハメが可能。MS時のスネに接着ラインがほとんど出ないデザインでもありますし、スネ側だけでもハサミ込み式にしてやった方が、関節保持力がより高くなったんじゃないかな?なんて思うんですが、どうでしょうか?

今回もこのポーズを取らせてみました。HGほどは安定してくれませんが、このスケールの重量にツメの保持力が負けない事に驚きます。

 スネ前面の展開部分はHGでは裏側が肉抜きされていましたが、今回はツメパーツをハサミ込む(後ハメも可能です)左右分割の構成で、裏面まで詰まった仕上がりになりました。ダークブルーの色分けも、前面だけでなく裏面までカバーしてさらに充実。クローの根元の可動パーツにはABSを使用しています。このダークブルーの裏面パーツ(D18)をスネ完成後に差し込む事が出来れば、クローユニット全体を後ハメ出来そうなんですけど、あと一歩の所で無理みたいですね。スネ後部のスラスターは、ポリキャップで可動します。

 足首は、HGでは一体だったツマ先とカカトの足裏を別パーツ化。土踏まずの色分けがさらに徹底しました。カカトは下から差し込む組立で、HGでは上側が空洞になっていましたが、今回はここを塞ぐパーツが用意され、スキの無い設計になっています。足首関節は二重関節ですが、スネ側の可動部をMA時の位置に固定するロックが付いています。



 肩アーマーは、肩ブロックを前後からハサミ込む、HGと同様の構成。内側のハメ込みピンが丸見えなのも同様ですが、サイズが大きくなった分、ピンは隠れて若干目立ちにくくなっています。

 です。ヒジの上でヒネる分割やソデ部分の色分けの再現など、パーツ構成はHGとほとんど変わりません。違いと言えば、前腕のハードポイントにポリキャップが内蔵された事くらいでしょうか。ただし外観はHGの拡大版ではなく、より設定に近くなった印象です。サイズが大きくなってポリキャップのスペースに影響されにくくなったため、ヒジに向かってすぼまった前腕のシルエットが強調されました。緑のソデ部分のも、HGより広くなっています。

 手首は、左右の穴開きゲンコツと、ライフル用の右手が付属します。

 バックパックです。MAの機首は背中のエンジンにアームで接続されていて、HGと同じ仕組みで移動します。機首の下面はポリキャップで開閉、頭部を(半分)収納可能です。



 機首の形状もHGの単純なサイズアップではなく、新規に設計された物になっています。ホホの所で大きく折れ曲がり、鼻先がツンと上を向いていて、より動物っぽい感じがします。頭部の収納スペースを確保するためのアレンジ(設定にはHGの方が近い?)かと思いますが、どちらも魅力的なツラ構え。スケールごとに違う表情が楽しめます。パネルラインの表現は、HGが段差を多用しているのに対して1/100では全てスジ彫り。面が単調なので、大きな顔がより大きく感じますね。そうそうコイツの顔、カワハギ(魚)に似てるんですよ。ツノも付いてますし。

 リアスカートは背部エンジンに接続してあり、ポリキャップで可動します。ほとんど動かないデザインでは有りますが、MA時にはスカート裏の突起でモモをロックするので、ブラブラしない方が良い訳です。

 武装です。MA−BAR721高エネルギービームライフルは、左右貼り合わせの本体に上からカバーを被せる構成。カバーはスライド金型でワンパーツ成形されています。HGに比べてカバー上面に丸みが有り、センサー部分の幅も増しました。見栄えは、かなり良くなってると思います。

 MMI−RG30巡航機動防盾は、中央の黄色い部分まで色分けされました。グリップと腕へのジョイントピンは一体で、ピンを倒すとグリップが起き上がる仕組み。丸棒のグリップなので持たせるとグラついてしまいますが、後端を肩アーマーに引っ掛けて安定させるとか、ポーズを付ける際に工夫してみましょう。ピクウス76ミリ機関砲の前方のエグレが自然だったり、盾の先端が長く伸びた形になっていたりと、HGとは大きく印象が異なります。

HGの機動防盾(上)との比較。並べてみると、かなり印象が違います。

 EQFU−5X機動兵装ポッドは、MS本体への着脱が可能。保持用のアームは若干可動します。AGM141ファイヤーフライ誘導ミサイルは、HGでは付け替え式だったフタがヒンジで開閉する様になりました。MA−81Rビーム突撃砲は、後部のノズルを押すと砲身が押し出される仕組みです。こちらはHGと同じですね。3枚の安定翼は、なんとなく足のツメに似ていますね。ここからもビーム刃が出てきたらいいなぁ。(劇中で使われると、MG化の可能性が高まったりして。)ポッド表面には縦にもパネルラインのスジ彫りが追加されました。



 MA−M941ヴァジュラビームサーベルは、腰のサーベルホルダーから取り外し可能。クリアーのビーム刃が付属します。

 MA−MX434ビームクロウは、それぞれのツメの厚み部分にスライド金型で穴が開けてあり、ビーム刃を取付ける事が出来ます。ビーム刃はヒザのツメ用ツマ先のツメ用で形が異なりますが、差し込み部分の形状を変えてあるので間違う事はありません。主にMA時に使う装備の様ですが、MS時に展開するのも迫力ありますよ。手にもサーベルを持たせれば、イージスを上回る最大6本のビーム刃を同時使用する事に。うまく使わないと「切腹!」しそうですけどね。(笑)



 オデコに隠れたMGX−2235Bカリドゥス改複相ビーム砲は、HGと同様にオデコパーツを取り外して発射状態を再現します。今回は砲口が別パーツ化されているので、色分けされている上にモールドがシャープになりました。

 HGでは頭部を外す必要が有ったMA形態への変形ですが、今回は完全変形が可能。アンテナを閉じて頭部を180度回転、機首下面のフタを開いて顔面側だけ収納します。これは頭部全体を収納するよりもスペース的に楽ですし、「機能優先の兵器が、なぜ外観を整えるために頭を隠すんだろう?」という不自然さも軽減してくれて、案外優れたアイデアかも。デリケートなマスクは隠して保護し、クローで仕留めるべき下方の敵は、後頭部カメラでしっかり捉えています。(カオスって、後頭部カメラの付き方がMA時に適した配置になってるんですよ。)

頭部の収納は、こんな感じです。ふと思ったんですが、頭部を取り外して変形するHGカオスには、交換用の頭部パーツを用意してやっても良いでしょう。顔面側を削り取り、機首にフィットする様な後頭部だけのパーツを自作する訳です。こんな時には、安価なパーツ取り用キットとしてコレクションシリーズが重宝しますね。(良い子のみんなには薦めづらいですけどね・・・余ったパーツも取っておいて、改造等に利用しましょう。)

 前傾姿勢の重量を支えるコツは、ヒザを思いっきり逆関節に曲げ、「これ以上曲がらない状態」にしてやる事ですね。足首関節は、カカト付近のロック機構で固定される位置までピンと伸ばしてやります。モモをリアスカート裏の突起でロックする機構も有りますが、股関節の保持力は結構強く、ロックが絶対必要という程でもない感じです。細かい所ですが、自由に動くフロントスカートは、より自然なポジションに調整してやると良いでしょう。1軸で左右揃ってでないと動かせないHGとの差が現れる部分です。スネのスラスターも、ぜひ後ろに向けてやりましょう。

 ところでカオスのデュートリオンビーム受信器は、オデコ以外の部分に付いてるんでしょうかね?機動兵装ポッドをガンガン飛ばして攻撃したい所ですが、量子通信はかなりのエネルギーを消費するそうなので、バッテリー残量が気になります。もしオデコが受信器だった場合、MA時に隠してしまうのは充電の妨げになりますからね。



 オマケにスティング・オークレー君のキャラクタープレートが付属します。「その126 1/100インパルスガンダムの巻」で予想した通り、スタンドの成形色はカオス本体色の緑でした。イラストの左足が隠れてしまわない様に、端に寄せてセットしてやると良いでしょう。
 
 組立時間は1時間30分でした。1/100恒例の追加ディテールや充実した色分けによる完成度の高さももちろん良いですが、HGを単純にサイズアップしただけではない丁寧な設計がポイント高いです。縦にも横にも前後にも大きいMA形態のボリューム感も魅力的。まぁ、どっちを買えばいいのかな?と聞かれれば「両方」なんですけども。MAを2体並べると、鳥の親子みたいでイイ感じですよ。手や武器が目立つと鳥っぽくないので、腕を後ろに向けると、一段とほのぼのしますよ。あー、早く犬の親子が見たいなぁ。(笑)




おまけ

  HGカオスを引っ張り出してきた所で、ネタをもう一つ。1/100の機動兵装ポッドは、レールに多少のガタは有るものの、HGカオスに装備可能です。ポッドを4つ装備した戦闘性能実証型MA(ホビージャパン2005年3月号・プロトカオス)も発表された所で、お手軽に重装備型はいかがでしょうか?

 「うわっ、デカい!」と思うのも最初だけ。すぐに目が慣れてしまうのがSEEDシリーズMSの恐ろしい・・・いやいや素晴らしい所なんですが。(笑)










2005.2.3  健 竹史

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