健さんの
プラモコラム

その129
 
HG ガイアガンダムの巻
( HG ガイアガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X88S ガイアガンダム
「ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 ガンダムの顔ゾイドの体名前はウルトラマンという、なんとも強そうなMSが、ついにHGで登場であります。「すばらしい!土曜日夕方の時間枠の魂が形になった様だ。」ついでに「鋼の錬金術師」の要素も入ってたら完璧だったのになぁ。あー、ステラ役の声優さんが出てましたっけ。では、本題に移りましょうか。



 頭部は、目とアゴを赤で成形、紫のマスクは別パーツ化してあります。MMI−GAU25A 20ミリ機関砲は真正面に向いているんですね。斜め下に向けてある機体が多い中、こいつだけ正面向きというのは、やはり地上戦を意識してるって事でしょうか。そう思って見ると、頭頂部カメラカバーは斜め上の視界をさえぎらない様にデザインされています。これも上空警戒に適した、地上用MSならではの設計と言えるかも知れません。

 ボディは、ウエストを胸パーツで前後からハサミ込む組立ですが、肩上スラスターの取り付け面を避けて分割してあるので、上面に接着ラインが通らない構成になっています。肩上のスラスターと胸のダクトは別パーツ化。は今回も前後可動が可能です。



 は、フロントスカートの無いデザイン。サーベルホルダーを兼ねたサイドスカートは可動式。リアスカートの中央には切り欠きがあり、フンドシから生えた尻尾が上下に可動します。

 です。モモ上部にはフロントスカートの代わりにカバーが付いています。上から被せる方式で、ワンパーツ成形されているのが嬉しいですね。ヒザは、逆関節に曲がる都合でヒザアーマーの付かないデザイン。二重関節になっていますが、上側の関節は外観を重視したためかスキを少なめにしてあり、前には曲がらない構造になっています。干渉部分を削れば前にも曲がる様になってくれそうですが、ポリキャップが見えてしまうかも知れませんね。ヒザ関節のスキマからモモの中が見えない様、仕切りが入っているのが良いですね。MA形態の時、丸見えになりません。

 足首カバーはワンパーツ成形。押し広げておいてからスネの下端にハメ込みます。足首は、MA形態ではカカトが後方へ移動します。ツマ先カカトはワンパーツ成形。履かせる様に差し込んで組み立てるんですが、足裏も含めて、どの面もシャープに仕上がってますね。



 肩アーマーは、側面をカバーするプレート状のアーマーです。裏面は補強の様なラインを残して肉抜きされていますが、正面にスラスターが有る事を考えると、エポキシパテ等で埋めてやるのが良いと思われます。(機体が黒いので、カラーの設定画だと細部が見えにくいんですが、裏面のディテールは無さそうです。)スラスターの内部は、黒いアーマー本体が露出する形で色分けされています。

 です。上腕はモモと同じ構成で、やはり上からカバーを被せてあるデザイン。キットでは肩ブロックと一体ですけどね。上面には可動のための切り欠きが有って、中のポリキャップが丸見えですが、ヒジ関節の様な関節カバーが付属しても良かったかも知れませんね。上腕は前側のほとんど全部が切り欠いてあり、上腕とヒジの区別が付かないデザインが独特。犬の体型に合わせた結果でしょうか?前腕はMS形態とMA形態の物が付属、両形態を差し替えで再現します。

もしガイガンダムが強奪されず、本来のスタッフによって運用されていたら、きっとインパルスと同じ、こんなポーズで発進していたんじゃないかなー?なんて思うのであります。(そんなワケないでしょ!)
そう言えば昔飼ってた犬が、こんなポーズで寝そべっていたなぁ・・・。

 前足・・・いや、手首は左右とも穴開きゲンコツが付属します。今回はシールドも握って持たせるため、手の甲を外して装備を持ち替える回数は、結構多いですよ。

 バックパックは、中央にMA形態の頭、その左右に武装ユニットが配置されたデザインです。MAの頭は首の部分がボールジョイントで可動、うなづく方向には軸可動で大きく動きます。左右のユニットの上部(MAでの前部)にはMA−81Rビーム突撃砲を装備。砲身をハサミ込むのではなく、色分け部分を利用して内側からセットする組立で、ユニットには接着ラインが出てきません。ビームブレイドの基部はABSのジョイントパーツを仕込んであり、ビームブレイドを組み終わってから取り付ける手順です。

「百鬼夜行をブッた斬るッ!」首の可動がイマイチ伝わりにくいので、こんな写真を撮ってみました。ボス、すみません。

 武装です。MA−BAR71XE高エネルギービームライフルは、左右分割と銃口の3パーツ構成。グレーのABSで成形されていますが、色指定としてはパープルがメインですよね。パープルはプラスチックのランナーですし、こっちに含めて欲しかったという人も少なくないかも。肩にマウントするジョイント部の磨耗に配慮した措置だと思われます。突起部分だけ別パーツ化して内側から仕込み、全体はパープルで成形するという方法もアリだったかな?なんて思うのはワガママでしょうか。

 MMI−RS1機動防盾は、2枚張り合わせで裏面もしっかり再現。今期のシールドはどれも厚いですね。グリップのスライドレールが斜めなのは、表面パーツの裏にモールドした結果に過ぎないんでしょうけど、立体映えしてなかなかカッコイイですね。腕にマウントする機構は無く、グリップを手に持たせて装備します。丸いグリップなので持つ角度の調整でき、色んなポーズが決まります。今のところガタつきも無い様ですね。



 MA−M941ヴァジュラビームサーベルは、サイドスカートに接続するための突起が付いていますが、突起はゲンコツの中に完全に隠れる様に持たせられるので問題ないでしょう。念願のクリアーのビーム刃は2本付属。インパルス君カオス君は、今後刃を貸してもらう事になると思うので感謝する様に!劇中でインパルスに斬り倒された敵も、一言言ってやればいいんです。そのモビルスーツの性能で勝ったのではない!ガイアガンダムに借りたビーム刃のおかげで勝ったのだ!」とかね。・・・なんて思ってたら、ザムザザーを出撃させた指揮官、ランバ・ラルの声の人じゃないですか。(笑)

 MR−Q17Xグリフォン2ビームブレイドは、可動式のウイング(姿勢制御翼)の前にビーム刃を形成する装備。起き上がり、横に展開する2軸可動が可能です。後部がスラスターになってるので、MS時にもある程度動かして構わないんじゃないかと思いますね。キットでは2枚貼り合せではなく、厚みをコの字に成形、後ろをスラスターで塞ぐ構成で、接着ラインが気になりません。ビーム刃はクリアー成形の物が付属。ハメ込み部分に対しての長さも、丁度良い感じです。



 MAへの変形です。頭部を回転させて後ろ向きにして、背中にある犬の頭をアームで前方に移動させてやります。シールドはグリップを外して倒れた状態の物に交換、これがフンドシへ固定するためのジョイントになっています。前腕をヒジ関節カバーごと取り外し、MA時専用の物と取替えます。MA時のヒジにはポリキャップは使われておらず、ヒジ関節を前腕でハサミ込む構成。まぁヒジパーツはABSですし、ポリキャップが見えるよりも良い判断かも知れませんね。前腕の裏面に、収納された手首がモールドされてるのが芸コマです。

 カカトを移動させたらヒザを逆に曲げて4本足で立たせ、ビームライフルを右肩アーマーに固定して完成です。人型MSの脚と動物の後脚を兼用してるんで、なかなかツライ所もありますが、長いサイドスカートがモモの辺りを隠してくれるので、あまり気になりませんね。この辺がムキ出しだったギャレオン(ガオガイガー)よりも上手い処理だと思います。・・・そう、この変形、ガイガーと同じなんですよね。スパロボは獣の頭を堂々と胸のシンボルにして、ガンダムは照れがあるのか背中に隠す・・・その辺が違いですかね(笑)。



 バクゥと比べるとスリムで頭が小さくて、あちこち尖ってて、なかなか攻撃的なスタイルでカッコイイですね。まぁバクゥはカワイイ所が魅力なんですけど。尻尾が付いているのも大きな違い。「ここまで動物に似せなくても」という意見もあるでしょうが、動物の尻尾だって無駄に付いてる訳じゃないでしょうし、「バクゥよりも機敏なためスタビライザーを必要とした」という解釈も可能でしょう。不満は・・・MAでなく「犬型モビルスーツ」に分類して欲しかった事ですかね。

 ところで犬の前足は、MSの時にもどんどん使ったら良いんじゃないかなー?なんて思うんですが、どうでしょう。「デリケートな指で敵のボディを殴っても、指の方が壊れるのでは?」なんて意見は昔からありまして、レイズナーの頃には(強化目的も有ると思いますが)拳をガードする「ナックルショット」なんて装備も出てきましたね。ガイアガンダムは、格闘時には犬の前足で殴れば良いんですよ。最終決戦で、いきなり隠しツメ(内蔵式対装甲ナイフ)なんかが生えてきたら最高なんですけど。・・・とか妄想しつつ、とりあえず今は「お手」なんかさせて遊ぶと和やかで良いですよ。

ザクウォーリアの平手は、このために付いていたのです・・・・多分。

 組立時間は1時間10分でした。細身のプロポーションが面白く、またMSとMAの両方でポーズ付けが楽しめる、なかなか楽しいキットです。MAは後脚があまり大胆には動かないので、そんなに期待してなかったんですが、ビームブレイドが大きく動いて印象が変わりますね。今後動物系の変形MSが登場する事があれば、背中に大きく動く装備を付けるのは有効だろうと思います。

 サイズの都合で残念だった手首の変形は1/100に期待ですね。ガイアで完全変形が実現すれば、いずれはMGイージスなんかにも反映されたりしちゃったりして・・・。

馬鹿なオリジナル変形をさせてみるのも可変キットの楽しみの一つ。今回は脚を背中に畳んで、なんちゃってハンブラビをデッチ上げてみました。長い機首、長いサイドスカート、翼と尻尾、ランディングギアになる腕、両肩のビーム砲と、ハンブラビの要素がちゃんと揃ってるのにビックリ。


 おまけ

 コレクションシリーズのガイアガンダムを軽く紹介しておきましょう。頭部はマスクを別パーツ化。いつもながら、ダブルボールジョイントで大きく動きます。ボディは胸からフンドシまで一体の前後分割。真ん中にウエストをハサミ込んで組立てます。ウエストの後ろの面は背中パーツの一部になっているため、黒で成形されていますが、ほとんどバックパックで隠れてしまうので、あまり気になりませんね。むしろウエスト横に接着ラインが出ない事が嬉しかったりします。



 フンドシ正面上のスラスター(?)は、シールド取付け用の穴になっています。は、モモ上部カバーと一体成形のため、カバーとモモの境い目の形状が崩れて、設定にない段差が出来てしまっています。設定通りに整形してやるのも良いですが、この段差を活かして完成させてしまうのもテでしょうね。無改造・無修正がモットーの、説明書の完成見本で見ても、設定と比べなければデザインの一部と思ってしまうほど。って言うか、HGよりも複雑に動きそうでカッコイイくらいです。



 足首カバーはスネと一体、足首はワンパーツです。はグリップではなくピンでシールドを装備させるため、左腕にのみ取付け穴を開けてあります。肩アーマーは右肩にのみライフル取付け穴を設置。左肩は穴ではなく、浅いモールドで表現されています。未使用のハードポイントは閉じている、と解釈すれば、こっちの方がカッコイイかも。分割が少なめで省略が多くても、この辺がディスプレイモデルっぽくて好きなんですよね。背中はビームブレイド、ビーム突撃銃、MAのツノを色分け。ビームブレイドはビームを展開していない状態を再現してあります。ブレイドの後ろ側は肉抜きされていますが、スラスター部分だけは別パーツ化され、省かず再現されています。



 武装はMA−BAR71XE高エネルギービームライフルMMI−RS1機動防盾(シールド)が付属。ライフルはHGに比べて薄く、マズル部分が小さめですが、もともと大きめのデザインのため、なかなかの迫力。シールドは裏側にも膨らみのあるデザインですが、ワンパーツのため表面のみの再現となっています。



 MAへの変形は、前足がゲンコツのままの簡易変形となっています。シールドを腹部に取付け、ビームライフルを右肩にマウント。MSの頭部を後ろ向きに回転させ、MAの頭部は一旦外し、位置を変えて付け直します。あとは四つん這いのポーズにして完成。腕立て伏せの様にも見えますが・・・あくまでオマケ的なプレイバリューって事で。そうは言っても、ワンパーツ成形の犬の頭は上面に接着ラインが無く、いわゆるバンダイエッジの影響を受けずに、HG以上の美しい出来栄えですし、裏面が空洞のためMSの頭の密着具合も良好です。上級者はツノを薄くしてやると、さらにカッコ良くなるでしょうね。ビームブレイドや尻尾は一応固定式ですが、ガタつきを利用して若干の可動が可能です。

 組立時間は15分でした。カラフルでも無いし変形も中途半端だし・・・と、高く評価しない方の話を耳にしますが、フフフ、それは歪んだ情報です(byアヴドゥル)。ポリキャップを仕込んで無いため、上腕・モモ・スネ・足首・ツマ先・カカトがHGよりも格段に細く造形されていて、女性の乗機である事を改めて認識させてくれます。(ノーベルガンダム以来でしたっけ?外観も女性っぽいガンダムは。)特にカカトは別モノの印象ですね。サイドスカートが腰ではなくモモに取り付けられているため、ウエスト左右にポリキャップを仕込むコブが無く、細いウエストと太モモの対比が一層際立ち、とても美しいシルエット。



 その127 HGカオスガンダムの巻でも提案しましたが、ぜひMA形態に変形させたHGの隣に、コレクションガイアを並べてみて下さい。サイドスカートがモモに付いている事と肩がボール可動する事で、アーマーが後ろに傾いて、立ち姿がとてもキレイです。素立ちで飾るならコレクション。スリムさがウリのガイアの場合は特に、比較用モデルに留まらない魅力がありますよ。

2005.1.18  健 竹史

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MIA ガイアガンダム
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