健さんの
プラモコラム

その128
 
1/60フォースインパルス
         ガンダム
の巻

( 1/60 フォースインパルスガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X56S/α フォースインパルスガンダム
「ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 年末1時間スペシャルではインパルスが大活躍と聞いて、遅れずに放送が見られる実家に帰ってきました。ピンチと逆転で、インパルスの運用法をしっかり見せてくれましたね。1/60の発売まで出し惜しみしてたんじゃないの?と思うくらいのアピールぶりに、もう大満足!「効率のいいシステム」ってのは、毎週合体シーンが使い回せて効率がいいとか、決してそんな意味じゃなかったんですね(笑)。では「やっぱ1週遅れってのはソンしてるよなー」という念を込めつつ、キットに目を通していきましょう。 



 頭部は、ヘルメットとマスクが別パーツ化され、目と頭頂部カメラには黄緑色のクリアーパーツを採用。サイズが上がるごとに充実したパーツ分割になっていきますね。さらに、後頭部カメラ付近のカバーを取り外せば、頭上からの光を取り込んでカメラが光って見えるという、面白い試みが盛り込まれています。シールは目の周囲だけ貼る物と、目を完全に覆う物の2種類を用意。採光ギミックを廃して1/60フリーダム等に近い仕上がりにする事も出来ます。採光ギミックに興味のない人にとっても、後頭部カメラカバーが外れるという構成は、塗装の時に重宝すると思いますよ。

後頭部カメラカバーを外した状態。コアスプレンダーの横にあるのが、取り外したカバーです。

 ボディは、変形用の肩関節の引き出し、の前後可動といった、これまでと同様のギミックを内蔵。後にソードブラストを発売する時の用意だと思いますが、胸やウエストの装甲を内部フレームに被せる構成になっていて、サイズの大きいMGを組んでいる様な印象。胸部ダクトや、その後ろの配管まで別パーツ化されています。

 背面左右のシルエット着脱ジョイントにはポリキャップを内蔵。コアスプレンダーが合体する背中のクボミには、適度にメカパーツが露出するデザインになっています。コアスプレンダー機首の穴に対応する位置に、コネクターらしい表現が有るのが芸コマですね。ボディ外装は胸のV字マークまで色分け。胸正面の水色の部分には半透明のパーツを採用しています。腹部のハッチは開閉可能。ポリキャップを仕込むスペースの都合でインナーハッチは小さめの表現になっていますが、ちゃんと作ってあるのが嬉しいですね。



 ウエストは左右回転が可能。1/100と同じ部分に合体保持用のポリキャップを内蔵してあり、上半身とピンで合体する方式も共通です。ポリキャップが露出せず、分離時の見栄えは1/100よりも良くなっていますが、開閉ギミックのためにハッチ部分に厚みが必要だったため、ウエストパーツ正面は一段引っ込んだ様な形状にアレンジされています。

 です。フロントスカートは左右独立して可動、サイドスカートは開閉式で、フォールディングレイザーが収納されています。サイドスカートのフタには開きやすい様にツメが付いているんですが、半没式のため、あまり役に立ってくれません。フタの下の方を押すか、フタをセロテープで引っ張って開くと良いでしょう。サイドスカートの前後には大きな三角の段差が有るハズなんですが、今回はなぜか忘・・・省略されています。



 フロントスカートの下端は半透明のパーツで、内部メカが透けて見えるという面白い処理になっています。ここは実機も半透明だと解釈しても良いでしょうし、模型的な遊びだと解釈しても良いでしょうね。その昔、1/100ウォーカーマシン・プロメウスタイプにもクリアーパーツの外装が採用された事がありましたっけ。あれと同じで、好みによっては塗装して不透明にしてしまっても構わない類の物だろうと思います。同じ半透明パーツは、肩のスラスターにも採用されています。

 は、今回も1/100と同様、ハサミ込み式のヒザ関節。スネ後部のスラスターもハサミ込みです。ヒザ横(フクラハギ上部)の青い部分は完成後もパーツを着脱でき、内部メカを見る事が出来ます。この内部メカの凸凹が、ヒザ関節の内側からも見えてしまうのが気になる人もおられるでしょうが、いっそ内側もメカっぽく塗ってしまうのも良いかも知れませんよ。スキマにゴチャメカを詰め込んで、さらに密度を上げてやれば、「パーツの裏側」っぽさも解消出来るんじゃないかと思います。



 ヒザアーマーは正面からハメ込む単独のパーツになり、1/100よりも分割が充実しました。スネ側面のダクトは、1/100では凸モールドで表現されていましたが、今回は凹モールド。表現としては1/100が好みなんですが、ボクはダクト前部のクボんだ部分が、フタ(防弾シャッター?)として起き上がってくるんじゃないか?と勝手に思い込んでいるので、スジモールドがフタと重ならない1/60の処理の方を支持したいなぁ、なんて思ってます。(メカ音痴の想像なんですけどね。)

 足首関節は今回もやはり二重関節なんですが、スネ側での左右スイングは出来ない様になっています。やはり重量の事を考えると、大きく開脚させるのは心配ですもんね。足首カバーは、1/100と同様に分割ラインを段差としてデザイン的に処理してあり、目立ちにくくなっています。



 足首です。足裏は1/60ストライク等と同様にグレーで成形。ツマ先をたたむ変形機構は、外装と無関係な所がストッパーになっているので、閉じた足裏と土踏まずの間に適度なクリアランスが残り、HGや1/100よりもそれらしい感じがしますね。クツとカカトの赤いパーツは着脱可能で、内部にはメカニックが再現されています。MGガンダム4号機&5号機に似た内部構成ですね。クルブシ周辺にもディテールが追加されています。



 肩アーマーは、上腕を前後からハサミ込む組立て。前後の白いラインと兼用の内部メカパーツに、青い外装を貼り付ける構成です。2枚のパーツが重なる事で肩アーマーの厚みも表現できており、見栄えは良いと思います。ヒザ関節よりも目立つ部分であるためか、内部メカの凹凸が肩アーマー内側の見栄えに影響しない程度に抑えてあるのも良いですね。パーツ構成の都合で、前後の白いラインがつながってしまっていますが、「賢明の読者諸君はお気付きの理由」により、ここを設定通りに塗り分けてしまうのは避けた方が無難でしょう(笑)。

 です。上腕の構成はHGや1/100と大差ありませんが、ヒジ関節上のヒネれるパーツのフチが、装甲の厚みを意識した表現になっているのが芸コマ。ちょっとした事ですが、このキットは「スキマ」とか「厚み」の表現が丁寧な部分が多い気がしますね。逆にヒジと前腕のスキマは広すぎて中の空洞が見えてしまっているので、前腕の内側にメカっぽいパーツを貼ってスキマを埋めてやると良いかも。前腕のハードポイントにはポリキャップを内蔵。周辺にはメカっぽいディテールを追加してあります。



 手首は、1/60恒例の可動指タイプを採用。手のひらにはおなじみのスリットが有り、ビームライフル側のジョイントと連結出来る様になっています。

 バックパックは、コアスプレンダーを変形させてセットします。中央にシルエット合体用の反転式ジョイントが有る等、仕組みは1/100にそっくりですが、たたんだ主翼の形なんかは、やや異なった印象ですね。1/100では主翼表面のスジ彫りが、ほとんど機体に隠れて見えなくなってしまうんですが、1/60では適度に露出していて、翼である事が視覚的に伝わりやすくて良いと思います。この点で設定に一番近いのはHGかな?どのキットもウエスト回転やライフルのマウントとの兼ね合いで、主翼はやや短めにまとめられている様です。



 コアスプレンダーは、機首や主翼の可動部にポリキャップを使用。開閉式のキャノピーは頭頂部カメラ等と同じ黄緑色のクリアーパーツが使われています。コクピット内部にはシンちゃんも座っていますが、例によってポーズが硬いですね。フィギュアを一体成形する都合なのは分かりますが、手をヒザの上ではなく、ヒザの横に置けば、もうちょっと自然に見えるかも?・・・と思って手持ちのゾイドを調べてみたら、そんなポーズになってました。MGにも採用して欲しいなぁ。



 MSへの合体です。下半身とコアスプレンダーの接続は、やはりカナード(機首横の小ウイング)をジョイントに使っています。上半身との接続は、コクピット上の凹凸のみ。サイズを考えると、もうちょっと頑丈な仕組みでも良かったかも知れませんね。この様なハメ合いキツさを利用した接続方法だと、子供が仕組みを理解しないままコアスプレンダーを背中から引き抜こうとしたりすると、カナードに負担がかかって破損する事もあるんじゃないかと思うんですね。何かディテールに見せかけて、機首と機体の間のスキマ(コアブロック上部)を押さえる突起か何かを追加しても良かったかと思います。



 続いて分離形態を。チェストフライヤーは、肩アーマーをヒネるため、白い部分の配色が設定と異なるのが、MS時よりも目立つ感じです。肩関節にはラチェットが付いていて、変形位置でロックされるといった、大型モデルならではの配慮がなされています。定位置に収まる様、確実に変形させましょう。指が可動するので、左手で顔を被い隠す「照れ屋インパルス」とか、左手でヒジを押さえる「電気が走ったインパルス」とか、右手を指差しポーズにした「あっちに飛びたいインパルス」等のバリエーションを楽しんでも良いでしょう。(笑)



 レッグフライヤーは、ヒザ関節に1/100の様なラチェットは無く、めいっぱい曲げた所が変形位置になる様に設計されています。フロントスカート裏にはディテールが施してあり、特に見えやすい水色パーツの裏側には厚みも有りますから、かなり見栄えは良くなっています。ヒザアーマーがワンパーツ化された事で、フチの仕上がりも良いですね。ヒザアーマー裏には特にディテールは入っていませんが、周りがちゃんと外装っぽく出来ているので、手を加えたくなる人も少なくないのでは?



 フォースシルエットは、6枚のウイング全てが2枚貼り合わせ式。厚みの変化を再現してあり、空力的な説得力も感じられます。赤と黒の色分けも再現。グレーのメインスラスターの内側には黒を配置(露出した本体パーツの一部)してある点などは、塗装派にも嬉しい分割ですね。主翼と垂直翼は垂れ気味に折り畳む事が可能、下のウイング(スラスター)はボールジョイントで可動します。

 着脱用のジョイントはL字ではなく、ピン1本のタイプになりました。ポリキャップで回転し、シルエット内から起こして使用します。でもボクはジョイントを使用せず、背面左右の取付け穴だけで装備させています。フォースシルエットの重量をコアスプレンダーに支えさせるのは、下半身にセットしたカナードに負荷をかけてる様な気がするもので。・・・まぁコアスプレンダーとシルエットとのジョイントはユルユルに設計してあって、取付け位置ガイドでしかないので心配いらないかも知れませんけどね。ん?ここがユルユルだったら「なんちゃってコアブースター」に合体できないではないですか!困った・・・(笑)



 武装です。MA−BAR72高エネルギービームライフルは、センサーの可動や腰後部へのマウントといった、1/100と同様のギミックを再現。パーツ分割もほぼ同等ですが、グリップには手のひらに接続するための可動式ジョイントが仕込んであります。ジョイントの規格は1/60ストライク等と同等なので、互いのライフルを交換する事も可能。って言うよりも、ソードやランチャーの武装を持たせる事が出来るのです。残りのシルエットが発売されたら、ストライクにも持たせられるハズ?!ですよね。

 MMI−RG59V機動防盾(シールド)は、設定通りのスライド展開が可能。上下スライド部はロック機構で展開位置を保持、左右の張り出しはギアで連動します。(まぁ、両方をしっかり持って動かした方が良いですけどね。)内部のスライド機構と表面パーツを固定するツメは、そのまま追加ディテールとして活かされています。グリップは付け替えで倒した状態も再現可能。腕との接続アダプターは取付方向を選べるおなじみのタイプですが、肉厚に対してサイズが大きいので、シールドを付け替える時にはしっかり押さえておきましょう。

ザムザザーのエネルギー砲も防いだ機動防盾は、やっぱりフォビドゥンのゲシュマイディッヒパンツァーの様な機能が有るんでしょうか?シールド中央の磁場発生器(?)の周辺ディテールも再現されています。開いたコクピットハッチにも注目。

 MA−M941ヴァジュラビームサーベルは、フォースシルエットからの着脱が可能。使用時にはビームライフルと共通規格のジョイントを引き起こして、手のひらに接続してやります。もちろんクリアーのビーム刃が2本付属します。

 M71−AAKフォールディングレイザー対装甲ナイフは、サイドスカートのポケットから取り出し、展開する事が可能です。畳んだ状態では刃が完全に収納されているため、1/60ストライクのアーマーシュナイダーよりも展開しづらい感じですね、刃先をシールド先端の突起で・・・じゃなかった、ツマヨウジ等でつついて起こしてやると簡単ですよ。

フォールディングレイザーのサイズはこんな感じ。指が開くので「エイリアン2」の1シーンを再現してみました。(あぶないので真似せずに、プラモで再現しましょう。)

 毎回注目の説明書は、やはりフルカラー印刷で、常に開いておいて参照できるパーツリストも健在。おなじみのマンガ形式の組立ガイドも付いています。絵や内容は1/100インパルスと同じなんですが、ここもカラー印刷になってました。1/100の時は白黒だったんですけどね。ショウちゃんとゲキくんはフェイズシフトの人だったとは・・・。(それは違うと思うなぁ。)

 組立時間は2時間20分でした。内部メカニックが楽しめる簡易MG的な構成だけでなく、外観の細かい所も丁寧に作られた好キットだと感じました。いずれはパーツを細分化したMGも発売されるんじゃないかとは思いますが、パーツ数だけに頼らない、サイズを活かした精密感ってのも良い物ですからね。

 特にお気に入りはコクピット左右のウエスト合体部分。赤と白の装甲が密着せずにクサビ形のスキマが広がり、そのまま横に一周、適度なクリアランスが保たれています。HGや1/100では赤と白のパーツが密着するだけの合体なんですが、1/60では「入り込む」合体の表現。しかも装甲のスキマが「外装ではなく、中にあるメカニックで接合している」事を感じさせてくれます。MGには反映されるかな?



 今後の展開ですが、ストライクの時の様な全装備フルセットの発売が予定されているのか(ムムム?!)、今回付属しなかったシルエットフライヤーとシルエット2種の拡張キットでの発売となるのか(うんうん)、ソードインパルス、ブラストインパルスが個別に発売(ひぃ〜!)されるのか、まだまだ予想がつきません。

 外装が着脱可能な部分は、実はシルエット交換時に色の変わる部分だったりするので、着せ替え用の赤や緑の外装パーツを付属させて、インパルス本体は1体で済ませる方式も可能なハズ。なるべく安価にフルセットが揃う様にお願いしたいですね。


おまけ

 模型作りは火気厳禁&換気に注意という、冬の寒さが身にしみる道楽だったりする訳ですが・・・正月休みに、いいもの見つけてきました。スキーウェアであります。ホントは何万円もするんだと思いますが、リサイクルショップで5000円程度、さらに処分品コーナーにある物は1000円から2000円でした。これ、雪山でスポーツするための服装ですから、かなり暖かいですよ。上半身だけ暑がりのボクは、パンツだけ履いたりもしてます。作業の時に着る分には、デザインが流行遅れだとか、汚れが有るとかいうのは全く問題ないですから、処分品コーナーの物で十分だと思います。近くにリサイクルショップがある人は、一度探して見られると良いですよ。

2005.1.10  健 竹史



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