健さんの
プラモコラム

その124
 
HGザクウォーリアの巻

( 1/144 HG ザクウォーリア/ バンダイ/
ZGMF−1000 ザクウォーリア
「ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 ザクウォーリア(&ザクファントム)、大活躍ですね。ミネルバ所属のパイロットだけでなく、前作のキャラクターが何人も搭乗しているので、画面への露出度はインパルス以上。パーソナルカラーとか集団戦とか、量産機ならではの魅力は、良い子のみんなにも伝わっている事と思います。主人公より格上のパイロットも使ってるのは、リックディアスのイメージなのかな?では、キットを見ていきましょう。



 頭部は、動力パイプ、フェイス、モノアイシールド、ヘルメットの順に、に重ねる構成。接着ラインが全く現れないデザインです。モノアイはシールで再現。モノアイシールドが回転する事により、可動を再現しています。GAT−Xシリーズを凌ぐ性能との事ですが、後頭部にガンダム同様のカメラが有るのを見ると、妙に納得してしまいますね。はインパルス同様の二重関節で、かなり自由に動きます。

 ボディは、黒い胸板と白いダクト、薄緑の首を色分け。ヘルメットに覆われた頭部を、さらにガードするエリのデザインが良いですね。FZ以降の小顔のザクに、魅力と同時に若干の違和感を感じていたんですが、ヘルメットとエリが折り重なる事で、丁度良いサイズに思えてきます。防御力も高そうですし。エリがそのままバックパックへと繋がる丸みのあるラインは、ストライクの構造を引き継いだ感じ。背筋を伸ばした中にも前傾した印象を併せ持ち、なかなか魅力的なデザインです。マシーネンクリーガーのSAFSに似たラインかも。



 バックパックにはポリキャップを内蔵。これから発売されるであろう、各種ウィザード(追加装備)に対応しています。スラスターの配置もストライクと同じなんですね。オレンジの別パーツで成形されています。

 ウエストは、ボディにハサミ込むのではなく、腰の回転軸に通すだけで固定されない構成。通常の状態では左右回転のみ行えますが、引き出せば若干の前後スイングも可能になります。

 動力パイプはワキの下ではなく、ベルトの様に腰を1周するデザイン。ガナーウィザードを装備しても邪魔にならない配置ですね。キットでは腰上面のパーツと一体化していて、たいへん組みやすくなっています。



 です。フロントスカートは左右一体で可動。サイドスカートはポリパーツを使わず、動力パイプを軸に利用したヒンジで可動します。リアスカートは固定ですが、フンドシ後部の装甲はスライドして、必要な時だけビーム突撃銃用のハードポイントが露出します。スカート端のスラスターは、裏側から取り付ける方式で別パーツ化。どのパーツをどこに取り付けるのか迷わない様に、前後でハメ込み形状を変えてあって親切ですね。

 です。モモ側のヒザ関節は、可動軸を丸ピンにせず、Yの字状のピンの3点でポリ軸受けに接する様にしています。キツくなり過ぎない様に、という配慮でしょうか。関節と動力パイプの取付け位置が近いので、スペースを取らないポリキャップを選択したのかな?そんな風にも見えました。スネは、後部スラスター足首カバーが可動式。いずれもハサミ込みです。

 の可動は良好で、立てヒザポーズも楽々こなします。抜け止めの向きの関係で、立てヒザの時は動力パイプが外れやすくなるので注意しましょう。ヒザ関節の下に動力パイプが入り込んで干渉する事も良く有りますね。動力パイプがスネの奥まで入らない様に、裏側からプラ板でフタをしてやると良いと思います。

どこまでも入ってしまう動力パイプ。ヒザが抜けやすいなぁ、と感じる事があるんですが、入り込んだパイプの先端が、ヒザメカパーツに当たって押し出しているんじゃないかと想像してます。裏側からフタをして、仕切ってやると良いでしょう。

 足首は、HGではスタンダードな、パーツを縦に積み重ねる構成。ジンと同様の関節可動で若干の引き出しも出来、良く動きます。ツマ先とカカトの分割ラインは、「ここを外してスラスター等のメンテナンスを行うのかな?」なんて想像しています。足裏にある4つのの長円形は、必要時に突き出る様な仕組みのスベリ止めなのかな?よくある凹凸パターンとは、やや異なる印象を受けました。(他の設定をボクが知らないだけかも知れませんが。)

 肩アーマーは、左右とも上腕を前後からハサミ込む構成。左肩アーマーには、球体ポリキャップをハサミ込みます。この辺は、「ワンパーツで接着ラインも無いし、後ハメも出来るコレクションシリーズの方が好みだなぁ」なんて人もいるかも知れませんね。

 ところで今回、宇宙世紀のザクとはスパイクアーマーシールドの位置関係が左右逆になりましたね。銃を持たない左腕にシールドを装備した方が自然だろう、という判断でしょうか。ショルダータックルも銃を持たない方の肩で行うのが自然、ついでに防御しながら突進した方が安心ではありますね。



 です。前腕にはハードポイントも無く、シンプルでスタンダードな構成の腕なんですが、肩関節軸がボール可動する様になっています。コレクションシリーズ(旧シリーズと呼ぶべきでしょうか?)の球体ポリキャップにプラ製のシャフトを組み合わせた物ですが、良く動きます。ポーズが微妙に調整出来るのも嬉しいんですが、球体ポリキャップが、上位モデルであるHGに転用された事が痛快ですよね。コレクションシリーズのファンとしては、球体ポリキャップの優秀さが証明された様で、うれしい限りです。

 手首は、左右の穴開きゲンコツの他に、人差し指が若干前に出ている武器持ち用の右手と、左の平手が付属します。量産機は優遇されてる場合が多いんですが、たまには(欲を言えば毎回)右の平手も欲しいですね。

 シールドは、2枚貼り合せで色分けを再現。裏面のフチに肉抜きが有るものの、補強構造にも見えるパターンにまとめてあります。穴埋め工作が苦手な人への配慮と言えますが、設定を超えたディテールとして、あえてそのまま作っても良いでしょう。あるいは、よりリアルな補強構造に見える様にディテールアップするのもアリかも知れません。裏面には予備のマガジンを取付け可能。マガジンはビーム突撃銃の物と、全くの同一パーツを使っています。

 シールドを支えるアームは、残念ながら途中関節での可動は出来ませんが、L字の両端にコレクションシリーズ用の球体ポリキャップを使用。アームをヒネってやれば、シールドを大きくハネ上げる事も可能です。



 武装です。MMI−M633ビーム突撃銃は、フォアグリップが可動式。マガジンは着脱可能です。腰後部にマウントする時には、着脱部ごと引き上げてやると、マガジンを90度倒す事が出来ます。わざわざ倒さなくても、最初から側面にマガジンを配置すれば(略)武器にもギミックが付いていると、遊んでいて楽しいですね。銃のサイズは、コレクションシリーズの物の方が若干小さいですね。この辺の事情はSEEDの頃と同じですが、グリップとフォアグリップの位置関係はほぼ揃えてあります。構えた印象を不揃いにしない配慮でしょうか。

 MA−M8ビームトマホークは、ビーム刃と後部の刃を展開した、使用状態の物が付属。シールドに収納出来るという設定ですが、今回は省略されています。シールドが空洞になってると、スパイクの部分でタックルする時に強度が心配な気もしますけど・・・。敵に投げるシーンも登場しましたが、ビームブーメランの様に戻ってくるのかが、ちょっと気になりますね。(IWSPの解説によれば、ビームブーメランは干渉反応を利用してコントロールしてるそうです。)

 手榴弾(ハンドグレネード)は、サイドスカートから取り外し可能。グレネード側の穴の周囲と、スカート側の突起の周囲には、設定通りのディテールが施してあります。

 組立時間は1時間弱でした。初めて見た時には「やっぱり顔と名前以外はザフトのMSだなぁ」なんて思ったんですが、クラッカーとヒートホーク、ザクマシンガン(全て名前は変わりましたが)どころか、予備マガジンまで常時携帯出来るデザインは、演出面でのザクらしさを実に良く考えてありますね。ジャケットを着込んだ様に見える、肩に埋まった様な首の付き方などは、いかにも歩兵という感じで、ザクのコンセプトをUCザク以上に突き詰めてあると言えるかも。安いし良く動くし、かなりオススメのキットですよ。

コレクションシリーズのザクウォーリアと並べてみました。(後ろの2体は、肩アーマーを交換して左右対称の仕様にデッチ上げています。)

 今後の展開ですが、ランナーにシールドやマガジンを追加する余裕がある事と、右肩アーマーとヘルメットを除外する切り替えが用意されている事から、ザクファントムの発売は予定されている様です。・・・まぁ、これは予想の範囲内ですけどね。いっその事、「そろそろ後半の新主役メカが出る時期だよなぁ」なんて誰もが思う頃に、ガンダムそっちのけで、パワーアップした新型ザクを投入してみるとか(笑)。いや、今の勢いなら有り得るかも・・・?!


 おまけ


「先週のルナマリアの戦い方は見ているな?」
「こっちは1週遅れです」
「ケン、今すぐ引越ししなさい!」(泣)
・・・という訳で、1/144ガナーザクウォーリア・ルナマリア専用機を軽く紹介しておきましょう。本体は先に発売された、緑の一般機の成形色替えで、特に変更は有りません。



 青や白(ランバ・ラル&シン・マツナガ?)の機体にはブレードアンテナが付いているのになぁ・・・このシャアっぽい機体には通常のヘルメット以外に、ブレードアンテナ付きのヘルメットを、ボーナスパーツのつもりで付属させても面白かったかも知れませんね。デュランダル議長がこの機体を借りて大活躍、「私を誰だと思っているんだ?」なんて言ってくれたら面白かったのに、ミネルバを降りちゃいましたね。残念!



 今回の目玉は、ガナーウィザードが付属している事ですね。M1500オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲は、3つに折りたたむ事が可能。ヒンジによる可動は無く、本体・前部・後部を一旦バラして組み替える事で、展開・折りたたみ状態を再現しています。展開時の各パーツの噛み合わせは、互いを押さえ合う様になっていて保持力がしっかりしています。折りたたみ状態は、ちゃんとヒンジ部分で折れた様に見えますし、可動のために出来るスキも無くて良い感じです。グリップは角度調節が可能。グリップの下は、持たせやすくするために切り欠いてあります。



 バックパック(ウィザード本体)とはエネルギーケーブルで接続してあるという設定ですが、今回はケーブルを省略してあります。バックパック本体と大容量エネルギータンクは、それぞれ2パーツの貼り合せ式。アームはバックパック側・オルトロス側とも2軸可動します。MS本体への装着は、背面左右のクボミを利用して行います。HGにも装備させる事が可能ですが、背面中央のポリキャップを使用していない所を見ると、HG仕様のガナーウィザードも発売されるのかも知れません。



 オルトロスは発射形態にして構える事が出来ますが、ヒジが可動しないため、かなり窮屈でポーズが付けにくいですね。下に向ける位しか出来ないので、発射形態と言うよりも発射準備して待機してる感じです。説明書によるとアームから外して構えてもOKとの事。自由度が格段に上がるので、そっちの方がオススメです。



 HGに装備させると、腕が良く動く分、格段に扱いやすくなります。フォアグリップが可動しない(畳んだ状態で本体と一体成形)ので、やはり両手持ちは出来ないんですが、オルトロスをアームから外して構えさせて、開いた左手を添えてやると、それなりにカッコイイですよ。あと、設定には有りませんが、オルトロスを肩の上に回せば、なんちゃってザクキャノンの出来上がりです。お遊びではありますが、腕の可動に影響されないので、コレクションキットでもサマになりますよ。グリップ類を取り付けずに、オレ設定としてキチンと作ってみてもいいかも。組立時間は20分程度でした。





2004.12.5 健 竹史

アマゾン:HG ザクウォーリア

アマゾン:1/144 ガナーザクウォーリア

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