健さんの
プラモコラム

その118
HGドレッドノートガンダムの巻

( 1/144 HG ドレッドノートガンダム/ バンダイ/
YMF−X000A ドレッドノートガンダム 「機動戦士ガンダムSEED」バリエーション設定)


 ついに始まったSEEDデスティニー!ボクもウハウハ、ヨメさんもウハウハ言ってる訳なんですが、プラモのリリースがデスティニー関連MSに移行してしまうのが、嬉しくもあり寂しくもあり、といった所ですね。プラモ興味無しのヨメさんは、「いいじゃん別に」って感じですが。デスティニー終了後に、あるいは平行して、未発売MSVのアレとかコレとかも発売して欲しいもんです。「シリーズ最後に発売されるのは、勇気ある者だーッ!!」(byガイにいちゃん)てな事にならないように。では本題に移りましょうか。



 頭部は、ヘルメットとマスクが一体のパーツ。目とアゴが一体になった赤いパーツを組み込んでおいてから、前後をハメ合わせる構成です。頭頂部カメラと4門のピクウス76mm近接防御機関砲は、今回も斜め下を向いていて、フリーダムにつながる共通性を感じさせます。しかし良く見ると、量産機のゲイツまでもが、同じ特徴を備えていますね。MGフリーダムを組んだ時に想像した「滞空戦闘を意識した設計」というのは、気のせいなのかなー?まさか「防御」機関砲とは名ばかりで、憎きナチュラルどもに向けられた対人兵器なのでありましょうか?ガクガクブルブル・・・

 ボディは、ウエストを胸パーツでサンドする、おなじみの構成。胸のダクトは左右一体で、胸を組み立てる前にウエストにセットしておきます。エリはボディを組み立てた後に上からセット、丸いバックパック基部でロックします。シャープなエリが、丸いバックパックになじんで一体化していくデザインが面白いですね。ウエスト等の赤は、ドラグーンの赤とは色味を変えてあります。赤だけで2色使ってある訳です。



 は、フロントスカートが左右一体式で可動。ガンバレルダガーに続いて今回も抜け止めの突起が無いので、左右を独立可動させるには、切り離すだけでなく軸打ち等の加工が必要になってきます。フンドシ内のスペースが取りにくいMSが連続してるだけで、商品仕様の方針が変わった訳ではないと思いますが。リアスカートは固定、サイドスカートはプリスティス固定用のハードポイントとなっています。

 です。ヒザ関節はワンパーツで、ポリキャップ2個を、側面から埋め込む様にセットします。モモもスネも、ヒザ関節をハサミ込む組立てなので、モモ・スネのどちら側とも後ハメになっていないという、珍しい構成ですね。筆で塗装するなら、スネ側を先に組んで、ヒザアーマー裏の接着ラインを消してからモモを組んだら良いかなー?なんて思っています。



 スネ後部の青い部分は色分け済み。スラスターと一体になっているのは残念ですが、スラスターの奥の部分は、ノズル中央を避けて分割ラインを通す気配りが見られます。この辺はコレクションシリーズのゲイツ(兄弟機ですね)と同様です。足首アーマー(スネと一体ですが)の裏側にも、さりげなくディテールが入っています。ディテールを入れたかったというよりは、ハメ込みピンを見せたくなかったのかも?なかなか芸コマ。

 足首は、MGフリーダムの様な、斜め方向のハメ込みを採用。足裏パーツ足首メカパーツを斜め前からセットしておいて、クツ足の甲を真上からハメ込みます。色んな方向から組み合わさって、ますます凝った構成に向かっていっている様に見えますが、これは足裏のツメを一体で成形するためです。土踏まずは側面(クルブシ辺り)のみグレーに色分けされて、足裏はツマ先からカカトまで一体パーツという、HGプロヴィデンスと同様の構成。足裏のグレーの部分は、塗り分けしてやりましょう。



 肩アーマーは、肩ブロックを前後からハサミ込む、2分割の構成。横に張り出した部分は中身が詰まっていて、ハメ込みピンが見えないので見栄えが良いです。代わりに、内側に接着ラインが通ってしまっていますが、パネルラインに見せる事も出来ると思うので、さほど問題ではないでしょう。先端には3連のスラスター(?)が仕込んであり、下側2つの穴は、前後から成形出来るように巧みにアレンジしてあります。この先端部分だけでも別パーツ化してあれば、設定通りに再現でき、ライン消しも楽だったんじゃないでしょうか。

 は、上腕が筒状になった、おなじみの構成。前腕はフリーダムの腕からヒジアーマーを取り外した様な形で、共通性を意識したデザインですね。ハードポイントの位置も同じです。発売時期が重なったザクウォーリアもほぼ近い形をしており、ザフト特有のラインと言えるかも。ヒジアーマーが無いため、ヒジを曲げると関節カバー内のポリキャップが丸見えになってしまうのが残念な所。優れたパーツ構成ではありますが、デザインによってはこんな事もあるって事ですね。上腕側の接続ピンの先端をグレーに塗っておけば、さほど気にならないと思います。

ヒジを曲げるとポリキャップが見えてしまいます。白いピンの先端をグレーで塗れば、目立ちにくくなるでしょう。HGガンダム(Gアーマーとセットで再登場)も同様の構成。今月はヒジ関節をアピールする月間です。
腰アーマーからプリスティスを外してウエストをヒネると、こんな感じです。

 手首は、左右とも穴あきゲンコツが付属します。

 バックパックは円柱形のユニークなデザイン。バーニア4基にフィン4枚と、コンパクトな割にパーツの多い部分です。フィンの細くなった部分に負担をかけない様、持つ時には注意しましょう。グレーの部分が着脱可能で、ポリキャップ2個で接続する頑丈な構造になっています。ここで巨大な追加装備を背負う訳ですからね。追加装備をリング状にする事で、今後登場する(かも知れない)装備も、それなりに巨大な物になってくると思われます。ハッタリを効かせてこそアストレイですもんね。個人的には、形状を活かして回転する装備が有ったら面白いと思うんですが、どうでしょう?



 武装です。MA−M22Yビームライフルは左右分割とフォアグリップ、銃口の4パーツ構成。フォアグリップは可動します。

 シールド(MA−MV04複合兵装防盾システム)は、グレーの部分を色分けしてあります。表面のザフトマークはスジ彫りで表現。シールが付属しても良かったかな?腕への接続は、ヒジ側面にあるスリット状のハードポイントを使って行います。シールド裏のジョイントパーツは、ポリキャップ内蔵の回転式。先端はビームサーベルになっているんですが、クリアーのビーム刃HGプロヴィデンスから拝借する必要が有ります。このビーム刃は平たい特殊な形状ですし、プロヴィデンスにも1本しか付属していない物です。いろんなキットを買って欲しいのか、あるいは多色成形の色数の制約で付属しないだけなのかも知れませんが・・・成形色が白でも赤でもいいから、ビーム刃は付属させて欲しかったですね。

 XM1プリスティスは、ゲイツのエクステンショナルアレスターの後継機ですが、無線制御が可能となっているそうです。(ゲイツは有線制御。)ワイヤーはあくまで制御不能となった時に、失くしてしまわないための物だとか。余談ですが、子供の頃に買ってもらったマジンガーZのプラモが、「パイルダーを失くさない様に、マジンガーと糸でつないでおきましょう」てな仕様になっていた記憶が有るんですが・・・それと似た様なモンでしょうか。(エネルギーの供給にも使ってないのかなー??)

 
プリスティスのワイヤーは、装備状態と射出状態の2種類が付属し、差し替えで再現します。先端のクローは、装備状態のワイヤーに取り付ければ閉じた形に、射出状態のワイヤーに取り付ければ開いた形になります。どちらの状態でも、ワイヤーパーツのピンを背中とサイドスカートの穴に差し込んで保持するため、ウエストを回転させる事が出来ず、堅苦しいポーズになってしまいます。ちょっと遊ぶ分には、背中かサイドスカート、どちらかだけに差し込んで自由にポーズを付けてやっても良いでしょう。



 ドラグーンは、左右2分割と先端部の3パーツ構成。側面のビーム砲が、あっさりした造形なのが残念です。成形方向による出来栄えのバラつきを避けるためにスリットを省略してあるんでしょうけど、こういうトコが精密だと、ますますカッコ良くなっただろうと思いますね。惜しいなぁ。16箇所をディテールアップするのは、ちょっと根気が必要だと思いますし。

 ドラグーンの着脱にはポリキャップを使用。有線という設定ですが、ワイヤーは付属しません。リング状の本体は前後2分割。スネ後部と同様、スラスターの奥はディテールを損ねない様に分割ラインを配置してあります。背中への装着は、バックパックのグレーの部分を一旦取り外しておいて、ドラグーンを通して再度取り付けるといった手順です。バックパックはドラグーン本体と噛み合う形状で、抜け止めの役割を果たしています。外す時には、ドラグーンごと引き抜けば、バックパックも外れます。詳しい設定は把握していないんですが、実機ではバックパックを外さなくても、4基のスラスターがすぼまって、そのまま後部から合体・分離出来るのだろうと思います。



 左肩のマーキングシールは、ザフトでドレッドノートと呼ばれてテスト運用されていた時期のマークと、後にXアストレイと呼ばれるようになってからのマークの、2種類が付属します。どちらか選んで貼りましょう。・・・まてよ、余ったシールを右肩の後ろに貼って、左右の肩アーマーを入れ替えれば、1体でどっちも楽しめるじゃん!なーに、背中を見せなきゃバレないバレない(あ、この辺は聞かなかった事にして下さい)。他には、ドラグーン4基に1〜4番のナンバーシールが付属します。

ゲイツとの比較。似ている様でも結構違います。ゲイツとアラウクネくらい違います。(笑)

 組立時間は1時間でした。このキットをベースにゲイツを作れないかな?と期待してた人も多いと思いますが、シルエットが似ててもディテールは別物なので、コレクションシリーズのゲイツを可動化した方が早そうです。(ゲイツRの活躍と発売に期待!)腕やモモは角ばって、肩幅も異なっています。個人的には、斜めのラインが組み合わさったスネのディテールが好きですね。スモーなんかのデザインを取り入れてあるのかも。

 今後の展開ですが、ドラグーンとプリスティスのパーツがAランナーに集中しているので、ドレッドノートイータの発売は可能だろうと思います。ABSを多用する事になりそうな可動部の多い装備ですし、ビームシールド「アルミューレ・リュミエール」にはクリアパーツが欲しいですから、若干値上がりするかもしれませんけど、かなり遊べそうなアイテムですから、ぜひ期待したい所です。あー、「ハイペリオンのビームシールドを流用可能だ!」とか言うのは、無しですよ。(笑)


おまけ

 コレクションシリーズで発売となったザクウォーリアを、軽く紹介しておきましょう。頭部は、ワンパーツのフェイスにヘルメットを被せる構成。動力パイプはフェイスと一体ですが、見栄えは悪くありません。モノアイは、黒のシールとピンクのシールの重ね貼りで再現します。ピンクのシールは、ザク風の丸い物とグフ風の鋭い目つきの物から好みで選択可能。なかなか親切です。



 ボディは、コクピット周辺の黒い部分と、白い胸部ダクトを色分け。前作であるSEEDのコレクションシリーズを思い返してみると、量産機の場合は、300円という低めの価格設定や多色成形の導入に、あまり積極的でなかった印象があります。バリエーション展開で発売数が見込めるとは言え、安くてカラフルというのはガンダム並の扱いと言えるかも知れません。サイドスカートの下端は成形方向の都合で厚みが一定になっていないので、ちょっと削ってやれば実感が増すと思います。



 は、動力パイプを別パーツ化。スネアーマーのスソは、スラスターを一体で再現する都合で余肉が付けられ、アキレス腱辺りの形がチグハグになっています。気になる人は削ってやると良くなるでしょう。ついでに市販パーツ等を使って、もう少し幅の広いスラスターに作り変えてやると、さらに設定に近くなってくれると思います。足裏は空洞ですが、M1アストレイ同様、設定のディテールに似せた補強が入っています。

 右肩アーマーはツノが別パーツ。左肩アーマーはワンパーツ成形で、どちらも肩の上から被せる様に接続。ボールジョイントで位置の調整が可能です。腕は恒例の2分割なのでヒジが曲がらないんですが、それでもビーム突撃銃を両手で構える事が出来ます。肩のダブルボールジョイントが、いかに効果的か分かりますね。実は、良く見なければ気付かない程度に、左右のヒジの角度を変えてあります。「作って見たら両手持ちが出来てました」と言うのではなく、プレイバリューを高めようと、狙ってヒジ角度を設計してあるという事です。気合が入ってますね。



 武装は、ビーム突撃銃が付属。フォアグリップは別パーツですが、マガジンが一体化されています。今回も腰後部にマウント可能。他にはハンドグレネードが、サイドスカートと一体成形ではありますが再現されています。シールドは左肩に固定した状態で再現。設定ではアームで可動する様に見えますが、今回はアーム自体を省略。シールド裏の予備マガジンは付属しませんが、マガジン用のマウントラッチは再現されています。



 組立時間は10分でした。最近のUCザク系キットと同様、シブさを意識した淡いグリーンで成形されていますが、設定の色指定は、もうちょっと濃い感じですね。リーズナブルなキットですから、SEED世界っぽいクッキリしたカラーの物と、UCっぽい淡いカラーの物、両方作って並べても面白そうですね。個人的にはデザートカラーとか迷彩なんかも、あっても良いと思います。いずれ装備が増えてくれば、交換できる素体は多いほど楽しめるでしょうし、パーソナルカラーが許されている世界観も提示されています。与えられたMSVではなく、自由に楽しむMSVを再開するには、ちょうど良い素材かも知れませんよ。

2004.10.31 健 竹史


アマゾン:HG ドレッドノートガンダム

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