健さんの
プラモコラム

その117
 
1/144フォースインパルス
         ガンダム
の巻

( 1/144 フォースインパルスガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X56S/α フォースインパルスガンダム
「ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 デスティニーに突入しても継続される事が決まったコレクションシリーズ、第1弾のフォースインパルスガンダムであります。おまけコーナーでさらりと紹介する予定だったんですが、やはり新規格のキットは見るべき所が多いですね。たかが6個、されど6個のポリキャップなのです。では、本題に移りましょうか。



 頭部は、マスクとオデコを別パーツ化。顔が塗りやすくなっています。SEEDシリーズの途中から盛んに行われる様になった分割ですが、今後はこのパターンが標準になると嬉しいですね。は、新規ポリキャップ「PC−8」を採用して、ダブルボールジョイントで動く様になりました。HGやHGUCに使われている首用ポリキャップも(固定される場合が多いとは言え)前後可動が可能な物でしたが、今回は首をネジったりヒネったりする事が可能になった訳で、つまり、従来のHGよりも良く動きます

 ボディは、青、赤、白の3色でカラフルに成形。エリのグレー部分やダクトの黄色い部分等は、塗装してやる必要があります。ウエストの赤と白のパーツの境い目は、組立て後も着脱が可能で、劇中での合体を簡易的に再現したものとなっています。たとえ変形できなくても、分離合体のシチュエーションを楽しめるというのは大きなポイントじゃないでしょうか。



 は、前後ハメ合わせてスカートを組み立てた後で、下からフンドシ(股関節)をセット出来ます。フンドシは、股関節軸まで一体のポリパーツ。ボールジョイントの径は従来のコレクションシリーズと統一してあるので、キット間のパーツ互換性は守られています。さらに、軸中心よりも上寄りにボールを配置した事で、より大きく開脚させる事が出来るようになっています。このインパルスの場合だと、60度くらい開けますね。ギミックを抑えたシリーズのはずが、大した進歩です。

 は、ヒザが可動しない左右2分割方式。この辺は従来のコレクションシリーズと同じ仕様です。足首カバーも脚パーツと一体です。ただしアキレス腱の辺りは、かなり見栄えが良くなっていますね。これは新規のダブルボールジョイント式ポリパーツを採用した事で、軸受けをスネの奥まった部分に配置する事が可能となったためです。以前は単純なボールタイプの関節だったために、足首カバーの裏側の、丸見えの所が軸受けになっていたものですが、HGの足首メカパーツ同様、足首とスネの間に距離を設ける事が出来るようになったんですね。ポリパーツは可動のためだけでなく、パーツ同士の位置関係を決める物だったんだなぁ、と再認識。



 足首は、その新規ポリパーツによって二重関節になりました。鉄アレイの様なダブルボールジョイントですが、2つのボールの径に差を付けてあります。小さい方のボールは、従来のコレクションシリーズと径を統一してあります。(これまでに発売された物でも、キットによって使われ方に違いがあったので、ここは全てのキットと互換性が有る訳ではありません。)首同様にヒネリやズラシが可能なので、脚をいっぱいに開いても足裏がしっかりと接地します。足裏が空洞になっているのは、従来と同じです。

 肩関節にも、足首と同じダブルボールジョイントが採用されています。大きいボールがボディ側に使われ、肩部メカニックとして丁度良く見える程度のボリュームになっていますね。肩アーマーはワンパーツ成形。ハメ込みピンを必要としないため、実は2分割された場合よりも内側の見栄えが良かったりします。(接着ラインも有りませんよね。)ボディに接する縦壁部分にはミゾが切ってあり、鉄アレイ状のポリパーツの中間の、軸の部分に上からセットします。



 この軸径、ストライクダガーの肩関節軸の根元と径が同じなので、インパルスの肩アーマーをストライクダガーに取り付ける事も出来ます。従来キットの肩関節軸は根元の形状が統一されていなかったんですが、今回の構成が、今後の肩アーマーの取り付け方法の主流になってくれば、肩と腕を別々のキットから持って来るような、ミックスビルドが容易に行えるようになるかも知れませんね。

 可動については、ライフルを構えさせる時などに、肩を上や前にズラしたりヒネったりしてやると、より躍動的で表情豊かなポーズが楽しめます。もちろん、横にもかなり腕が上がる様になりました。なで肩怒り肩も自在ですし、肩の可動は、ある意味HGを超えましたね。ウエストや腕をヒネれないのが、もどかしい程です。いずれは「コレクションシリーズに負けてられるか!」と、HGの肩関節のバージョンアップを促す事に・・・なるかなー?なると嬉しいですね。



 フォースシルエットは着脱が可能。肩の両端のジョイントでロックする機構は設定通りです。バックパックの表面にも補助的な位置決め突起が設けてあります。下部の赤いウイング(スラスター)は可動式。主翼は完成後も簡単に取り外せます。飾らずにしまっておく場合は、分解しておけば箱に収まりやすくなるかも。翼の基部は(うっかり落とした時の衝撃などで)外れた場合にも破損しにくいハメ込み形状にしてあります。

 バックパック(変形したコアスプレンダー)はワンパーツ。見えない部分は省略してありますが、着脱可能となっています。変形しないとは言え、この価格でちゃんと3パーツ&シルエットに分離出来るというのは、ちょっと感動しますよ。追加装備(シルエット)分の値段を差し引いて考えると、最初の1/144ガンダムとほとんど変わらない価格で分離合体・色分けまでやってしまった訳で、コストパフォーマンスの高さには驚くばかりです。

 ところでインパルスの分離変形って、ずいぶん簡単なので、最初は「え?これで変形?!」なんて思ったものですが、おそらくRX−78ガンダムをモチーフにしてるんでしょうね。歴代ガンダムの設定を積極的に盛り込んでいるSEEDシリーズですが、空中換装のアイデアを拝借するにあたって、自由落下しか出来ないようでは高度が必要だし(コロニー内では困難?)、狙撃されそうだし、スピード感も出ないし・・・という事で、A・Bパーツに自力飛行能力を持たせたかったんでしょう。本当なら無変形で行きたい所かも知れませんが、ヘッドパーツだけでもガードさせておこうかな?とか。という訳で今回の変形は、妥当な物と言えるんじゃないでしょうか。ファーストファンをニヤリとさせるような使い方をしてくれると良ですね。



 武装は、ビームライフルとシールドが付属。どちらもワンパーツで、シールドは展開状態のみ再現。腕のハードポイントに装備します。ビームライフルは手に持たせるだけでなく、腰後部にマウントしておく事も可能。立ちポーズ限定みたいに思われている面もあるコレクションシリーズですが、臨戦態勢と待機状態と、2種類の飾り方が出来れば、それだけでプレイバリューは拡大します。(M1アストレイでも、ライフルをバックパックにマウント出来ましたね。)今後もぜひ、積極的に採用して欲しいギミックです。

 他には、フォースシルエットにビームサーベルが装備されています。着脱可能ですが、残念ながら謎の穴は無く、涙。ついでに、やっぱりダガー系のサーベルよりも小さくて、また涙。(笑)



 組立時間は15分でした。「安価なんだからこんなもの」と妥協せず、コレクションシリーズにメーカーが真剣に取り組んでいるのだと、改めて感じさせてくれる好キットですね。これだけプレイバリューが向上したのも驚異的ですが、組立の手間が全く増えていないのが、さらに驚異的。複雑化させれば、もっと遊べる様にするのは簡単なんですが、シリーズのコンセプトを守り通す姿勢には感心します。って言うか、ワンパーツの肩アーマーなんかを見ていると、「もっと簡単に出来ないか」と、模索を続けている様でさえあります。これから始まる1年間も、なんだか楽しませてもらえそうな予感がしますね。


おまけ

 先日、東京に行く機会が有りまして、子供の頃から行ってみたかった、国立科学博物館を見学してきました。お目当ては図鑑で見慣れた恐竜化石の数々だったんですが、いやホントに、ものすごい充実ぶりでした。恐竜以外の生物もテーマ別の展示が色々あったり、体験型の展示も多く、科学の面白さが伝わるように工夫されているな、と感じました。まる1日いても退屈しませんよ。



 その充実ぶりに比べて、入館料が安いのも良いですね。大人で420円、高校生までは70円!(2004年10月現在)屋外にはD51形蒸気機関車や、シロナガスクジラの実物大模型(これまたポーズがイイ!)、ラムダ・ロケット用ランチャなんかが展示してあります。こんなのタダで見せてもらっていいの?って感じですね。あ、デカくて収容できないかな。周りは緑が多くて、良い雰囲気です。館内のミュージアムショップも、面白いグッズがいっぱいでした。



 ついでに、お隣の国立西洋美術館の前には、鋼の錬金術師ファンにはたまらない、あの扉が!!(ロダンの「地獄の門」。モチーフにされたのか、まるごと引用されたのか、そっくりさんなのか、詳しい事は知らないんですが。)最終回直前に見る事が出来て、ちょっぴり得した気分でした。



 国立科学博物館ホームページ
 国立西洋美術館ホームページ

2004.10.21  健 竹史

1/144フォースインパルスガンダム
HG フォースインパルスガンダム
1/100 フォースインパルスガンダム
1/60 フォースインパルスガンダム
MMMGQ フォースインパルスガンダム

国立科学博物館物語 やさしい科学
100年先から見てみよう―国立科学博物館・東京農工大学共同企画展示記録
アンモナイト学―絶滅生物の知・形・美 国立科学博物館叢書
標本学―自然史標本の収集と管理 国立科学博物館叢書
日本の博物図譜―十九世紀から現代まで 国立科学博物館叢書

スー 史上最大のティラノサウルス発掘
クジラ・イルカ大百科

鋼の錬金術師 PLAY ARTS ウィンリィ・ロックベル
鋼の錬金術師ブックインフィギュアBLUE
鋼の錬金術師 COMPLETE (CCCD)

[HOME]

inserted by FC2 system