健さんの
プラモコラム

その116
HGガンバレルダガーの巻

( 1/144 HG 105ダガー+ガンバレル/ バンダイ/
GAT−01A1 ガンバレルダガー 「機動戦士ガンダムSEED」バリエーション設定)



 ついに!ストライクの正式な量産機が、HGで登場です。これまでコレクションキットしか発売されていなかったダガー系のファンも納得。余っていたストライカーパックを交換して遊び倒したい、ギミック好きも納得。ガンバレルパックも付いていて、非人間型メカのファンも納得。どうりで評判が良い訳です。それにしても、部屋にストライクが何体も転がっていると、どっちが量産型か分からなくなりますねぇ(笑)。では、キットを見ていきましょう。



 頭部は、額のセンサーとマスクを色分け済み。戦時簡易量産型であるストライクダガーとは、アンテナの本数や後頭部(うなじ)カバーの形状が異なります。・・・そう言えばコレクションシリーズって、コストを抑えつつアイテム数を揃えるのに適していて、「放映時簡易量産キット」って感じですね。「セールスは数だよ、兄貴!」(笑)アンテナは頭部の中で繋がった左右一体パーツで、ハサミ込んで組み立てます。

 ボディは、ウエストの赤い部分を色分け済み。ウエスト左右の黒い部分は塗装してやる必要があります。背中には、ストライカーパック装備用のポリキャップを内蔵。ウエストパーツを使って内側から押さえてあるので、ウエストを後ハメする場合は注意が必要でしょう。背中のデザインはストライクガンダムと規格を統一してあるので、各種ストライカーパックの装備が可能。もちろん今回付属のガンバレルストライカーを、ストライクに背負わせる事も可能です。



 です。フロントスカートは左右一体で可動。スペースの都合で抜け止めの突起が付いていないので、左右を切り離して独立可動させる場合は、シンチュウ線でつなぐ等の加工が必要です。サイドスカートにはビームサーベルを装備。着脱が可能です。そして!フンドシ下には飾り台取り付け用の穴が設けてあり、飛行状態でのディスプレイが可能となっています。ジョイント部分のサイズは、MGストライクの飾り台の支柱と、ほとんど同じでした。いっそ統一してくれてたらなぁ・・・あのカタパルト(って言うか支柱が動く飾り台)、HGサイズでも欲しいですよね。

 です。モモはストライクダガーと共通の形の様ですが、スネのデザインはチョコチョコと変えてあるんですね。ヒザ周辺の青い部分は、スネ後部のスラスターまで一体のパーツになっています。本当は青い部分とスラスターの間は、白いラインで仕切られているんですけど、設定にこだわらないならスネを簡単に後ハメ(青いヒザパーツの下から白いスネパーツを差し込む)出来そうです。足首アーマーはワンパーツ。少し押し広げてから取り付けます。

ガンバレルストライクルージュとランチャーダガー。SEED終了時点でルージュは健在ですから、有り得ない組み合わせではありません。ただしパイロットの適正が(略)

 足首は二重関節ですが、アキレス腱の辺りがスッキリしたデザインの関節パーツのため、かなり自由に動きます。 ストライクダガーの足の甲にはスラスターらしき物が付いていましたが、今回は対人機関砲に置き換わっています。(おっかない装備ですね・・・)クツとクツ底の色が違うという珍しい配色ですが、実際のシューズみたいで、なかなか良い感じです。

 です。肩関節軸は斜めに設置されていますが、SEEDデスティニーではこの仕組みがスタンダードになるんでしょうか?腕を横に上げるポーズで、より広い可動範囲を確保出来る目的なんだと思います。ダガーは特に、肩側面にスラスターが有って腕が上がりにくいデザインですから、今回だけかも知れませんね。実際ポーズを取らせてみると、射撃ポーズ等で腕を前に上げた時に、肩をヒネった様な表情が付いて、カッコ良く見える効果が有ります。肩アーマーが斜めに動くため、ボディと干渉しそうで煩わしい面もありますが、躍動感が違いますよ。



105ダガーとストライクルージュに、同じポーズを取らせてみましたが、右肩アーマーの角度の違いに注目。まっすぐ腕を振り上げたストライクルージュよりも、肩にヒネリが加わった105ダガーの方が、表情豊かに感じませんか?

以前にも紹介した物ですが、同じ効果を得られる肩のボール可動化の記事はこちら

 上腕は、恒例の筒状の構造。黒い部分の色分けはシールで対応しています。前腕は、装備取り付け用のハードポイント(って言うか、取付け穴)の無い、シンプルな構成。シールドは、前腕表面の段差を使ってロックします。ソ−ドストライカーパンツァーアイゼンは、ジョイント部分のツメを削って接着するなら、ぴったりフィットしそうです。

 肩アーマーは、側面のスラスターが可動式。腕を横に上げやすいよう、ハネ上げる事が可能です。肩アーマー全体を上にスライドさせるギミックも有り、スラスターの干渉を軽減しようと、あの手この手で対策してありますね。

 肩上のフックはストライクの物と規格を合わせてあり、ランチャーストライカー右肩コンボユニットを装備可能です。ソードストライカー左肩アーマーは装備出来ません。これは元々ストライクの場合でも、まるごと交換して装備させてたパーツですからね。ストライクの肩ブロックごと移植する方法もありますが、デザインの段階でフックの高さ(肩アーマーの上下幅)が違うのと、肩関節のポリキャップ位置が変更されている事で、左右の肩・腕の高さが不揃いになってしまいます。ちゃんとダガーの肩に合わせて改造するか、いっそダガー用の左肩増加アーマーをデッチ上げてみても楽しいかも。

 手首は、左右とも穴あきゲンコツが付属します。手の甲だけ配色が違うのか?と思ったら、肩や背中のフレーム(要塗装)と同じ色なんですね。(つまりマスクもフレーム色・・・ちょっぴり粗末に扱われてるような気がしてきました。)

ソード・ランチャー・IWSPのフル装備ダガー。昔はエールストライカーを使った物ですが、こっちの方が派手です。ランチャーのコンボユニットは、IWSPと干渉するので取り付けを断念しました。

 武装です。ビームライフルは2パーツ構成。ストライクダガーのライフルに上半分が似ていますが、厚みが増し、ディテール配置のバランスも異なっています。ところでホビージャパン11月号では、これはビームライフルではなく、制式レイダー用の機関砲ポッドと表記されています。確かに2004年3月号の「SEED−MSV」で制式レイダーが持っていますし、形も機関砲っぽいんですが・・・。これは「ビームライフルも使うけど、今回はサービスで機関砲ポッドをチョイスしてます」って事なのかも。解説の手違いでなければ、機関砲に偽装したビームライフル?!電撃ホビーマガジン2004年7月号「アストレイB」に登場した時には、ストライクダガーと同じビームライフルを装備しています。

 シールドは、2枚貼り合せの構成で色分けを再現。腕への取り付けは、前腕の段差部分を利用した、コの字形のアダプターを介して行います。アダプターは、おなじみのシールドの取り付け方向を選べるタイプ。残念ながら、コレクションキットのストライクダガーの前腕は105ダガーよりも若干細く、アダプターはフィットしませんでした。

 ビームサーベルは、サイドスカートにマウントするための突起が付いていますが、握れば突起はゲンコツに隠れてしまうので問題ないでしょう。コレクションキットのストライクダガーのサーベルと、スジ彫りの本数が異なりますが、これは黒いラインを細く表現したか、ラインの幅をスジ彫り2本で表現したかの違いで、実機では同等の物を使っている様です。サーベルのサイズはエールストライクの物より大きく、クリアーのビーム刃も付属します。(泣くな、ストライク・・・。)

 今回の目玉、ガンバレルストライカーです。飾り台も付属していますが、均等に配置されたガンバレルポッドを見ると、ついついサンダーバード1号の様に、垂直に飾りたくなってしまいますね。機首は二重関節で折りたたみが可能。飛行時の定位置に戻せるよう、機首とボディはツメでロックする仕組みです。このツメや、ガンバレルポッドの着脱部のツメは、ディテールに見える様にメカッぽく処理してあります。下面の尾翼は可動式。たためば飾り台無しで飾る事も可能です。



 ガンバレルポッドは、機体からの分離が可能。残念ながら、光ケーブルポッド用の飾り台は付属しません。火器の展開は、ウェポンハッチを一旦外して開閉アームのパーツを使って固定、銃身を取り付ける差し替え式で再現。銃身とアームは、展開しない状態では余りパーツとなります。銃身はレールガンとガトリング機関砲の一体型なんでしょうか?銃身下面にはガトリングらしきディテールが入っています。ミサイルの先端も再現されているので、塗装する場合は忘れずに塗り分けましょう。

 ダガーへの合体は、機首を折りたたんでおいてから、ジョイントパーツを介して行います。ギミックの多いガンバレルストライカーですが、ポリキャップを使ってあるのは、この合体部分のみですね。機首にはコクピットが有り、分離して帰還する事も出来る(分離せずに合体する事も出来る)そうですが、キットでは分離ギミックが再現されていません。「アストレイB」23話には、「月下の狂犬」モーガン・シュバリエがパイロットを帰還させるシーンが出てくるので、組み替え式の分離ギミックにしてあっても良かったかも知れませんね。



 飾り台は、2種類の支柱を組み替えるギミックが面白く、見どころの一つとなっています。(付属品まであなどれないキットですね。)分離したガンバレルストライカーを飾る時には短い支柱を使い、ダガーを飾る時には長短2種の支柱を組み合わせ、1本の支柱にして使います。長い支柱が余った時には、ベースの横にセットしておける親切ぶりが嬉しいですね。

 ダガー用の長い支柱は、ツマ先がベースに届く程度の長さしかないので、もうちょっと長めになっていれば、飛んでいるイメージが強調できたかも。ベースの裏には、ガンバレルの銃身やハッチ開閉アームを収納できる様になっています。せっかくの嬉しい配慮なんですが、狭くて指が入りにくい部分が有りますね。ハッチ開閉アームを外周に配置したり、銃身を1箇所に集めてあれば、もう少し扱いやすくなったかも。

 支柱の側面には、合体用のジョイントパーツをセットしておく事が出来ます。そして、説明書には有りませんが、ビームサーベルの刃も、1本だけベース裏面に収納する事が出来ます。意地でもパーツを余らせたくないという人は、干渉部分を削って、残りの1本も収納出来るように改造してみてはどうでしょうか(笑)。 

飾り台の裏面。ガンバレルの銃身やハッチ開閉アーム、そしてサーベルの刃1本を収納しておく事が出来ます。(サーベルの刃の収納は、バンダイの公式ギミックではありません:笑)

ビームライフルは、左が105ダガー、右がストライクダガーの物です。

 組立時間は1時間20分でした。装備を貸し借り出来る仲間が出来て、ストライクもようやくF90に並んだという感じですね。いや、飾り台を使って、飛行ユニットで飛んでいる姿を楽しめるというのは、F90でもHGストライクでも出来なかった事ですよね。このダガー、かなり遊べますよ。もともと量産機ですし、2セット買って、ガンバレルダガーガンバレルストライカーを並べて飾っても楽しいでしょうね。

 今後の展開ですが、ダガーとガンバレルストライカーのパーツがキッチリ分けて配列されているので、それぞれ単品での発売も有るかも知れません。なにしろダガー用の長い支柱も除外可能になってますからね。仲間のピンチに、死んだはずの「あの男」が、赤いガンバレルストライカーで駆けつける!みたいな展開、ボクも嫌いじゃありません。(素直に好きって言いなよ:笑)

 A・Bランナーからは、ダガーの頭部が除外可能になっています。って事は、Vガンダムヘキサやゼータザクの様な頭部バリエーションか、あるいはターンエーの様な頭無し状態のキットの予定が・・・あるかなぁ?とりあえずA・Bランナーとも、流用の予定が有りそうだという事ですね。デスティニーに登場予定のダガーLなんかは、似てる様でも意外と変更点が多いんですが、一度発売してしまえば、ダガーLと共通点の多い、ストライクダガーがHG化される可能性が高くなりそうです。

 ところでダガーL肩にフックが無いようですが、ストライカーパックを装備させる予定が無いんでしょうか?インパルスガンダムシルエットシステムも背中だけの装備にまとめてありますから、ダガー系も同じシステムに切り替わっていくのかな?今回のガンバレルは、ストライカーパックと言いながらも背面装備のみで構成されていて、シルエット+シルエットフライヤーと同じ構成ですよね。MSVのダガーが、新旧作品の主役機の橋渡しになっていると言えるかも知れませんね。


おまけ

 遅くなってしまいましたが、シグーディープアームズ(ビーム兵器試験型シグー)も、軽く紹介しておきましょう。HGシグーのバリエーションキットですが、背中のウイングをビーム砲(試製指向性熱エネルギー砲)に変更、重斬刀の代わりにレーザー重斬刀を装備、スネや頭部のデザインが変更になっています。



 ビーム砲は、一見すると肩アーマーの横に付いている様に見えますが、ノーマルシグーのウイングを取り付けるのに使うポリキャップを利用して、背中からアームを伸ばして保持しています。大型ですが、これは大出力だからではなく、「小型化に成功する前の試験型だから」という事の様です。信頼性を優先して、強力な冷却システムを搭載したために巨大になっている、と。ビーム砲は回転式ですが、アーム基部でも可動します。



 レーザー重斬刀は、腰のホルダーに収める事が可能です。ストライクの対艦刀のデータを基に作られた装備だそうですが、色分けの充実とかビーム刃の着脱とか、HG仕様である分、充実していますね。クリアパーツのビーム刃は若干長すぎる感じで、取り付けると少し歪んでしまいます。取付け部(A3パーツ)を少しずつ削って調整してやれば、まっすぐになってくれるでしょう。



 スネは、足首アーマーが一体になった新しいデザインの物に変更。説明書で言う「巨大な(ビーム)ユニットの搭載による負荷の増大に対処」した部分の一つでしょうか?足の甲の奥にあった、足首アーマー取付け用の穴は、ストライク等にみられるセンサーパーツを埋め込む事で、うまく塞いであります。元MSのキットに対して完全新設計されるのがファーストMSVの魅力だったのとは逆に、SEED−MSVは元キットの制約を工夫でクリアしたり、デザインに利用したりと、流用キットならではの面白さを感じさせてくれますね。

HGシグーとの比較。スネパーツが長くなった事で、身長が若干高くなっています。(肩の高さを比べると、分かりやすいと思います。)

 ところで、デザインの密度が上がったためか、上半身のボリュームとバランスを取るためか、HGシグーよりも若干スネの長さが延長されています。並べてみると、スラリとカッコ良くなってるのが分かると思います。変更しなかったらどんなバランスなんだろう?と、試しにHGシグーとスネを取り替えてみたんですが・・・うーん、ヘビーアームズカスタム以来の、「上半身のボリュームは脚の長さでバランスを取ってやる」手法の効果を、再認識出来た気がします。

ヒザから下を、HGシグーの物と交換してみました。これだけでも、ビーム砲が重たそうに感じて、印象が違ってしまいます。

 ファーストMSVでは、背中に特殊装備の大型ランドセルを取り付けて・・・といったバリエーションが多かった気がしますが、もともとザフトのMSには巨大なウイングが装備されていますよね。ウイングを撤去して背中をスッキリさせ、横幅を増す様な装備に変更するというのは、ファーストMSVには無かった、面白いパターンと言えるかも知れませんね。それから、除外可能な重突撃機銃バルカンシステム(防盾は無し)を除外せず、余りパーツとして残してくれたのは、なかなか気の利いたファンサービスじゃないでしょうか?当然余らせずに、持たせて遊ぶのが吉、なのであります。


2004.10.7 健 竹史

HG 105ダガ-+ガンバレル
HG シグー・ディープアームズ
HG モビルシグー
MGストライクルージュ
1/144 ストライクダガー

EXモデル 1/1700 アークエンジェル
EXモデル 1/1700 エターナル
EXモデル メビウスゼロ&スカイグラスパー

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MIA ダークダガーL
MIA ウインダム(ネオ機)

機動戦士ガンダムMSVコレクションファイル 宇宙編
機動戦士ガンダムMSVコレクションファイル 地球編
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