健さんの
プラモコラム

その115
 
1/100ガンダムアストレイ
 
ブルーフレームセカンドLの巻

( 1/100 ガンダムアストレイ・ブルーフレームセカンドL/ バンダイ/
MBF−P03secondL ガンダムアストレイ・ブルーフレームセカンドL 
「GUNDAM SEED ASTRAY」に登場)



 ノーマルのブルーフレームの後に発売するのかな?と思ってましたが、セカンドL、先に発売されましたね。SEEDの続編も決定したので、放送スタートまでの限られた期間に、バリエーションを投入しておこうという事なんでしょうか。何らかの形で、バズーカは発売して欲しいと思いますね。例えば続編でも同形のバズーカが広く使われていたりすると、今後登場するMSのキットに付属させる事も出来ると思いますが。では、今回は新規パーツを中心に見ていきますので、変更のないパーツについては、「その105 1/100レッドフレームの巻」を参照下さい。



 頭部は、完全に新規パーツになりました。マスクと後頭部を組んでおいてから、頭頂部と側頭部を取り付ける構成。目はクリアパーツを使用、オデコのセンサーの色分けはシールで対応しています。もともと幅広だったアストレイの側頭部を、フラットなパーツに交換したデザインのため、正面から見ると小顔と言うか、面長の印象。もう少し幅を稼ぐ様な形にアレンジしてあると、よりアストレイらしさが出せたかも。横や斜めから見る分には、イメージ通りだと思います。

 ボディは、胸アーマーの色指定が白に、ウエストが濃いブレーに変更されたため、同形の新規パーツになりました。コクピット周りはトランスフェイズ装甲になっているという設定だそうです。



 です。デザイン自体に変更は有りませんが、後部に増加バッテリーパックを接続する、コネクターが追加されました。腰後部パーツは、元々あったスリット状のディテールを深く加工してあり、コネクター側のピンをハメられる様になっています。・・・つまり金型を改造した、という事になるんでしょうか?今後生産されるレッドフレームでも、ディテールの深さが変更されたパーツが使われるんじゃないかと思います。

 増加バッテリーパックは、左右貼り合せのパーツ構成。最大で4つ装備する事が出来るデザインの様ですが、今回は2つのみ付属。コネクター両端の取付部に装備する事が出来ます。残念ながら内側2つの取付部は形状が統一されておらず、キットを2つ買っても増設出来ません。スラスターと解釈したとか、そんな訳でもないと思うんですが・・・。



 です。全体のデザインは変更ありませんが、モモのハードポイントアーマーシュナイダーが追加されました。はスライド金型でワンパーツ成形、もちろん鞘から抜いて手に持たせる事が可能です。

 実際に遊んでみると、この装備位置は、脚を高く上げた時に腰サイドアーマーと干渉しやすい配置なんですね。1/100ではサイドスカートが可動するので、それほど問題では有りませんが、HGではサイドスカートが固定となっているため、セカンドL発売時に若干ポーズが制約されるかも知れません。腰パーツが新設計になると嬉しいんですが、ゼータクな望みかな?

 足首は、ハイヒール状のデザインに変更。ツマ先からは設定通りに、アーマーシュナイダーが引き出せます。ガイドレールにスペースを必要とするので、短めになってはいますが、ギミックが多いと楽しいので、歓迎したい所です。(差替え式に改造するのは簡単ですが、差替えの物を可動式に改造するのは大変ですから。)カカトの縦のスリットにもアーマーシュナイダーが仕込まれているそうですが、残念ながら今回は省略。

 ところで足裏の丸モールドは、バーニアなんでしょうか?設定には詳しくないんですが、もしバーニアなら、内部のアーマーシュナイダーに塞がれて、奥行きが確保出来ていない様な・・・。

 肩アーマーは、前後の上腕カバーが可動。上にハネ上げる可動も仕込んで有るんですが、肩ブロックに干渉して、あまり大きく動いてくれません。試しに肩アーマー側の干渉部分を削ってみると、腕が真横まで上がる様になりました。可動好きな方は、気が向いたら試してみて下さい。

キットをそのまま組んだ左肩アーマー(写真右)と、肩関節前後を1〜2ミリ程度削ってやった右肩アーマー(写真左)の比較。黒い接続パーツの前後を削ってあるのが、分かるでしょうか?

 後部には開閉式のスラスターが有るという設定ですが、キットでは厚みを持たせていない、フィンの様な形状になっています。という訳で開閉ギミックも無く残念なんですが、スラスター全体を上下に振る事は可能です。肩アーマーのサイズが若干大きめに感じますが、前腕をカバーする事を踏まえた上でサイズを決めれば、このくらいが正しいと言えるかも知れませんね。

肩アーマーを改造してやった右肩の方が、左肩よりも上まで上がっているのが分かるでしょうか?左肩も、それなりに上がっている様に見えますが、これは肩アーマーをハネ上げているのではなく、肩関節パーツが上下可動しているためです。
ツマ先のアーマーシュナイダーにも注目。

 背中には、バックパック(変形したタクティカルアームズ)用のマウントラックを装備。レッドフレームのバックパックと同じアームで取り付けてあります。薄い本体部分も、しっかり2色に色分け済み。アームにつながる小さなポリキャップがバックパックの重さに負ける事はありませんが、負担をかけないための配慮か、腰後部の増加バッテリーパックでバックパックを(さりげなく)支える様な配置になっています。

 今回の主役、タクティカルアームズです。ランナー3枚分以上というボリュームは圧倒的!ソード状態ではパーフェクトジオングのソードが頼りなく見えるほどの幅と厚みです。刃の部分をハサミの様に開けば、キュベレイの肩幅を軽く越えるサイズ。なんとも外伝らしい、遠慮の無さが魅力ですね。



 おかげで、ソード状態で構えるのも、ひと苦労。頑張れば両手で構える事も出来ますが、片腕で肩の上に担ぐポーズがオススメです。実際は肩に荷重をかける訳ですが、片腕という事で、軽々と持ち上げている様な印象になります。両手で構える場合も、前腕や胸に荷重をかけて安定させると良いでしょう。しかし、こんなに剣が大きいと、敵に正面に回りこまれたら(は?)、死角に入って見えなくなる様な・・・(笑)。突きを繰り出す場合は、ソード自体のスラスターで加速するそうです。



 ガトリング状態への変形は、を2つに割って展開し、間にはさまれていたガトリング砲を露出させ、増設バッテリーユニットをセットして完成。地面に突き立てた刃は、ある程度、敵の弾を防いでくれそうな感じですね。ソードのグリップの横にある、射撃用のグリップを起こして構えさせますが、このグリップの基部が動きやすい事と、タクティカルアームズの重量があるため、倒れやすくなります。説明書の写真では、両手で構えて安定させていますが、腕が簡単に曲がらないよう、上腕をヒネってヒジが外側にくる様にすれば、片手でも安定して飾れますよ。実弾とビーム砲2門ずつの混合という事は、汚し塗装も表現を変えた方がいいのかな?

MGゴッドガンダムの経験から、足元が滑りにくければポーズが決まりやすいのではないかと考え、マウスパッドの上に立たせてみました。重たい物を持たせると、腕の保持力だけでなく、足が開いてコケてしまう問題も出てくるのですが、かなり効果が有りました。

 バックパック状態への変形は、グリップを引き出して折り曲げ、スラスターを90度ヒネって背中のマウントラックに連結、ソードの刃を途中で畳んでウイング状に変化させて完成。折り曲げた刃の中からは、スラスターが露出します。ウイングは、重さで若干垂れ気味になる事があります。アーム(H1〜H4パーツ)と接する面に、ディテールに摸した凹凸を付けて噛み合う様にしてあれば、より確実にロック出来たかも知れませんね。あと、グリップの伸縮部分は、中央の青いパーツにレールを設けてありますが、ガトリング内部に伸縮用のシャフトを設ければ、ガイドの距離がより長く稼げたかも?なんて思いました。

サンダーバード1号&3号と記念撮影。持たせて飾るとコケそうで心配という人は、こんな飾り方も良いですよ。(そうかなー?)それにしても、各400円のサンダーバードと比べて、このボリュームは・・・(汗)

 オマケに、ガイロウのフィギュアが付属します。レッドフレームに続いて2度目の登場となるロウは、アニメ版との事。髪や服装が、ずいぶん変更されてるんですね。セカンドLが二人の合作の様な機体なので、ロウが付属しても不思議ではないんですが、今後発売されるであろうレッドフレームのバリエーションに付属させた方が、商売の面で有利だった気もしますが・・・他のキャラが付属するのかな?まさか、ゲーム版、実写版、ミュージカル版等々のロウが続々登場とか。(!)

左からガイ、ロウ、レッドフレーム付属のロウ。・・・・・・・・と、ハチ。

 組立時間は2時間20分でした。そのうち30分はタクティカルアームズを組んでいた気がしますけど(笑)。もともと可動に優れたアストレイに、ギミック満載の武装を追加してあり、遊んで楽しいキットとなっています。タクティカルアームズの重量に振り回されてる感じもしますが、ここは前代未聞のトンデモ武器っぷりを存分に楽しんで吉、という所でしょう。

 もしMGで発売される事があれば(って言うか、頼みますよ!)、フレームが仕込まれて本体重量が増加し、より安定性が高まって気軽に遊べるんじゃないかと期待してしまいますね。タクティカルアームズを軽量化する事は難しいかも知れませんが、足裏をゴムパーツ化するだけでも、安定性はかなり向上すると思います。実際、このキットもツルツルの机の上では取れないポーズも、マウスパッドの上なら問題なく取れたりしますからね。


おまけ

 ホビージャパン2004年10月号付属、ソードカラミティ(改造キット)を組んでみました。カラミティの装備変更という事で、ほとんど武器セットの様なパーツ構成ですね。対艦刀シュベルトゲベールは、バックパックのアームに装備可能。ビーム刃が一体になっているので、2セット買って未使用状態も再現するか、ビーム刃を丁寧に切り取って着脱式にしてやりたい所です。グリップエンドはレーザー砲としても使えるとの事で、本来のカラミティっぽい運用も出来るんですね。



 パンツァーアイゼンは、クローが開いた状態でワンパーツ成形。前腕のシールド装備用スリットを利用して装備します。クローが邪魔して、対艦刀を持つ向きが若干制限されますが、それでも作例記事内では色んなポーズを決めていますね。時々ポーズを変えて飾る分には、さほど問題は無さそうです。肩アーマーは、上半分が新規パーツで、マイダスメッサー(ビームブーメラン)が着脱可能。ビーム刃が付属しないのが残念です。これ、手に持ったままビームナイフとしても使えそうですね。対艦刀と併せて、長短2種の二刀流なんてのも変化が有って面白いかも。



 アーマーシュナイダーは、先の丸まった物と安全突起の付いた物の2種が付属。(フラッグなんて呼び名、カッコ良すぎる気がしますが?:笑)スネ側面のカバーが開いて、収納状態のアーマーシュナイダーを見る事も出来ますが、着脱は出来ません。収納状態の物は、スペースの都合で若干小さく作られています。サイドスカートの影になって、やや取り出しにくい装備位置ですね。スカート形状もアレンジしてあると良かったかな?



 教材キットという面白い位置付けで、パーツのシャープ化や穴埋めのテクニックを紹介するDVD(と本誌記事)が付属。こちらはプロの作業が動画で見れるとあって、上級者からも喜ばれている様子。塗装はエアブラシが中心ですが、いずれはコピックからパステル、筆塗りによる全塗装、デカール貼りも動画で紹介して欲しい物です。次回DVD教材に向けて、コツコツと撮りだめておいて欲しいですね。理想を言えば、いつでも買える単行本に付属してるのがベストでしょう。月刊誌に付属の場合は、広告をDVDに収録して本を薄(略)ウチ、本棚が狭いもんで・・・。



 カラミティの余った武装パーツは、500円キットに移植するも良し、改造パーツに取っておくも良しですが、2体分の装備を持たせてみるのも迫力ありますよ。本体色をオレンジに塗装するのをためらうユーザーも少なくないのでは?という配慮からか、緑のボディにオレンジの装備を施した、「ソードカラミティ初号機」の設定も初公開。これはナイス(?)アイデアですね。これにならって、今後はMGジョニーライデン専用06R2も、初期バージョンだったという位置付けに・・・(ダメ?)

2004.9.16  健 竹史


  

1/100 ガンダムアストレイブルーフレームセカンドL
1/100 ガンダムアストレイレッドフレーム
1/100 ガンダムアストレイゴールドフレーム アマツ

 

HG ガンダムアストレイレッドフレーム
HG ガンダムアストレイブルーフレーム

  

1/144 ガンダムアストレイレッドフレーム
1/144 ガンダムアストレイブルーフレーム
1/144 M1アストレイ

 

MIAガンダムアストレイ レッドフレーム
MIAガンダムアストレイ ブルーフレーム

 

HG カラミティガンダム
月刊ホビージャパン2004年10月号
サンダーバード

[HOME]

inserted by FC2 system