健さんの
プラモコラム

その109
1/100プロヴィデンスガンダムの巻

( 1/100 プロヴィデンスガンダム/ バンダイ/
ZGMF−X13A プロヴィデンスガンダム
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 ムウのストライクを苦戦させたゲイツを、あっさり撃退したフリーダムが、ミーティアを使っても圧倒された最後の敵。プロヴィデンスって、とんでもなく強いんですね。クルーゼはシャアをモデルにしながらも、ライバル役ではなく、とことん「敵役」だったんだなぁ・・・なーんて思ってたら、今後のガンプラは強敵特集、サイコミュ特集が続くみたいです。嬉しい悲鳴!って言うか、悲鳴(笑)。てな訳で、1体ずつやっつけていくとしましょう。



 頭部は、ヘルメットを組み立てた後で、目と頭頂部カメラ、マスクを正面から組み込む構成。1/100デュエルに似てますね。HG以上に塗装しやすい構成です。今回はヒサシに加えて、側面の装飾も別パーツ化して色分け。先端は水平に近くなっっていますが、もうちょっと斜め下に向かって尖ってたら良かったですね。今回の目とカメラには、クリアーパーツは使われていません。

 ボディは、ウエストの白い部分まで色分けされ、HGよりもさらに充実しました。箱組みの様なデザインのエリは、頭の後ろの内面にちょっとした斜面を追加し、変化を持たせてあります。エリの前側はボディとの境い目に面取りを設けて、別ユニット感を強調。背面(隠れますけど)のディテールは、HGの物と統一してあります。



 ワキの下のケーブルは、1本ごとに成形。途中に継ぎ目も無く、ダクトとも別に成形してあって、なかなかリアルです。適度なタルミを持たせたカーブは、HG以上に自然だと思います。ケーブル表面にモールドされた(スジ彫り)は、好みの分かれる所かも知れません。スケール相応に追加されたディテールの1つでは有りますが、設定画のツルンとしたデザインが、体外にバイパス手術された血管の様な、「いかにも改造されてます」なムードを醸し出してて好きだったんですが。(まぁ、彫るのは大変、埋めるのは簡単ですから。)

 は、フロントスカートが左右独立して可動。1/100ストライク同様、段差の部分にダクト風のディテールが追加されています。腰周辺のドラグーンの冷却用なのかなー?と想像してみたり。側面のユニットは、いつものサイドスカート同様、ポリキャップで可動します。(って言うか、後から取付けられるのが嬉しいですね。)腰の横と後ろのドラグーン着脱ジョイントは、HG同様に2基一体で可動。ジョイントの先端にはガイドの溝が切ってあります。これも追加ディテールの一環なんでしょうね。



 です。ヒザは、関節パーツ内部にポリキャップを内蔵、モモとスネでハサミ込む構成です。後ハメ出来ませんが、こっちの方が保持力が高いとか(想像)、何か理由が有るんでしょうか?スネは、ヒザ上面の青い部分と、正面のスラスター(?)を色分け。後部のスラスターは可動式。ポリキャップ使用で後ハメ式になっています。足首アーマーはハサミ込み。HGと共通点が多い様ですが、データを積極的に流用してるんでしょうね。形状面でも、スネ正面のパネル分割線に尖った所が有ったりして似ています。(あそこは、3枚のパネルが1点で接して、尖らないのが自然だと思います。)

 足首は2重関節で可動。このスケールで多く見られる、土踏まず関節メカ部を分けるアレンジがされています。ツマ先からカカトまでが一体のため、土踏まずは色分けされてませんので塗装してやりましょう。ところで説明書の表紙の写真、土踏まずが写っていないようですが、これは「足の組立に注意しなさい」と言う、ご先祖様からの警告だと思われます。(ご先祖って誰よ?ドレッドノート?)合成時のエラーと思われますが、レア物が好きな人は、修正される前にゲットですよ!



 肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込んで組立てます。内蔵したスラスターは噴射方向からの成形となり、HGよりもリアルになりました。フチは一旦薄く造形してから補強を巡らせるアレンジで、一見すると二重構造の様に見えます。厚みを落とさずに厚ぼったさを隠す、面白いアイデアです。内部のハメ込みピンを目立たせず、色分けも充実、スミ入れすれば正面のエッジを引き立ててくれそうな効果的な追加ディテールも良い感じです。

 です。上腕はおなじみの筒状パーツ。前腕には、左右ともポリキャップを内蔵したハードポイントが設けてあります。が前後可動しないのは残念ですね。余ってるポリキャップGやFでは、ダメなのかなぁ〜。

 手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属します。

ちょっとお遊びで、1/144(HG)の頭部と交換してみました。正面から見ると妙ですが、見上げるとなかなか迫力があります。写真撮影を楽しんでる方は、撮影の時だけパーツを取り替えてみるというのも、面白いかも知れませんよ。

 バックパックです。HGではピン2本で背中に接続していましたが、今回はピンと四角い突起で接続。上下を間違えにくくなっています。(誰も間違えないって!)背中のディテールはHGにも有りましたが、今回はバックパック側にも、背中に対応するディテールが施されています。見える部分にもディテールが施されていますが、円に合わせたデザインを少なめに配置して、不自然さが有りません。スラスターは今回も3基一体のパーツ。ここは遠慮なく凝ったディテールにアレンジしてあります。

 武装です。MA−M221ユーディキウムビームライフルは、グリップとフォアグリップが可動式。銃口に加えて、スコープ正面も別パーツ化されました。ボクは武器交換を容易にしようと、手首にある指パーツ取付け用のピンを短く切ってみたんですが、ライフルの重さで指が外れやすくなってしまいました。着脱が面倒でも、ここのピンは短くしない方が良さそうです。肩アーマー内部の再現がしっかりしているので、両手持ちさせた時の見栄えも良いですよ。



 MA−MV05A複合兵装防盾システムは、前腕のハードポイントを利用する取付け方式になりました。腕カバーを開いてピンを腕に接続、再びフタを閉めて装備完了です。色分けはHGと同等ですが、赤いビームサーベル発生部は後ハメ式です。クリアーのビーム刃の取り付けは、この赤いパーツではなく、奥の本体パーツ(グレーのパーツ)に保持させます。赤いパーツと擦れないのは、塗装派にとっても嬉しいポイントじゃないでしょうか。

 ドラグーンは、フィン状の物はスライド金型を使ったワンパーツ、円錐状の物は左右分割&先端パーツと、HGと同じ構成。円錐ドラグーンの取付け部はHGの時の様なフラットではなく、設定通り窪みになっています。底面がドラグーンに密着せず、スキマが有るという事は、改造しやすいという事でもありそうです。模型誌の作例では、設定通り丁寧にスラスターを再現していましたが、自信の無い人はピンの周囲に丸パーツを貼り付けて済ませるというのも、有りじゃないでしょうか?



 おまけに、1/20のラウ・ル・クルーゼが付属します。ザフトの少年たちと並べると、明智先生の様な・・・(でも実は怪人二十面相の変装:笑)。ここまで来ると、クルーゼ隊コンプリートを目指してミゲル君も並べてみたくなりますね(2期先輩の彼は小林君?)。今回のクルーゼ隊長は制服姿ですが、このプロヴィデンスには、パイロットスーツ姿の彼を並べてみたかった気もします。饒舌に語る最終決戦は、彼自身の見せ場でもありましたし。

 組立時間は1時間25分でした。突起だらけのデザインという事で、1/100ともなると、かなりの迫力が有ります。この重装備でこの価格なら、カラミティ等が発売されても、さほど高額にはならないんじゃないかな?と、改めて1/100シリーズを続けて欲しくなりますね。構造の面では、肩のバルカンもどきや、背中のメインスラスタ−等、左右の違いが微妙なパーツのハメ込み部分をT字形にして、組み間違いを起こしにくくしてある親切な設計に好感が持てました。対戦相手、フリーダムのMG化が、今から楽しみであります。(狙って連発してるのかな?ミーティアも含めて。)


おまけ

 紹介がミゲル専用ジンよりも後になってしまいましたが、MSVシリーズ第1弾、ストライクルージュ+IWSPに軽く触れておきましょう。ルージュ本体はストライクの色替えですが、アゴと額だけは赤のままなので、色再現のために同形の新規パーツとなっています。説明書によれば、パワーエクステンダー(パワーパック強化システム)を搭載した事で起動色が変わったそうなんですが、アゴと額は特別?



 続いてIWSP(統合兵装ストライカーパック)です。115ミリレールガンは基部にポリキャップを使用。本体完成後に取付け可能で、上下左右に可動します。アンテナを完全にかわす所まで動かせるので、窮屈な印象もありません。105ミリ単装砲は、肩上の飛行ユニット部分の組立時にハサミ込む構成。銃口を別パーツ化するには小さ過ぎるサイズですが、スライド金型を使って銃口の穴を再現、ワンパーツで成形してあります。9.1メートル対艦刀は2本付属。両手で構えるにも丁度良い形と長さです。IWSP無しで、単独で持たせても面白そう。ホルダーは下面が開放になったコに字形で、背面ユニットの組立時にハサミ込む組立て。対艦刀をホルダーに収める時は、前からら差し込んでツバの部分でロックします。



 メインエンジンは左右2分割。上面は主翼、前面はインテイクで隠れるので、接着ラインが露出するのは下面だけです。バーニアは上下のフィンと一体成形で、後部から差し込む構成。扱いやすい代りに、ちょっと塗装しにくそうですね。垂直尾翼(?:ちょっと斜めですけど)は、主翼に差し込んで取り付けてありますが、裏面がエンジンで隠れているので、取付け穴が見える事はありません。一番下の副翼(?)は、上下に可動します。



 コンバインドシールドはグリップが可動。腕へのジョイントは取付け方向を選べるタイプで、シールド側の回転部にはポリキャップを使ってあります。先端には30ミリ6銃身ガトリング機関砲、表面にはビームブーメランを装備。ビームブーメランは着脱可能で、クリアー成形のビーム刃が付属します。サイズはマイダスメッサーと、ほぼ同じくらい。手に持たせた時にグラグラするので、グリップをもっと太くして欲しかったですね。刃の方を持たせると丁度良いんですけどね。(危険?)実はビームの干渉反応を利用して、飛翔経路をコントロール出来るそうです。マイダスメッサーの劇中での命中率にも納得!



 エールストライカービームサーベルは付属しませんが、ビームライフルシールドは付属します。コンバインドシールドと同時に持たせる事も可能。左右対称っぽくてバランス良く飛べそうな感じ?シールドは本体と同じ色で成形されているので、劇中のカラーリングを再現するには塗装してやる必要があります。



 HGストライクのエールストライカーを借りて装備したり、IWSPをHGストライクに装備させる事も可能ですが、300円ストライクにIWSPを装備させる事は出来ません。サイドスカートの上が出っ張っているので、対艦刀に干渉するんですね。試しにスカートを外して装備させてみたところ、安定は良い様です。エールストライカーは後ろばかり重たくなりますが、IWSPは重心が機体寄りの、バランスの良い装備と言えるかも。スカートの干渉部分を加工して、コンバインドシールドをプラ棒か何かで接続してやれば、300円ストライクでも楽しめそうですよ。



 色分け用のシールの他に、マーキングシールも付属。開発したPMP社のマークの他、カガリ機のナンバー、カガリのパーソナルマークが付属します。ミゲル専用ジンもそうでしたが、シールが充実してくると元祖MSV当時を思出しますね。(当時は水転写式デカールでしたけど。)欲を言えば、せっかくグレーのランナーを追加したんだから、アーマーシュナイダーを付けて欲しかったなぁ〜、と思うんですが。

2004.6.6 健 竹史


 

1/144 プロヴィデンスガンダム
1/100 プロヴィデンスガンダム

  

HG ストライクルージュ+I.W.S.P.
MG ストライクルージュ
MIA ストライクルージュ&ランチャー/ソードストライカー

[HOME]

inserted by FC2 system