健さんの
プラモコラム

その108
HGミーティアの巻

( HG 1/144 ミーティアユニット+フリーダムガンダム/ バンダイ/
「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 ミーティアもついに1/144が発売です。こんな大型キットが年末商戦とも無縁な時期に発売されるなんて、なんて大胆な・・・とか思いつつ、やっぱり買ってしまうボクなのでした。翌月にパーフェクトジオングが控えていると知らなかったら、ついつい2個買っていたかも?!てな訳で(何が?)、100回記念で採り上げたミーティアを再び迎え、妙なコラムも煩悩の数に追い付き追い越そうとしております。ご縁が有りますなぁ、ミーティアとは



 まずは伸縮するフレームから見ていきましょう。フレーム本体はABSパーツ2枚の貼り合せ。基部はポリキャップで可動、先端は巨大なアームにつながるボールジョイントになっています。1/400ミーティアではフレームの両端が伸縮してましたが、今回は先端は可動に専念して、基部のみが伸縮。フレームを引き込むレールユニットの先端には、搭乗MSのボディを左右からロックするジョイント(?)が付いています。キットではポリキャップ使用で左右に可動。特にMSと噛み合う部分は無く、ワキの下を支える(乗せる)仕組みです。



 アームは2枚貼り合せてから、後端をハメ込む構成。斜めに仕込まれたポリキャップが面白いですね。スコープの色分けは無くなりましたが、マズル部分が色分けされました。1/400ではビームソードの刃を側面から取り付けるために不要な突起が出ていましたが、今回は本来の形を再現してあります。アーム側面に3基並んだスラスターは、小さいスラスターが3基ずつ束ねられた、合計9基のスラスターという解釈になりました。サイズから考えても妥当な解釈じゃないでしょうか。他にも多くのディテールが追加され、スケールに見合った密度感を持たせてあります。



 アーム側面のエリナケウス艦対艦ミサイル発射管は、ハッチの開閉が可能。パーツ構成は1/400と同等ですが、ハッチを開けると露出する内部が、一段奥まった造形になっていて、より立体感が有ります。ミサイルも、単なる穴ではなく1つ1つの先端をクッキリとモールドしてあります。

 本体前半の展開する部分は、上下とも二重関節で可動。今回はヒンジ部分にポリキャップが仕込んであります。やはり新規のディテールが追加されているんですが、1/400の時よりもモールドの深さを浅くしてある様です。密度感を高めながらも、スッキリした外観を大切にしてある・・・という事なのかな?

同じスケールのHGUCデンドロビウムと、夢の対決。「キラ君、ビーム主体のその機体では・・・!」持久戦に持ち込めば、キラ君が有利かな?(体力的に)

 変形時のロックには、今回も突起状のジョイントを使っていますが、1/400の時以上にディテールっぽく見える様に配慮してあります。1/400では突起だけでなく、噛み合う穴の周囲も出っ張った形にしていましたが、今回は穴の周囲をスッキリとフラットにしてあります。ヒンジから等距離の所に穴と突起が有れば、いかにも変形して重なりそうに見えてしまいますが、穴を目立たなくした今回の処理は、より自然な感じで良いと思います。



 テールユニットは、1/400では固定でしたが、今回は起き上がる様に可動します。やはり尻尾がピンと立っていると、凛々しさが違いますね。これで後部スラスターも、ちゃんと露出します。エリナケウス艦対艦ミサイル発射管の、3箇所のハッチは開閉式。1/400と同様、裏面のディテールで、どれがどこのハッチか見分けられる様になっています。テール本体は上下貼り合せる構成ですが、あまりに大きなパーツのため、ハメ込みピンを均等に押し込むのが大変でした。根元のポリキャップ周辺がエグれた形状なので、ここに負担をかけない様、良く見ながら組み立てると良いでしょう。



 本体後部は、上下のジャバラ部分(グレー)の色分けが再現されず、1/400よりも少々寂しい印象。これはヒンジが近いために、強度の都合でシンプルにしたかったからとか、何か理由が有るんでしょうか?下面は、ジャバラの形状を切り欠く様に、飾り台の取付け穴を開けてあるのが残念。重量を考えると、取付け位置をこれ以上後ろに配置するのは避けたかったとか、そんな都合だろうと思います。振り回して遊んでも危ないので、飾り台を外す事は想定していないのか、取付け穴を塞ぐパーツも、特に付属しません。



 ところで上面のジャバラは、形も大きさも、1/400ミーティアの飾り台とほぼ同じになっています。ここに1/400キットを重ねて飾るのが、正しい親子マシンの楽しみ方なのかも知れません(意味不明)。

最終回のイメージで、アームを取り外してみました。(アームを保持している伸縮フレームが、本体内に引っ込んでしまわない様に注意!)

 メインエンジンは、エンジンノズルシェルカバーが開閉します。上下カバーの可動にはポリキャップを使用。左右カバー(内側のカバーは、ほとんど動きませんが)は、ポリ無しのハサミ込みですが、重力に負ける心配の無い方向なので、保持力の心配は無いと思います。エンジン周りのディテールとか、実際の可動部は別の所にあるのに、しっかりヒンジらしく見えるヒンジなんかは、見ていて楽しい部分です。



 本体左右のミサイルポッド(60センチ エリナケウス艦対艦ミサイル発射管)は、1/400と異なり着脱が可能。飾らずに箱に収納したい時なんかには、外しておくと良いでしょう。あまりの大きさのため、ちょっとガタつく感じが有ります。着脱用のポリキャップは、もっと奥に配置して、距離をかせげば安定したかも。ここのハッチも、上下の向きが、内側のディテールで見分けられる様になっています。



 93.7センチ高エネルギー収束火線砲は、2分割とマズル部分の3パーツ構成。発射口の奥まで再現してあるのには驚きます。(塗装しようにも、筆は届かないかな?)元のデザインがスッキリしている分、ディテール追加の効果が顕著な部分と言えるかも。ポリキャップ使用で上下回転着脱が可能。設定を良く見ると、実機では左右にも若干可動する設定なのかも知れませんね。後部は平らではなく、ちょっと反った様な絵にも見えますし、旋回部分と砲身の間に、スキが有る様にも見えますから。

 飾り台は、安定を良くするためか、(サイズに対しての)支柱の長さが1/400よりも短めになりました。このため変形時には、一旦モデルを飾り台から外してやる必要が有ります。ちょっと不便ですが、飾る位置が低い方が迫力がある気がします。支柱の側面にはフリーダムのシールドとライフルを固定出来るので、変形時に、うっかり当たらないための配慮なのかも知れません。



 おまけに、HGフリーダムガンダムが付属します。今回は宇宙戦闘用の設定色を採用した、特別カラーバージョンという事で、各色とも若干濃いめの成形色に変更されています。じゃあ単品売りのフリーダムは地球用?大気中では遠くの物ほど色がかすんで見えるという塗装理論、「空気遠近法」を思い出しました。

アームをちょっと動かしただけでも、先端ではかなり大きな動きになります。

 シールは、色分け用の物の他に、マーキングシールが付属します。今回のキットにジャスティスは付属しませんが、ジャスティスが搭乗する「ミーティア02」用のナンバーも付属。「01」と「02」、どちらかを選択して貼る事が出来ます。フリーダムとジャスティスの機体ナンバーのシールも付いています。



 合体状態への変形です。アームと機体前部がロックされているので、最初にアームを左右に広げてロックを解除してやります。次に機体前部を上下に開いて、後ろに回します。アームを支えるフレームを引き出し、アーム内側のグリップを引き出して、テールユニットを起こします。フリーダムのウイングを立てて後ろに回し(ジャスティスの場合はリフターを肩上に展開して)、ワキの下をミーティアのジョイントに乗せる様にセット、グリップを握らせて完成です。



 ビームソードの刃は、クリアーパーツで成形。アーム先端のミゾ(設定にも有ります)を、上下からはさむ様にセットします。ビーム刃を取り付けた状態では全長が1メートルにもなり、なかなかの迫力。刃の重量を支えるため、取付け部はかなりキツめです。(塗装派にはツライですけどね。)



 アームは、左右に振る程度しか動かない様に見えますが、これは可動フレーム部分に詰め物がしてあるためです。普段はフレームにハメてあるO−8パーツは、可動部のスキマを無くして重量を支えるための物。形状はメカっぽく処理してありますが、設定画には無い独自のパーツです。これを外すと、驚くほど良く動く様になります。フレームにヒネリや伸縮も加えると、上に60度くらい、横に40度くらいは動いてくれます。外した詰め物パーツも、武器と同じ様に飾り台に収納出来れば良かったと思うんですが、「遊び終わったら元通りにハメておいてね」という事なのかも知れませんね。

真上、真横までとはいきませんが、これだけ動けば可動の面でも満足できる内容だと思います。(安全のため、遊び終わったらアームを定位置に戻しておくと良いでしょう。)

 組立時間は1時間10分(フリーダムを除く)でした。全長48センチ、展開時で60センチという大型モデルですが、組立は簡単で、手軽に楽しめると思います。置き場所が無くて・・・という方も多いでしょうが、飾り台を外すと扱いが難しいデンドロビウム(上下逆に置けば、少しは安定します)に比べて、フラットな形で保管も容易だと思います。(デンドロは、外した砲身だけで41センチもありまして・・・ミーティアと変わらないじゃん!)34センチある全幅も、ミサイルポッドを外せば19センチ。フレームが機体内部に引っ込まない様に注意さえすれば、アームを外す事も可能ですもんね。

他のMSも、いろいろ乗せてみるのも楽しいです。MSが隠れないデザインなので、デンドロよりも変化が楽しめると思いますよ。

 それから、表面に施された連続幾何学パターンのアイデアが、変わってて面白いと思います。ディテールを足して密度感を高めるにも限界があって、模様まで投入したくなるサイズなのか!なんて、改めて大きさを思い知ったりして。しかしこの模様、外宇宙の匂いがプンプンします。中に宇宙クジラが隠してある、くらい言って下さい!



 おまけ

 ミーティアと言えば、劇中で使われたTMレボリューション(西川くん)の挿入歌のタイトルでも有りますね。こんな時期にミゲル・アイマン専用ジンが発売になったのは偶然?やっぱり(微妙に)狙ってるんでしょうか。キットはHGジン(商品名モビルジン)の色替えですが、モノアイ等の色分けシールに加え、ノーマルジンには付属していなかったマーキングシールが追加されました。昨年のキャンペーンで限定生産された「ジン・テスト機カラー」の完成見本と同じマーキングなので、同一の機体と思って良いのかな?



 このマーキングシールには、ドクロマークと「DEFROCK」「DF+」の文字が、各2枚ずつ含まれていますが、各1枚は予備の様です。ミゲルの死後、彼の仲間も同じマークを用いたという解説が有るので、好みの機体に貼っても良いですね。ところで「DEFROCK」の後ろには、登録商標を表す「R」マークが付いていますが、これはTMRの登録商標なんでしょうか?「確かにRだよなぁ・・・」と、家にルーペも無いので、WAVEのHアイズ(レンズパーツ)で必死にシールを眺めてみたんですが、説明書に大きく印刷されてるじゃないですか(泣)。「R」マークが描かれたMS、ボクの知る限り初めてです。(笑)(後で調べてみたら、DEFROCKは西川君デザインのファッションのブランド名でした。彼、ホント多才ですね。)



 この機体は、精度の高い部品を使った上でチューンナップされているとの設定で、ザクで言うS型を連想させます。ついでに今後発売される高機動型ジンの開発に繋がったという点にも触れ、こちらは06−Rのポジションですね。塗装についてですが、配色が少ないと思われたのか、アクセントに緑を加えた新しい色指定となっています。でもミサイルをミゲル専用に塗り直したとも考えにくいので、これは別用途のミサイルと考えても良いかも。一般用のジンと同じミサイルに塗り直しても良いでしょうが、いつの間にか肉付けされたミゲルのキャラクター設定を読んでいると、何等かの特別な作戦で用いたミサイルかも?なんて想像を膨らませた方が楽しそうです。なにしろMSVは、空想の遊びですから。

2004.6.3 健 竹史

1/400 ミーティアユニット
HG ミーティアユニット
タミヤ1/48ミーティア V-1
タミヤ1/48ミーティア F.1

HGモビルジン ミゲル専用機

スーツCD (4) ミゲル・アイマン×ニコル・アマルフィ
T.M.Revolution INVOKE
T.M.Revolution ・coordinate
機動戦士ガンダムSEED COMPLETE BEST
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK1
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK2
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK3
機動戦士ガンダムSEED ORIGINAL SOUNDTRACK4
シンフォニーSEED 交響組曲 機動戦士ガンダムSEED

機動戦士ガンダムSEED―運命の再会 公式ガイドブック
機動戦士ガンダムSEED―大地の戦士 公式ガイドブック2
機動戦士ガンダムSEED-明日への翼- 公式ガイドブック 3

[HOME]

inserted by FC2 system