健さんの
プラモコラム

その106
HGシグーの巻

( 1/144 HG シグー/ バンダイ/
ZGMF−515 シグー 「機動戦士ガンダムSEED」に登場)


 コレクションキットが発売されず、いきなりのHG発売!コレクション仕様のファンとしては寂しい気もしますが、心の準備の無いまま、いきなりHGを手に取ると言うのもワクワクしますね。今後はMSVと金型共用できる形での、HGが中心となっていくのかなー。いきなりのHG発売は、シグーが指揮官機だったからかも知れませんね。番組終了後も汎用量産機だけはコレクションキットでの発売を続け、買い揃えやすい状況を整えてくれたバンダイさんには、感謝すべきかな?では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は、フェイスにオデコと頭頂部を重ねていく構成。モノアイシールドは別パーツになっていませんが、オデコが別パーツなので、塗装するにせよシールを貼るにせよ、作業が楽です。動力パイプは耳と一体で、左右から取付けます。頭のサイズは、同系列であるディンと同じサイズになっています。ディンのヘッドカバーが被さる事を確かめた上で発売出来た訳で、ある意味発売がこんなに遅くなった事も無駄ではなかったかも?前面設定画などでは頭が大きめにも見えますし、ディンを意識せず番組当初に発売されていたら、統一感を損ねていた可能性も有ったかも。

 ボディには、ウイング取付け用のポリキャップが仕込んであります。肩から腹まで一体パーツで、白い色分け部分を表面から貼り付ける構成。胸上面の黒い部分と左右のダクトも色分けされてます。ボディ上面は、肩の付近に段差が有って、カトキガンダムみたいなデザインですね。この段差、ガンダムの様な人間型の頭部よりも、今回の様なボディに密着した頭部(つまりザク顔)と相性が良い気がします。ジオン系MSの改造にも、試してみても良いかも。

 です。フロントスカートは左右一体で可動。ゲルググイェーガーでは左右独立可動でしたが、毎回採用する方針になった訳ではない様ですね。残念。サイドスカートは、スラスターの下がエグられたデザイン。裏面は盛り上がってるのかな?と思ったら、平らでした。エグった分だけ薄くなってるんですね。リアスカートは固定式。ずいぶん長いスカートですが、特にポージングの妨げにはならない感じです。



 は、ディンジャスティスに似たデザイン。開発の流れが感じられて面白いですね。ジャスティスは空中戦にも実績のある新型機を参考に建造されたと、デザインから伝わってきます。シグーの脚の話に戻りますが、モモ、スネともシンプルな左右分割。アキレス腱の辺りにあるスラスターは、ポリキャップ使用の可動式。後ハメ可能な構成が嬉しいですね。足首の可動軸も後ハメ式。しかも2重関節を採用しています。

 足首は、土踏まずが有るのに、ツマ先からカカトまで足裏が一体になった構成。HGプロヴィデンスと同様ですね。やはりこの構成は組みやすくて強度も有り、優れていると思います。(土踏まず部分はダークグレーに塗ってやりましょう。)足首関節のポリキャップは、足裏と左右の3方向から閉じ込める組立が面白いと思いました。足首カバーはボールジョイントで可動式。足首正面にハメ込んであります。

 肩アーマーは前後2分割で、肩ブロック(と言うか、今回は上腕)をハサミ込む構成。両端のフィンは、2枚を組み合わせておいてからハサミ込み。2枚が独立して可動します。フィンは単純な板ではなく、実際の航空機の様に厚みに変化を持たせてあります。

 は、上腕の形がフリーダムジャスティスに似た、コブのある形になっています。フリーダム等の時には、コブの途中までを肩ブロックとして、筒構造の上腕がコブと重なる所まで入り込んでいましたが、今回はヒジ関節の上でヒネる方式。(設定でも、キットと同じ所にラインが入っています。)前腕は、左腕のみシールド用のハードポイントが有ります。



 ところで、腕はディンと同じデザインだと思ってましたが、今回のキットでは、腕の外側だけフタの様なディテールが入っていて、内側にもディテールの有るディンのキットと、異なる解釈になっています。シグーの設定画ではサイドスカートの影になっていて、腕の内側が確認出来ません。ディンの設定画には、ハッキリとディテールが入っているんですが・・・。あと、腕を一周する方向にスジ彫りが入るのが正解の様です。気になる人は、彫ってやっても良いでしょう。

 手首は、左右の穴開きゲンコツと、マシンガン用の右手が付属します。

 背中は、バックパックというよりも、ボディから直接ウイングが生えている感じですね。ウイング基部は背中に埋没する様な形。外装部分はほとんど後ハメで、接着ラインが目立つ部分も基部の上面くらいです。ジンのウイングよりも大きくハネ上げる事が出来るデザインで、待機状態と飛行状態の違いが分かりやすいですね。ウイングは横にも可動、小さいウイングも可動します。



 武装です。MMI−M7S 76ミリ重突撃機銃は、左右貼り合せと銃口の、3パーツ構成。公式ガイドブックで見ると分かりやすいんですが、マガジン部分だけ色味の違うグレーなんですね。説明書の色指定より、もっと明るめの色に塗っても良さそうです。

 MA−M4A重斬刀はワンパーツ成形。ジンに付属した重斬刀よりも、細く長めで、よりシャープな印象です。軽減穴の付近なんかは、刃の端に行くほど薄く成形されていて、なかなか良い雰囲気ですよ。取付け用のピンが、最初からデザインに盛り込まれていて、なかなかメーカーフレンドリー(?)な武装ですね。ピンの周辺は、片面だけ肉抜きされています。



 M7070 28ミリバルカンシステム内装防盾は、本体が2パーツ、バレル部分が2パーツ、シールドが1パーツという構成。バレルは縦方向に成形されて、3本の形がクッキリ作られ、先端には穴も開いてて良い感じ。シールド表面の色分けだけでなく、スコープ部分のシールも用意されてます。接着ラインを隠せるので、これは塗装派にとっても嬉しいかも。

 組立時間は1時間でした。ジンにはATやSPTっぽい印象を与える部分が有りましたが、シグーはメタルアーマーみたいな感じがしますね。MSとしても、ガンダムほど特別ではなく、かといって一般兵用の機体とは格が違う、「ある程度生産された高級機」というポジションが感じられて、なんだかワクワクします。

 今後の展開ですが、黒いランナーから、武器類を除外可能なパーツ配列になっていて、何か(笑)を予感させますね。頭、スネ、サイドスカート、ウイング、剣、肩のフィンが集中している多色成形ランナーは、まるごと取り替えて、シグーディープアームズが発売されるハズ・・・です。キット化が進行中である事は、すでに発表されてますね。・・・あー、MSVの事は良く知りませんけど、青くて重武装でツノなんか付いてると、エースが乗って単機で大暴れした後で、はかなく散ってしまう様な予感が・・・。


おまけ

 今さらではありますが、半年前に発売されたコレクション仕様の1/144ディン(商品名モビルディン)を、軽く採り上げておきましょう。頭部は左右2分割。先にも触れた様に、シグーの頭部とサイズが統一されてるのが嬉しいですね。ボディは、シグーよりもウエストが締まった印象。背中からフンドシまでがワンパーツで、それに前後のスカートと胸板パーツを組み付けます。普段は見えにくい背中にも、それらしいディテールが表現されています。



 は、シグーのスネをベースに、インテイクを追加して大気圏内用に再設計した様なデザイン。シグーでは丸かったモモが、ディンでは角ばっていて、ジャスティスへの進化が始まってる感じですね。(いや、生き物じゃなんですけどね。)はクツというよりツメの様なデザインが、鳥っぽくて良い感じ。足首カバーは可動しませんが、そのために内部スペースに余裕があり、カバーのスキマにシリンダーらしいディテールが入っています。これは設定にも有る物ですが、省かず丁寧に作ってありますね。同様のシリンダーはシグーの設定にも有るんですが、足首カバーの軸受を設けるため、再現されていません。(角ばってはいますが、軸受けをシリンダーだと思って、それらしく塗っても良いでしょうね。)やはりコレクションシリーズは侮れないのです。



 肩アーマーも含めた腕は、わずか2パーツで再現。500円フォビドゥンに似た構成で、肩アーマーとスラスターをクッキリ成形してあります。は、ディテールに若干の違いは有りますが、シグーと同じ物と思って良いんじゃないでしょうか。(ザクJ型とF型程度の違い?)肩の取付け軸径が同じなので、シグーの腕を流用して可動を楽しんでも良し、逆にこの2つのキットの腕の太さが異なる事を「シグーをベースに軽量化された別物」と解釈して、あえて違いを楽しんでも良し、ですかね。



 ウイングは、残念ながら3枚には展開せず、1枚のままで可動します。ウイングのフチにある段差で、3枚重ねである事を表現してる様です。ウイングの断面をクサビ状にして、横から見た時に薄く感じる様に配慮してあります。全体を薄くすると強度が心配ですが、これはベターな処理じゃないでしょうか。ヘッドカバーは差替えで開閉を再現。ワンパーツのため後端に肉抜きが有りますが、裏面のスラスター(ダクトかな?)の再現も忘れていません。

 武装は、MMI−M7S 76ミリ重突撃機銃と、MMI−M1001 90ミリ対空散弾銃が付属。サイドスカートのポケットに収納する事が出来ます。右手の機銃、実はシグーの装備と同じ物なんですね。ディンの物の方が若干小さく、厚みは半分くらいですが。

腕とサイドスカートを他のキットと交換してみた例。ディンとシグーの腕は、細部に違いは有るものの、ほとんど同じデザインです。フィンをスラスターに作り変えれば、肩アーマーも流用出来そうです。

 このディン、シグーのバリエーション的な、開発史を感じさせる面白さに加えて、フリーダムのハイマットモードに説得力を与える、前座的な役割も感じます。サイドスカートは武装とスラスターを兼ねていて、ここもフリーダムのレールガンを連装させます。腕だけでなく、サイドスカートもディンやフリーダムの物と交換して、試作機やら新装備の試験機なんかを想像してみるのも面白いかも知れませんよ。

2004.5.19 健 竹史

HG モビルシグー
HG シグー・ディープアームズ

1/144 モビルディン
1/144 モビルゲイツ
HG プロヴィデンスガンダム

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