健さんの
プラモコラム

その105  1/100ガンダムアストレイ
       
レッドフレームの巻

( 1/100 ガンダムアストレイ・レッドフレーム/ バンダイ/
MBF−P02 ガンダムアストレイ 「GUNDAM SEED ASTRAY」に登場)



 HGの発売から、意外と長く待たされた感じがしますが、ついに1/100アストレイの発売です。ますますカッコ良くなって、ついでにシェーのポーズも、アグラ座りもOKという可動範囲の広さ。でも、一番気になってたのは、「HG発売の時に、ブリッツとの腕交換を試してなかった事」なんですよね。なじむ!実に!なじむぞッ!(DIO風。)HGよりも見事にフィットしますね。・・・では胸につかえていた物がスッキリした所で、腕の取付軸以外の部分も見ていくとしましょう。(笑)

「アストレイ、オレを使え!」「トリケロコネクト!!」

右腕をブリッツの物に交換した状態。HG(小)では軸を奥まで押し込む事が出来ず、若干のスキが出来てしまいますが、1/100(大)では違和感なく装着できる様になりました。

 頭部は、マスクが別パーツになり、マスク横の赤い部分まで色分けされました。(ウチの母曰く「このガンダムは泣いてるの?」・・・まぁ、そうも見えますね。)後頭部のメカ部分も別パーツ化。色分けされた上に、ヘルメットとの間にスキマが表現されててカッコ良いです。目とオデコのセンサーにはクリアーパーツを使用。うまく光を当てれば、オデコから光が差し込んで、目が光った様な効果が得られるかも知れません。オデコのセンサーは、模型映えを意識して配置されたデザインなのかも・・・って、考え過ぎかな?

 ボディは、ウエストと腰の間だけでなく、胸とウエストの間でも可動します。どちらの関節にもボールジョイントが使われていますが、腰側は左右回転、胸側は前後スイング専門といった感じです。可動部の関係で、ウエストの組立がハサミ込みになっておらず、その点も嬉しいですね。パーツ同士が噛み合った様なデザイン処理も、接着ラインが露出しない分割も、気が利いてると思います。HGに比べて、新たに腹中央の白い部分を色分け。ワキの下の装甲も、後ろまでキッチリと色分けされました。



 は、フロントスカート(と言うか、白い装甲部分)が可動します。増加装甲が追加された時なんかに、ここで可動させる事が出来そうですね。正面左右の赤いパーツを外せば、ハードポイントとして利用出来そうですし。背中にたためるフルアーマー装備も発表されてますが、確実性を考慮して組替え変形にするなら、ここに固定してやるのも良いかも。サイドスカートも別パーツなので、必要が有れば外して、装備と差替えても良さそうです。って言うか、着脱しやすいピンになってるのが、今後の展開を予感させますね。

 フロントスカートの可動には、ポリキャップFと同じ形のプラパーツ(B23)が使われています。ランナー1枚分のポリキャップじゃ足りなかった様ですね。これまでに余ったポリキャップをストックしてある人は、交換してやると良いですよ。テール部分には今回も肉抜き穴が有るので、埋めてやると良いでしょう。(この穴に2号ロボが合体したり、しないよね?!多分。)



 モモは、装甲のスライドギミックでも仕込まれるのかな?と想像してましたが、それは無し。代りにZZやSガンダムの様な、モモフレームの途中でヒネる関節が追加されました。ポーズの自由度がHG以上に高まりましたが、フレームのデザインは若干アレンジされてしまいました。いつも股関節に使われているポリキャップはウエスト可動に割り当てて、股関節はヒネリを追加た2軸可動にしてあるんですね。股関節は、ちょっと引き出してやると可動範囲が広がります。モモ正面の丸モールドは別パーツで、ハードポイントになってる様です。

 ヒザは、HGよりも格段に良く曲がります。2重関節になった事もありますが、軸位置の設定が良かったんでしょうね。もっとも、曲がった脚の形が自然に見えるのは、HGの方ではありますが。ヒザ関節は上下ともハサミ込みですが、モモとヒザの色が同じですし、他のハサミ込み式キットよりは塗装しやすいんじゃないでしょうか。ヒザアーマーは正面から取り付ける、別パーツになっています。



 スネは、ヒザ横のダクトが赤くなり、後ろの赤いフレームの中に白いラインが通るなど、HGよりも色分けが徹底しました。足首正面のセンサーカバーは、HGでは存在した底面を無くし、筒抜けにしてあります。「向こうが見える」という形状解釈も好きですし、奥まった底面に、消しにくい接着ラインが出ないのも良いですね。正面の接着ラインも中央ではなく端に寄せてあるので、カバーの内側をのぞき込んでも目立たないと思います。正面のフレームと、その上のシリンダーを別パーツ化してあるのが、さりげなくリアルです。

 足首は、今回もHGと同様の、クツの中からカカトが浮き上がる可動が仕込んであります。ポリキャップが見えない構成や、ディテールの入った足首の、リング風にデザイン処理された軸受け周辺など、関節の外観は、かなり良くなりました。関節カバーの無い丸見えのデザインなので、この辺がキッチリ作ってあると印象が良いですね。

 肩アーマーは、肩ブロックから独立した構成。腕から独立して動かせる事も嬉しいんですが、肩アーマー内部が丸見えになっても、実感を損ねないのが良いですね。軸受けが見えてしまっていたHGよりも、かなりカッコ良くなったと思います。肩後部はフィンの間が筒抜けで、スキマから肩ブロックが見えます。スラスター等ではなく、放熱機構という解釈でしょうか。肩アーマーが前後ハサミ込みでなくなったから出来る表現ですね。



 です。上腕はヒジ関節と一体の構成。ヒジが別色ではないので、筒構造ではありません。上腕の幅は、HGよりもスリムになった印象。白い部分の色分けは補強を兼ねています。当初は肩ブロックと上腕の区別が無かったアストレイも、1/100キット開発用画稿にハッキリと肩ブロックが描かれてしまいました。ヒジ上でヒネろうと思えば可能なサイズだったと思うのになぁ〜(泣)。当初デザインのファンは、(今後何体も作る事になると思うので)1体くらい腕を改造してみても良いかも。

 前腕は、ヒジ関節をハサミ込む組立て。接着ラインは正面中央にしか現れないんですが、ついでにここを別パーツにしてあれば嬉しかったですね。十文字のディテールは、もっと深くクッキリしていればなぁ〜。惜しいです。なにしろ今後、このキットを何体も組(略)。側面の丸モールドは、深いミゾと浅いスジ彫りを組み合わせた、凝ったデザインにアレンジされました。

 手首基部は可動式。前腕ユニット完成後にハメ込む事が可能。手首基部のボールジョントと合わせて、いつも以上に自由に動きます。手首は左右の穴開きゲンコツ、トリガーに指をかけた右手、剣の鞘に添える左手が付属します。

可動するサイドスカートは、刀の向きを動かして、右手で掴みやすい位置に調整するのに役立ちます。ちょっと左手がサヤにフィットしませんが、抜刀の構えもご覧の通り!

 バックパックは、HG同様にアームで引き下げる事が可能。さらに背中のポリキャップに接続するピンを、畳む事も出来ます。HGに比べて色分けも充実し、裏面にも若干のディテールが入りましたが、一番の相違点は、サーベルラックが背中側ではなく、バックパック側に固定された点ですね。アストレイ関連の連載をパラパラと見返してみると、どちらのパターンの物も見られますが・・・。HGと統一されてないのが気になる様な、両方のパターンが発売されて嬉しい様な。



 武装です。ビームライフルフォアグリップが可動式になりました。これで念願の両手持ちが可能に!・・・なったんですが、フォアグリップに角度が付いたデザインって、ちょっと持たせにくい感じもします。右脇を締めて、ライフルを体に寄せて構えたい所ですが、両手とも伸ばし気味にすると、銃身と視線が一直線に近くなります。

 シールドは、1/100デュエルガンダムの物に準じた構成。ストライク以来、形は統一されてますが、取付け部のポリキャップがスイング可能、ハメ込みピンを短く切っていてもバラけにくい裏面一体構成グリップを倒した状態に差替え出来るというスグレモノです。ついでに裏面のディテールは、デュエルの物よりも若干シャープになっています。



 ビームサーベルはワンパーツ構成。HGでは縦方向に成形して、ラインを段差で表現してましたが、今回はスライド金型を使って、ラインをスジ彫りで表現してあります。クリアーのビーム刃が付属しますが、手に持たせると、ちょっとブカブカな感じ。

 今回の目玉装備、ガーベラストレートは、刀身にメッキパーツを採用。全体がメッキだったHGに比べ、柄や鍔が別パーツ化されて通常のプラパーツとなりました。(なかご。柄に隠れる部分)には「菊一文字」の銘が彫刻されてます。武器の内部構造を再現してあるって、MGでも滅多にない事じゃないでしょうか?刃文(はもん)はスジ彫りで表現。鞘に収める事も出来ます。

このポーズなら、左手はサヤに、ピッタリとフィットします。サヤは重たいので自重で垂れてしまわない様、サイドスカートのピンをしっかり押し込んでおきましょう。

 オマケにロウ・ギュール兄貴と、愛用の工具箱が・・・じゃなかった、コンピューターのハチが付属します。失礼失礼。しかし部品注文の代金が、ロウは300円ハチは40円って・・・やっぱりハチさん、キャラクター扱いされてない様な。(泣)

 組立時間は、2時間弱でした。スケールアップした分、HGよりもさらに充実して・・・と思ってましたが、実際比べてみると、違いはそれだけじゃない様ですね。1/100キット開発用の画稿で指示された部分もあれば、それ以前(電撃ホビーマガジン2003年1月号)に発表された最終クリーンナップ稿なんて物もあったりして。(HGの説明書には初期稿、1/100の説明書にはクリーンナップ稿が掲載されています。)

 今回は、そのクリーンナップ稿に準じた部分が多い様に思います。ヒザアーマー下の角張った突起、肩アーマー後端の尖り具合、正面がシャープなフンドシなど。HGはクリーンナップ稿以後の発売ですが、初期デザインの印象が残ってる感じですね。初期稿はカカト下が赤くないんですが、HGも塗装に関しては、クリーンナップ稿に準じて赤く塗った塗装見本を説明書に掲載してあります。

 ところで、ほとんどのランナーにはキット名が「アストレイ」と表示してあるんですが、シールド、ライフル、ガーベラストレート関連のランナーには特に「レッドフレーム」と表示してあります。このランナーにはヘルメット、胸板、バックパック、足首、モモのハードポイントのフタのパーツも含まれていますね。武装を一新して、ツマ先にアーマーシュナイダーを仕込んだブルーフレームセカンドの発売が予定されてるんじゃないでしょうか。



 もちろん、成形色を変更すれば初期状態のブルーフレームゴールドフレームも発売出来ると思います。フレーム部のランナーは、メッキ仕様でおなじみの、アンダーゲートが採用されてますし。顔面の赤いパーツは、ブルーフレームやゴールドフレームでも赤なので、フレームパーツのランナーからもぎ取って(?)除外出来る様になっています。赤い顔面を成形する、新規の型が作られるんでしょうね。

 F90ストライクと、何度も同じキットを組んだ経験は過去にも有りますが、アストレイの場合は本体の色や形(ついでに物語も)に変化を持たせ、飽きさせない工夫が上手いと思います。装備がどこまで増えていくのか、どこまで発売されるのか分かりませんが、覚悟を決めて、末長いお付き合いを致しましょう!ハイ。(え?パワーローダーって何?!)


おまけ

 岡山県の久米町という所に、個人が製作された7メートルのZガンダムが有るんですが、念願かなって、ようやく見に行く事が出来ました。場所は「道の駅 久米の里」という所で、営業時間中いつでも見れるんですが、イベントの日を狙って行くと、コクピットに座らせてもらえるんですよ。



 (久米の里のホームページ等で、確認してから行かれると良いでしょう。)
 
 1/3というビッグスケールで、すごい迫力。デザインは藤田版をベースに製作されており、(現時点では動かないものの)可動のためのシリンダーも組み込んで作られたとか。施設内の特産品販売コーナーには、町に寄付が決まって移設された時の組立作業の様子も、写真で紹介されてました。

 人が乗り込む時には、ハッチが開くだけでなく、フンドシが前にせり出して足場を確保している様に見えました。(また今度、ハッチを閉じた普段の状態も見に行きたいと思います。)



 搭乗希望者は小さな子供が多く、急な階段をゆっくり昇り降りしてもらうため、待ち時間が止むを得ず長くかかってしまう様でした。なるべく早めに行かれると良いでしょう。

 町が建設した格納庫には、「ZG」のロゴやエゥーゴのマークが描かれてました。また、記録写真で見たので現物は未確認なんですが、閉じたシャッターには「MSZ−006 ZGUNDAM」「AEUG」「CAUTION」なんて文字が書かれている様子。イキな格納庫ですね。ほとんどエゥーゴ岡山本部!作った人が本気なら、寄付を受け取った町も本気みたいですね。ホントに良い物を見せて頂きました。



 ところで、このZに倣って、巨大ガンダムで町おこしをしよう!なんて所が、他にも出てくれば面白いんですけどね。巨大ターンエーの前で行う夜通しの成人式イベントとか、どうです?(ダメ!)

2004.5.11  健 竹史


  

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