健さんの
プラモコラム

その101
MG カトキ版ウイングガンダムの巻

(1/100 MG カトキ版ウイングカンダム /
バンダイ/ XXXG−01W ウイングガンダム
「新機動戦記ガンダムW」に登場した機体のデザインアレンジ)


 ウイングガンダムアーリータイプ、待ちに待ってたキットですが、Ver.Kaシリーズ扱いになったのは、ちょっと意外だった気もします。まぁ、この機体の場合は、後に改造強化された訳でもなく、アーリー(前期型)と呼ぶのも妙なんで、これで良かったのかも知れませんね。カトキ版の場合、説明書の構成が普段と違うので、機体解説が載らないのが、すごく残念なんですけど。



 今後ガンダムWの各ガンダムがキット化される事が有れば、ぜひ機体解説は欲しいですね。各部の名称や役割が分かった方が、こだわってアレンジされたデザインを、より深く理解・鑑賞できると思うんですが・・・。てな訳で、機体の事を良く知らないままではありますが(せめてPGゼロカスタムの説明書が有ればなぁー:泣)、美しいキットに目を通していきましょう。

 頭部は、耳まで色分けする執念のパーツ分割。白、青、赤とキッチリ分かれ、しかも白と青のパーツの接合部分には、単純なスジ彫りでなはい、ディテールまで入っています。目と頭頂部カメラにはクリアーパーツを使用。小顔でアンテナも耳もシャープだし、ええ男ですなぁ・・・あー!いつの間にか、耳の赤いパーツを紛失しちゃってましたぁー!マシンキャノンやシールド(バードモード時)と当たる部分なので、細かいパーツは、接着しておいた方が安心ですね(泣:後に大捜索して発見回収しました)。首はボールジョイントでの可動に加えて、前後にも可動します。

 ボディは、ダクトどころか、首の根元の赤いリングまで色分け。サーチアイはジュエルシールだろうと思っていましたが、無色のクリアーパーツで再現、奥に貼る緑のシールが付属します。目もそうですが、自由に塗装出来る様に、色付きのクリアーパーツは避ける方針なんでしょうね。



 コクピットは、サーチアイごと前へスライドして、開閉が可能。上から覗けるので、いつものMGキットよりも中が良く見えます。前がハッチになっているキットでは、正面のパネルは省略される場合が多いですが、今回はそれらしく再現されているので、塗装すれば見せ場になってくれそうです。ちょっと開きにくいですけどね。

 両肩のマシンキャノンは、1/100ゼロカスタムに比べてユニットの幅が広く、イメージに近づいた気がします。上に開く仕組みなので耳に当たってしまうんですが、前にせり出す事で干渉を最小限にして、しかもスキマをかせいでいます。

 ウエストは、途中のくびれた部分で分割してあってボールジョイントで可動、腰との連結部もボールジョイントで可動します。ウエスト途中の可動は、ほとんど前かがみだけの可動ですね。HGファイティングアクションのゼロカスタムではボディパーツの差替えで再現していた狙撃ポーズを、可動で再現出来ますよ。

 は、フロントアーマーが左右独立して可動、リアアーマーが左右一体で可動、サイドアーマーも可動します。裏面ディテールは、ハメ込みピンもデザインの一部として利用しています。フンドシにも細かいディテールが入っています。これまでも多少のディテールは入っていましたけど、脚フレーム等と同等の密度でディテールが入れてあるのって、珍しいんじゃないでしょうか?

 です。スネとヒザアーマーが割れて、モモが埋没する変形ギミックは、今回のキット化にあたって考案された新設定との事。確かに、バードモード時の脚らしさを消す事に、ある程度成功してる様に思います。(ガンダムフィックスフィギュレーション版を買った人も、このキットは押さえておかないと!)このキットのバリエーションとして、いずれMGゼロカスタムも発売されると思うんですけど、変形によって脚を1センチ程度短縮出来るので、大気圏突入モードでの脚の露出を、若干少なくする効果も期待出来るかも知れません。



 スネフレームの後ろには、棒状のスライドするパーツが仕込んであって、これを伸ばしておけば足首関節の動きを制限出来ます。模型誌でも紹介されてましたが、翼の重みで転倒しないための対策として仕込んだものの、関節保持力が十分だったので、説明書では紹介しなかったとの事。裏設定ってヤツ?(ちょっと違いますね。)でも、こういうギミックも一応紹介しておけば、重装備に改造する人の役に立ったりすると思うので、書いておいた方が良いんじゃないでしょうかね。スライドパーツ自体は、スネアーマー内側の突起でロックされ、動かなくなる仕掛けです。(つまり、一度装甲を外して操作する仕組みです。)

 足首カバーは、スネ前側にポリキャップで取付け。アキレス腱カバーは、ここだけで1ブロックという扱いです。中には関節パーツが仕込んであって、上下ともボールジョイントで、スネと足首をつないでいます。

1/100ウイングガンダムゼロカスタム(右)との比較。脚が細くなっただけでなく、スカートの辺りもスッキリしています。関節部分のグレーの色味の違いや、クリーム色のボディカラーにも注目!
(ゼロカスタムは、胸のジュエルシールを接着していない状態です。念のため。)

 足首は、ツマ先を閉じる事が可能。可動部はABSパーツです。足首関節用のポリキャップを、左右分割のABSパーツでサンドした上で、クルブシのパーツを上からハメてロックする構成は、強度的に優れていると思います。(ハメ込みピンを短く切っても、バラバラになりにくいですね。)クルブシパーツはグレーですが、設定では白なので、左右の面を塗装してやると良いでしょう。全体を白で成形すると、足首アーマーのスキマから見えた時に、上面が目立ち過ぎるとか、そんな判断でグレーにしてあるのかも?

 肩アーマーは、腕とは別に可動する事が可能。3枚重ねのアーマーが開閉し、変形時には一度外側に引き出してから、腕を覆う様に横に回りこみます。スライドレールでもあるフレームパーツが、肩ブロックの上に配置してあるため、横に回りこんだ時の位置が1/100ゼロカスタムよりも高めで、なで肩の印象にならずカッコイイと思います。上に出来るスキマも隠してくれますし。形状も自然な曲面で厚ぼったく無く、軽快な機体のイメージに、とても良く似合ってると思います。

肩アーマーを変形させた状態の比較。MGウイングの方が、自然な配置になっています。

 は、シンプルな組立の可動フレームを内蔵。内部メカの再現ではなく、あくまで可動目的の物です。ヒジの関節部は左右分割ですが、接着面にスジ彫り状のラインは無し。OVA当時の設定に合わせてある様です。前腕カバーにもカメラらしき物がありますが、ここにもクリアーパーツが使ってあります。クロー(ランディングギア?)は可動式。前腕カバーの中で、前腕とダイレクトに連結してあります。強度的にも良い構成ですね。

 手首は、可動式の物のみ付属します。なにしろ専用武器が大きいので、保持力が気になっていたんですが、小指の辺りにラチェットが付いていて、ライフルをしっかり握れます。ただ、手のひらとグリップの相性が悪く、グラつきやすいんですけどね。不自然な持ち方ですが、親指を下に向けて、グリップを横から押さえさせると、かなり改善しますよ。

ライフルを持つ時の親指の位置は、このようにすると良いでしょう。

 バックパックは、変形時にはアームで移動する部分。裏面もアームも、それらしいディテールが施されています。翼の可動にはABSパーツが使われ、翼の外装パーツに囲まれながらもチラリと見える感じが、メカっぽくて良いですね。1/100ゼロカスタム等では、ポリキャップが露出していた物ですが、今回はスキが無くて、興ざめする所が有りません。翼の白いパーツは2枚の貼り合せですが、カラフルに色分けされたパーツが、適度な補強になってくれてる気がします。翼の厚み部分にはスラスターらしいディテールが入って、接着ラインが見えない様に処理されています。



 武装です。バスターライフルは、MSの身長以上の長さで、かなりの迫力。3個のカートリッジは着脱可能です。カートリッジは、予備も含めて9個組み立てます。ライフル後部の青いパーツは、バードモード時に使うフェイスカバー。持った時には手首カバーになってるのが良いですね。(そのために、持たせる時に指を動かしにくいんですけどね。)

 シールドは、赤と白の色分け部分の合いも良い感じ。腕への取付けは、前腕を囲むようにアームをハメておいてから、シールドを倒してロックする様な仕組み。説明は難しいですが、ピンで差し込む方式ばかり見てますから、関節の有るジョイントパーツは新鮮に感じました。奥まった部分にサーベルが1本仕込んで有るんですが、取り出す時には、シールドのロックを一旦開くんでしょうか?サーベルには、クリアーグリーンのビーム刃が付属します。

 エネルギーカートリッジポッドは、2セット付属。それぞれ3個のカートリッジを取付ける事が出来ます。腕への接続には、クローユニットにある取付穴を利用します。シールドはこの穴を使っておらず、アームだけで保持出来るので、エネルギーカートリッジポッドとシールドを、同時に装備する事も可能です。

エネルギーカートリッジポッドとシールドを、同時に装備した状態。コクピットの中には、ヒイロが見えます。

 ところでカートリッジは、MSの手に対して、ちょっと大きくて扱いにくい気がします。これまでは、弾切れになったらポッドからカートリッジを取り出し、ライフルに装填し直すのだと思っていましたが、再装填しなくても、ポッドから腕を伝って、直接エネルギーがライフルに送られるってのもアリかなー?なんて思ったりして。・・・あくまで勝手な想像であります。だから解説ページが欲しい訳ですよ。活躍シーンも見せてもらって無いし。

 それから、膨大な量のマーキングシールガンダムデカールが付属します。かっこいいデザインですが、L1コロニーの解放運動組織が送り込んだ事などが堂々と書いてあったりして、見た人を殺さなきゃならない事情にも納得ですね(おいおい!)。他に、カメラ類に使う色分けシールが入っています。

 お楽しみの、バードモードに変形であります。肩アーマーを横に引き出してから倒し、腕に密着させます。前腕はヒネって、クローが正面に向く様にします。脚は、ヒザ関節を変形させ、割れたスネとヒザアーマーの間にモモが押し込まれた様な配置にします。足首は、ツマ先を閉じます。バックパックはアームで移動し、リアスカート上に固定します。バックパックが外れた背中には、代りにシールドをロックし、機首にします。さらにシールドの先端にバスターライフルをセットし、フェイスカバーで顔をガードすれば、バードモードの完成です。シールド取付け用のアームは、残念ながら外しておく必要があります。



 バードモードを下面から見ると、サイドスカートが干渉して、腕が平行にならないのかな?と思ってたんですが、腕を後ろ(背中)寄りに配置すると、サイドスカートのふくらみをかわして、平行に出来る様です。(これに気付くまでは、ボクはサイドアーマーを180度回転させて、腕との干渉をかわしていました。設定とは違いますけどね。)

 組立時間は、3時間でした。リアルで、しかもスパロボっぽいカッコ良さが有って、カトキさんらしさが堪能できるアイテムですよね。発売時期としても、SEEDが幅広い層に受け入れられた直後に、女性にも人気のあるガンダムWのMSをMGに加える事が出来た訳で、なかなか良いタイミングだったんじゃないでしょうか?新規の女性ユーザーが、少しでも増えてくれたら嬉しいです。

バスターライフルは3発しか発射できないという事で、ビームサーベルの出番が多かった気がします。(一番印象深い装備は、自爆装置だと思いますが:笑)



 今後の展開ですが、翼や武器以外のデザインは共通となっている、ウイングゼロカスタムの発売は期待出来そうです。色違いの部分についても、ランナーの切替えを見ると、耳やマスク(目の下の赤い部分の有無)まで考慮してあるという徹底ぶり。「あとはキミたちの応援しだいだぞ!」って状態です。

 ただし、同スケールのヒイロのフィギュアは、立ちポーズ・座りポーズともTV版のコスチュームで、ランナーの切替えも存在しません。今回と同じフィギュアが搭乗するなら、TV後半の時期を想定したゼロカスタムという事になります。それはそれでワクワクするんですが、OVAのジーパン姿終盤のパイロットスーツも付属して欲しいですね。何しろTV版の短パンって、実は宇宙服の下着らしくて、外を歩く時の恰好ではないとか聞いた気がしますし。あー、ヒイロ以外にも搭乗した人は多いですが、全員付属して欲しいってのは欲張りでしょうか?



おまけ

 コレクションシリーズに加わった、M1アストレイを軽く紹介しておきましょう。頭部はヒサシ部分が別パーツで、顔やイーゲルシュテルンの塗装を済ませた後に取り付ける事が出来ます。ボディは、ウエストパーツを中心に、胸や腰のパーツで囲っていく構成ですが、胸はバックパックと一体のデザインなんですね。ビームサーベルは背中と一体、下部のエンジンは左右一体で可動します。下に伸びたスラスター(?)は、裏面が全てフィンの様に処理されていますが、先端以外は「フィンに似せた肉抜き」です。パテで埋めたい人は、背中だけが重たくならない様に、スネ等にも重りを入れておくと不安定にならなくて良いかも。



 足裏は単なる空洞ではなく、設定のディテールに似せた補強が入っています。十分とは言えませんが、足裏を再現したい人の参考にはなるかも。でも肝心の設定資料が、公式ガイドブックにも収録されていないのがツライ所です。 肩と股関節の可動部は、ゲイツの頃から、大きめにエグって可動範囲を広げる工夫が見られる様になりましたね。は、白いパーツを貼り合せた後で、赤いパーツを正面からハメる構成。ヒジの外側の色分けは不完全になりますが、ヒジ内側の関節はクッキリ成形されて良い感じ。面白い分割です。



 武器は、71式ビームライフルシールドが付属。いずれもワンパーツです。後部左エンジンにはハードポイントが有って、ライフルとシールドを固定出来ます。出っ張ったピンが気になる人もおられるでしょうが、2つの装備を1箇所に装備するパターンは珍しく、遊んでいても面白いと思います。



 ところで、ライフルのグリップ下にコブが有って、やや手首に通しにくい感じがしたので、手の甲を腕から切り離してみました。コレクションキットの手の甲は(全てのキットかは未確認ですが)、HGと同様のハメ込み形状に設計されているので、ナイフで丁寧にカットしてやれば、手の甲が着脱可能になります。これでHGでしか持てない武器も装備出来る様になるのでお試しを。



アサギマユラジュリ機を再現できる機体ナンバーのシールが付属。そして、このキットの何よりの特徴は、ガンダムフォースと同様の、もぎ取りやすいゲートが採用された事でしょうか。(今後は、このゲート方式がスタンダードになっていくのかなぁ・・・)組立時間は15分程度でした。


2004.3.20 健 竹史

MG ウイングガンダム (Ver.Ka)
1/144 ウイングガンダムゼロカスタム
1/60 ウィングガンダムゼロ
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