健さんの
プラモコラム

その453
 RE/100
 ナイチンゲール
の巻


 RE/100 1/100 MSN−04U ナイチンゲール
 バンダイ
 「機動戦士ガンダム ベルトーチカ・チルドレン」に登場
2014年9月発売 税別初出価格8000円



 2014年のガンプラを振り返って最大のトピックと言えば、やはりRE/100(リボーン・ワンハンドレッド)の始動でしょうか。タイトルがスケールを限定してしまってるのがちょっぴり残念ではあるんですけど、MGが好調ゆえにMGしか選択肢が無かったと言うか、MGの仕様と釣り合わないと1/100での発売が難しかった機体にも、発売の可能性が開かれた訳で、快挙と言って良いでしょう。安さは可能性を広げますからね。これまでなら8000円で買えるハズなどない本当に大きなキット。ええと、インナーボックスはどこですか?(笑)

 てな感じで一年のまとめみたいな書き出しにしておけば、忙しくてまとまらなかっただけの記事にも何となく説得力が・・・なんでもありません。では遅れ馳せながらではありますが、キットに目を通していきましょう。第二段が出るまでは新作キットなんです!(涙目で力説!)



 頭部は、別売のLEDユニットを組み込んでモノアイの発光が可能。底面パーツをベースに、首下からL字のクリアパーツで光を誘導します。光源からこんなに離れてても誘導出来てしまうんですね。モノアイは回転軸が上下に突き出ていて、一旦外した頭蓋の内側からも、アゴの下からも、マイナスドライバーで左右に位置調整出来ます。軸まで一体のクリアパーツなので、軸の下端を塗装しておかないと、アゴの下で「第二の目」が光る事になりますよ(笑)。



 ヘルメットは、2パーツ貼り合わせのトサカを左右からハサミ込み。頭蓋が別パーツになっていて、下からセットしたモノアイシールドごと取り外せる仕組みになっているので、完成後のモノアイ調整も簡単です。え?じゃあツマミが無くてもモノアイを直接持って左右に動かせ(シーッ!)顔先に向かってV字形に尖ったモノアイシールドですが、後端を左右につないで三角形のパーツにしてあるので、うっかりテンションをかけて割ってしまうトラブルが有りません。



 頭蓋にはアンテナを取り付け、アゴは底面パーツに正面から差し込みます。トサカを含めると頭部だけで通常MS並のサイズ。本当に大きな機体ですね。



 はエリ内側パーツと一体の固定式で、頭部は差し込み部分で左右回転のみ可能。ここも含めて全身のポリキャップは共通化が図られており、関節設計の単純化はこのキットの(このシリーズの、かな?)大きな特徴となっています。例外はフロント・サイドスカート用と手首の2種、6個のみ。他は全て1種類のポリキャップを使用しています。突起の無い八角形でハサミ込み時にツブす心配は少ないんですが、穴の内側に形状を付けてあり、可動範囲の制限も行える様にしてあるので、向きに注意して組み付けましょう。




別売のLEDユニットを使用しています。キットのみではモノアイは発光しません。

 ボディは、グレーのフレームパーツを左右から貼り合わせ、上面・胸下・脇の外装、背面フレームを被せていきます。内部メカを省略するコンセプトのシリーズですが、元々フレームの露出が大きいデザインなんですね。胸部バルカン砲も、最近のMGなら内部フレームに取り付けてある所ですが、外装の表面に貼り付けてあります。そもそも胸の先端まではフレームが詰まっておらず、省略出来る部分は省略する方針である事が分かります。一方、ボディ上面外装の背中に突き出た部分には裏面パーツを貼り込んであり、見える部分のメカ表現は積極的に行っていく様子です。このパーツはエリ後ろのブチ穴内部の色分けも兼ねています。



 ウエストは単独パーツとしては存在せず、胸の下にもう一枚正面装甲が有る事と、左右に動力パイプが有る事が、ウエストらしさを感じさせる程度。上下に詰まった感じが良いですね。動力パイプは左右各1パーツで、内側の見えない部分には肉抜きを配置し、造形のダルい部分も放置。でも外側の造形はシャープです。こだわる人はハンダを巻いて作り直すのも楽しいでしょうけど、キットのままで十分でしょう。



 は、ポリキャップ接続で左右スイング可能。全身のポリキャップを共通化してあるという事は首とウエストの軸が同じ太さ・・・ではなく、回転軸自体はプラで太く造形し、その先端にポリキャップと噛み合うを延ばす事で保持だけを任せている構造です。もっと大きなウエストの機体をキット化するなら、太い回転軸の周囲に埋めコマの様にポリキャップを埋設し、ポリ突起として使っても良いかも知れませんね。何しろ形が単純ですし。



別売のLEDユニットを首の下にセットした状態。真上に上がった光はL字形のクリアパーツに誘導されてモノアイへ届きます。

 フンドシは左右貼り合わせて、上面の腰骨パーツと組み合わせ。大型キットのため、飾り台取付け穴は設けられていません。フンドシ前部には、長く張り出したスラスターユニット(前しっぽ?)をC字形ヒンジで接続。若干上下可動・・・してるのかな?抜けかかってるだけかも知れないので、あまり動かさない方が良いかも知れません、いろんな意味で。上下貼り合わせて、筒状の先端パーツを取り付ける構成。角スラスターはパーツを2枚を重ねて、内側の色分けも再現しています。



 フロントスカートは、表裏2パーツを重ねる構成。スラスターは内側の黄色パーツに角ノズルを被せ、スカートにハサミ込んであります。接続部には他の関節用とは異なるボール接続用のポリキャップを閉じ込めてあり、ヒネリや傾きは得意ですが起こす角度に限界が有ります。正座や立てヒザが出来る機体ではないのでスカートの可動範囲はこれで十分ですが、今後発売されるガンダムMk−Vガーベラでは、新素材プラのヒンジパーツを採用するのか、あるいはフンドシ側に横向きに仕込むのかも知れませんね。



 フロントスカートの裏面には、無可動のワンパーツ成形、裏面は肉抜きだらけながら、隠し腕を再現してあります。丁寧に切り離して関節を仕込む事も、工作慣れした人には比較的容易じゃないでしょうか。畳めればベストですが、使用状態だけ作って着脱するのもアリでしょう。ちょうど発売されたばかりのパワードアームズパワーダーとか、結構使えるかもです。



 サイドスカートも、フロントスカートと同じポリキャップを使ったボール接続。今回のポリキャップは軸やツバ等の突起が無いため、後ハメに適しており、ワンパーツ成形されたスカートの角穴に押し込んでセットします。最近はHGBFグフR35の足首の様に、突起が有ってもポリキャップを外から押し込む組み立てを積極的に採用する様になってきましたね。ハサミ忘れが起きないので大歓迎です。スカート裏にはバーニアを取り付け。エンジンは3基一体のワンパーツ成形で、見えない裏面はハメ込み穴を兼ねて肉抜きしてあります。バーニアは2パーツ重ねる事で内側の色分けを再現。これは他の箇所の丸バーニアも同様です。



 リアスカートは、腰骨パーツの後ろに大きなヒンジで吊るされた様な配置。プロペラントタンクが収まっているというより、スカート自体がプロペラントタンクのカバーといった格好です。2本一体で上下可動するタンクを中央フレームで連結、裏面パーツを取り付けたスカート本体を上から被せます。左右のスラスターはカバーパーツを貼り付けて丸バーニアをセット、後部スラスターは内壁を貼り付けて丸バーニアをセット。中央フレームからはランディングスキッドが出ていて、根元がC字形ヒンジで可動します。



 ところで、裏面パーツには筒状の部分が有るんですが、これがスカート後部のバーニアと一直線になっていればなあ、と、ちょっぴり惜しい気がしました。内部再現して外装を被せるMGだったら、一直線になったかも知れませんね。単に「スカートに配置された大型ノズル」ではなく、本機最大のエンジンが重心に向けて配置されている、という表現になったと思うので。



 です。股関節は、円柱貼り合わせ式のドラム形。軸可動の組み合わせで動きます。モモは、ヒザ関節を先に組んでおいてハサミ込む左右貼り合わせ。ですが、ヒザ関節パーツ上部に股関節を連結する仕組みであり、後ハメ式に改造しやすい配慮が伺えますね。



 ヒザは、関節パーツをハサミ込んでの左右貼り合わせ。ラバーか布と思われる関節カバー式のデザインですが、キットはプラパーツで再現しています。ラバーパーツを希望する人も多いと思いますが、シワの表現も良い感じですし、ボクは嫌いじゃありません。(ラバーはリアルな代わりにシワと無関係に曲がったりもするので、一長一短と思っています。)二重関節ではなく、スネへは後ハメ可能です。



 スネは、前後貼り合わせのフレームを内蔵。内部メカの省略を掲げたこのシリーズではありますが、スネ後部のスリットから中身が丸見えになる事もあって、ここをスカスカにすると外観に関わりますからね。ヒザ関節と足首関節を上下から連結するためにも必要なフレームです。左右でなく前後貼り合わせ式になっているのは、丸見えになる後ろに接着ラインを持って来ないため。側面に三連一体のバーニアを内蔵していますが、これはフレームではなく外装内側に貼り付けてあります。外装は左右と前面の3分割。ヒザアーマーは前面外装と一体です。

 足首関節は、十文字の関節パーツを左右と前後からハサミ込んだ二軸可動の関節ユニットを組み立て、足首に上からセット。スネへは後ハメ式で、ヒネリ可動もここで行います。モールド表現だけですが前部にシリンダーを再現しています。



 足首は裏面パーツをベースに、ツマ先・クルブシを上から貼り付け。左右のツメは下方向に可動します。ツメ裏面パーツがそのままヒンジになっていて、クルブシパーツで押さえ、その上からツメ本体パーツを被せる手順。後ハメ式に慣れてるもんで、ボクはうっかり順番を間違えてしまって分解するハメになりました。皆さんはご注意を。



 肩アーマーは、サザビーのサイドアーマーがハネ上がった様なデザイン。裏面パーツと外装を重ね、3基一体のエンジンと丸バーニアを取り付けます。裏面パーツはボディまで伸びるフレームと一体で、ヒンジ表現は有るものの無可動となっています。別売の関節パーツが充実した時代ですから可動式にしたい人にはそれを利用してもらうとして、固定で済む所は固定してしまうコンセプトなのでしょうね。ハネ上がった角度も安定しますし、固定式も悪くありません。

 です。上腕は、肩の関節カバーから上腕の芯まで一体の前後貼り合わせ式。カバーには、ハサミ込んだ肩関節パーツをスイングする切れ込みが入っていますが、腕を開き気味にする事が多いと思うので、さほど気にならないと思います。上腕外装は筒状にワンパーツ成形。腕自体は360度ヒネれますが、上腕外装にはポリキャップと同じ発想の可動制限が加えてあります。



 ヒジは、2パーツ貼り合わせの関節カバーパーツに、ポリキャップを通した関節軸パーツをハサミ込み。突き出たこの軸が、前腕パーツと噛み合う事になります。前腕に軸を設けた場合に比べて気にならない外観にまとまり、強度も高い様に思えます。関節カバー表現は途中で止まっており、回転部付近はドラム状に成形。スキの無さと可動範囲の広さを両立させる中でのベターな判断、といった所でしょうか。二重関節の上側だけを保護していると解釈して、本当にムキ出しのドラム関節として塗ってしまうのもアリかもですね。どうせ股関節や足首関節は保護してな(略)

 前腕は、ヒジ関節と手首基部、ハードポイント用のポリキャップをハサミ込んで2パーツを貼り合わせ、さらに甲アーマーを貼り付けます。ハードポイントのフタは取り外しやすくて良いのですが、周囲のスキマが目立って感じられるかも。



 手首は、ランナーから切り出して甲パーツを被せるだけで可動指が出来上がる、エモーションマニピュレーターSPを採用。武器の保持にはジョイントを引き出してグリップ側のスリットに差し込みますが、最近、ジョイントを引き出すよりも簡単な方法を見つけました。甲を一度外して、裏から工具で押し出すんですよ。お試しを。

 背中には、3基のバーニアと3本のプロペラントタンクを装備。プロペラントタンクは2パーツ貼り合わせで、ハサミ込むジョイントパーツを折り曲がった形状にする事で角度を付けた配置にしています。



 バインダーは、ワンパーツ成形の本体にファンネル基部を貼り付ける組み立て。裏面のフレームは根元とバーニア基部が別になった3パーツ構成で、大小のバーニアを交互に配置して変化を付けてあります。裏面をゴチャメカでデコレートするのも楽しそうですね。



 バインダー基部は、ボディ側のナナメ面に円形の接合部パーツを貼り付けてあり、面直の差し込み穴にバインダーのピンを差し込みます。外周部に回り止めが有るのでバインダーは左右同じ角度で固定され、きれいなシルエットを保てますが、少し引き抜けば回転も可能になります。実機が動くのかどうかは分かりませんが、MGなら例え劇中に動くシーンが無くでも回転とスイングを仕込んだであろう部分です。各自の力量に応じて工作してみても良いかも。可動に限らず、ポリ接続を仕込むといった保持の強化も良いでしょう。ボディ内は空洞、接合部は単独パーツ、追加工しやすいパーツ構成ですし。



 武装です。大型メガビームライフルは、左右貼り合わせの本体に銃口とその下の丸、センサーユニットを貼り付ける構成。ワンパーツ成形のバイポッド(二脚)はC字形ヒンジで接続してあり、広がらないものの起こす事が可能です。ランナーの長さいっぱいの大型銃ですが、手の平に突起で接続され安定して握れます。重さも相当ですが、ストック端をフロントスカートに押し当てたりすると安定して構えられると思います。



 シールドは、本体と表面パーツ、裏面パーツを重ねる構成。裏面パーツの中にはポリキャップを仕込んであり、ここでアダプターを介して腕に接続します。表面パーツのスキマから露出するスラスターは別パーツ化してあり、事前に仕込んでおきます。シールド先端にはマイクロミサイルを装備、3基一体で成形してあります。



 ビームトマホークは2枚同一のランナーに納まった同一パーツを貼り合わせ、斧部ビームの発生器を取り付ける構成。斧状、伸びた斧状、剣といった3種のビーム刃を重複せずにセット可能です。手に持たせない時はシールド裏に収納可能します。



 ファンネルはワンパーツ成形。バインダーに埋没する様に収納しますが、その際に見えなくなる後ろ半分は肉抜き上等の割り切った造形になっています。こだわりたい人には頑張って修正して頂くとして、簡素で安価なキット形態を追求するコンセプトなのでしょう。実際、ある程度までしか省略出来ない内部フレームよりも、こういったパーツを簡素化する方がより効果が大きいと思いますし。スカート裏に収納していたキュベレイ、リアスカート表面に配置していたαアジールと違って、射出しなくても周囲の敵を放射状に狙える配置ですよねコレ。小説の中でもそんな使われ方をしたのかな?



スケールは違うんですが、HGUCジェガンを持たせてみました。怪物サイズに見えて、個人的にはこの比率、気に入ってます。

 組立時間は3時間10分でした。アンダーゲートが採用されており、これが無ければもっと早く組めたかな?人気機体でもあり、メッキキットにも対応済という訳ですね。MGほど中身が詰まっていないだけに、クリアーキットが発売されたら今までとは少し変わった演出を施した作品も見られるかも知れませんね(他力本願寺)。

 内部再現の省略よりも、むしろ規格化されたポリキャップの方がこのシリーズのキモになるのかも知れませんね。ギミックを省略しつつも手を加えやすい配慮など、コレクションシリーズの経験が生きている・・・と言うより、1/100のコレクションシリーズですよね、これ。1/144のコレクションシリーズ(&FG)、PGに対するメガサイズ(スケールは違いますけど)に続いて、RE/100の登場で、大中小全てのサイズで簡易キットが登場した、と言ったら言い過ぎですかね。なんとかグレードという言葉がスケールでなく本当にグレードを表す時代まで、あと一歩なのかも。RE/100がMG未発売キットを補完するだけでなく、同じ機体をMGとRE/100から選んで買える時代が来たら、グレード分類の本当の新時代と言えるかも知れません。

 2015.1.3 健 竹史

  

RE/100 ナイチンゲール
MG Hi-vガンダム Ver.Ka
HGUC ゼータプラス (ユニコーンVer.)

  

PG ユニコーンガンダム
PG ユニコーンガンダム用LEDユニット
HGUC バンシィ・ノルン デストロイモード

  

HG 量産型ザク (サンダーボルト)
HG 旧ザク (サンダーボルト)
HG 高機動型ザク (サンダーボルト)

  

HGAC ウイングガンダムゼロ
HGCE ストライクルージュ
HG エールストライクガンダム

  

HGUC ジョニー・ライデン専用ザク
HGUC シルヴァ・バレト
機動戦士ガンダム サンダーボルト 3 プラモデル付き限定版

  

HGBF パワードジムカーディガン
HGBC ヴァリュアブルポッド
HG ガンプラバトルアームアームズ

  

HGBF グフR35
RG ガンダムエクシア
RG シャア専用ズゴック

  

HGUC クロスボーン・ガンダムX1
MG ガンダムアストレイ ブルーフレームD
1/48 98式AV イングラム

  

HGBF ガンダムアメイジングエクシア
HGBF ガンダム フェニーチェリナーシタ
HGBF ビルドバーニングガンダム

  

HGBF ミスサザビー
HGBF ガンダムエクシアダークマター
HGBF ライトニングガンダム

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