健さんの
プラモコラム

その451
 HGUC
 Vガンダム
の巻


 HGUC 1/144 LM312V04 Vガンダム
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムF91」に登場
2013年11月発売 税別初出価格1200円



 紹介出来ないキットの方が圧倒的に多い中でチョイスしてしまうというのは、それだけ好きな機体だったり、記憶に留めたいキットだったりするのかな、なんて思ったりします。気が付けばもう発売から半年ですか?!速報性の乏しさにますます磨きがかかる(泣)当サイトですが、HGUC史上最大とも言われるキットの発売で盛り上がる最中、やはり小さいキットには注目しておきたいなあ、などと言い訳しつつお届けするVガンダムであります。もう何個も組んだよ、と言う方もお付き合い下さいませませ〜。



 頭部は、目とアゴが一体の赤パーツにマスクを重ね、前後貼り合わせのヘルメットで閉じ込めます。V字アンテナはオデコセンサー下のスキマに埋め込む様に取り付け。センサーがヘルメットと同色で別パーツ化されていないからこその、独特の組み立てとなっています。



 ボディは、首のポリパーツと肩関節引き出し用ポリパーツ、ウエストのボール軸受けをハサミ込んでの前後貼り合わせ。肩部インテーク前部が白塗装された機体も存在しますが、分割を活かせば塗り分けも簡単でしょう。ボール軸受けは表面に露出し、胸部ダクトの色分けも兼ねています。胸板、腹部のグレーと赤は正面から重ねて貼り付けます。



 ウエストは腹巻下段の上下に球体ポリキャップを仕込んだ二重関節。引き出せば自由に可動する一方、引き出さない状態では段差の無い外観が動かなそうな印象を与えます。トップリムとボトムリムが複雑に噛み合った実機ではウエスト可動は困難と思われ、無変形キットなのに変形合体MSらしさを大事にした造形は、このキットの見どころではないでしょうか。



 は、十字形の股関節軸パーツで左右スイングを行う、HGACウイングガンダム等と同様の機構を採用。フロントスカートは青パーツの前から白パーツをハメ込む2枚重ねで、フチ取りの色分けを再現。左右一体スイング式で切り離す事は可能ですが、球が密着して欠けた形になっているので、完全なボール可動にするには更に削いでスキを作らないといけない感じです。何の話かと言うと、水平に持ち上げてステップとして使えるか、という話なんですが。この辺は旧1/144キットの方が、すんなり動いてくれて、ウエストとのスキも有りません。



 サイドスカートは、最新スタンダードのポリキャップで二軸可動。ハードポイントには穴を開けず、ディテールのみの再現となっています。



 リアスカートは、フロント同様の2枚重ねでフチ取りを再現。中央スラスターは開いた状態でカバーを一体成形、内側にノズルパーツを取り付けます。ハネ上がったカバーは設定画で見るとバックパックのカバーと噛み合う配置でウエストの回転を妨げているんですが、キットではバックパックのカバーを短く抑え、ポージングに支障の無い構成にアレンジしてあります。



別売のアクションベースも使用可能ですが、今回は1/144Vガンダムシリーズ付属の飾り台を使ってディスプレイしてみました。

 です。股関節は、HGACウイングガンダムと同じパーツ構成による三軸可動。ですが、いつもなら前寄りに配置される軸位置を、今回は後ろ寄りに配置してあります。これはモモ上部がインテイクとなり傾斜しているため。ヒネリのために別パーツ化されたモモ上部外装は、関節に上から被せる方式で上面まで再現してあります。開脚のために少しカットしてありますけどね。



 モモは外装を筒状に成形。ヒザ後部の張り出しも筒抜けに成形され、奥に見える関節パーツがインテイクの色分けの代わりになっています。

 ヒザは二重関節。スネ側のポリキャップは奥まった配置で後ハメの差し込みだけに使われ、可動は上下とも新素材プラの関節ユニットで行われます。体格の割に大きな関節で、曲げる際には大きく露出する事でヒザ後ろの張り出しをかわしています。



 スネは前後貼り合わせで、変形時に開く部分は今回無可動のため一体化してあります。側面の丸いハードポイントは別パーツで、武器のマウント機能の無いモールドのみの表現となっています。



 足首アーマーは元々甲の上だけを覆うデザインですが、スネ下端のクルブシ部分を含めた分割にする事で、リング状に成形する最近のフォーマットに近づけています。このキットの場合は後面まで覆わないので完全なリング状ではありませんが、足首関節の途中に接続する発想は同じですね。ボール接続の代わりにガタつきを利用して開脚に対応しています。

 足首は、ポリ軸受を上下貼り合わせのカカトでハサミ込み。ツマ先はクルブシのヒンジを甲とクツでハサミ込む可動式で、伸ばす方向に動きます。足裏には周囲にグルリと盛大な肉抜きがありますが、中空のクツの中に小さな足が入ってる(様に見える)感じは、ウッソの初めての乗機・シャッコーを連想させますね。シャッコー発売しましょうよ。当時から悶々としてるんで強く希望します。



 肩アーマーは、ボール関節から脇、上面、スラスターまでグルリと一体の中央パーツに、前後面を貼り合わせる組み立て。塗装で強調出来るスラスターの奥行きは縦成形で再現出来る所までで抑える代わりに、上面のディテールや前後面との別体感をしっかり表現。腕接続用のポリキャップは前後面でハサミ込んでいます。

 です。肩ブロックは、下から被せるポリキャップ隠し方式。上腕は筒状にワンパーツ成形してあります。



 ヒジは8の字形の関節パーツに上下ジョイントを横から貼り合わせる、定番の二重関節。前腕への接続は、ポリキャップを使わず前腕本体に直接差し込む事で省スペース化を図り、シールドギミックとの両立を図っています。成形色はグレーですが、設定では外装に覆われているのか白の指定。完成見本でも白く塗装されています。この点は翌々月発売のV2ガンダムで外観も含めて既に改善されており、フィードバックの早さに感心させられますね。

 前腕は、回転式のビームシールド発生器をハサミ込んでの左右貼り合わせ。ヒジ横のハードポイントは、モールドでの表現となっています。



HGUCガンダムF91(右)との比較。どちらもオーバースケールですが、ちゃんと同等サイズの機体に見える様、メーカー内で調整された事が伺えます。

 手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属。4本指が対称という事もなく、普通の手首として造形されている印象です。

 バックパックは、畳んだテールや垂直尾翼、開いたノズルカバーまでワンパーツ成形。2基一体の角ノズルを左右に取り付けて完成です。旧1/144キットでは上部ユニットをノズルと解釈し、底面を造形するため前面(肩の後ろ)に大きな肉抜きを設けていましたが、今回はフィンと解釈して底面を設けておらず、外観を肉抜きで損なわない造形となっています。ここは線画の設定画では塗り潰してあってノズルにも見えるんですが、カラーリング設定画では白っぽくてフィンの様に見える(影なので紛らわしいんですけど)という分かりづらい部分ではあります。



 武装です。ビームライフルは左右貼り合わせ。フォアグリップの可動やビームピストルの分離、カートリッジの着脱等、ギミックが多く設定されていますが、今回は全て無可動のシンプルな物となっています。



 ビームサーベルは2本付属。ワンパーツ成形のグリップに通常のビーム刃・扇状に広がったビーム刃を選んで取り付けます。ビームパーツに硬質プラを使ってあるのは、放送当時のキットと質感を揃えるためかも知れませんね。



別売のアクションベースを使用(コアファイターを乗せるだけですが)しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 ビームシールド発生器は、箱状の本体と先端の2パーツ構成。外観を損なわない範囲での可動としてあるため、引き出し可動は30度程度。旧1/144キットでは手の前方まで大きく展開出来ていましたが、こちらは前腕甲部分の外装を完全に取っ払っていましたね。発生器の先端を一旦引き抜き、クリアパーツを通して再接続する事で使用状態を再現する点は旧1/144と同様。ただしピン形状が丸から角に変わったため、カッチリしている代わりにクリアパーツの向きを回転出来なくなりました。



 コアファイターは、前後貼り合わせの胸に胸板を貼り付けて・・・という、ガンダム本体に合わせたパーツ構成。分割を同じにする事で仕上がりも同じにしようという狙いですね。コアファイターが露出した、本機ならではのポイントと言えるかも。半没した頭部は露出した上部だけを再現、上からセットします。後部エンジンは上下貼り合わせ。機体下面中央も一体で成形してあり、傾けて器用に差し込む指示となっています。尾翼はテールと一体、主翼は左右から差し込みます。



 MSとしては小型ですが、内蔵しない方式のためコアファイターとしては意外と大き目の部類に入るのかも。大きさにウソが無い点も本機の特徴ですよね。ランディングスキッドの無い飛行状態での再現となっているのが残念ではあります。今後の展開で、MGの様な飛行シーン・合体シーンの再現が予定されてるとか、そういう事情による物なら嬉しいんですけども。



旧1/144キットとの比較。15.2mの機体を1/144にすると106mmとなり、旧キットのサイズはほぼ正確です。

 組立時間は1時間でした。今回もF91同様、若干大きめサイズでのキット化なんですが、F91と同じサイズに見える様、拡大比率を揃えてある様に見えますね。旧1/144キットと比べてると、主にを延ばして今風のプロポーションにする事を狙った様で、上半身のボリュームはあまり変わっていません。これは旧キットの武器類やコアファイター、コアブースターとの組み合わせを継承しやすくする意味も有るのでしょう。(ならば再販の時に速攻で売り切れる武器セットの生産数を増やすべきなんじゃないかなー、と強く思う訳ですが。)

 ところでVガンダムシリーズは、比較的スタンダードな機体ばかり発売されて、特徴的な機体のキット化はガレージキット任せだった様な印象があります。タイヤ兵器を装備したもの、終盤の大型MS等、是非HGUCに加えて欲しいと思いますので、よろしくー。


 おまけ



 地元・広島でロケが行われた映画、「潔く柔く」のDVDが発売されたので買ってみました。竹原の礒宮八幡神社(アニメ「たまゆら」の初詣シーンに出てくる神社です)で行われた夏祭りのシーンにはヨメと一緒にエキストラ参加し、本編にも映ったので、楽しみにしてたんですよ。ボクは遠景でピンボケ、ヨメは浴衣で大写しながら後姿だけですけどね。昨年の2月だったからもう一年半も経つんですね。寒かった・・・。

 仕事の都合で昼過ぎに到着すると、午前中(準備・説明)から参加してたヨメには背の高い息子が同行してる設定になってました。雑踏シーンで歩く方向や仕草を指示されるだけでなく、大まかな人物設定も与えられ、シーンが変わっても基本的に設定が引き継がれます。演技をしているのだという自覚を促す助けになったと思うし、何をしたらいいのか分からない状態になりにくいですね。

 ボクは屋台の古本市で立ち読みをする役。せっかくなので竹原らしい本を・・・と思って、うさぎ島の本を手に取って読んでました。役柄上シーンが変わっても立ち位置に変化は有りませんが、他の人たちには細かな指示が。「こう歩いて。いや、やっぱりこうしてみよう」と、監督(助監督かな?)が人物配置や動きの向き、タイミングを作り込んでいく様子は見ていてエキサイティングでした。ディオラマはこうやって構図を決めるんだな!なんてその時思ってたのはボクくらいかも知れませんが(笑)、みんなこうして躍動感ある絵の一部になっていくんですね。

 (この経験の後、ドラマや映画のエキストラの動きが気になる様にもなってしまいましたが・・・長いシーンなのに単調な動作の指示しか与えられてなくて間が持たなくなってるな、とか。逆に巧みな演出意図に気付いて唸らされる事も。)

 エキストラの動きを決めるには相当な時間がかかるので、夏衣装の上に防寒着を着て検討やテストを重ね、本番直前に脱いだ防寒着をカメラの死角に隠してメインの役者が出てくる、という手順になります。日没までの何分で昼間のシーンを撮り終えないと、という切羽詰った状況になっても妥協は無く、監督が頭をフル回転させて、アイデア出しと指示が加速していきます。

 夜のシーンに入ってからはボクも動きのある演技に参加させてもらいましたが、どうやら全てボツの様でした。油断して白い息を吐いてしまったシーンも有ったし・・・シーンは夏なのにスミマセン。撮影は深夜にまで及び、どんどん寒くなっていきましたが楽しかったです。ロケ弁当も食べたし、記念に映画タイトルの入ったトートバッグも頂きましたよ。

 こうしてボクは「竹原市のみなさん」に加わったのでした。意図を持って映像が作られていく様は、模型に関心のある皆さんにはきっと興味深く感じられる事と思いますから、機会があれば是非エキストラに参加してみられると良いと思います。画面に出れるかどうかは分かりませんけど、通行人はみんな、当日一緒に参加して見覚えのある人たちです。これ、結構楽しいですよ。

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