健さんの
プラモコラム

その449
 HGBF
 ウイングガンダムフェニーチェ
の巻


 HGBF 1/144 ウイングガンダムフェニーチェ
 バンダイ
 「ガンダムビルドファイターズ」に登場
2013年12月発売 税別初出価格1600円



「またパソコンデスクのガンプラを勝手にどかして。あー!アンテナ折れてるし!」
「えー?ゴメーン!」
「ウソウソ。もともと折れたデザインなんよ。」
「焦ったじゃんか。晩御飯オカズ抜き!」

 羽根付きの機体をベースに左右非対称のガンプラを作る。しかも、元キットの最も特長的なパーツを活かした上で。フェニーチェのデザインは実に面白いですね。その一方で左右非対称が斬新だったガンダムXを、左右対称シルエットの魔王に再構築してみせたり。武器を含めたデコレートに留まらないデザイン遊びの提言。この2体の使い手を主役の最も近くに配置してある事は、決して偶然ではないのでしょう。発売からすっかり時間が経ってしまいましたが、フェニーチェに目を通していきましょう。



 頭部は基本的にウイングガンダムと同等の構成ですが、頬ガードの後ろに耳パーツを取り付けてあります。長いを付けることで右側の欠損を強調する狙いがあるのでしょう。ボーナスパーツとして欠損してない右側パーツが付いてても良かったかな。アンテナも右側が欠損した新規パーツを取り付けます。これも欠損を強調すべく、元キットより大型化していますね。折れた部分の断面は金属色で塗るべきか、それとも元キットの成形色で塗るべきか迷う所です。



 ボディは、色替えの都合でウエスト上部に同形同色の新規パーツを採用していますが、基本的に変更有りません。日の丸モチーフであるサーチアイもそのままですが、代わりに左右別色のツインアイ(目)がイタリアらしい配色になってるという事で。こちらはシールで対応しています。



 に変更は有りませんが、リアスカート表面のフタパーツに飾り台取り付け穴が隠してある事を覚えておくと、ディスプレイの時に役立ちますよ。バードモードに変形しないため、説明書では特に触れていませんけど。



 です。モモ、ヒザは変形機構も含めて変更無し。スネは、ウイングガンダムと共通の本体に新規ヒザアーマーを取り付けます。左右別個のデザインで、前面スラスターは廃止。と見せかけて、右ヒザの下のスキマや左ヒザのスリットがスラスターなのかも知れませんが。

 足首アーマーは、前面にスラスターかも知れないスリットが入った新規デザイン。ここにグリーンを置きたいとか、カラーリング的な狙いも有って生じた変更かも知れませんね。



 足首は、クツが新規デザインになっています。先端がこんな尖り方をしたデザインは新鮮ですね。装備より何より装飾の面からイメ−ジしていったと思われる機体だけに、ちょっとした所にも目新しさが盛り込んであって楽しいです。足裏には元キット同様の肉抜きが有りますが、フェリーニさん、改造する時、埋めても良かったと思いますよ?



 肩アーマーは左右別デザイン。どちらも肩ブロックをハサミ込んでの前後貼り合わせで、は密着する様に肩を覆ったデザイン。劇中では上面がビーム砲口になっている様でしたね。アーマー自体はあまり動かず、腕ごと可動するのは、ビーム砲の機構が腕内部に有るという想定なのかも。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 左肩アーマーはサイドアーマーをハサミ込んであり、この厚み部分のスリットにビームマントを取り付けられる様になっています。

 は、ランディングクローも含めて変更無し。手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属します。



 バックパックは、ウイングを2枚とも左側に装備するため、基部が新規パーツとなっています。ウイングは、2枚一体でスイング出来る基部パーツにピン接続。基部の途中にヒンジが有るので、2枚の角度を変える事も可能です。基部は左専用に設計されていますが、少し加工すれば右側にも取り付けられそう。(試していません。技量と相談の上、自己責任で行って下さい。)左右逆装備のサウスポー用(?)の機体や、キット2体分のパーツを使った4枚羽根の機体を作るのも楽しそうです。



 武装です。バスターライフルカスタムは、バスターライフルの銃身下部に小型ライフルを吊り下げたデザイン。黄色いクチバシパーツは使わず、その取付用の穴と突起を小型ライフルの着脱に利用しています。



 小型ライフルは、左右に可動するグリップをハサミ込んでの左右貼り合わせ。銃身下部にはクチバシに相当する部分が有り、色分けにはシールで対応しています。バスターライフルと一体化した状態ではこのグリップがフォアグリップとなり、本家ウイングガンダムでは出来なかった両手持ちが可能となります。



左右アンバランスなデザインですが、バスターライフルカスタムを背負った途端、左右のバランスが均衡するという面白さ。武器を収めた立ち姿でのカッコ良さも考えられています。

 バスターライフルカスタムは、グリップを差し込めるジョイントパーツを介して、背中右側にマウントが可能。本来はウイングを取り付ける箇所ですが、ガンダムX風のハードポイントにしてしまったアイデアは面白いですね。ピン径が共通なら他の機体と武器交換も楽しめるハズ。また、ライフルを逆に差し込めば、ガンキャノン風のショルダーキャノンにもなりますよ。(設定には有りませんが。)



同様に、小型ライフルを肩に装備する事も出来ますよ。

 ビームレイピアは、2パーツ重ねたツバとグリップの3パーツ構成。ツバの途中が細くなっているのは、ここをホルダーで掴んで前腕にマウントするためです。ホルダーは前腕の段差部分に引っ掛けて接続、取り付け穴を必要としません。マウント状態で前を向いたグリップエンドはビーム砲として使える設定で、キットでも穴が開いています。クリアーのビーム刃は1本付属。ビームマントと同じランナーに含まれ、普段のビーム刃よりも硬質です。



 ビームマントは、左肩サイドアーマーの厚み部分に差し込んで取り付けるクリアパーツ。それなりに布っぽく折れ曲がった造形は、ビームシールドとは違った趣きが有りますね。プラフスキー粒子で再現されたビームエフェクトは外見もプラっぽくてこんな感じなんだろうと勝手に妄想するも良し。劇中では腕に纏って殴り合うといった使い方もしてましたね。



 組立時間は1時間でした。Wのオープニングを連想させる頭部のダメージ表現。全身のデザインも単に非対称にするのではなく、左側に突起物を集中し、右側に欠損と同様の印象を与えていて面白いですね。実は大型武器による重心の偏りを補正するカウンターウェイトであり、左に集中配置したウイングの推進力で、常にライフルを軸にした右旋回の機動を行うとか、そんな描写が有っても面白いんじゃないかと思っています。肩と言うか上半身の動きがウイングに対してフリーなので、空戦時の射撃精度は元となったウイングガンダムよりも高まってるんじゃないでしょうか。



 ところで、元作品の設定に手を加える事なくバリエーション展開を可能にした事は、ビルドファイターズの大きな功績の一つと言って良いでしょうね。バリエーション展開の予定を事前に組み込む事でマイナー機体の発売を可能にしたり開発費の回収を図っている事は皆さん感じておられると思いますが、これならワンオフの機体も形を変えて繰り返し発売出来る訳です。ウイングからフェニーチェを作りましょう、ではなく、すぐにフェニーチェを出すから今ウイングを出しましょう、と言う順番ですね。ここはガンプラビルダーズとの大きな違いだと思います。バーチャルでなくプラモ自体が動くという設定の見直しも含め、攻めの姿勢が見えて楽しいですね。

 2014.3.3 健 竹史

  

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