健さんの
プラモコラム

その443
 HGUC ドーベンウルフの巻

 HGUC 1/144 AMX−014
 ドーベンウルフ ユニコーンVer
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムUC」モビルスーツバリエーション
2013年8月発売 税別初出価格2200円



 先日メッサーラが出たばかりだと言うのに、またも大型MSがキット化です。ガーベラテトラも前後に長いし、大型MS好きとしては最近楽しくて仕方ありません。ひょっとしたら、これから平成ガンダムを一気に充実させるにあたり、事前に大型MSを充実させておく事でサイズバリエーションの豊富さを実感してもらおうという狙いが有るのかも知れません。ついでに、平成ガンダムが少しでも安く見えればいいなあといった思惑も(略)

 てな訳でドーベンウルフです。小型のサイコガンダムMk−Uを目指したというコンセプトは、後に小型のサイコガンダムを目指したガンダムMk−Vの設定に繋がり、ガンダムUCでは小型のクインマンサを目指したクシャトリヤのアイデアソースになっているんじゃないかと思います。小型化前と後の機体、なかなかHGUCで揃いませんねえ。いずれは並べてみたいものです。では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は、動力パイプやモノアイシールドを含めた芯パーツにマスクを被せ、ヘルメット、バイザー、後頭部、側頭部で覆う構成。アンテナは中央の2本を一体成形してあり上からセット、左右の2本は横から取り付けます。これだけ長いと安全突起も目立ちませんね。モノアイはシールで再現します。



 ボディは、メガ粒子砲を左右からハサミ込んだウエストを、前後から胸パーツで閉じ込めます。首もこの時にハサミ込み。上下スイングに対応したですが、頭のどこを持ったら良いのか迷いますね。アンテナは論外、マスクは外れると困るので、窮屈ですが後頭部を持つのが無難かな?



 脇ユニットは前後貼り合わせで、2軸可動で上と前にスイングする肩関節軸をハサミ込んであります。胸の横に接続する際には丸ピン2本が外装を貫通して、胸内部のウエストパーツに直結。せっかくの頑丈な接続ですが、ピンを1本カットすれば脇自体が可動式に・・・あるいは前へズラせるなあ・・・なんて考えてしまいます。オススメはしませんが。下面には隠しランチャーが仕込んであるという設定。箱状のシンプルなデザインなので、興味のある方は自作してみるのも良いでしょう。



 ウエストはボール接続。普段は左右回転のみですが、引き上げればヒネリも可能になります。

 は前後貼り合わせ。股関節は左右一体スイング式ですが、このタイプには珍しく、軸に角度が付けてあります。脚を少し開いた状態にサイドスカートの角度を合わるためですね。フンドシ下のスラスターやフンドシ前面、前部スラスターは別パーツを貼り込む構成。リアスカートは中央のヒンジ部分を色分けしてありますが、可動式にはなっていません。飾り台取り付け穴は、スラスター内に配置してあります。



 サイドスカートはワンパーツ成形で、側面にバーニアを取り付けます。モモ上部にピン接続してありますが、可動はガタつき程度。モモと一緒に動くという感じです。丸モールドはビームサーベルの先端で、ZZ版の設定画では、もっと上寄りに配置してあります。



 です。モモは、上部でヒネリを含む軸可動を行う方式。モモ本体はヒザ関節をハサミ込んでの前後貼り合わせです。意識して見ると、ガンダムっぽいモモですねー。



 ヒザは、ジョイントパーツを左右からハサミ込む構成で、ユニット内とスネ側で可動する二重関節になっています。後部の動力パイプは省略され、逆関節っぽかった配置も人間らしいストレートな物に変更。ガンダムMk−Vに近づける事を狙ったアレンジなのかも知れませんね。

 スネは、左右貼り合わせの内部フレームで、可動式のヒザアーマーと足首関節をハサミ込み。前部と後部左右の外装を貼り込み、フクラハギ両面にスラスターユニットを取り付けます。後部バーニアは、設定ではカカトの間に入るほど低い位置に描かれていますが、キットではフクラハギ中央に移動。角形スラスターフィンはポリキャップで可動します。



 フクラハギのスラスターは、キットでは内・外とも斜め後ろに向いていますが、ZZ版の設定画では内側のスラスターを下に向けた状態で描かれています。回転するという設定ですし気にする人も少ないでしょうが、上昇時にはココを使うのかな?なんて挙動を想像するのは楽しそうです。

 足首アーマーは、スネ内部フレームにC字形ヒンジで接続し、可動式。スネは、あんな先っぽまでフレームが詰まっているんですよ。足首関節はポリキャップをハサミ込んだ前後貼り合わせで、上で二軸可動、下でボール可動します。関節パーツは前後に長くし、ツマ先側にもカカト側にも荷重をかけて支えられる形にしてある様に見えます。さすが大型モデルです。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 足首は、左右貼り合わせのクルブシに、ワンパーツ成形のカカトを左右から貼り付け。カカトの内側はデザインに合わせた肉抜きが配置されています。ツマ先は本体と裏面の2パーツ構成で、クルブシにポリキャップ接続、カカトが持ち上がる方向に可動します。やはり足裏が全面再現されていると嬉しいですね。ガンダムMk−Vがドーベンウルフに偽装してるみたいな全周肉抜きもそれはそれで良・・・やっぱりいいや。

 ところで足首サイズは、近年の傾向に合わせてかなりコンパクトになっています。ドーベンウルフの場合は時代の傾向として大きく描かれたのではなくて、本当に大きいデザインなんだと思ってましたが、皆さんの感想はどうでしょう?例えばジオとかは、今後も今までと同じ足サイズで描かれるんじゃないかなと思っていて、ドーベンウルフもそっちに入る気がしてたんですが・・・この辺は全くの「感じ方の個人差」ですけどね。もっとも足が小さい方がポーズが決まりやすくなるのは確かで、大きな足のままなら関節に何らかの工夫が欲しくなりますね。



 肩アーマーは、肩関節軸を通す縦壁をヒンジにしてハネ上げる事が可能。前後面で箱状のスラスター、サイドアーマー、上面をハサミ込む組み立てです。スラスターは上面にフタをする2パーツ構成で可動式。サイドアーマーは偏向板を兼ねてるんでしょうね。前後の丸バーニアは、アーマー側の取付面を傾ける事で、バーニア自体は真っ直ぐに成形してあり、きれいな円形となっています。

 です。肩ブロックは前後貼り合わせですが、側面中央にわざわざフラットなパーツをハサミ込んであります。ここはZZ版では動力パイプが露出しており、発売時には差し替えになるんでしょうね。



HGUCジムスナイパーカスタムU(左:1/144)、MGジム改(右:1/100)との比較。大きいとは思ってましたが・・・大きいですね。

 上腕は筒状にワンパーツ成形。ヒジは、ポリキャップを組み込んだジョイントを左右からハサミ込む構成で、上下とも後ハメが可能です。前腕射出状態を再現する時は、リード線を通せる無可動のヒジ関節に交換。露出した隠し腕を再現する場合も、ヒジ関節を取り外して差し替えます。

 前腕は、手首のポリキャップ、ヒジ着脱用ポリキャップと、前後のスラスターをハサミ込んでの左右貼り合わせ。側面のラインは別パーツを貼り込んで色分けしてあります。ライン後端もスラスターなんですね。は前後面を別パーツ化して装飾をモールドで再現。色分けシールも付属します。



 手首は、左右のリアル穴開きゲンコツと平手、右の武器持ち手が付属。手の平にビーム発射口を装備した独特の形状となっています。デスティニーガンダムのご先祖様ですね。ジオングの様に指を5門のビーム砲にしていないのは、その方が小型化出来るから、であると同時に量産して大量投入出来る時代になったから、でもあるのかも知れませんね。



隠し腕と、分離した前腕。前腕は付属の飾り台に取り付ける他、無線サイコミュならばアクションベースも使用可能です。

 隠し腕は、隊長機がオールレンジ攻撃時に前腕を分離した時に露出する設定。3本のうち左右の指を横から丸ピンで取り付け、可動式にしてあります。このギミック、ジオでもやって欲しかったですね。ビームサーベルもしっかり保持出来ます。ヒジからまるごと交換しますが、ヒジ関節は外観重視のためか無可動となってます。手首のヒネリも無いので、上腕ごとヒネってポーズを調整しましょう。



 一般機用に、有線サイコミュを再現するリード線も付属します。この時ヒジ関節は無可動で穴の開いた物に交換、前腕にもフタ式の内部メカを取り付け、リード線で繋ぎます。隊長機・一般機どちらの場合も、ヒジ外装の厚み部分を掴ませる方式で取り付ける飾り台を使って、射出状態でのディスプレイが可能。安定感は最小限で、ベース部分はもうちょっと大きい方が良かったかも。底に重りを入れたり、一回り大きな底板を(いかにも最初からそうだったかの様に)プラ板で作って階段状に貼るとか、手を加えてやるのも良いかもです。



金属線を使用した射出シーンの再現例。1.0mm径ではガタガタだったので、1.2mmくらいの線が有ればフィットしそうです(未確認)。細めの線にセロテープを巻いて微調整すれば、キットの穴を傷めなくて良いかも。

 バックパックは、中央ユニットとその左右のインコムコンテナ、外側のバインダーで構成。中央ユニットは前後貼り合わせ。上下の角スラスターは一体成形のため、成形方向の制約から奥がすぼまった造形になっています。あまり気にならないし、むしろ奥行き感が出てカッコ良く感じます。



 インコムコンテナは前後貼り合わせ。インコムを保持するアームはスライドレールによる引き出し式ですが、組み立て時の安定を良くするためか、インコムをセットした状態で閉じ込めます。上部のアームは可動式。インコムコンテナは起き上がる様に回転し、バインダー先端のビームカノンが前方を狙える様に持ち上げるんですが、その際に前に倒れて肩をロックするのがこのアームです。このギミック、設定資料にも見当たらず劇中に登場したかも覚えてないんですが、旧キットの説明書でも「ランドセル水平固定アーム」と解説してありますね。

 バインダーは、外側外装をベースにして、ビームカノン砲口、ミサイル、ミサイルハッチ、スラスターアームを組み込み、内側外装とビームカノンメカ部で閉じ込めます。さらに外側にスラスターユニットとバーニアを取り付け。インコムコンテナとはボール接続してあります。



 武装です。ビームライフルは、左右貼り合わせの砲身で可動式グリップと砲口をハサミ込み。砲身は機関部でハサミ込まれ、前後にスライドします。機関部上面とセンサー面は別パーツを貼り付け。砲口カバーとフォアグリップはC字形ヒンジで可動、バイポッド(二脚)は開いた角度でワンパーツ成形してあり、差し替える事で展開と折り畳みを再現しています。



 後端にはスライド伸縮式のストック(コネクターのガード?)と、2本一体のコネクターがハサミ込んであります。ビームライフルを腹部メガ粒子砲に接続するとメガランチャーとして使える設定で、この時グリップは折り畳まれ、砲身は伸び、砲口のカバーが展開、左右のフォアフリップを引き出し両手で構えます。ストックは旧キットよりしっかり縮み、コネクターが完全に露出するので、接続がより頑丈になりました。腹の左右に被さる、一体感の高さも良いですね。



 注目したいのが、可動グリップを砲身に取り付けてある点。このテのギミックでは2モードを再現するのに伸縮させるのを忘れる事が良くあるんですけど、伸ばしたまま手に持たせようとするとグリップがはるか前方にあるため、縮ませ忘れてる事に自然と気付く訳です。

 また、MS本体の胸の前後幅が旧キットに比べて詰めてあるのは、メガランチャー状態での両手持ちがより自然に行える様にという配慮も有っての事なんでしょうね。引き出し関節に頼っていないので、構え方が自然です。



 インコムは2パーツ貼り合わせ式。説明書では特に触れていませんが、インコムと保持アームにはリード線と同径の穴が開いているので、射出状態を再現可能です。実際はリード線で重さを支える事は難しく、また直線的に伸びる印象が強い事からも、金属線を用意して使うのが良いと思われます。



1.0mm径の金属線を使った射出シーンの再現例。やはり、もう少し太い線の方がフィットしそうです。

 対艦ミサイルは、筒状の2パーツを連結。C字形のツメでランドセル水平固定アームに引っ掛けるホルダーパーツが付属し、これに後端を差し込む事で装備します。

 ビームサーベルは、グリップとビーム発生部を連結する2パーツ構成。サイドスカートの前後幅とほぼ同じ長さに造形してあり、まずまずの統一感です。クリアーのビーム刃が2本付属します。



 組立時間は1時間40分でした。バーニア内部等の色分けはシールに任せて、HG相応のパーツ点数をギミックに割り振ってある感じですね。武器に動きが有って楽しいキットです。



旧1/144キット(右)との比較。

 今後の展開ですが、ランナーには胸板・袖口といった袖付き独特の部分以外にも切り替えが多数用意されており、ZZ版が発売されれば細部の違いを楽しめるキットになりそうです。後期仕様と思われるユニコーンVerで動力パイプが収納式になってるとか、違いの付け方がザクっぽくてニヤリとさせられますね。となると、袖付きに参加する以前の後期ドーベンウルフなんてのもデッチ上げて楽しめそうです。バリエーション展開の有り方として、今後の手本になるキットかも知れません。

 2013.9.12 健 竹史

  

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